幺樂団の歴史 東方封魔録
東方封魔録 〜 the Story of Eastern
Wonderland
第三弾は東方封魔録。
東方ProjectのWINDOWS版第三弾、東方永夜抄との対比か。
と言っても、他作品に比べ対比要素が少ないのは消去法だからか。
封魔録の恋色マジックと永夜抄の恋色マスタースパークくらい。
ジャケットイラストでは妖夢の半霊じみた霊体が阿求に付随する。
永夜抄の人妖ペアを彷彿とさせるか。
Special
Thanks! (以下全般に亘ってお世話になりました)
「幻想情報局 −イザヨイネット−」様 >
会話:東方封魔録
東方封魔録 〜
浄土曼荼羅
とうほうふうまろく 〜
じょうどまんだら。
東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland
のタイトル曲。
・浄土曼荼羅
「浄土変相の別称。特に、阿弥陀如来の極楽浄土の変相についていう。
当麻・智光・清海の浄土三曼荼羅が著名」
・浄土変相
「諸仏の浄土の有様を描いた図絵。極楽浄土変相・薬師浄土変相・
霊山浄土変相・盧舎那浄土変相などがある。浄土変」
封魔はファンタジー等で散見される語。
封魔録は魔を封ずることの記録か。
浄土曼荼羅は阿弥陀如来の極楽浄土のイメージを具体的に表現したもの。
中国では浄土変相図と称される。
姫神のアルバムならびに収録曲に
「浄土曼荼羅」(1995年) がある。
参考
「広辞苑 第五版」 (浄土曼荼羅、浄土変相)
「Wikipedia」 (曼荼羅)
博麗 〜 Eastern
Wind
はくれい 〜
イースタン・ウィンド。
STAGE1 (紫野 〜 Purple Dawn) 道中曲。
・eastern
wind
「東風」
Eastern Wind.
「東風」
ひがしかぜ、とうふうと読めば単に東から吹く風。
こちと読めば、特に春に吹く東風を言うことが多い。
博麗の名を冠していることだし、春薫る東風か。
シューティングゲームとしては最初の作品であるところの第一ステージということで、
東方世界にて波乱の一翼を担う巫女の騒動劇、といった意味合いから東方の風か。
ステージタイトル、「紫野 〜
Purple Dawn」 は、
服部克久の 「音楽畑7 Arc en Ciel」(1990年)
収録曲に由来。
姫神の 「奥の細道」(1981年) 収録曲にも 「紫野」 がある。
紫野
(むらさきの) は京都市北区大徳寺付近一帯。もと洛北七野の一つ。
英題、パープル・ドーンは紫色の夜明けの意。
参考
「広辞苑 第五版」 (紫野)
「SPACE ALC」 (eastern wind)
「風の名前」
高橋純子文、佐藤秀明写真、小学館刊
She's in a
temper!!
シィズ・イン・ア・テンパー!!
STAGE1ボス、里香のテーマ曲。
・temper
「気分、機嫌、気質、気性、性質」
・in
a
temper
「カッとなって、短気を起こして、怒って、腹立ち紛れに、躍起になって、激高して」
She's
in a
temper!!
「癇癪を起こしている!」
一面ボスなので、怒っても大したことはなさそうである。
むしろ
「テンパってる!!」 かもしれない。
EXTRA に持ち込める余力があるので、そんなこともないか。
参考
「SPACE ALC」
(temper, in a temper)
End of
Daylight
エンド・オブ・デイライト。
STAGE2 (雷獣 〜 Midnight Rainstorm)
道中曲。
・daylight
「日光、昼の光、夜明け、昼の明かり、昼光、彩光、すき間」
End
of
Daylight.
