第五話 仙人の本分
* 初出: キャラ☆メル Febri
Vol.05 (2011年3月28日発売)
* 最終更新日: 2011年8月28日、ザッカンを新規ページとしてまとめ直し 更新履歴: 2011年5月6日、TOPページにザッカンとして更新
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今回の華扇さん 欲が暴走し始めた霊夢に仙人の能力の悪用を企てられるが、 山間に響き渡る一喝とともに龍の子どもを召喚し霊夢を拉致、 山の動物達を使役して霊夢にみっちりと修行を施す。 動物、それも龍の子どもや大鵬といった伝説の大型動物も操れることが判明する。 第一話の小鳥も同じ能力による使役か。 今回も監視役の小町とやり取りがあるが、取り敢えず邪魔はしないとの小町の発現からは 仙人のような行ないがあったからか、第三話であったような警告段階よりは和らぎ 基本的な監視体制のみに落ち着いたのではないかと思われる。 なお、今回は仙人である自分が―と発言している。
* ダービーとビーバー 「ダービーじゃなくて…」、「ビーバーの事ですか?」
と、 なぜかビーバーが思い出せずにダービーという単語が出てくる。 これを深読みすると、「ジョジョの奇妙な冒険」
を想起してしまう。 ギャンブラーのダービーに対して対戦者のジョセフ・ジョースターが 意図的に名前を間違えることで挑発した一シーンである。 「『表面張力』
というのを知っているかね? バービーくん」 「ダービーです… わたしの名はダービー」 関連は不明。 ビーバーは木を噛み倒してダムを作り、その中の巣で生活する生物。 北米や北欧からシベリア、中国北部に分布する。日本には棲息しない。 参考 「ジョジョの奇妙な冒険 14」 荒木飛呂彦著、集英社文庫 「広辞苑
第五版」(ビーバー)
* ギーク geek ・・・
「(ある分野の)マニア、おたく」 アメリカの俗語で卓越した知識があるということを指す語であるようだ。 マニア、オタクと訳されるが、サブカルチャーのオタクではなく 技術オタクという意味合いに近いとされる。 エンジニアの河童にマッチしている。 参考 「SPACE ALC」
(geek) 「Wikipedia」(ギーク)
* 仙人芸 仙人の特殊能力を披露して客寄せにと提案する霊夢。 仙人芸は名人芸 (名人のみが成しうる高度の技芸)
のもじりだろうか。 職人芸とか素人芸とか。 一人で幾人もの声色や八人役の鳴物を演じる芸である八人芸とか。 参考 「広辞苑
第五版」(名人芸、八人芸)
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お得意の動物たちを使って 華扇の実体の無い右腕から怪しげな煙が発生すると 龍の子供が雷雨とともに召喚され、続いて巨鳥が飛来した。 東方三月精の虹と龍の話も踏まえれば、 雷雨は華扇の術ではなく龍に付帯するものなのだろう。 巨鳥の方は、一迅社の東方茨歌仙紹介ページによれば大鵬であるらしい。 大鵬は荘子の逍遥遊篇に見られる想像上の大鳥である。 東方非想天則において美鈴のスペル名に登場する。 その後の修行
(動物園修行)
では猿、蛇、何らかの鳥も確認できる。 華扇の能力と思われるが、動物操作が華扇の能力なのか、 それとも仙術の一環にすぎないのかは不明。 本人もいろいろ出来ると言っているし。 一方で、動物を使う事は華扇の得意とする技でありそうと 小町のセリフからは読み取れる。 仙人は深山幽谷に暮らす自然との一体化や 仙術などの不思議な術のイメージがあり、動物操作との相性が良いのかもしれない。 列仙伝や神仙伝を当たっても、霊獣や猛獣を出現させたり 自由自在に操る仙人は数多く見受けられるようである。 参考 「広辞苑
第五版」(大鵬) 「一迅社WEB」>東方茨歌仙 「列仙伝・神仙伝」 平凡社ライブラリー
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