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            明石散人作品とZUN氏作品  

 
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「築地の男」 あるいは 「明石先生」 としてある界隈では有名な作家、明石散人。
彼の著書にはZUN氏が元ネタとした要素が多く、すなわち、
明石散人の著書はZUN氏のネタ元の1つと考えられた。
以下に、明石散人作品ごとに関連するZUN氏作品をピックアップして示す。
中には単に単語レベルの物もあるが、ネタ元となった可能性も
まぁ、無いことは無いだろうと、敢えて取り上げている。

明石散人作品の形態やリリース日はAmazon.netの検索結果より引いている。
「日本史千里眼」だけ関連作品が異なる可能性があるが(2作品を1つにしたのかも?)、
未確認であるためこれについてだけは適当に置いている。
また、私は基本的に文庫版を読み、文庫版がない場合に単行本に手を出している。
引用文や章立てなど、文庫版と単行本で異なるおそれがあることはご了承頂きたい。

なお、以下はZUN氏が丸パクリをしたと述べているわけではない。
構成上示しにくくなってしまったのでここで書かせて頂くが、
香霖堂の「15」の話などは明石作品に見られた13・14・15の記述から
円に接続する部分のみを抽出し、別の箇所にある15の記述と、
さらに森博嗣の「すべてがFになる」とを合成した形となっている。
ZUN氏作品と明石散人作品、あるいは他のネタ元作品を
実際にお読み頂ければ理解頂けることと期待する。

 

東洲斎写楽はもういない 明石散人
佐々木幹雄
単行本 1990年10月
東洲斎写楽はもういない 明石散人
佐々木幹雄
文庫 1993年9月
東洲斎写楽はもういない 明石散人
佐々木幹雄
単行本 2010年12月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「写楽が登場した江戸・寛政期には、後に 『寛政の三奇人』 と呼ばれる人達がいた。(中略) こうした三奇人を並べる時には必ず 『懶・狂・散』 の三つのタイプを用意しなければならないそうだ。 (中略) 『懶』 は、なまけものだけあって、波長の大きなゆったりとしたグラフ。 『狂』 は、波長の非常に短いグラフ。どちらも振幅は一定、つまり並みの感覚とは違っても一定した最高値と最低値とを繰り返す。ところが 『散』 は、この二者の合わさったもので、文字通りあっちこっちへと散ってしまうタイプなのであった。」
(第一部 「Y氏との出会い」 Y氏=明石散人の第一印象)

東方永夜抄 狂符「幻視調律(ビジョナリチューニング)」
狂視「狂視調律(イリュージョンシーカー)」
懶符「生神停止(アイドリングウェーブ)」
懶惰「生神停止(マインドストッパー)」
散符「真実の月(インビジブルフルムーン)」

「今は四年に一度の閏年に二月二九日を加えますが、当時の暦では閏月というのを一ヵ月丸ごと加えちゃうことがあったんです。(中略) 九月、一〇月、一一月、その後に閏一一月があって、一二月」
(第一部 「東洲斎写楽とは何者か?」 浮世絵基礎講座)

東方香霖堂  「二回目のおまけの月は、閏月と呼んで正当な月とは区別した。例えば二回目の三月は、閏三月と呼んでね。」
(第二十四話 「うるおいの月」)

 

宇宙の庭 龍安寺石庭の謎 明石散人
佐々木幹雄
単行本 1992年2月
龍安寺石庭の謎 スペース・ガーデン 明石散人 文庫 1996年6月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「山門というのは、もともとは三解脱門の略だから三つの門の 『三門』 と書くのが正しいのです。ご存知でしたか」
(第一章 「王良と閣道」 真夜中の招待状)

蓮台野夜行 「で、こっちの写真。山門の奥を見て……」
「私は山門は三門って漢字が正しいのよ。と言おうか迷っていた。」

「東洋では十五という数は 『完全』 という意味を持っていてな、十五夜の月を満月と言うだろう。」
(第一章 「王良と閣道」 須臾の世界)

東方香霖堂 「僕は思う、十五が力を持つのは当たり前じゃないか。古くからこの国では十五は完全を意味していた。満月を十五夜と呼ぶのも同じ理由だ。」
(第一話 「幻想郷の巫女と十五冊の魔力 前編」)  

「方丈の北東に据えてある銭形のつくばいは、一見 ”五、隹、疋、矢” の文字に読まれるが、中心の口を共用すれば、”吾唯足知” (ワレタダタルヲシル) と成り、禅の格言を謎解きに図案化された無言の悟道である。徳川光圀の寄進といわれている。(中略)この庭を初めて視た光圀はな、俺と同じようにこの庭が完全を求めてはいけないと語っていることに気がついたんだ。」
(第一章 「王良と閣道」 須臾の世界)
※引用文中、「疋」 は原典では一画目の無い文字

東方求聞史紀 「吾唯足るを知る、今ある物で自分は満たされていると言う意味である。」
(「独白」)

「神奈備っていうのはね、三角形をしている山のことなんだ。神奈備には御産霊 (うぶすな)神が降臨するんだけどね、この神様は五穀の神様なんだ。産霊はムスビとも読まれてね、だから御産霊ならオムスビさ。昔の人はムスビの神を象徴するお米を神奈備の形である三角形に握り、これをオムスビと名づけたんだ。食すれば神の霊力が体に宿る、こう思ったんだよ。」
「オムスビの始まりはこれさ。だから日本に昔からピラミッドパワーはあったんだ。」
(第一章 「王良と閣道」 カシオペアの庭)

東方永夜抄  産霊「ファーストピラミッド」
「世界最古のピラミッドパワー。 むしろおむすびの事。」
(産霊「ファーストピラミッド」 スペカコメント)

(同上)

(博麗歳時記1) 「おむすびって中途半端よね こんなに呪術的な形をしているのに、恐れ多き神の名を拝借しているのに……、」
(博麗祭事記1 寄稿コメント)

「龍安寺の 『龍』 の字は、星という意味を持っているんです。」
「延暦二十三年、龍(ホシ)甲申ニ宿ル  『印判秘決集』」
(第二章 「宇宙の庭」 小太郎星と北極星)

東方萃夢想 星符「ドラゴンメテオ」

(同上)

東方香霖堂 「流れ星とは……天を翔る龍、天龍の鱗がはがれ落ち、光り輝いた物だ。」
(第二十二話 「妖怪の見た宇宙」)

「それから十三杖、十五間に庭の石の総数十四個を組み込むと、円周率がたちどころに判るんだ」
「円周率……、まさか」
「十三杖、十四個、十五間でしょう。数字だけを並べると一三一四一五……、最初の数字の一を外し三の次に点を打つと 『三・一四一五九二六五三五八九七』 を簡単に得られてしまう。」
(第二章 「宇宙の庭」 宇宙の庭)

東方香霖堂 「本に付けられた通し番号 『十三』 『十四』 『十五』。この番号を並べると一三一四一五。頭の一を取れば……直線を円に換える意味を持つ数、三.一四一五になる。これも満月を意味している。」
(第一話 「幻想郷の巫女と十五冊の魔力」)

・龍安寺の石庭
・「この寺は 『冥界』 そのものだった」
・かつては庭一面に絲桜(しだれざくら)が植えられていた説

東方萃夢想 白玉楼(石庭)
符の弐「白玉楼の垂れ彼岸」

(同上)

蓮台野夜行 ♪古の冥界寺
「墓石を4分の1回転させたその時。秋だと言うのに目の前に一面桜の世界が広がった。」

「天正十六年(一五八八年)二月二十四日に秀吉が石庭の絲桜を題材に一首詠じているでしょう。《時ならぬ桜の枝にふる雪は花を遅しとさそひきぬらん》」
(第三章 「龍安寺殿の謎」 石庭の真の作者は誰か)

東方妖々夢 ストーリー

「光圀はね 『大日本史』 を編纂したほどの歴史学者です。」
(第三章 「龍安寺殿の謎」 朱山に隠された秘宝)

東方文花帖 葵符「水戸の光圀」

 

二人の天魔王 「信長」の真実 明石散人
小机種彦
単行本 1992年10月
二人の天魔王 「信長」の真実 明石散人 文庫 1995年9月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

(特に無し)

   

 

ジェームス・ディーンの向こうに日本が視える 明石散人 単行本 1994年11月
ジェームス・ディーンの向こうに日本が視える 明石散人 文庫 1997年12月
ジェームス・ディーンの向こうに日本が視える 明石散人 単行本 2011年9月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「しのぶさんが、冷えたコカ・コーラを運んでくれた。Y氏は何しろコーラが好きで、一日中と言って良いほど飲んでいる。」
(第1章 「『エデンの東』に秘められた謎」)

東方香霖堂 コーラ
(第十六話 働かない式神)

「日本がやられた事実を少し挙げてみるが……、吉田さんも良く承知している法隆寺夢殿の救世観音(国宝)。明治17年、フェノロサは、この寺宝に巻かれた布を植民地主義そのもののロジックで白日の下に晒した。揚げ句にこれを自らの発見と言い放ったんだ。もし救世観音の布が解かれずに未だに寺宝として夢殿に眠っていたと仮定して欲しい。法隆寺は今と較べものにならないほどの神秘性を感じさせたことは間違いない。」
(第4章 「“裏”の映画からのメッセージ」)

東方神霊廟 光符「救世観音の光後光」
光符「グセフラッシュ」

「それから、日本における絶滅が確定されたNipponia Nippon (トキ)。この優雅な鳥は、万葉集にも歌われる日本そのものと言っても良い鳥だろう。ところが学問的にはシーボルトによって発見されたことになっている。」
(第4章 「“裏”の映画からのメッセージ」)

東方香霖堂 朱鷺
(第三話 幻想の鳥)

 

謎ジパング 誰も知らない日本史 明石散人 単行本 1996年1月
謎ジパング 誰も知らない日本史 明石散人 文庫 1999年1月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「桃太郎はなぜ鬼が島へ鬼征伐に行ったのか。この理由も謎である。」
(「桃太郎の正体」 鬼が島)

東方萃夢想 ♪御伽の国の鬼が島

「ちなみに数字の一、二、三の持つ意味だが……(中略)《三》 は、二つの対立を超越した完全な調和。《三》 が完全な調和を意味するのは、古事記における天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神の三神。中国の三元、天・地・人。仏教の三宝、仏・法・僧。弓道における真・行・草など、例を挙げればきりがない。」
(「桃太郎の正体」 桃太郎噺のルーツは?)
「まず最初にオムスビの三角形という形状だが……、(中略) 三角状の立体は、古代日本における 《神奈備》 であり、神の霊力を意味している。(中略) 神奈備というのは (中略) 本来の意は、《かみなび・かみなばり・神隠》 の義であり、神が存在する神秘的な領域を言う。(中略) 産霊は産巣日の漢文体で同じ意味である。(中略) 産巣日の意は霊力だが、実はオムスビの語源はこれで、特に神産巣日神に求められる。なぜかと言うと、この神は出雲系の神であり記紀にはほとんど出現しないからである。」
(「オムスビの不思議」 オムスビと日本最初の神)
「オムスビが古代出雲に誕生したことは、案山子の存在もそれを裏付けている。大国主神は出雲の神だが、少名毘古那神と国造りをした。(中略) 神産巣日神の子の少名毘古那神だと教えるのは崩彦という神である。(中略)崩彦とは案山子のことなのである。もうこれで出雲とオムスビと案山子が密接なつながりを持っていることが理解できると思う。」
(「オムスビの不思議」 出雲と案山子)
「古代出雲人は神産巣日神を象徴する五穀第一位の米を神奈備の形に握り、これを尊称してオムスビと名付けた。(中略) オムスビを食すれば御食津神 (五穀の神) でもあった神産巣日神の霊力が体内に宿ると考えたのである。古来、我が国の食品中神奈備の形状を有するのは米に限られ、他の穀物は神産巣日神に対する配慮から三角形には決してせず丸い形にし一段低い団子と名付けた。従って丸い形に握られたものはオムスビとは言わないのである。これがオムスビの正しい性格 (三角) と考えて欲しい。(中略) オムスビとピラミッド。案山子とスフィンクス。(中略) オムスビ百三十万年、ピラミッド僅かに五千年。オムスビこそ、世界最古のピラミッドパワーなのである。」
(「オムスビの不思議」 世界最古のピラミッドパワー)

東方永夜抄 産霊「ファーストピラミッド」
「世界最古のピラミッドパワー。 産霊の神の象徴である三角。調和。」
「世界最古のピラミッドパワー。 むしろおむすびの事。」
(産霊「ファーストピラミッド」 スペカコメント)

(同上)

(博麗祭事記1) 「おむすびって中途半端よね こんなに呪術的な形をしているのに、恐れ多き神の名を拝借しているのに……、」
(博麗祭事記1 寄稿コメント)

「最初に 《別天つ神五柱》 の神々だが、一、二、三は天地創造の三神にして別格の超天神であり 『神皇系図』 や 『類聚神祇本源』 によれば数百億年以前の神々である」
(「オムスビの不思議」 オムスビと日本最初の神)
「次に 《神代七代》 の神々だが、これらの神々も大変な長命である。『歴代皇紀』 によれば国之常立神から六代目の於母陀流神まで実に八億年。」
(「オムスビの不思議」 古代天皇はなぜ長命なのか)

東方永夜抄

「あなた達は古代の力のコピーを使用しているみたいね。 まだ人間が居なかった時代の無秩序な力。あの頃が懐かしいわ。」
(「禁呪の詠唱チームストーリー Stage5)
「貴方の積み重ねてきた紅い歴史。 私の歴史で割れば、ゼロよ。永久からみれば貴方は須臾。」
(「夢幻の紅魔チームストーリー Stage6A)