「日没」
昼と夜の境界。夕刻。
人の顔の見分けが付きにくくなる時分、黄昏時。
魔の蔓延る禍いの時刻、逢魔が時。
ステージタイトル、雷獣
(らいじゅう)
は想像上の怪物。
雷の時に空を駆け回り、雷とともに天から駆け下りてくるとされた動物で、
樹木を裂き人畜を害するとされる。
英題、ミッドナイト・レインストームは真夜中の暴風雨の意。
参考
「広辞苑 第五版」 (雷獣)
「SPACE ALC」 (daylight)
「日本妖怪大事典」
村上健司編著、水木しげる画、角川書店刊
やみのちから
STAGE2のボス、明羅のテーマ曲。
闇の力。
フォースの暗黒面とかでは無い。たぶん。
幻夢界
げんむかい。
STAGE3 (紅夢 〜 Scarlet Dream)
道中曲。
・幻夢
「ゆめまぼろし。また、はかないことをいう。夢幻」
幻夢界は異界を繋ぐ境界。
東方怪綺談の夢幻時空と類似の亜空間なのであろう。
玄爺 「ここは幻夢界、魔界と現世の狭間ですよ。
決して宇宙ではないので呼吸はできますよ。」
特撮ものの 「宇宙刑事シャリバン」
では魔怪獣の戦闘空間として、
「魔物ハンター妖子」 のゲーム版では異世界の名称に、
それぞれ 「幻夢界」
が用いられているが、いずれも関連は不明。
ステージタイトル、「紅夢 〜 Scarlet
Dream」 は、
服部克久の 「音楽畑7 Arc en Ciel」(1990年)
収録曲に由来。
同曲のライナーノーツにちなんだステージタイトルか。
「中国と紅(あか)は切っても切り離せない。
(中略)
僕の中国は遠く紅い霧の中にボヤーッと、何だかあんまり実体の無いまま、
ただなつかしく夢の様に浮かんでいる。」
参考
「広辞苑 第五版」 (幻夢)
「服部克久ホームページ」>Works >音楽畑7
死を賭して
しをとして。
STAGE3のボス戦のテーマ曲。
・賭する
「かけごとに出す。かけものにする。かける。
大切なものをある物事の犠牲に供する。なげだす」
生死を賭けた闘い。
死闘。
ゲーム
「ドランゴンクエストU 悪霊の神々」 における
ラスボスのテーマ曲が同名である。
関連は不明。
参考
「広辞苑 第五版」 (賭する)
ひもろぎ、むらさきにもえ
STAGE4 (霊魔 〜 Revengeful
Ghost)
道中曲。
・ひもろぎ【神籬】
「往古、神霊が宿っていると考えた山・森・老木などの周囲に
常磐木を植えめぐらし、玉垣で囲んで神聖を保ったところ。
後には、室内・庭上に常磐木を立て、
これを神の宿る所として神籬と呼んだ。
現在、普通の形式は、下に荒薦を敷き、八脚案を置き、
さらに枠を組んで中央に榊の枝を立て、木綿と垂とを取り付ける。ひぼろぎ。」
神籬
(ひもろぎ)
は古代より見られる、
神の座として神霊を降ろし迎える依代とするため
神聖視される場所に立てられた植物を言う。
一般に神社が社殿を伴わない原初形態であった頃から
祭りのたびに神霊を迎えるため臨時に設けられたとされている。
中央に立てた榊に幣をとりつけ、
それを囲む四隅に青竹、榊などを立て、注連縄を四角に廻らし
神の依代として神を迎え祭りをする対象とする。
上述の様に、下部に荒薦を敷き、その上に八脚案を置き、
その上に枠を組んで中央と四隅に柱を立てた物に注連縄を張り、榊を立てる形式もある。
紫は高貴な色であるが、
ここでは、黄昏または暁の境界時間の光を浴び輝く様子を
紫に燃えるとしたものだろうか。
元ネタは、姫神の
「姫神伝説」(1983年) の収録曲、
「桐の花、むらさきに燃え」
であろう。
元ネタの元ネタは、宮沢賢治の
「文語詩稿 一百篇」 における一篇、「公子」 である。
桐群に臘の花洽ち、 雲ははや夏を鋳そめぬ。
熱はてし身をあざらけく、 軟風のきみにかぐへる。
しかもあれ師はいましめて、点竄の術得よといふ。
桐の花むらさきに燃え、 夏の雲遠くながるゝ。
ステージタイトル、霊魔
(れいま) は
魅魔を指して、「魔なる霊」
を靈夢に掛けて表記したものだろうか。
また、今回の目的地は幻夢界の靈魔殿である。
英題、リヴェンジフル・ゴーストは
直訳で復讐心に燃えた幽霊。すなわち、怨霊とか悪霊。
こちらも魅魔を指す。
Revengeful
Ghost は、東方靈異伝での魅魔の二つ名であった。
参考
「広辞苑 第五版」 (神籬)
「[縮刷版] 神道事典」 弘文堂
「青空文庫」>宮沢賢治 >文語詩稿 一百篇
恋色マジック
こいいろマジック。
STAGE4のボス、魔理沙のテーマ曲。
恋色の魔法。
色恋と言えば
「色情と恋愛。男女の情愛」 の意味。
色にも 「色情。欲情。情事。情人。恋人。色男。色女」
などの意味もある。
また、色といっても、「色に出にけり我が恋は」
の様に、
心の中の恋心が表情や態度、雰囲気として現れる様子や、
もっと大雑把に恋の雰囲気くらいを指すのだろう。
恋もしばしば、魔法にかかったかのように、などと例えられたりする。
少女漫画などに
「恋色」 をタイトルに含むものがいくつか知られる他、
「なな色マジック」(あさぎり夕)、「夢色マジック」(菊川近子)
がある。
また、楽曲等でも 「恋色」 の語は散見されるが、
いずれも関連は不明。
参考
「広辞苑 第五版」 (色恋、色)
東方封魔録 〜
幽幻乱舞
とうほうふうまろく 〜
ゆうげんらんぶ。
STAGE5 (封魔 〜 東方封魔録 and ...)
