東方茨歌仙

 
*東方茨歌仙を捏ね繰り回す頁。
 それはもう無粋なほどに。

最終更新日2011年12月11日、第六話〜8話を追加、第二話に追記
  
更新履歴: 2011年8月28日、第三話〜第五話を追加
         2011年8月17日、コーナー開設、第一話〜第二話を追加

 

* 東方茨歌仙 〜 Wild and Horned Hermit.
 とうほういばらかせん 〜 ワイルド・アンド・ホーンド・ハーミット
 
 博麗神社を中心に、霊夢&魔理沙コンビに謎の仙人(?)・茨木華扇を交え、
 幻想郷のとある日常が描かれる。
 東方儚月抄小説版を連載した季刊誌 「キャラ☆メル」 が
 隔月誌 「キャラ☆メル Febri」 として復活し送る漫画作品。

 

* 茨歌仙
 
 ・茨
   「1) とげのある小木の総称。
    2) (「薔薇」とも書く) 野生のバラ類の総称。「茨の花」 は夏の季語。
    3) 植物のとげ・はり。」
 ・歌仙
   「和歌に秀でた人。六歌仙・三十六歌仙など。」
 
 連載前の仮タイトルは 「東方茨牡丹」 であったが、
 一迅社ホームページによれば、「牡丹」 の語呂が悪く、
 「茨」 を残し 「仙」 を入れたいというZUN氏の意向から正式決定に至った模様。
 
 茨は茨木華扇の命名元ネタと考えられる鬼の名、茨木童子から、
 仙は仙人キャラとしての華扇からと考えられる。
 仙人は妖怪に狙われるだけでなく、長寿を得る為に地獄からの使者を追い返すことが
 「東方求聞史紀」 に記されている。
 地獄からの使者と言えば死神であり、小野塚小町が該当する。
 天人である比那名居天子との緋想天での会話も思い起こされよう。
 小野塚小町と言えば、六歌仙・三十六歌仙に数えられる小野小町であり、
 こちらが歌仙に当てはまる。
 茨木華扇と小野塚小町の邂逅は作中シーンにもあり、
 小町が華扇の正体を知っていそうであることもキーポイントであろう。
 
   参考
   「広辞苑 第五版」(茨、歌仙)
   「一迅社WEB」> Febri > 2010年7月1日

 

* 茨牡丹
 
 いばらぼたん
 連載前仮タイトル。経緯は上述。
 
 牡丹は語呂が悪いというよりも
 鳥や獣のオスの意の牡の字が含まれるため敬遠されたか。
 
 丹の字は仙丹、すなわち不老不死の霊薬からと考えられ、
 最終的には仙の字が採用されたのと同じ動機からきたものであろう。
 また、茨牡丹は庚申薔薇の中部地方での異称である。
 四季を通じて花を開くが、干支の一つの庚申 (かのえさる) の日のある月、
 すなわち六十日に一度は花が咲くとされたことに由来する名のバラ科植物である。
 庚申と言えば、庚申会、庚申講、庚申待で知られる習俗が挙げられる。
 身体に宿る三尸 (さんし) という虫が宿主の罪を上帝に報告し
 罪状に応じて宿主の寿命が縮められる、
 その三尸が身体を抜け出すのが庚申の夜の宿主の睡眠中だとされたため、
 長寿延命を図るために三尸が抜け出さないように徹夜するのが庚申待である。
 「茨牡丹」 であれば、茨木童子、仙丹、二か月に一度刊行される雑誌、
 長寿延命の庚申講に一度にリンクできるものであったと言える。
 
   参考
   「広辞苑 第五版」
   「花の名前」 高橋順子著、小学館 (庚申薔薇)
   「塗仏の宴 宴の支度」 京極夏彦著、講談社文庫 (しょうけら)

 

* Wild and Horned Hermit
 
 「荒唐と有角の仙人」
 ワイルドの意はひとまず仮。
 鬼の荒々しい性質とか、過去を引きずって荒んでるとか、
 茨牡丹=庚申薔薇から庚申や荒神と発展の余地はまだまだあるので。
 horned の訳は第一話タイトルや二つ名から。
 hermit は世捨て人、隠遁者の意の単語で、
 "mountain hermits" で仙人になるようなので、そのまま仙人とした。
 
   参考
   「SPACE ALC

 

 

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