※ とあるサークルさんが酔ったZUN氏から聞き出したところ、「永琳の年齢は億単位」とのこと。ネット情報。

「確かに神武天皇の百三十七歳だけを考慮すれば異常な長命と考えても無理はない。しかし神武天皇の父親である鵜葺草葺不合命は八十三万年以上も国を治めているのである。実際の歳は百万年を超えていたかも知れない。つまり神武天皇の百三十七歳は、神(天文学的長命)と人(二百歳まで生きない短命)を分けるレトリックとして捉えれば良いのである。」
(「オムスビの不思議」 古代天皇はなぜ長命なのか)

東方永夜抄 始符「エフェメラリティ137」
「親は何十万年と生きていたのにね。 人間ってのは儚い、まるではじけとぶ泡の様だ。」
(始符「エフェメラリティ137」 スペカコメント)

「草薙の剣は須佐之男命が八岐大蛇から取り出した天叢雲剣と同一の剣……、この剣は二百万年以上も伝世したからこそ三種の神器の一つとなった。八咫鏡、八坂瓊曲玉も同様で、二十五万年も齢を重ねた地王初代の天照大御神が所持したからこそ神器となったのである。しかも特筆すべきは、三種の神器は今も我が国に伝世している。(中略) いかにイギリス王室が、世界最大級のダイヤモンドやルビーを王冠や錫杖に填め込み自慢したところで三種の神器の前ではゴミも同然、ツタンカーメンの秘法にしたところでたかが知れている。実は日本における国体護持とは、三種の神器の存在と同様する。」
(「オムスビの不思議」 古代天皇はなぜ長命なのか)

東方永夜抄

国符「三種の神器 剣」 
国符「三種の神器 玉」 
国符「三種の神器 鏡」 
国体「三種の神器 郷」
「三種の神器の一つ。神話時代のアイテムがあるだけで凄いが、草刈鎌と大差ない使われ方。」
(国符「三種の神器 剣」 スペカコメント)

「三種の神器イコール日本、神器がなければ日本は存在しない。そして三種の神器の所有者こそが万世一系の天皇なのである。足利義満が天皇になれなかった原因は正にこれであった。」
(「オムスビの不思議」 古代天皇はなぜ長命なのか)

東方永夜抄 野符「義満クライシス」
「義満、足利さん。 ちょっと屈折し始めました、弾道。悪い事は考えない。」
(野符「義満クライシス」 スペカコメント)

「邪馬台国の読みは、もう 《ヤマト国》 で揺るぎようがない。」
(「邪馬台国に謎はない」 邪馬台国は何と読む?)

東方文花帖 倭符「邪馬台の国」
「外の文献に見慣れない文字が書いてあったので、なんて読むのかこの人に訊いてみたんです。ヤマトって読むらしいですよ。なるほど納得。」
(倭符「邪馬台の国」 撮影コメント)

「二中歴はこの記述以外にも 《大将棋》 というのを紹介している。要するに二中歴の書かれた頃は、ただの将棋の他に大将棋ってのもあったわけだ。」
(「日本最古の将棋駒」 もとは財宝を奪いあうゲームだった)

東方風神録 「待機中は、暇している近所の河童と、大将棋と呼ばれる非常に時間の掛かるゲームを何戦も遊んでいる。」
(キャラ設定.txt 犬走椛)

「奈良・興福寺の旧境内にあたる奈良市登大路町の井戸状遺構から七枚の将棋の駒が出土した、と二十六日、発掘調査した奈良県立橿原考古学研究所が発表した。平安時代後期のもので、国内では最古の出土例という。」
(「日本最古の将棋駒」 十一世紀の僧侶は将棋を楽しんでいた!?)
「日本将棋の駒の本来の意味は…… 《玉・金・銀・肉桂・香木》 ってことだ」
「すると日本将棋の原初の形態は、歩兵だけが武人で、ほかの駒は全て財宝をメッセージしたものなんですか!」
(「日本最古の将棋駒」 もとは財宝を奪いあうゲームだった)
「原初の形は、九×九の三六枚。将棋の駒に書かれる文字は一文字で兵・玉・金・銀・桂・香。子の将棋に日本独自の 《飛車》 と 《角行》 が二中歴以後のごく近い時期に追加された。飛車と角行は財宝を守るための水の瑞獣 《犀=角行・飛竜=飛車》 をメッセージしていることは間違いない。」
(「日本最古の将棋駒」 日本で創作された独自のゲーム)

東方求聞口授 「広く知られている将棋は玉(翡翠)、金、銀、桂枝、香木の財宝を、歩兵と二匹の龍で守るゲームである」
「天狗大将棋にはさらに多くの財宝と、それを守る(狙う) 妖獣、妖怪が追加されている。」
(文々。新聞 「新しい将棋の発見か」)

「金閣寺三層の究竟頂の天井板は、三間(約五.四五メートル)四方の楠の一枚板という記述があった。ただその時は、こんな大きな板を取り出せる大木があるわけもないと単純に想い気にも留めなかった。ところが、この新聞記事に掲載された幹回り二四.二二メートルを視た瞬間、金閣寺究竟頂の焼失してしまった三間四方一枚板は、本当かもしれないと思えたのである。」
(「金閣寺の伝説」 新聞記事の面白さ)

東方文花帖 新難題「金閣寺の一枚天井」

「闘食会っていうのは、食を武器にした果たし合い。今風の大食い競争とはわけが違う (中略) 闘食会は果たし合いなんだから。体調しだいでは死に至るし、常連はみんな早死にする。(中略) 闘食会こそ江戸っ子の究極の洒落なんだ。」
(「江戸っ子の洒落」 食を武器にした果たし合い)

卯酉東海道 「東京には、江戸時代の頃から、闘食会と呼ばれた死をも恐れない食の大会があった。」
(「ラクトガール 〜 少女密室」 Locked Girl)

「水野十郎左衛門が率いる 《旗本奴・大小神祇組》 と、幡随院長兵衛に代表される 《町奴》 が、武家の面目と江戸っ子の心意気をかけて争ったことを知っていると思うけど……、この洒落のために水野は三千石を棒に振り切腹、幡随院も命を捨ててしまった。闘食会も勝気で負けず嫌いの江戸っ子が、食べ物競争を表向きに、武家、町人、相撲取りのそれぞれが命を賭けて挑む凄まじいものだったんだ。」
(「江戸っ子の洒落」 食を武器にした果たし合い)

卯酉東海道 「派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。東京は昔の姿を取り戻しつつある」
(「レトロスペクティブ京都」 Retrospective Kyoto)

「北斎はこの富士のシリーズに、富嶽三十六景とタイトルをつけているが、『正本製』 の広告文に、《追々彫刻すれば、なお百にもあまるべし、三十六景に限るにあらず》 とあることから、むしろ際限のない出版を考えていたと思われる。今日、このシリーズは 『裏不二』 と呼ばれる一〇点と合わせた四六点が知られるが、何事もおのれが一番と自称し、満々たる自信家の北斎が、評判を取っていたこのシリーズを、なぜか半端な四六点で中断してしまう。」
(「富士山雑話」 北斎最大の謎)

卯酉東海道 「富士と言えば北斎の 『富嶽三十六景』 が有名であるが、北斎は富士を幾ら描こうとも満足することはなかった。富嶽三十六景は実際には四十六枚ある事からも判る。」
(「お宇佐さまの素い幡」 Most Famous Hero)

「ちょっと広辞苑もってきます」
 【宇】@四方のはて。天地四方。「―宙」A家の四方のすみ。ひさし。のき。屋根。また家。「屋―」「殿―」「眉―」……
 【宙】@無限の時間。古往今来。Aそら。おおぞら。虚空。また、地面から離れたところ。「―に舞う」「宇―」Bそらでおぼえていること。暗記。「―で言う」……
 【宇宙】(淮南子の斉俗訓によれば、「宇」は天地四方、「宙」は古往今来の意。一説に、「宇」は天の覆う所、「宙」は地の由る所。すなわち天地の意)@世間または天地間。万物を包容する空間。……
(「宇宙を閉じ込めた日本人」)

東方萃夢想 「幻宙の鬼退治 Model Maid」
(萃香ストーリー 咲夜戦)

「宇宙とは円窓、丸のことだ。つまり丸の内側が宙、丸を囲っているものが宇。その外側が無限だ。宇宙がなぜ無限と誤解されたかというと、カタカナの 《ム》 の異体が円窓 (○) だからだ。ムは無につながりゼロをイメージする。これによって宇宙があたかも無限であると誤解された。円窓はなぜ宇宙を意味するか。それは根源と消滅を繫ぐものだからだ。万物には始まりがあって経過があって終わりがある。円窓はこのことを言っている。」
(「宇宙を閉じ込めた日本人」)

東方妖々夢 咲夜ボム背景の円窓

(同上)

蓬莱人形 ジャケットやバックインレイの円窓・円門

(同上)

東方茨歌仙 華扇の屋敷の「人牛具忘」
(「第三話 罪人の金鉱床」)

「江戸時代の妙心寺派の禅僧に仙高ニいう人がいただろう。彼は丸と三角と四角を描いてこれを宇宙図と言った。もう何故だか判るだろう」
「三角は完全なる調和を意味しますから、これは社会のことだと思います。四角は揺るぎのないということですから、大地だと思います。丸は言うまでもなく宇宙です。揺るぎのない大地に社会が形成され、この全てを宇宙が覆っている。こうだと思うのですが」
(「宇宙を閉じ込めた日本人」)

東方萃夢想 萃香の○△□
ZUN氏が公開した萃香設定画には、「○は無、つまり拡散を意味し、△は調和、つまり萃そのもの。□は不変、それは自分を示す」とある

「幽玄というのは根源、ものの始まりをいう。要するに万物の初(うぶ)の状態を意味している。新芽が吹き出したその瞬間の色、この色を人は何色と表現することができない。咲いたばかりの花びらについているうぶ毛、この柔らかさを人は伝えることができない。蟬や蝶が羽化したばかりのとき、人はその危うさを共有できない。幽玄とはあり得ない美しさのことをいう。これが万物の始まりだ。そして幽玄はスユという短い時間の中に消滅し、刹那にワビが訪れる。」
(「宇宙を閉じ込めた日本人」)

東方緋想天 霊蝶「蝶の羽風生に暫く」
※ 個人的には、「蝶の羽風(はかぜ)、生(うぶ)にしばらく」 の読み

「円窓はこのことを言っている。これは幽玄とワビとサビを繫いだものとも表現できる。幽玄というのは根源、ものの始まりをいう。要するに万物の初(うぶ)の状態を意味している。(中略) 幽玄とはあり得ない美しさのことをいう。これが万物の始まりだ。そして幽玄はスユという短い時間の中に消滅し、刹那にワビが訪れる。ワビというのは繰り返しの集積をいう。(中略) つまりは経過をいう。そしてこの後に訪れるのがサビの世界だ。これは経過の終焉を意味する。変貌のことだ。(中略) 従って 《幽玄・ワビ・サビ》 は、《誕生・人生・死》 と同義語でもある (中略) 直線における最初の一点が幽玄、線はワビ、終りの一点がサビということですね。そして幽玄とサビを点の性格を損なわず結んだものが円窓、この円窓の内側が宇宙、つまり私達ということなんですね」
(「宇宙を閉じ込めた日本人」)

東方永夜抄 霊符「夢想封印 散」
散霊「夢想封印 寂」
「発散の終焉には、寂が訪れる。 霊夢の寂は何度も訪れる。困ったものだ。」
(散霊「夢想封印 寂」 スペカコメント)
霊符「夢想封印 集」
回霊「夢想封印 侘」
神霊「夢想封印 瞬」
♪「Eternal Dream 〜 幽玄の槭樹」

(同上)

東方非想天則 霊符「夢想封印 円」

「そういえば空飛ぶ円盤てあるだろう。(中略) 円盤の不思議は五千年前も現在も全く形が変わらないことだ。円盤が乗りものかどうかはっきりしないが、俺達の世界の乗り物は百年もたてば全く形が変わる。それなのに何故か円盤の形は変わらない。『信貴山縁起』 に描かれる空飛ぶ鉢は何だって円盤なんだ。おかしいとは思わないか」
(「宇宙を閉じ込めた日本人」)

東方星蓮船 信貴山縁起とUFO

「熱水性金鉱床と聞くと何やら難しそうに聞こえるが、簡単に言えば 《温泉が噴き出る火山地帯》 のことだ!《火山に温泉》、環太平洋火山帯に沿った日本列島は、まさにこの申し子と言ってもよい国である。つまり極論を言えば、火山があって温泉がある所ならどこにでも超高品位の金が眠っている可能性に直結する。」
「恐山の温泉型金鉱床」
(「黄金の国ジパング」 驚愕の大金山)

東方茨歌仙 「あのタイプの金鉱は温泉型金鉱床と呼ぶ物で確かに地下から金が湧いてきています」
(「第三話 罪人の金鉱床」)

「飯縄の法っていうのは、その頂上の術に空中浮揚がある。例えば役行者がそうだ。彼の飛行の術は、飯縄の魔法なんだ」
(「川中島合戦の通説の真偽」 謙信は魔法に熱中していた!)

