第六話 雷の持つ見えない毒
* 初出: キャラ☆メル Febri
Vol.06 (2011年5月25日発売)
* 最終更新日: 2011年12月11日、ザッカンを新規ページとしてまとめ直し 更新履歴: 2011年5月29日、TOPページにザッカンとして更新
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今回の華扇さん 以前に神社近くで手懐けペットとしていた雷獣が、 しばらく構っていない間にへそを曲げていた。 雷獣はひどい雷雨を起こして広範囲に影響を及ぼした上に、 遭遇した霊夢&魔理沙は雷獣の毒ですっかり腑抜けになってしまう。 華扇はこっそり雷獣を回収し、対処法を授けつつ エネルギーの恩恵とリスクを説いたのだった。
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鯉のぼりの鯉が龍になったのかも 竜門を越えた鯉が龍となる、登竜門の故事より。 第4話でも鯉の滝登りの話題があった。 第5話の龍の子どもの出現でも強烈な雷雨に見舞われたが、 龍と雷雨の関係は東方求聞史紀などで触れられている。 鯉のぼりは作中の季節を示唆か。
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雷獣 日本の妖怪。 雷と一緒に天から駆け下りてくるといわれた動物で、 爪跡が落雷した立ち木に残っていると言い伝えられている。 身体特徴は文献によって異なるが、 簡単にまとめるならば、約60cm前後の大きさで小犬または狸に似て、 尾が二十数cm、鋭い爪を有する動物といったところか。 「雷獣の毒は現れる時の雷にあり」 「その雷に気を取られると廃忘して痴にいたる」 「特効薬は玉蜀黍 それを細かく砕いて飲めば立ち所に快復するでしょう」 「雷獣はトウモロコシが主食」 といった記述が為されているが、これらは「甲子夜話」に由来している。 「雷の落ちたるとき、その気に犯されたる者は、癈忘して遂に痴となり、 医者験
(しるし)
なき者多し。然るに玉蜀黍の実を服すれば忽ち愈ゆ。 或年高松侯の厩に震して馬うたれ死す。中間 (ちゅうげん)
は乃ち 癈忘して痴となる。侯の画工石膓と云ふものは、文晁の門人なり。 来りてこれを晁に告ぐ。晁因て玉蜀黍を細剉 (さいざ)
して与ふるに、 一服して立ちどころに平愈す。また後晁本郷に雷獣を畜ふものありと聞き、 その貌を真写せんとして彼しこに抵り就て写す。時に畜主に問ふ。 この獣を養ふこと何年ぞ。答ふ、二三年に及ぶ。また問ふ、何をか食せしむ。 答ふ、好んで蜀黍を喰ふと。」 (柴田宵曲編、ちくま学芸文庫刊、「奇談異聞辞典」
より)
参考 「日本妖怪大事典」 (雷獣) 水木しげる画、村上健司著編著、角川書店 「奇談異聞辞典」 (雷獣)
柴田宵曲編、ちくま学芸文庫 ※ 奇談異聞辞典に出会えたのは、アルム=バンド氏が別件の元ネタで 「四不語録」を紹介下さったことが切っ掛けとなりました。 この場で改めて謝意を示させて頂きます。
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神社の裏の大木に落雷 三月精SBND3巻収録第21話参照。 この時の落雷は実は雷獣が神社で暴れていたせいで、 それを華扇が見つけて雷獣を捕獲しペットとした、とのこと。
* 電気の獣 電気の獣と聞いての早苗の連想は、 電気ウナギ、電気ナマズ、そして、電気ネズミ (ピカチュウ)
であった。
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恩恵とリスク 「リスクのない恩恵なんてこの世には無いのです」 「電気のような高度な恩恵を得たければ かなり大きなリスクを負うのは当然です」 今回の震災で実感した方も多いと思われる。 失って、あるいは脅かされて気付くその恩恵。 電気、ガス、上下水道、通信、空調、食料品、交通網… 無くてはならないものとして、しかし、既にあって当然のものとして定着する程に それら恩恵の源や維持管理コスト、そしてリスクへの意識は低下してしまう。 自然環境も同様であろう。 (元ネタではないですが、本話の主題に原発事故ならびにエネルギー問題が 密接であると感じ、記述させて頂きました)
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焼きもろこし 早苗持参の卓上コンロにて焼きもろこしづくり。 ちなみに、東方非想天則・早苗EDでも早苗はトウモロコシを食している。 ZUN氏の指定であるかは不明。
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