第7話 本物の福の神
* 従来通りならば 「第七話」
の表記だが、雑誌掲載版に準じて 「第7話」 としています。
* 初出: キャラ☆メル Febri Vol.07 (2011年7月25日発売)
* 最終更新日: 2011年12月11日、ザッカンを新規ページとしてまとめ直し 更新履歴: 2011年8月1日、TOPページにザッカンとして更新
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今回の華扇さん 博麗神社にて、里に現れるという福の神の情報を聞きつけ 人間の里において真偽のほどを確かめる。 人々から情報を収集して福の神そのものの正体を追おうとした魔理沙に対し、 華扇は福の神の噂そのものを疑問視し、人々や店の様子を実地検証、 客観的に福の神の正体に迫った。 行動としては人間の里で繁盛していない団子屋に入店し 団子とお茶を味わった程度。 神社へのお土産に多くの団子を持ち帰った。
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座敷童の亜種 座敷わらしは岩手県を中心とした東北地方でいわれる妖怪だが、 類似の特性をもつ妖怪は全国に分布し、地方によって異なった呼び名と言い伝えがある。 ここでの座敷わらしは、「遠野物語」
で見られるような、 座敷わらしが住みついた家は繁栄する、という性質を指すだろう。 (ただし、居なくなればその家は没落する)。 「住みついた」
ではなく 「立ち寄った」
という魔理沙の表現から、 霊夢は亜種としたのだろう。 なお、わらしとは東北地方で子どもやわらべを言う語である。 参考 「日本妖怪大事典」
水木しげる画、村上健司編著、角川書店 「広辞苑 第五版」 (座敷童、わらし)
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ヤクザ 「新しい敵を見つけて我が物で退治して いちゃもん付けてショバ代を勝ち取ってくる」 霊夢の所業を、華扇はヤクザになぞらえた。 「我が物」 は自分の所有物の意だが、 いかにも自分の所有物だというような顔つきや態度の意の
「我が物顔」 の誤植か。 「ショバ代」
は場所代の隠語。ショバが稼ぎ場所の意で、露店などの商売の場所。 区割りなどの秩序維持を行なう上部団体に支払う上納金がショバ代である。 参考 「広辞苑 第五版」
(我が物、我が物顔) 「日本語俗語辞書」 (ショバ代)
* 祟り神 祟り神はケロちゃんの方。 祟符「ミシャグジさま」 や 祟り神「赤口(ミシャグチ)さま」
のスペルを持つ。 諏訪大社に保管されている鉄鐸・サナギ鈴については、 大祝の代理となる神使がタタエ (湛)
神事にて、 各地のミシャグジの地において人々を集め鉄鐸を鳴らし神事を行なったとみられている。 鉄鐸を鳴らすのは誓約のしるしとされる。 各地のタタエにミシャグジ神を降ろし、ミシャグジ神のもとで約束の鈴を鳴らすのは 土地の豊穣に対し御礼として農作物の何割かを貢上する約束とみられる。 違約のあるときはミシャグジ神のタタリがあると信じられてきたそうである。 参考 「神長官 守矢史料館のしおり」
茅野市神長官守矢史料館
* 福助人形 福助人形あるいは叶福助 (かのうふくすけ)
は福の神の人形。 背が低く頭が非常に大きい男性型の、幸福招来の縁起人形。 ちょんまげを結い上下かみしもをつけて正座する。 江戸時代以降、諸願を叶えるとして、茶屋・遊女屋その他水商売の家などで祀った。 本話では福助人形と仙台四郎が似ていると言及があり、 仙台四郎の人形やイラストの話題のコマも福助人形が描かれるが、 商売繁盛のお守りとなる性質以外はあまり似てはいない。 参考 「広辞苑 第五版」
(福助人形) 「Wikipedia」 (福助人形、仙台四郎) 「三瀧山不動院」 > 仙臺四郎
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仙台四郎 仙台四郎については本編で全て解説されているため、そちらを参照されたい。 仙台四郎は1990年代など全国的なブームになったこともあるようで、 守矢神社にあっても不思議ではないと言えそう。 参考 「Wikipedia」
(仙台四郎) 「神秘家列伝其ノ四」 水木しげる著、角川文庫
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ミシュ○ンの人 ミシュランはタイヤメーカーながら、旅行ガイドブックを出版しており、 代表的な物はレストランの評価を星の数で表したガイドブックである。 近年、首都圏と京阪神圏を扱った日本版がリリースされたことは記憶に新しい。 ミシュランガイドに載ることで客が集まり繁盛することと 今回の福の神現象を結びつけている。 参考 「Wikipedia」
(ミシュラン)
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