東方文花帖 超人「飛翔役小角」
※妖々夢での藍のスペル、幻神「飯綱権現降臨」とリンクか

※オムニバス形式で、中身は一部会話形式、そして内容は所々突飛な?自説の披露。時々コーラ。

東方香霖堂 ※全体的なイメージ、構成。

 

リアルタイム日本史 歴史が見える、現在が見える 明石散人 ハードカバー 1996年10月
真説 謎解き日本史 明石散人 文庫 2001年1月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「もしかして……、日米間の違法コピーの問題と浅野・吉良の諍いは本質的な部分で同じトラブルのような気がしてきたのですが」
「違法コピーの問題の根源に、忠臣蔵を巡る誤った解釈があると思っている。なぜ吉良が悪役になり浅野は悲劇の殿様になるのか。吉良が浅野に金品を要求した行為に正当性はないのか。なぜ赤穂四十七士は義士と称賛されるのか。松之廊下の事件を客観的に解釈すれば……、作法が無料だと思っている田舎大名が、作法で食ってる格式だけの貧乏人に対し暴力を振るった事件としか思えない。お茶でも生け花でも、菓子折り一つ持って教えて欲しいとお願いしたところで絶対に教えてくれないだろう。ましてや、各流派の宗家自らのレッスンを要求したとすれば、これはもう破格の礼金を包まなければならないことは誰だって判る。」
(「悪いのは浅野内匠頭だ」 作法は有料)

東方花映塚 「そうだなぁ、忠臣蔵って知ってるかい?ああ、勿論知っているか。なら話は早い、あの話の非道さについて一緒に話そうか」
(小町ストーリー エンディング)

「男達(おとこだて)というのは、江戸初期に発生した旗本奴と町奴のことである。男達を自称した彼らの、華美というのか派手というのか……、もしくはもう無茶苦茶ともいえる扮装は、江戸の町に異様な風景をかもしだしたが、男達の神髄は、その着飾った扮装ではなく、むしろのストイックな生き様の方にあった。」
(「武家の面目と町人の心意気」 男達)

卯酉東海道 「派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。東京は昔の姿を取り戻しつつある」
(「レトロスペクティブ京都」 Retrospective Kyoto)

※オムニバス形式で、中身は基本会話形式、そして内容は所々突飛な?自説の披露。時々コーラ。

東方香霖堂 ※全体的なイメージ、構成。

 

視えずの魚 明石散人 単行本 1997年7月
視えずの魚 明石散人 新書 1999年10月
視えずの魚 明石散人 文庫 2001年10月
視えずの魚 明石散人 単行本 2011年4月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「世の中に何ら役に立たない人を、この国では奇人という。奇人には、懶、狂、散といった三つのタイプがある。懶とは、その気質の波長は並み外れて大きく、常人には茫洋、或は怠け者としか視えない人を言う。また狂は、気質の波長が著しく狭く、その激しい変化に常人はついていけない。散はこの両方の気質を備え、人はその姿さえ視失う。誰も拘束しない。誰からも拘束されない。誰も必要としない。誰からも必要とされない。散とは真に孤立した人のことである。」
(「黄色いカタログ 1」)

東方永夜抄

「人間と妖怪の波長合わせ。波長が合わないから幻視が起こる。あの兎は波長を外すのが上手い。」
(狂符「幻視調律(ビジョナリチューニング)」 スペカコメント)
「普通の人間に感知出来ない位の長い波長。幻視は止まってみえる。」
(懶符「生神停止(アイドリングウェーブ)」 スペカコメント)
「波長が短すぎると狂人として見られ、長すぎるとのんきと見られる。後者の方が社会的に良い扱いを受けているのは変人差別だと思う。」
(懶惰「生神停止(マインドストッパー)」 スペカコメント)
「完全に狂うと常人には見えなくなる、本当の月はいつも狂気なのだ。既に幻視ですら捕らえる事が出来ない。」
(散符「真実の月(インビジブルフルムーン)」 スペカコメント)

「俺は……、目の前にあるのが過去で、未来は背中にあると考えていたが……、お前にとっての未来は眼前にあるんだな。つまりお前は前を向いて歩いているが、俺は後向きで時間に背を向けて歩いているってわけか」
(「ゴーファンの女 1」)

東方永夜抄 「ネクストヒストリーはフューチャーだ。歴史を創る力は未来を創る。未来を見据える人間は後向きで前に進むのだ、って慧音が言ってた。」
(新史「新幻想史 -ネクストヒストリー-」 スペカコメント)

「この寛政の頃の日本は、閏年ではなくて閏月を採用する暦でした。寛政六年はたまたま閏月の年で、十月・十一月・閏十一月・十二月。このように十一月が二度あったんです。」
(「遅れてきた男」)

東方香霖堂 「二回目のおまけの月は、閏月と呼んで正当な月とは区別した。例えば二回目の三月は、閏三月と呼んでね。」
(第二十四話 「うるおいの月」)

「ニューギニアのLae近郊の密林には……、トリリトンがあったっけな。トリリトンの形状は日本の鳥居とそっくりだけど日本の鳥居とは違って横木の上に巨大なワニのような怪獣が飾られている。あれ、もしかするとトリリトンの怪獣はワニではなく……」
(「写楽の二十八点の肉筆」)

東方紅魔郷 土符「レイジィトリリトン」
土符「トリリトンシェイク」

「宇宙とは円窓、丸のことだ。丸の内側が宙。丸を囲っているものが宇。そして宇の外側の全てが無限だ。」
(「写楽の二十八点の肉筆」)

東方妖々夢 咲夜ボム背景の円窓

(同上)

蓬莱人形 ジャケットやバックインレイの円窓・円門

(同上)

東方茨歌仙 華扇の屋敷の「人牛具忘」
(「第三話 罪人の金鉱床」)

「何だ麗奈、そのダウンバーストとかいうのは」
「一種の気象用語で、冷たい空気の塊が急激に落下し地面にぶつかって突風を起こす現象のことなの。猛烈な強風で突っ走り、最大瞬間風速は七十メートルにも達するんです。電柱などは苦もなくなぎ倒すし、屋根なんかも空へ吹き飛んじゃいます」
(「胡飲酒舞」)

東方緋想天 「天狗のダウンバースト」

「浅野と吉良の諍いは作法における考え方の相違なんだ。つまり、有料か無料かのね。どちらが悪いと言えば、これもう浅野としか言いようがない。何しろただで作法を教えてもらおうとしたんだから。それも何の疑念もなく。おまけに逆恨みだ。これって、特許や著作権の解釈からトラブルが生じる、アメリカと日本の関係に良く似ているでしょう。」
(「朱雀門の鬼の娘」)

東方花映塚 「そうだなぁ、忠臣蔵って知ってるかい?ああ、勿論知っているか。なら話は早い、あの話の非道さについて一緒に話そうか」
(小町ストーリー エンディング)

 

鳥玄坊先生と根源の謎 明石散人 新書 1997年12月
鳥玄坊 根源の謎 明石散人 文庫 2002年6月
鳥玄坊 根源の謎 明石散人 単行本 2009年2月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「始皇帝陵の陵園は、一辺がそれぞれ七.五キロ、総面積五六.二五平方キロメートルにも及び、(中略) 宮殿内部の造りは皇帝の無類の権力と威厳が表現され、天象の象徴としてのドームが造られた。また真珠で太陽・月・星をイメージし、地上は大地の象徴として水銀により江河・湖海がかたどられた。」
(「秦始皇帝兵馬俑坑の不思議な金属板」)

東方文花帖 錬丹「水銀の海」

「始皇帝は不老不死を願う神仙思想を仰ぎ、神仙の術を行う方士を特に重用した。中でも徐福は始皇帝の信が厚く、彼に対する期待は大きかった。始皇帝の二十八年、徐福は不老不死の仙薬を求めて海へ出るが――九年後の三十七年に帰国する。」
(「秦始皇帝兵馬俑坑の不思議な金属板」)

蓬莱人形 「不死の薬は、あの始皇帝の使いですら見つけることが出来なかったというのに...」
(「蓬莱伝説」)

「徐福はもう二度と始皇帝の元へ帰ってくることはなかった。海で死んだのか、それともそのままどこかへ逃げてしまったのか――蓬莱島は日本という説もある。神武天皇徐福説を言う人もいる。事実、日本には徐福伝説が各地にあり、佐賀・熊野・富士など枚挙にいとまもない。」
「あの男が 『徐福』 本人だなんて、まさか信じているのではないでしょうね」
「信じるわけがないでしょう。徐福は二千二百年前の始皇帝と同じ時代の人よ。生きているわけがないじゃない」
(「秦始皇帝兵馬俑坑の不思議な金属板」)

東方永夜抄 不死「徐福時空」
「使いの途中で面倒になって定住しちゃった人。いたる所に徐福伝説が残されているのは、実は蓬莱の薬を見つけていて不死となったからだ。」
(不死「徐福時空」 スペカコメント)

「三億年以上も前の古木に鳥居が刻まれていたぁ! 大発見じゃないか。マキさんは大したことないと言うが、誰が考えたってそんなことはない。これが事実なら――人類の歴史がひっくり返ってしまう。」
(「極めて日本的な紋様」)

東方三月精 「ほらこの隕石 見ての通り隕石に鳥居が刻まれていたわつまりあの鳥居の図形は宙から隕ちてきた物だったのよ隕石は定期的に同じ場所に落ちる その場所を聖地として古代の人間は神社と鳥居を建てたのよ」
(第一部 第4話「星の鳥居」)
「鳥居も謎の多い物の一つであり、あの誰もが知っている日本的な形は、何故か由来は知られていない。」
(上海アリス通信 三精版 第4号)

「石の扉の両側に、三角形を互い違いに二つ重ね合せた紋様が刻まれている。重ね鱗だ! これは我が国最高の陰陽師、安倍晴明の家紋ではないか。なぜ彼の家紋がここに?」
(「竜神の函」)

東方文花帖 星符「飛び重ね鱗」
※ 橙は妖々夢で「飛翔晴明」など安倍晴明にちなむスペルを使用

「壁面に光を当てて確認すると――全身を朱で染めた巨大な竜が描かれていた。五爪 (ごづめ) の竜? 日本ではありえない竜だ。五爪の竜は中国では皇帝の化身である」
(「竜神の函」)

東方非想天則 珠符「五爪龍の珠」

「地王五代の鵜葺草葺不合命は、八十三万六千四十二年もの悠久の時間この国を治めると忽然と姿を消してしまった。一方、息子の神武天皇は、僅かに百三十七歳で崩じてしまった。父親は不老不死にも拘らず……、息子の神武には寿命があった。これが神と人の違いだ。神には寿命が無い。不老不死だ」
(「竜神の函」)

東方永夜抄 始符「エフェメラリティ137」
「親は何十万年と生きていたのにね。人間ってのは儚い、まるではじけとぶ泡の様だ。」
(始符「エフェメラリティ137」 スペカコメント)

「あなたね、光蘚 (ひかりごけ) にあんな光量があるわけないでしょう。光蘚は毬形の細胞が日の光を集めて反射するの。それで輝いているように見えるのよ。」
(「驚愕の大和空間」)

東方三月精 「光苔 薄暗い場所に生息しわずかな光を集めて反射することで黄緑色に光って見える」
(第二部 第12話「玄武の沢 後編」)

「『旧事記』? もしかすると、古事記、日本書紀が参考にしたという、古代の歴史原本のことを狐寿琳さんは言っているのだろうか。」(中略)
「この碑文は原初の物だ。青山、この碑文は文字は全て平仮名の裏文字になっているだろう。『神祇根源』 という史料があるんだが、そこには 『旧事記碑文は裏文字云々』 と書かれている。」
(「驚愕の大和空間」)

東方求聞史紀 「魔導書に書かれた文字は、神代ひらがなとも原初日本文字とも言われ、人間が使う文字では無い。」
(「妖怪図鑑」 パチュリー・ノーレッジ)

「私の言うトリリトンとは、ニューギニアやボルネオの奥地密林に点在する一見日本の単架式鳥居に良く似た形状の不思議な木製の門のことだ。高さ五メートルほどの木を、四メートル程度の間隔で二本立て、一番上に横木が渡されている。ただ、鳥居との明確な違いもある。トリリトンは一対で建てられるのだ。一つは笠木の上に鰐(わに)が乗り、もう一つは蛇が乗っている。」
(「トリリトンの鰐」)

東方紅魔郷 土符「レイジィトリリトン」
土符「トリリトンシェイク」

「鳥玄坊先生の言う飯縄明神というのは、飯縄遣いと称する呪術者に信仰された秘密の魔法神だ。飯縄の魔法使いは、荼枳尼天の邪法、或いは魔法飯縄の法などの魔術を自在に遣い、空中に止まったり、宙を翔ぶような数々の不思議を顕したと伝えられている。」
(「鳥玄坊一派の根源」)

東方妖々夢 幻神「飯綱権現降臨」
式神「憑依荼吉尼天」

「あのー鳥玄坊先生、本当に僕には判らなかったんですが、今後の勉強になりますから、どうやってこの部屋に入ってきたのか教えてくれませんか?」(中略)
「人の意識は断絶していて……、覚醒を飛び飛びに繫いでいるだけにすぎない。人は須臾という短い時間、自らが意識を失っていたことを知らない。だから俺が入ってきたことをお前は気がつかない」(中略)
「現象的なことは全て覚醒している時に実感するが、実は瞬きした瞬間に虚の現象の奥に潜む、真の現象の全てを刹那に見ている。ただ、大方の人は、この須臾というほどの短い時間に経験した別の世界を、覚醒の世界へ記憶として持ち帰れない」(中略)
「お前にとっては須臾ほどの短い時間かもしれないが、俺には無限と言って良いほどの長い時間だ。」
(「鳥玄坊一派の根源」)

東方永夜抄

永遠と須臾を操る程度の能力

「輝夜 「そんなに暇だったら、今夜の満月の晩、肝試しをしてみない。」
 霊夢 「って、何時の間に神社の中にー。」
 神社の中の方から出てきたのは、輝夜だった。宇宙人である。」
(「おまけ.txt」 エキストラストーリー)