道中曲。
・幽
「かすか。くらい。奥深い。ひっそりとかくれている。冥土。あの世。死後の世界」
・幻
「まぼろし。実在しないのに、あるかのように見えるもの。人の目をくらます」
ゲームタイトルを冠する曲の一つ。
(他方はタイトル曲の東方封魔録 〜
浄土曼荼羅)
幽幻は幽かな幻を言うだろうか。
幽霊、幽体としての魅魔を指し、
ラスボスとしてその強大な力を発揮し舞う様を表している
といったところか。
ステージタイトルは同じくゲームタイトルの東方封魔録より。
封魔は目的にすぎないか、あるいは、魅魔を撃破し結果となるか。
東方封魔録、そして・・・
参考
「広辞苑 第五版」 (幽、幻)
Complete
Darkness
コンプリート・ダークネス。
STAGE5のボス、魅魔のテーマ曲。
・complete
darkness
「真っ暗闇」
Complete
Darkness.
「真っ暗闇」
直訳で完全なる闇。
真っ暗闇。
この世ならざる幻夢界の
靈魔殿に君臨する悪霊とのラストバトル。
参考
「SPACE ALC」
(complete darkness)
エキストララブ
EXTRA STAGE (異空 〜 for Lunatic
Gamers)
道中曲。
・extra
「余分な、必要以上の、追加の。特上の、極上の。割増の、追加の」
・lab
「研究室」
・love
「愛、愛情。恋、恋愛。いとしい人、恋人。情事。愛着」
・rub
「摩擦。困難」
Extra
Lab.
「追加の研究所」
戦車技師・里香と飛行型戦車・イビルアイΣ。
STAGE1撃破後に里香を靈夢が追跡していたならば
予め用意されていた追加の本STAGEに誘い込まれていたようだ。
Extra
Love.
「特別の愛」
それは、イビルアイ。(違う)
ZUN氏のプレイヤーに対する愛。
Extra
Rub.
「特別の困難」
おまけのステージは1ステージながら
難度は高い。
ステージタイトルの異空は異なる空。
異なる空間、あるいは普通でない空。
攻撃は激しいし、飛行型戦車が浮かぶ。
英題、フォー・ルナティク・ゲーマーズは
ゲーム狂に捧ぐ、とか、気が触れたヒト向け、あたりの意。
参考
「SPACE ALC」
(extra, lab, love, rub)
戦車むすめのみるゆめ
せんしゃむすめのみるゆめ。
EXTRA STAGE
のボス、里香のテーマ曲。
戦車むすめとは、戦車技師の里香。
遠野の森
とおののもり。
エンディングの曲。
遠野は岩手県遠野市の遠野。
柳田國男の
「遠野物語」 などで有名である。
怪異・怪談・妖怪・神様の説話が織り成す神秘と民俗の郷。
昔話わんだーらんど
むかしばなしわんだーらんど。
スタッフロールのテーマ。
拡大解釈で 「遠野の森」
と似た様なイメージか。
前者に比べ、少女達の非現実世界要素が
幼くコミカルに加味されているといったところ。
博麗神社境内
はくれいじんじゃけいだい。
STAGE1道中用だったが没となった曲。
舞台に合わせた曲のタイトル。
陽落ちて
ひおちて。
STAGE2道中用だったが没となった曲。
採用された道中曲 「End
of Daylight」 と同義。
情景に合わせた曲のタイトル。
封魔終演
ふうましゅうえん。
スタッフロール用だったが没となった曲。
魔を封じ、一件落着(かな?)。
封魔録の幕が降りる。