「波斯というのは、古代日本ではペルシャのことなの。地図を見れば判ると思うけど、我が朝日本は東、ペルシャは西の外れの端っこにあるの。だからペルシャのことを当時の日本人は波斯と呼称したわ。」(中略)
「ハシというのは、あまりに日常的な言葉ですからつい見逃していましたけど、なかなか奥が深いのかもしれませんね。端っこのハシ、お箸のハシ、ペルシャのハシ、橋のハシ……」(中略)
「日本語というのはもの凄く厳密なの。例えば、素材や構造的な形式はともかくとして、水上に架していて人物の往来運搬に供するものが橋。外から家へつなぐ時は階段の階(はし)。食事をする時に使われるお箸は、鳥の嘴と同じ意味を持っていて、食物と口を結ぶときの箸なの。ハシというのは……、使われる漢字はともかく基本的には二点間を移動するときに使われる言葉なのよ」(中略)
「水の上を水平に渡すのは橋。内と外を斜めに渡すのは階段という階。上下をつなぐのは梯子という梯。空間を渡すのはお箸や鳥の嘴というハシ。隅っこ同士をつなぐのが端。遠いところを表すのがペルシャの波斯ってこと」
(「鳥玄坊一派の根源」)

東方地霊殿 水橋パルスィ
種族:橋姫
「……嫉妬に駆られたペルシャ人かな よく判らない」
「何でペルシャ人が土の下にいるんだよ」
(魔理沙&パチュリーストーリー Stage2)

※地上と地底をつなぐ縦の移動における 「ハシ」 に対して橋姫と波斯人をリンクさせていると考えられる

「神代七代の最初の神、国之常立神を祀る神殿から採取された木片サンプルが八億年プラスマイナス五千万年と狐寿琳が言った時、Dr.ジム・ダインが猛烈に異論を唱えたが、日本神話が事実と認識すれば何ら不思議はない。両博士にもう一度DISスクリーンの三神書を観察してもらいたいのだが、国之常立神は今から八億二万三千四十年前に実在した神なのだ。」
(「天地開闢」)

東方永夜抄

「あなた達は古代の力のコピーを使用しているみたいね。 まだ人間が居なかった時代の無秩序な力。あの頃が懐かしいわ。」
(「禁呪の詠唱チームストーリー Stage5)
「貴方の積み重ねてきた紅い歴史。 私の歴史で割れば、ゼロよ。永久からみれば貴方は須臾。」
(「夢幻の紅魔チームストーリー Stage6A)

※ とあるサークルさんが酔ったZUN氏から聞き出したところ、「永琳の年齢は億単位」とのこと。ネット情報。

 

鳥玄坊 時間の裏側 明石散人 新書 1998年12月
鳥玄坊 時間の裏側 明石散人 文庫 2002年8月
鳥玄坊 時間の裏側 明石散人 単行本 2009年3月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「この深海魚と大地震の結び付きは昔からよく言われているの。江戸期には大地震の宏観前兆現象として広く信じられていたわ。安政の大地震の時には江戸湾でリュウグウノツカイが何匹も目撃されたらしいの。でも、単なる迷信だと思うわ。現在ではリュウグウノツカイの研究も進んでいて、この深海魚が浮かび上がるのは内部波が原因していると言われているの」
(「竜宮からの遣い」)

東方緋想天 永江衣玖
種族:妖怪(竜宮の使い)
「あ、そうか!  龍宮の使いが現れるのは地震の宏観前兆だわ!」
(アリスストーリー Stage5)

「それにしても、誰がヤマタイコクなどというふざけた読みを蔓延らせたのだ。正しくはヤマトコクと読む。俺に言わせれば、邪馬台国の謎とは、このルビを誰がヤマタイコクと振ったのか、これに尽きている。こっちの方がよっぽどの謎だ。」
(「江ノ島の人魚」)

東方文花帖 倭符「邪馬台の国」
「外の文献に見慣れない文字が書いてあったので、なんて読むのかこの人に訊いてみたんです。ヤマトって読むらしいですよ。なるほど納得。」
(倭符「邪馬台の国」 撮影コメント)

「玄武に象徴される亀は、海亀の類ではなく、当然、湖沼や河に生息する淡水の巨大な亀がモチーフになっているんですよ。淡水の巨大な亀といえば、これはもう一種類しかいません」(中略)
「鼈は生きている限り際限なく大きくなっていくんです。今でも東南アジアの沼や河には、全長三メートルくらいの鼈が沢山いますよ。」(中略)
「古代日本では鼈の字を 『加波可女』 と訓んだり、また 『大亀』 と書いて、やはりカワカメと訓ませていましたから、鼈の和名はカワカメなんだと思いますけどね」
(「玄武の謎」)
「霊亀という元号は、亀が原因となって改元される最初の例なんだけどな……、献上された瑞亀と、丹後国風土記に書かれる 『五色亀』 は、完璧にリンクしている。五色亀とは、青・黄・赤・白・黒の色をした神の化身で、『延喜式』 によれば玉亀の上をいく最高級の大瑞で、黒神の精だ」(中略)
「黒神の精というのは……、ひょっとすると五色亀も鼈と同じように玄武の化身なの?」
(「墨子の仙薬」)

東方香霖堂

「赤、青、白、黒、黄の五色は、この自然のありとあらゆるものを表しているんだ。(中略) 自然をすべて乗せる五色の亀は最高級の縁起物とされたんだよ。」
「カハカメ、つまり河に棲む亀。カハカメは漢字で書くと大亀という字になるんだよ。その字が表している様に物凄く巨大な亀なんだ。成長すれば人間くらいの大きさになる事も珍しくない。」
「河童の正体である大亀(カハカメ)、それは海ではなく河や沼に棲み、そしてとんでもなく大きくなる亀。すなわち、鼈である。」
(第十八話 「月と河童」)

「聖徳太子の母親は用明天皇の皇后、穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ) でしょう。」(中略)
「『ハシ』 というのは橋・橋・嘴・階・梯・間の、何れも二点間を繫ぐ意味を持つ言葉じゃないか。つまり、ハシヒトというのは、何かと何かを繫ぐ人とも考えられるわけだ。彼女はこの地で何かを得ると……、それを聖徳太子へと伝えた」(中略)
「宣幸さんは、間人(はしひと) を波斯人(はしひと) に結びつけているのね。波斯は古代ペルシャのことでしょう。古代ペルシャは、日本から遥かに遠い所にあり、『端っこに位置する』 の意味でハシと言われたのであって、これと併せ考えれば、間人がどこか遠くから来た人達の総称だったとしてもおかしくはないわね」(中略)
「穴穂部間人は、この地でハシヒト一族の根源的思想を知ると、それを聖徳太子へと伝えた。」(中略)
「聖徳太子は道教を信奉していた。聖徳太子だけではない。古代天皇家に関わる殆どの人が、表面上は仏教だが、裏では道教を信じていた。表と裏は同じ平面上に並ばない。日本の律令体制の基軸は、儒教的な倫理・道徳を中心にした国家統治だ。」
(中略)
「道教は個人に神秘的な超能力を与えるものだ。個人が自分自身に超能力を求めたら、国家という機関は成立しない。だから道教は、古代中国でも古代日本でも表向き否定され、権力者の秘密となった」(中略)
「道教では不老不死の仙薬として水銀が用いられていた。(中略) 遠い昔の天皇達は間違いなく道教の仙薬を服用していた」(中略)
「穴穂部間人、妻の膳妃(かしわでのひめ)、聖徳太子の三人は、僅か三ヵ月のうちに相次いで原因不明の病で死亡するが、妙なのは聖徳太子が自分の遺言として、自分が死んだら母親と膳妃の三人の合葬陵にしろと指示したことだ。」(中略)
「三人は秘密裏に道教を信奉し、不老不死を求めて水銀を服用していたんだ。俺は、この特異な三人合葬を道教の絆だったと考えている」
(「墨子の仙薬」)

東方神霊廟

「道教は自然崇拝であり、自然と一体になることで不老不死を実現することが出来る、そういう内容であった。神子は心躍らされた。それと同時に、その宗教ではいつまで経っても国が平定しない、と青娥に伝えた。青娥は自分の願いを実現するためには国の政治などどうでも良いと思っていたが、神子はそうは考えなかったのだ。青娥はならばこうしましょう、と言って、表向きは仏教を信仰する話を持ちかけた。仏教は殺生を禁じ、規律の厳しい宗教であると伝えると、神子はそれならば国は落ち着くであろう、と納得した。神子は仏教を広めた。これは権力者以外が力を持たないようにする為である。その裏で、道教の研究を進めた。その結果、超人的な能力を発揮し、様々な伝説を残したのは皆が知る事である。そして、最終目的である不老不死の研究も怠らなかった。丹砂など様々な稀少な鉱物を使う事もあった。それが彼女の体を蝕んだ。本来不良長寿をもたらす筈の道術で体を壊してしまったのである。」
(キャラ設定とエキストラストーリー.txt 豊聡耳神子)

蘇我屠自古・物部布都・豊聡耳神子

「道教の痕跡は古代日本に無いとされているけど、それは表向きの話であって、ちょっと裏を探ってみると、道教を示唆していることは山のようにあるわけね」
「挙げればきりがない程ある。神社という、最も日本的な言葉にしても、墨子の 『明鬼篇』 が初見だ」
(「墨子の仙薬」)

東方神霊廟 「日本の神道は大陸から来た仏教、道教と密接な繋がりがある。」
(早苗 パラレルエンディング)

「【日本書紀】(中略)瑞江浦嶋子(みずのえのうらしまのこ)、舟に乗りて釣す。遂に大亀を得たり。(中略)蓬莱山(とこよのくに)に到りて、仙衆(ひじり)をめぐり見る。(中略) 【釈日本紀】(中略)海中にうかび出で、釣りすること三日三夜を経て、一つの魚だに得ず、すなわち五色の亀を得たり」
(「墨子の仙薬」)

東方文花帖 蓬莱「瑞江浦嶋子と五色の瑞亀」

「【釈日本紀】(中略)こは水江の浦嶼子という者なり。(中略)海中にうかび出で、釣りすること三日三夜を経て、一つの魚だに得ず、すなわち五色の亀を得たり」(中略)
「中でも特筆すべきは……、浦島の帰郷を聞いた五十三代の淳和天皇が、小野篁を勅使として浦島に筒川大明神の神名を贈り、五十四代の仁明天皇が自分の四十歳の宝算を祝した折に、吉野の仙女として有名な柘媛(つみひめ)と共に浦島の像を造ったことだ。浦島が一介の漁師であれば、二人の天皇は浦島の長寿にこれほど狂喜乱舞しないよ」
(「墨子の仙薬」)

東方儚月抄 「大分昔の話だからね。水江浦嶋子(みずのえのうらのしまこ)がうちに来たのも」
「いつものように漁に出かけていると、背中が五色に彩られた不思議な亀が泳いでいるのを見つけた。」
「今では彼は筒川大明神だわ、一介の平凡な漁師が出世したものね」
「天皇は水江浦嶋子に蓬莱国から帰還した数少ない人間という威徳を認め、彼の為に神社を造らせ、さらに彼に筒川大明神という神号を送った。」
(小説版 第三話 「浄土の竜宮城」)

「養老の次は神亀と変わった。これも亀が原因だ。養老七年十月十一日、左京の人が白い亀を献じた。この亀は長さが一寸半、幅は一寸。両眼は共に赤かった。元正天皇はこの亀を見るなり、『この大瑞は私の世のためにしるされたものではない。これは皇太子の徳に答え、皇太子の御世の元号として現れたものだ。元号を直ちに神亀と変え、天皇位を皇太子へ』 と告げると、天皇位に何の未練もなく聖武天皇を誕生させてしまった」
(「墨子の仙薬」)

卯酉東海道 「神亀の遷都が行なわれてから、大量の人間が東京と京都を行き来する必要が生まれた。」
(2.「53ミニッツの青い海」 Blue Sea for 53 minutes)

「このスミレの花と向こうの切り株は、その表面がダイヤ皮膜で繫がっていて……、だからびくともしないというわけ?」
「二、三百年前のある春の日、この床の全体が一瞬にしてダイヤモンドの皮膜で覆われた。恐らく……、もの凄い出力のγ線レーザーを浴びたに違いない」
(「墨子の仙薬」)

東方求聞口授 「高エネルギーのレーザーが地面に当たると、それがまた宝石となる。」
「ガンマ線レーザーが土の性質を変えるだとか、永遠亭の八意永琳が説明している」
(第五部 「宗教と信仰は幻想郷に必要なのか」 寅丸星)
※ なぜ永琳が解説しているのかは、下の項なども関連か。

「あの石上玄右衛門の絵馬に描かれた鉢は絶対に空飛ぶ円盤よ。それに、γ線レーザーなら眼に見えないでしょう。だからあの鉢には、ロケットのようなエネルギー噴射が描かれていないのよ。ねえ宣幸さん、私、ふと思ったのだけど……、あの絵馬の鉢って、国宝の 『信貴山縁起絵巻』 に描かれる空飛ぶ鉢に似ていない?」(中略)
「すると、信貴山縁起絵巻の空飛ぶ鉢も鳥玄坊が操る円盤の可能性がある……な。
(中略) 鳥玄坊はやっぱり人間じゃない。宇宙人だ」
(「墨子の仙薬」)
「国宝信貴山縁起絵巻は、全部で三巻の構成になっているんだけど、肝心の鉢が出てくるのは今広げた第一巻 『飛倉の巻』 だけなの」(中略)
「この二つの鉢はγ線レーザーで飛ぶ超耐熱セラミック円盤なのよ。当然、宝積寺の慈信や寂照の飛ばした鉢もセラミック円盤だったと考えられるわ。つまり、命蓮、慈信、寂照の活躍した十、十一世紀の平安末期から、元禄期の石神玄右衛門の絵馬の時代までの七百年間、この日本では、ごく当たり前に円盤が飛び交っていたってことよ。宣幸さんは、鳥玄坊を人ではなく宇宙人だと言ったけど、この信貴山縁起絵巻に描かれる空飛ぶ鉢は……、正に宇宙人の実在を証明するUFOの絵ということになるわ」
(「空飛ぶ鉢」)

東方星蓮船 信貴山縁起とUFO

「突然、妙だという思いがしてきたんですよ。千代子様のお姿が、子供の頃にお目に掛かった昔と何も変わっていないんです。四、五十年も経つんですよ。こんな嘘みたいな話はないですからね、家に着くと直ぐに亭主に千代子様に会ったことを言いました。亭主は端っから信じないようで、『それは千代子様じゃなく、当代様のお嬢さんだ』 と言って取り合ってくれません。私は当代様にお嬢様がいることすら知りませんでしたから、亭主にお嬢様のお顔を知っているのかと言いますとね、『見たことはないが、千代子様に瓜二つならお嬢様に決まってる』 と、こうなんですよ。」
(「房州保田の松六屋敷」)

蓬莱人形 「あそこに住んでいた彼女は滅多に街に出てこない。でも、最近、彼女の娘らしき人を見た。何で娘って分かったかって? そりゃ、あれだけ幼少時代の彼女に似ていれば...」
(10.リーインカーネイション)

「過去と未来は同じ時間に直列し、人の時間は、この直列上の単なる一つの点にすぎないのです。永久の時間を待ち得ぬ人類に、どうして無数の宇宙が必要なんです。全く意味を持ちません。今、私と大道寺さんは二つの椅子にそれぞれが腰掛けているでしょう。無論、二人を隔てているのは何もない空間です。でも、この小さな距離に宇宙は無数に存在するのです。例えば、大道寺さんがいつも左へ曲がる道を、ふと、右へ曲がったところで……、疑似的な自己確認の中では全ての経過に辻褄が合い、大道寺さんは何も変わらない今現在の自己があるように思うのですが、異なる時間速度の宇宙から観察すれば、右の風景と左の風景は決定的に異なっているんです。大道寺さんが記憶の外側に追いやった左の風景も、実は、あなた自身の中で紛れもなく継続しています。その風景の中のあなたは、別の時間速度に存在し、今のあなたと同じように、悩んだり悲しんだり、充実した喜びに浸ったりしながら生きているんです。ただ、大道寺さんはその風景の中の自己を確認できません。無論、向こうの風景にいる大道寺さんも、こちらの自己を確認できないのです。大道寺さんの気づかないところで、あなたは無数の宇宙一つ一つに疑似的に存在しています。正しく時間を所有すれば、それぞれの自己を接続し、どの宇宙の自己も存在の認識が可能となり、自己は宇宙の全てを支配できるのです。」
(「壺の中の宇宙」)

東方求聞史紀 「もう一つの能力である須臾とは、永遠とは反対にもの凄く短い時間の事である。人間が感知出来ない程の一瞬で、彼女はその一瞬の集合体だけを使って行動する事が出来るという。その時間は須臾の集合体だから普通に時間が進んでいるが、人間には全く感知出来ない。その時間を利用すると異なった歴史を複数持つ事が出来るという。」
(「英雄伝」 蓬莱山輝夜)

「今、私とあなたがいる宇宙は、無数に存在する宇宙の中でも、特に壺中の天とも言うべき神仙境なんです」
(「壺の中の宇宙」)

東方永夜抄 天丸「壺中の天地」
薬符「壺中の大銀河」
※ 天丸は上述の宇宙=○から?
※ ちなみに、鳥玄坊の作中では、仙術を修め丹を飲むことで全ての異なる宇宙の自己に接続でき、不老不死となれる。薬符は不老不死の丹薬を指すか?

 

日本史鑑定 明石散人
高橋克彦
単行本 1999年1月
日本史鑑定 明石散人
高橋克彦
文庫 2002年7月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「日本文化と言えるのは聖徳太子以降だと言える断然の憑拠は煬帝に対する国書です。あれがとにかく国という意識を持つ最初ですよ。この国書は日本が孤立・固有のものだということを初めて明言し、それと同時に、自分の地域性ということを 『日出る』 と表現したことはとても大きな意義を持っているんです。聖徳太子は、自分より東に国は無い、この日本こそ根源であると言い、これが当時の日本人に初めて固有のアイデンティティを誕生させたんだと思います。」
(第一章 「日本のオリジナリティ」 日本文化と呼べるのは聖徳太子以降)

東方永夜抄 「日出づる国の天子」

「実は僕、『古事記』 の稗田阿礼ってテープレコーダー的な特殊能力を持った子供だったんじゃないかなと思っているんです。以前に、イディオ・サヴァンに関連する論文を読んでいた時に、ふっと稗田阿礼のことが浮かんだんですよ。番人の平等性を持って粉飾も逆粉飾もしないで、物事を正確に伝える特殊な能力。古代日本にまだ漢字が充分に浸透していない頃、稗田阿礼に代表されるような特殊な能力を持ったイディオ・サヴァンの子供達が記録・伝承を正確に伝える為の役割を担っていたんじゃないかと思ったんです。」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 特殊能力者”稗田阿礼”とはどんな人物か)

東方求聞史紀 「私が幻想郷縁起を編纂し始めたのは、一代目の阿一の時で十八歳位になった頃だから、もう千年以上前の話である。その当時は文字が読める事自体が一般的ではなく、初期の幻想郷縁起はすぐに読んで貰うと言うよりは後世に伝える為に記録した物だった。(中略)転生を行うと大抵の記憶は失われてしまうが、先祖に当たる阿礼が持っていた求聞持の能力、つまり見た物を忘れないと言う能力を受け継ぐことが出来る。」
(独白)

「『古事記』 で僕が一番面白いと思っているところは、『百王相続(もものきみあひつぎたまひ)』 という短い一文なんです。この短い一文が、後に足利義満の天皇への野望を阻み、結局、この 『百王相続』 が現代にまで天皇制を存続させている、こういうところなんです。足利義満は吉田兼倶の三代前の兼敦を呼んで、この 『百王相続』 とはどういう意味だと聞くんですね。すると、これは百代続くという意味ではない、ここでいう百は無限、つまり万世一系天皇家は永遠であると言うんですね。これが義満が現実には天皇位を諦める最大の原因なんです。」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 特殊能力者”稗田阿礼”とはどんな人物か)

東方永夜抄 野符「義満クライシス」
「義満、足利さん。ちょっと屈折し始めました、弾道。悪い事は考えない。」
(野符「義満クライシス」 スペカコメント)

「漢字輸入以前に日本に文字があったとか無かったとか言われているけど、これって吉田兼倶の 『日本書紀神代巻抄』 に 『いろは四十七字は、弘法大師これを作る。かたかなは吉備大臣これを作る。あいうえをの五十字は、神代よりこれあり』 と、ハッキリ書いてあるよね。『あいうえお』 より 『いろは』 の方が古いように思っている人が沢山いるけど、これは大いなる錯覚です。『あいうえお』 の方が全然古いんだよね。(中略) 室町期の吉田神道家や平野神道家が神代文字と言っているのは、<ひらがな> のことなんです。(中略) <五十字文図> というのは非常に大きな意味があると思っています。なぜなら、『あ』 で始まって 『ん』 で終わるというこの並びは、実はサンスクリット語と同じなんですよね。」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 神代文字とは『ひらがな』のことだ)
「もちろん神代文字と言われた <ひらがな> は、今のように洗練されたものではなかったとは思いますよ。極端なことを言えば、梵字とひらがながよく似ていることをみてもわかる通り、恐らく梵字に非常によく似た <ひらがな> だったんじゃないかと考えているんです。」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 サンスクリットとひらがなのルーツは同じ?)

東方求聞史紀 「魔導書に書かれた文字は、神代ひらがなとも原初日本文字とも言われ、人間が使う文字では無い。」
(「妖怪図鑑」 パチュリー・ノーレッジ)

「時折、山窩文字とか韓国のハングル文字みたいなのをいろいろ出してきて、これが神代文字だと言ったり、小説の中にも見たりするけど、そんなもの無理に作らなくってもよいんですよ。」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 神代文字とは『ひらがな』のことだ)

ダブルスポイラー 山窩「エクスペリーズカナン」

「地・水・火・風・空の <五大> には四角、丸、三角、半円、台形とあるけど、これも全部天体の運行と密接な繫がりがあるし、空海は宇宙を構成するこの五つの要素に『識』 を独自に加えて、<六大> と言ってしまったところが天才の天才たる所以だと思いますね。じゃあその 『識』 ってなんだと言うと、いわゆる五感とも違うんですよ。アビラウムケンで終わっていたものをアビラウムケンウンまで空海は創作してしまう。そしてその 『ウン』 は 『識』 だと言って、その識は何かというと秘鍵だと言って、で、秘鍵とは何かというと 『行』 だと言うんだから凄いですよ。でもこれじゃあ、『識』 が何であるか空海以外には誰もわからない。」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 古代の思想・信仰の裏に身近だった宇宙の姿が見える)

東方文花帖 密符「御大師様の秘鍵」
※ 「識」と式のシャレも含む?

「僕は 『謎ジパング』 にも書いたけど、邪馬台国論争って史料の読み方が違っているんじゃないのかと思うんです。(中略)『邪馬台国』 を誰が 『やまたいこく』 と読んだのか、その方が僕には不思議ですね。これ誰が読んだんですか? なんでこれで 『やまたいこく』 と読めるんですかね。だって昔の文献にはみんな 『邪馬台はやまとと読む』 とちゃんと書いてあるじゃないですか。『やまいちこく』 と読む人もいるけど論外ですよ。」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 資料の裏側に潜むエンターテインメント)

東方文花帖 倭符「邪馬台の国」
「外の文献に見慣れない文字が書いてあったので、なんて読むのかこの人に訊いてみたんです。ヤマトって読むらしいですよ。なるほど納得。」
(倭符「邪馬台の国」 撮影コメント)

「僕が写楽を書いた時に、<十返舎一九=写楽説> をエンターテインメントとして書いたら、講談社にもNHKにもこのネタだけで行きましょうと言われたんですよ。だけど、僕はそれはダメだと言ったんです。というのは、高橋さんが 『写楽殺人事件』 で別人説を書いていて、この様式はもう完成してしまっているというのが理由なんです。もう完成しているんだから、僕が十返舎一九説を立ててエンターテインメントとしてやったら、それはもう様式の盗用になってしまう。だから断じて 『嫌だ』 と言ったんですよ。それで半分まで十返舎一九説で書いて、後半は浮世絵のアカデミズムに挑戦しようと思って斉藤十郎兵衛説を展開したんです。『他人の様式は尊重する』 これは自分の中でもの凄く強い意識があるんですよ」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 様式の完全盗用は許されない)
「自分以前に一つのかたちがあったときには、それは評価し続けなきゃいけないし、敬意を払わなきゃいけない問題だと考えているんです。敬意とはどういうものかということは、自分の眼差しにも繫がることですから、そこのオリジナリティというのは尊重しなければならないんだろうと思っているんですけどね」
(第二章 「正史と偽史を分ける視点」 枠組みの類似は単なる影響では済まされない問題だ)

東方儚月抄 「オリジナルを尊重し そこにさらにオリジナリティを付加して残すのが 我々魔法使いの誇りですから」
(漫画版 第六話「三神式月ロケット」)

「『ハシ』 ってそもそも、橋とかお箸とか嘴とか梯子の梯とか、どれもこれも二点間を繫ぐ意味ですから、ハシヒトってのも何かと何かを繫ぐ人とも考えられるわけですよ。それで、聖徳太子の母親が大陸からこの辺りに伝わって来た道教を都へ伝えたんじゃないかと。そして 『はし』 とつく民族が天皇家の中枢に入り込んでくる。『はし(間人)=波斯』 というのはペルシャのことを指すけれど、もともとは海の向こうからやってきた民族という意味だったんじゃないかと。」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 聖徳太子の死因は水銀中毒だ)

東方地霊殿 水橋パルスィ
種族:橋姫
「……嫉妬に駆られたペルシャ人かな よく判らない」
「何でペルシャ人が土の下にいるんだよ」
(魔理沙&パチュリーストーリー Stage2)

※地上と地底をつなぐ縦の移動における 「ハシ」 に対して橋姫と波斯人をリンクさせていると考えられる

「聖徳太子は間人皇女が帰ってくると急に原因不明の病気になりますよね。聖徳太子の妻の膳妃も病気になり、つぎにお母さん、と三人がわずか三ヶ月の間にバタバタと原因不明の病気で倒れるわけですよ。この病気なんですけど、僕はこれは絶対に、母親が道教の飲み薬である水銀を飲ませたんだと思いますね。道教の最高の神仙薬に金丹という水銀に金を溶かしたようなものがあるんですが、これを飲んだんじゃないかと。だから三人まとめて中毒で死んじゃう。僕は三人合葬陵というのを全部調べたんだけど、聖徳太子のものだけがセオリーを無視しているんです。(中略) 母と息子夫婦まで一緒というのは聖徳太子のところだけなんです。それは、とても変わった絆がこの三人にはあったからなんだと思いますね。で、それが間人がもたらした道教の絆だったんだと。」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 聖徳太子の死因は水銀中毒だ)

東方神霊廟 「最終目的である不老不死の研究も怠らなかった。丹砂など様々な稀少な鉱物を使う事もあった。それが彼女の体を蝕んだ。本来不良長寿をもたらす筈の道術で体を壊してしまったのである。」
(キャラ設定とエキストラストーリー.txt 豊聡耳神子)

蘇我屠自古・物部布都・豊聡耳神子

「聖徳太子は冠位十二階を定める時、同じ時代の中国では卑しい色と否定されていた紫色を最高位にするけど、この理由って道教における最高神の天皇大帝の宮殿を紫微宮と呼んで、道教では紫色を最高位に置くからだと思うんです。」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 原始道教以前に墨子の根源道教があった)

東方神霊廟 名誉「十二階の色彩」
名誉「十二階の冠位」
豊聡耳神子と道教

「庶民が超能力を追い求めて、この神になることを望んだら政治は成り立たないですからね。だから、庶民には孔子的な 『庶民は庶民たれ』 と洗脳し、自分達は秘密の中で道教を信奉し超能力を極めようとしていたんだと思います」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 意図的に隠された天皇家のソフト「道教」)

東方神霊廟 「道教は自然崇拝であり、自然と一体になることで不老不死を実現することが出来る、そういう内容であった。神子は心躍らされた。それと同時に、その宗教ではいつまで経っても国が平定しない、と青娥に伝えた。青娥は自分の願いを実現するためには国の政治などどうでも良いと思っていたが、神子はそうは考えなかったのだ。青娥はならばこうしましょう、と言って、表向きは仏教を信仰する話を持ちかけた。仏教は殺生を禁じ、規律の厳しい宗教であると伝えると、神子はそれならば国は落ち着くであろう、と納得した。神子は仏教を広めた。これは権力者以外が力を持たないようにする為である。その裏で、道教の研究を進めた。」
(キャラ設定とエキストラストーリー.txt 豊聡耳神子)

「養老の次は神亀で、これも亀が原因なんです。養老七年十月十一日、左京の人が両目の赤い白い亀を献じるんです。元正天皇はこの亀を見るなり、『この大瑞は私の世のためにしるされたものではない。これは皇太子の徳に答え、皇太子の御世の元号として現れたものだ。元号を直ちに神亀と変え、天皇位を皇太子へ』 と言うと、天皇位に何の未練もなく聖武天皇を誕生させてしまったんです。」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 改元は道教の痕跡を示すキーワード)

卯酉東海道 「神亀の遷都が行なわれてから、大量の人間が東京と京都を行き来する必要が生まれた。」
(2.「53ミニッツの青い海」 Blue Sea for 53 minutes)

「中でも特筆すべきは浦島の帰郷を聞いた五十三代の淳和天皇が、小野篁を勅使として浦島に筒川大明神の神名を贈り、五十四代の仁明天皇が自分の四十歳の宝算を祝した折に、吉野の仙女として有名な柘媛(つみひめ)と共に浦島の像を造ったことなんです。浦島が一介の漁師であれば、二人の天皇は浦島の長寿にこれほど狂喜乱舞しませんよ。道教を密かに信奉していた天皇は、自らの正しさが浦島によって証明されたと思ったわけですよ。」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 天皇家は浦島太郎によって道教思想を確信した)

東方儚月抄 「今では彼は筒川大明神だわ、一介の平凡な漁師が出世したものね」
「浦嶋子の伝説は時の天皇、淳和天皇の耳まで届いたのだ。淳和天皇は浦嶋子の竜宮城の話を聞き、それこそが常世の国――蓬莱国であると予想し、非常に関心を持った。蓬莱国は不老不死の国であり、当時の権力者は誰しもが競うように探していた。ただ、伝説は既に陳腐化し始め蓬莱国の存在は疑われ始めていたから、浦嶋子の伝説は天皇を大いに喜ばせたのだ。」
「天皇は水江浦嶋子に蓬莱国から帰還した数少ない人間という威徳を認め、彼の為に神社を造らせ、さらに彼に筒川大明神という神号を送った。」
(小説版 第三話 「浄土の竜宮城」)

「僕の考えによれば、空飛ぶ円盤っていうのは金属製のものじゃなくてセラミック円盤に決まっているんです。スペースシャトルのタイルもそうですけど、信貴山の空飛ぶ鉢というのもセラミックですよね。セラミック円盤じゃないと理屈が合わないんですよ。円盤は超高速で飛ぶんだから、熱の問題で金属ではダメなんです。だから円盤というものは、本質的にセラミック円盤じゃなければ理屈が合わないんです。」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 円盤はγ線レーザーを出力するセラミック製、発着地にはダイヤモンド皮膜がある)

東方星蓮船 信貴山縁起絵巻とUFO

「よく円盤の痕跡って何だということが言われますが、僕には持論があるんです。というのも、セラミック円盤の出力を考えると、発着地にはγ線レーザーがバッとあたりますから、そこにはダイヤモンド皮膜ができるはずなんです。」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 円盤はγ線レーザーを出力するセラミック製、発着地にはダイヤモンド皮膜がある)

東方求聞口授 「高エネルギーのレーザーが地面に当たると、それがまた宝石となる。」
「ガンマ線レーザーが土の性質を変えるだとか、永遠亭の八意永琳が説明している」
(第五部 「宗教と信仰は幻想郷に必要なのか」 寅丸星)

「神社というのは、浦島神社を見ても、全部道教的な影響ですよ。当時は道士であるということが神社に祀られる最低の条件だったんだと思います。聖徳信仰だって、彼が最高の道士でなければあそこまでのものにならなかったと思いますね」
(第三章 「浦島伝説で解く天皇家の謎」 日本の古代史は道教抜きには考えられない)

東方神霊廟

「日本の神道は大陸から来た仏教、道教と密接な繋がりがある。」
(早苗 パラレルエンディング)
聖徳道士 豊聡耳神子
仙符「日出ずる処の道士」

「龍と言えば、中国の龍は五爪、日本だと三爪、朝鮮半島は一本爪もみられますよね。僕はここにもバックグラウンドを見ていて、この龍の爪の数って、それぞれの国の身分を表しているものなんですよ。(中略) 五爪というのは人間に転化できるもの、つまり皇帝が転化したものなんです。だからこその五爪なんですね。日本の龍というのは皇帝の化身ではないから五爪を持てない」
(第四章 「日本歴史の裏側に潜むもの」 龍の爪の数は国によって違う)

東方非想天則 珠符「五爪龍の珠」

「案山子の 『カガ』 は 『赫』 じゃないですか。神奈備山の麓に佇む案山子は崩彦 (くえびこ)のことで、またの名を山田之曾富騰 (やまだのそほど) というんです。山田之曾富騰は顔が真っ赤で、それでいて歩くことができない神でしたから一本足だったんです。(中略) 日本の案山子はわからないことがあると、何でも教えてくれる神なんです」
(第四章 「日本歴史の裏側に潜むもの」 案山子コンクールの案山子は案山子じゃない)

ダブルスポイラー

姫海棠はたて
「彼女は新聞記者なのだが、外へ取材に出かける事は無かった。何故なら彼女は念写で写真を撮り、その写真を元に記事を書いていたからである。
念写とは、はたての持っているカメラにキーワードを入れるとそれにちなんだ写真が見つかるという物だった。はたてはそれを便利に思い、家から出る必要性を感じなくなってしまったのだ。彼女の書く新聞、『花果子念報』は余り人気が出なかった。」
(omake.txt 姫海棠はたて)
※ 「顔が真っ赤」や「案」「山」から猿田彦や天狗のイメージも?

「神奈備山と案山子って、これはピラミッドとスフィンクスの関係なんですよ。おむすびが三角形なのも立派な意味があるんです。御食津神(みけつかみ)の霊力をこめて三角形に握られたおむすびは、まさにピラミッドパワーなんですよ。(中略) 僕に言わせれば日本の神奈備山は全部世界最古のピラミッドなんですよ。」
(第四章 「日本歴史の裏側に潜むもの」 日本のピラミッドパワー)

東方永夜抄 産霊「ファーストピラミッド」
「世界最古のピラミッドパワー。産霊の神の象徴である三角。調和。」
「世界最古のピラミッドパワー。 むしろおむすびの事。」
(産霊「ファーストピラミッド」 スペカコメント)

「柳田国男さんは佐々木喜善さんのものをもとに、実に上手に 『遠野物語』 を書いていますけど、この作品ってかなり上田秋成の手法を意識していたんじゃないかなと思うんです」
(第五章 「柳田民俗学が陥った罠」 佐々木喜善を葬ったのは柳田の『序文』だった)
「『遠野物語』 を書いた時にはまだ柳田国男という人は、そんなに民俗学に興味を持っていなかった。『遠野物語』 というタイトルにしたということから見ても、あれは民俗学ではなくて、柳田国男が失われつつある日本のユートピアというのを佐々木喜善から聞いた話を元にして構築しようとしたものだったんじゃないかと思ったんです」
(第五章 「柳田民俗学が陥った罠」 民俗学を最初に意識したのは柳田国男ではなく佐々木喜善だった)

東方妖々夢 「♪4.遠野幻想物語
 日本の山奥というと、柳田翁を思い浮かべてしまいます。アカデミックなのかオカルトなのか、ってくらいが良いんでしょうね。」
(おまけ.txt 裏音楽コメント)

「荼枳尼天 もとはインドの大地母神カーリーの使婢たる鬼霊。サンスクリットでダーキニーといい、荼枳尼、拏吉尼などと音写される。自在の通力を有する夜叉鬼である荼枳尼天の修法は、日本では諸願成就の外法とされた。狐に乗った天女の姿で描かれることが多いため、稲荷や飯縄との関連を言われることも多い。」
(第五章 「柳田民俗学が陥った罠」 『聴耳草子』 こそ東北の民俗学のバイブルになり得る)

東方妖々夢 幻神「飯綱権現降臨」
式神「憑依荼吉尼天」

 

鳥玄坊 ゼロから零へ 明石散人 新書 1999年6月
鳥玄坊 ゼロから零へ 明石散人 文庫 2002年9月
鳥玄坊 ゼロから零へ 明石散人 単行本 2009年4月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「一度聞けば全てを記憶し、粉飾も逆粉飾もせず物事を正確に伝え、あたかも膨大な容量のメモリを脳に組み込んでいるかのような特殊能力を持った子供、それが稗田阿礼なんだ。古代日本にまだ文字が充分に浸透していない頃、稗田阿礼に代表されるような特殊な能力を持った子供達の一群があり、この子供達が記録伝承を正確に伝える為の重要な役割を担っていた気がする」
(予兆)

東方求聞史紀 「私が幻想郷縁起を編纂し始めたのは、一代目の阿一の時で十八歳位になった頃だから、もう千年以上前の話である。その当時は文字が読める事自体が一般的ではなく、初期の幻想郷縁起はすぐに読んで貰うと言うよりは後世に伝える為に記録した物だった。(中略) 転生を行うと大抵の記憶は失われてしまうが、先祖に当たる阿礼が持っていた求聞持の能力、つまり見た物を忘れないと言う能力を受け継ぐことが出来る。」
(独白)

「地獄は僕達の地下一千由旬に存在する。由旬というのは古代インドの距離の単位で一由旬は約七マイルだから、一千由旬なら七千マイル、約一万千二百六十五キロしかない。地球の赤道直径は約一万二千七百五十六キロだから、地獄の全ては地球の全ては地球内でまかなえてしまう。」
(一千由旬の地下世界)

東方地霊殿 地底世界の旧地獄とマントル・核

「閻魔は太陽神の子ヤマで閻魔の別称夜摩天はこのヤマに起因する、閻魔は地蔵菩薩の化身である、閻魔は中国道教の神仙者だから閻魔像はみな道士の服装をしている」
(一千由旬の地下世界)

東方妖々夢 「あら夜摩天(閻魔様の事)は?」
(咲夜ストーリー Phantasm)

(同上)

東方花映塚 四季映姫・ヤマザナドゥ

(同上)

東方求聞史紀 「殆どの閻魔さまは、古いお地蔵さんである」
(妖怪図鑑 閻魔〜地獄の王〜)
「ヤマザナドゥは是非曲直庁での役職名、意味はそのまま、楽園の閻魔だ」
(妖怪図鑑 四季映姫・ヤマザナドゥ)

「天井の宇宙図は、実と虚が同列に処理されているんです。あの星と銀河の間に存在する果てしなく深い漆黒の暗闇を見て下さい。あれは光の速度を超える虚の宇宙があることを教えているんです。」
(極楽魔界)

東方求聞史紀 「実と虚の境界を弄り、湖に映った月に飛び込み月に攻め入った」
(妖怪図鑑 八雲紫)

 

日本「宗教」鑑定 宗教の秘鍵を解く 明石散人
池田恵観
単行本 1999年9月
日本史鑑定 宗教篇 明石散人
池田恵観
文庫 2003年4月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「僕は 『般若心経』 というのは一種の呪文であって、マントラだと思っているんです。で、解釈を付けること自体がおかしいと思っていて、《ギャテイギャテイハラギャテイハラソウギャテイ <羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦>》 というのは、何だかわからないけれど律と呪文、マントラみたいなかたちで人を陶酔させるためにあるんだと位置づけていました。」
(第一章 「空」 宗教とは何か? 空海の秘鍵)

東方神霊廟 幽谷響子 <ぎゃーてーぎゃーてー

「空海は秘鍵のことを秘密の鍵だと言いますよね。で、秘密の鍵って何ですかと尋ねると、一言でそれは行だと言ってしまう。空海は秘密の鍵を手にするには行以外の方法がないと言ったと思うんです。行をすればいつか秘密の鍵が見えてきて、秘密の鍵で何が見えるかと言うと、これは 『識』 なんだと思います。つまり 『ウン』 ですよね。アビラウムケンの先の 『ウン』 ですよね。じゃあ 『識』 って何だというと、『気配』 だと。ここまでくるともう学問じゃないですよね。」
「秘鍵というのは、宇宙の秘密の鍵なんです。それが解けると言う事じゃないかと思います。密教は秘密の教えですね。お大師様は密教は宇宙の真理そのものである大日如来が、自ら味わうために示した究極の教えであるとして、顕教は衆生を救うために姿を現したお釈迦様が衆生の能力、性質に応じて明確に説き示した仮の教えだ、と解釈していますね。」
(第一章 「空」 宗教とは何か? 空海の秘鍵)

東方文花帖 密符「御大師様の秘鍵」
※ 「識」と式のシャレも含む?

「求聞持法は空海以前からあったもので、虚空蔵菩薩の真言、《ノウボウアキャシャキャラバヤオンアリキャマリボリソワカ》 と言うんですが、これをば百万遍唱える行です。一日に二万遍ぐらい、大体、五十日で百万遍。(中略) これは大学で勉強に励んでいらしたお大師様に、一人の僧が記憶術の秘法を授けてくれたという一節です。この虚空蔵菩薩の真言を百万遍唱えれば、どんな文献もたちどころに暗記できると言うんですね。だから求聞持法は、昔はこれは、記憶力の開発法として知られていました。」
(第一章 「空」 宗教とは何か? 空海の秘鍵)

東方萃夢想 魂魄「幽明求聞持聡明の法」

(同上)

東方求聞史紀 東方求聞史紀
稗田阿求 求聞持の能力

「空海には天人の才があったんだと思います。天人の才というのは、秀才の更に出来の良いという意味ではなく、まさしく 『天人』 の才、宇宙の才なんです。一般的に言えば、それは最澄自身も大変な秀才だったんでしょう。でも、天才は秀才の延長線上には無いですよ。百人秀才がいて、その中で超絶に凄くてもそれは天才ではありません。」
(第一章 「空」 宗教とは何か? 空海の秘鍵)

卯酉東海道 ♪最も澄みわたる空と海

「恵観大阿闍梨も八千枚護摩供を百回近く、空海でさえ成し遂げられなかった奇跡の百万枚護摩供を成満していますが、あの行は見ている人の全てを感動させますし驚愕もさせますから、当時空海が八千枚護摩供を初めて試みた時、どれほど人を驚かせたか計り知れません。」
(第一章 「空」 宗教とは何か? 空海の秘鍵)
「八千枚護摩供とは、行者がお釈迦様の八千回に及ぶ苦行を、その真言加持力で一昼夜に短縮し、自らの命を懸けて行うという、真言密教の数ある行法の中でも最大の荒行であり最高の秘法になっているんです。」(中略)
「八千枚護摩供を行うには相当の日数がかかります。(中略) 二十一日間で不動真言十万遍を誦するのが一般的ですね。」
(第二章 「行」 行、超能力を解明する)

東方文花帖 行符「八千万枚護摩」

「貴乃花の言った 『不惜身命(ふしゃくしんみょう)』 って言葉がありますよね。命を惜しまずという言葉だけど、あれはその前に 『可借身命(あたらしんみょう)』 っていう言葉があるから成り立つんです。命を惜しむべし。命は尊い。その尊い命があるからこそ、その尊い命を惜しみませんよと言う意味の 『不惜身命』 であって、『可借身命』 がなければ 『不惜身命』 は成り立ちませんよ。」
(第一章 「空」 宗教とは何か? 空海の秘鍵)

東方緋想天 換命「不惜身命、可借身命」

「僕は役小角になりたいんです。(中略) 広く普く自分の超能力を皆さんに使うより、やっぱり僕は、自分が空を飛びたいんですよ。(中略) 日本人にとって空海と役小角というのは、両方ともスーパースターで、超絶のパワーを持っているけど、それは願望の二つの横綱なんだと思いますね。」
(第二章 「行」 行、超能力を解明する)

東方文花帖 超人「飛翔役小角」

「寄進ってそういうものでしょう。釈迦は飢えた虎に自分の体を差し出したじゃないですか。僕は寄進の心って捨身飼虎だと思ってますから。自分の最も大切なものを惜しまず寄進する覚悟のある人が信者なんです。」
(第四章 「色」 仏教、密教、信仰を吟味する)

ダブルスポイラー 寅符「ハングリータイガー」

「真言宗には 『六波羅蜜』 という、僧侶が守らんといかん六つの徳目があります。一つは 『布施』 で、他人に施しをせよということです。二つに 『持戒』、これは戒律を守ることで、三つに忍耐を説く 『忍辱』、四つに 『精進』 があります。五に、心を落ち着かせ正しい判断が出来る心構えを常に持つと言う意味の 『禅定』、六に最高の御仏の智慧を持てとの教え 『般若』 があります。」
「布施には財施、法施、無畏施の三つがあって、財施は物質的な救済、法施は精神的な救済、そして無畏施は自らの労力をもって人の苦しみや恐怖を取り除くと言うことなんです。」
(第四章 「色」 仏教、密教、信仰を吟味する)

東方求聞口授 「六波羅蜜ですね。『布施』 というのは物を施す事です。」
「これに関しては無畏施、というのがありまして、恐怖の無い生活を施すという物です。」
「次に 『持戒』 ですが、これは殺生しない、盗まない、不倫をしない、嘘を言わない、酒を飲まない、という戒めを守る事です。」
「『忍辱』 は他から与えられる屈辱や苦痛に耐える事。『精進』 は修行を続ける努力をする事。」
「『禅定』 は心を安定させ、迷いを断つ事。『智恵』 は真理を見極める事です。」
(第三部 妖怪の今と昔、本当に新しい妖怪とは)

「地獄・極楽って言うから同じ大きさだと思いがちですが、如来の大きさは六十万億那由他恒河沙由旬もあるのに、地獄までは僅か一千由旬しかないんです。一千由旬って十何キロだから、地獄はこの小さな地球の中に収まってしまうほど小さいんです。源信の説く地獄は、地下一万キロちょっとにあるんです。」
(第五章 「呪」 神秘体験、死後の世界、宇宙を語る)

東方地霊殿 地底世界の旧地獄とマントル・核

「お大師さんが書かれたものに、『生まれ生まれ生まれて生のはじめに暗く死に死に死んで生の終わりに冥し』 というものがあるんですが、前の 『暗い』 とあとの 『冥い』 は字が違うんですよね。後の 『冥』 という字を見ますとね、これは六道輪廻の上に光があって、宇宙の中に入っていってその中で回ってるという感じの『くらい』 なんですね。(中略) その宇宙の暗さに、お大師様はこの 『冥』 を使っているのだと思います。お大師様は宇宙がわかっているんですね。もう。死ぬときは吸い込まれるような冥さの中をずーっといって、大日如来のもとへ帰って行くんだと、生まれてくるときの暗さというのは、お母さんのお腹から出てくる暗さで、あれは光に反射される暗さですよね。」
(第五章 「呪」 神秘体験、死後の世界、宇宙を語る)

東方永夜抄

「成仏を忘れた亡霊は新たな生を生まない。死ねない人間は色鮮やかな冥界を知らない。 生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く死に死に死に、死んで死の終わりに冥し死を知らない私は闇を超越する。暗い輪廻から解き放たれた美しい弾幕を見よ!」
(幽冥の住人チーム Extraステージ)

 

アカシックファイル 日本の「謎」を解く! 明石散人 文庫 2000年1月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「私が思う国家の定義は、国家が国家固有の時間をコントロールしている、つまり、他国から何も干渉されない歴史時間を所有していることに尽きている。歴史時間とは何かと言えば、それは自国の歴史を編年体で表せる、その国家固有の紀元暦の所有であることは言うまでもない。現在の日本は神武紀元 (皇紀) を失い、西暦で歴史を語るが、日本時間 (神武紀元) と世界時間 (西暦) を併用したとして、何か不都合でもあるのだろうか? 元号があると言うかもしれないが、元号とは本来神武紀元のパーツとして誕生したものだから歴史時間 (日本時間) にはなり得ない。」
(巻十二 「千年期末」の大晦日)

東方文花帖(書籍) 第○○季

「男達というのは、旗本奴の方が古いのね。町奴は旗本奴に影響されて出現したのよ。」
「旗本奴と町奴の争いは私も知っていますが、何故この両者は仲が悪かったんですかね」
「武家は面目、町人は心意気でしょう。これを表現するには、両者がぶつかりあうのが一番手っ取り早いじゃない」
(巻十六 「お笑い」古今東西)

卯酉東海道 「派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。東京は昔の姿を取り戻しつつある」
(「レトロスペクティブ京都」 Retrospective Kyoto)

 

ゲーム 小説 小平秘録 明石散人 単行本 2000年5月
大老猫の外交術 ケ小平秘録 明石散人 文庫 2003年1月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

(特に無し)

   

 

月とスッポンの日本語 究極の蘊蓄語録 明石散人 単行本 2000年11月
日本語千里眼 明石散人 文庫 2004年7月
日本史千里眼 明石散人 単行本 2012年4月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「日本の精神文化を侘・寂だけで語りがちだが、実は、『幽玄・侘・寂』 の三点セットで想わないと、正しき日本の心は視えてこない。(中略) 幽玄というのは有り得ない美しさのことで、平ったく言えば誕生の美、つまり全ての生物の誕生の一瞬を意味する。(中略) 幽玄は誕生、発生の瞬間を意味するから根源と同義でもある。この幽玄が時間の中でどんどん変わり、そして固定し、固定して止まった時点からの時間の経過が侘、つまり侘は経過という意味だ。(中略) 時間の経過ということは人が使い込んだという意味でもあり、(中略) 古色の付いていく過程も侘である。寂は朽ちると同義。(中略) 消滅する寸前、これが寂である。発生は幽玄、経過が侘、そして朽ちるところ、つまり経過の終焉を視、そして朽ちるまでの時間に思いを馳せることは寂。(中略) 侘は観察し愛でることだが、寂は自分自身の空想を働かせなさい、ということだ。もちろん経過としての侘の裏付けがなければ寂にはならない。そして逆に寂から侘を通過し、幽玄まで辿りつく。」
(第一章 「言葉の語源で語る日本文化」)

東方永夜抄 散霊「夢想封印 寂」
「発散の終焉には、寂が訪れる。霊夢の寂は何度も訪れる。困ったものだ。」
(散霊「夢想封印 寂」 スペカコメント)
回霊「夢想封印 侘」
神霊「夢想封印 瞬」
♪「Eternal Dream 〜 幽玄の槭樹」

「似てはいるが比べ物にならないほど違うことや、優れたものと劣ったものとの比較を喩えて 『月と鼈』 という。月と鼈を似ているとする理由だが、(中略) この二つは丸い形で共通している。しかし、丸いもの同士でつながったとしても、月と鼈の喩えがなぜ成立するのかと言うと、この説明は案外難しい。だから、故事や諺辞典の類は 『月と鼈は形が丸くて似ているが、実は全く違うもの、或いはかけ離れたものの喩え』 などと、何の説明もなくいきなり結論し、かなり強引に片付けてしまう。少し想えば判ることだが、月と鼈を丸いもの同士で括るのは、これはもう突拍子もないこじつけである。(中略) 丸は無と同義。無はムであり、ムの異体は円相、つまり丸である。このことを前提にしないと月と鼈の正しき答えは決して得られない。月は無限の宇宙に浮かぶが、鼈は月に照らされて地上世界の湖沼ににぽっかりと浮く。これは双方の天文学的にかけ離れた距離を教えている。また、黒くて汚い鼈と冴え冴えとして清浄な月が池面に並ぶ様は双方の醜美を意味している。ただ、この月と鼈が共に円相を共有することを忘れてはならない。月と鼈の喩えは般若心経の 『色即是空、空即是色』 と同義であり、実は似て非なるものではなく月と鼈は全く同じものなのだ。」
(第二章 「権力者の寓話 庶民の議論」)

東方文花帖

「どうせ貴方もその諺を間違った意味で理解しているんでしょう? 月とスッポンってのは本当は 『似ているが比べものにならない』 という意味ではないの。幻想と現実、触れない物と触れる物、という意味なのよ。つまりすぐ手に入る物を私に見せて、月は行けるはずのない物と思え、と」
(「夜を駆ける珍品ハンター現る」)

「月と猿を題材に 『猿猴(えんこう)月を取る』 がある。猿が天空に浮かぶ月を取ろうとして池の辺の高い木に登る。懸命に手を伸ばすが、空を掴むばかりで月は取れない。ふと下を見ると池に月が浮かんでいる。今度は池の月を取ろうと試みるが、水を掬うばかりでやっぱり取れない。猿は何度も何度も池に映った月を掬うが、ついには池に落ちて溺れ死んでしまう。これを表面的に解釈し、単純に、絶対取れない月を取ろうとする猿の愚かしさとして嗤うのは誤りである。何故猿は空の月を放棄し、池の月を取ろうとしたのか。この猿の想いが重要なのだ。猿は空を掴んだことと、水を掬った時の感触の違いを知っている。つまり、実感のない空の月より実感できる池の月の方が近いと考えたのだ。しかし、池の月は虚像だから絶対に取れない。猿は虚と実の違いを知らなかったのである。取れないものを取ろうとしてはいけない。猿はなまじ賢いからこそ溺れ死んだ。この喩えは、愚かなものを嗤うのではなく、小利口な者に対する戒めである。」
(第二章 「権力者の寓話 庶民の議論」)

東方求聞史紀

「実と虚の境界を弄り、湖に映った月に飛び込み月に攻め入った事があるという。増長した妖怪を集めて行ったが、月の近代兵器の前にあえなく惨敗する。」
(妖怪図鑑 八雲紫)

「江戸の風景を短い言葉で見事に表現したものに 『火事と喧嘩は江戸の華』 がある。(中略) そもそも、江戸の頃は日本中どこの町も木造家屋が密集し、火事は日常茶飯の出来事である。喧嘩の類にしても、江戸ほど治安の良い町はなく、むしろ地方の方がガラは悪いし刃傷沙汰も多かった。(中略) ここで言う火事とは燃え上がる火事のことではなく、大名火消、定火消(旗本中心)、そして町火消が、いかにも華やかな火事装束に身を固め、危険な火事場で命を惜しまず活躍する風景を指している。また、喧嘩の方は江戸庶民の口喧嘩の類ではなく、男達(おとこだて)の喧嘩、旗本奴と町奴が武家の面目と町人の心意気をかけて争った喧嘩のことだ。」
(第三章 「多彩な解釈を楽しめる言葉」)

卯酉東海道 「派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。東京は昔の姿を取り戻しつつある」
(「レトロスペクティブ京都」 Retrospective Kyoto)

「ハシという言葉がある。ハシの意は 『二点間を結ぶ』 だが、この二文字の歴史を追うと、人がどのように進歩してきたのか、こんなことまで判ってしまう。神話の時代は上下を垂直に結ぶものを梯(ハシ)と言った。やがて文化が芽生えてくると、出雲大社に視られるような上下を斜めに結ぶものを階(ハシ)と呼んだ。そして、科学が誕生すると……、二点間を水平に結ぶ橋(ハシ)ができる。」
(第三章 「多彩な解釈を楽しめる言葉」)

東方地霊殿 水橋パルスィ
種族:橋姫

※地上と地底をつなぐ縦の移動における 「ハシ」 に対して橋姫と波斯人をリンクさせていると考えられる

「夏目漱石の漱石は、晋書の 『漱石枕流/石に漱(くちすす)ぎ流れに枕す』 に由来する。(中略) 漱石枕流は基句があって初めて意味をもつ。簡単に説明すると、本当は 『枕石漱流/石に枕し流れに漱ぐ=俗世間を離れ自然の中で自由気ままな生活を送る』 であるのに、晋の孫楚は平然と 『私は何も誤っていない。流れに枕する理由は耳をきれいに洗うためであり、石で漱ぐのは歯が丈夫になるよう磨くためだ』 と言いぬけてしまった。(中略) 王済は明らかに誤っているのに頑として自説を変えない孫楚を 『さすが(流石)によくこじつけたものよ』 と笑った。」
(第三章 「多彩な解釈を楽しめる言葉」)

東方萃夢想 漱石枕流
枕石漱流

「貴乃花が横綱に昇進した時、その心構えと決意を 『不惜身命(ふしゃくしんみょう)』 と表現した。(中略) 恐らく貴乃花は、この言葉を命を惜しまず横綱の責務を全うするという意で使ったのだと想うが、これも枕石漱流・漱石枕流と同じように二つあって初めて理解できる言葉だから、一つだけでは本来の意を正しく表現できない。元々は 『可借(かしゃく)身命、不惜身命=命は何よりも重い、命は大切にしなさい。しかしながら、その命を捧げることは何よりも尊い』 である。」
(第三章 「多彩な解釈を楽しめる言葉」)

東方緋想天 換命「不惜身命、可惜身命」

「『門前の小僧習わぬ経を読む=寺の門前に住む子供は習わなくても自然に経を読むようになる』」
(第三章 「多彩な解釈を楽しめる言葉」)

東方神霊廟 「門前の妖怪、習わぬ経を読む」
(Stage2)

「『栴檀は双葉より芳し=栴檀は香木白檀のこと。大成する人間は小さい頃から常人と違う優れた資質を現している』」
(第三章 「多彩な解釈を楽しめる言葉」)

東方萃夢想 「……鬼なんて、香りもへったくれも無さそうね」
「失礼ね。 香りを萃めるように私を呼んだんでしょ?」
「栴檀(せんだん)は双葉より芳し。 そんな小汚い鬼じゃあねぇ。」
「文字通り私の褒め言葉でしょう?」
(幽々子ストーリー 萃香戦)

「少し前に、『本当は恐ろしいグリム童話』 という読み物が話題となり、そのうちそっくりな二番煎じが出版され、これに対して盗作がどうこうと騒がれたことがあった。当時、オリジナリティを主張した側はパクられたと怒っていたようだが、この人が素材に使用した寓話は何なのかと想いうかべた時、何をかわんや、こんな気分に駆られたことを覚えている。(中略) イソップ物語もグリム童話も日本の昔話も、世界中の寓話の全てが、視点を変えて読めば怖い話であることは論じられているし、また誰もが知っている。それを、『本当は恐ろしい』 とタイトルし、あたかも固有の視点であるかのように見せていることに違和感を感じたし、そもそもグリム童話はこの人のオリジナルではないのだから、グリム兄弟がこの人に勝手な解釈は困るとクレームをつけたのならともかく、何の立場で相手を非難しているのかさっぱりわからなかった。(中略) この決着がどうついたのか知らないが、どれがどれをパクったとか、どの作品にインスパイアされたとかいうことではなく、似た話は古今東西たくさん存在する。」
(第四章 「常に斬新なソフトを生む発想」)

卯酉東海道 「メリー、広重も北斎に対抗して、富士の三十六景を描いていたってのは知っている?」
「あら、パクリ? インスパイア?」
(7.月まで届け不死の煙  Elixir of Life)

「日本人は中国古典の 『水滸伝』 や 『三国志』 を軽く扱い過ぎているような気がしてならない。この両書は中国人にとって単なる歴史物語ではなく、歴史書なのである。例えば、中国人や韓国人が日本の 『古事記』、『日本書紀』 の記述、或いは登場人物の人格を勝手にアレンジして (中略) 挙句に、これは自分の作品だからと、『古事記/趙強力著』 とか 『日本書紀/金詠日著』 とやったら、多くの日本人は間違いなく激怒する。日本人作家は昔も今も好んで三国志、水滸伝をテーマに読み物を書く。しかし、この両書と古事記、日本書紀を何故結びつけて配慮しないのか、不思議でならない。しかも、大方の作家が、臆面もなく自らの 『著』 としている。(中略)こんな輩に、著・編・翻案・コピー・レプリカ・フェイク・オマージュ・パロディ・インスパイア・盗作・盗用・引用・参考の違いを言ったところで仕方がないのかも……。」(中略)
「芥川龍之介にも古今著聞集や中国古典からインスピレーションを得た作品があるが、それが文学として認められるのは、原典に対する敬意が作品全体から表れているからだ。素材に味を付け品を醸し出すのが日本文化の特性の一つと前述したが、ここには素材、原典への敬意と、読み手をうならせる究極の技が求められる。そして、この技に感嘆するのも日本人の特性なのだ。しかし、日本の伝統的文化である味や品を付ける作業、この日本文化が良いか悪いか自体が、昨今では著作権問題として国際的に問われている。著、編、翻案にも、そろそろ明確な定義が必要であろう。
(第四章 「常に斬新なソフトを生む発想」)

東方香霖堂 「この文字が書かれていた所は星座の名前が書かれていた所である。それに、『制作』 ではなく 『著作』 である。」
「八雲紫はこの渾天儀を作った妖怪、という意味ではない。恐らく渾天儀に書かれた妖怪の星座の著者、つまり、星座を作った者という意味だと思う。」
(第二十二話 「妖怪の見た宇宙」)

 

七つの金印 日本史アンダーワールド 明石散人 単行本 2001年10月
七つの金印 日本史アンダーワールド 明石散人 文庫 2003年10月
七つの金印 明石散人 単行本 2010年月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「あの大阿闍梨様は真言密教最高の秘法八千枚護摩行を八十数回も成満し、更にあの空海でさえ為し得なかった未曾有の荒行百万枚護摩行をも成満したそれは凄い大行者なんです。」
(「光明真言池」)

東方文花帖 密符「八千万枚護摩」

 

日本国大崩壊 アカシックファイル 明石散人 文庫 2003年5月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「日本の国家・国体とは三種の神器のことだ。この神器を未来永劫守ることを国体護持という。」
(巻六 「ポツダム宣言受諾で護られたもの」)

東方永夜抄 国符「三種の神器 剣」
国符「三種の神器 玉」
国符「三種の神器 鏡」
国体「三種の神器 郷」

「私はかねがね資本主義の寿命はワンクール六十年説を提唱している。どん底から五十年で頂点に上り詰め、次の五年間で大底へ急落し、そして五十六年目からはこの大底さえもぶち抜いて阿鼻叫喚の奈落の底へと落ちていく。つまり、この国が何もかもを失った西暦一九四五年をどん底とすれば、頂点はそこから五十年後の一九九五年、その五年後の二〇〇〇年が大底、そして五十六年目の西暦二〇〇一年から西暦二〇〇五年までの五年間は地獄、こんな図式である」
(巻十一 「『コウゾウカイカク』唱える閻魔総理登場」)

東方花映塚 「わざわざ閻魔様が出てくると言うことは、余程一大事なんでしょうか?」
「60年に一度位、こういう事が繰り返されてきたのよ。」

※ 東方花映塚は2005年リリース

「日本は東京裁判におけるA級戦犯の問題を誤って解釈し、その答えが今崩壊という解答を引き出しているんです。このまま行けば、ごく近い将来、この国がもう一度悲惨な戦後を迎えることは間違いありません」
(巻十三 「北方領土と田中真紀子外相更迭の相関」)

東方花映塚 ♪六十年目の東方裁判

「富士山が世界遺産に指定されなかった最大の原因は何だ?」
「それは山麓の乱開発と山頂付近の人為的汚染があまりにも酷かったからと……」
「霊峰富士に対する破壊行為は大正期の富士山麓開発計画から始まった。この自然破壊を推し進めたのは堀内光雄氏の祖父堀内良平という衆議院議員だ。彼は言うに事欠いて、霊峰富士の観光地化を目指し、明治天皇から山梨県へ下賜された青木ヶ原恩賜県有林四百五十万坪の長期借地を申請した。面倒なので細かい経緯は省くが、結果的に堀内良平は当時の山梨県知事を動かし、富士山麓中の最景勝地三百万坪をただ同然で永遠借地することに成功してしまった」(中略)
「堀内光雄氏は富士山の山頂までトンネルを掘ってケーブル車両で上がれるようにしようという、とんでもない構想をぶち上げたことがある」(中略)
「富士山に対する冒瀆だと非難囂々の中、何と彼は十年間もその計画を取り下げなかった」
「では今は中止になったんですね」
「そりゃそうだろう。富士山のどてっ腹に穴を開け巨大トンネルを通して頂上へ観光客を運ぶ、いくらなんでもこの計画に賛同する日本人はいないよ。」
(巻十七 「議員辞職の原則を無視した鈴木宗男氏逮捕」)

卯酉東海道 「とにかく東京と京都を結ぶ事だけを考えて設計した卯酉東海道だったが、政府は霊峰富士の真下に穴を開けるという、畏れ多き事態だけは避けた。」
(5.青木ヶ原の伝説  Forbidden Forest)

※ 鳥玄坊シリーズの方には富士山地下に神々の大空洞があるが、そちらも関連か?

「日本の国旗が何故赤と白か、お前、この理由を知ってるか?」
「日本は 『日出ずる国』 ですから、赤い丸で太陽を表したのだと思いますけど」
(巻二十五 「日の丸と星条旗の意外な共通点」)

東方永夜抄 「日出づる国の天子」

「神功皇后の出産の折、天から赤と白のたくさんの幡(ばん)が舞い降りてきて神功皇后のお姿を隠しました。応神天皇の誕生は日本国にとってこの上ない慶事ですから、日本では赤白がめでたさの象徴になったんです。応神天皇は八幡様と呼ばれますけど、八幡とはたくさんの赤白の幡という意味で、天皇家をガードする平家と源家のシンボル旗も、ここから赤一色と白一色になりました」
(巻二十五 「日の丸と星条旗の意外な共通点」)

東方香霖堂 「紅白の旗がお目出度いのは正八幡が源流だって、知っていました? 普通忘れますよね、そんな昔の事」
(第十四話 「無々色の桜」)

(同上)

東方花映塚 ♪お宇佐さまの素い幡

 

日本史快刀乱麻 明石散人 新書 2003年11月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「今はあまり使わなくなったが、おコメのことを 『銀シャリ』 という。この銀シャリという言葉、どうも戦後間もない頃にできたようなイメージを、みんなが持っているような気がする。事実、『広辞苑』 にも、こう書かれていた。《銀舎利(『しゃり』 は俗に米粒の意) 白米の飯。一九四〇年代、わが国の食糧不足の時代の語》 でも、銀シャリは、その語源をよく考えれば、決して一九四〇年代に生まれた言葉ではなく、その起源はもっとずっと古い。(中略) 銀シャリの 『シャリ』 は仏舎利の舎利、つまりお釈迦様の遺骨から来ている。」
(第1章 誤用と誤解だらけの 『定説』 3.『幽玄・侘び・寂び』に秘められた謎)

東方香霖堂 「寿司か。悪趣味な洒落だな。魔理沙」
「ふん。人の前まで平気で舎利を持ってくるような奴に言われたくないぜ。(中略) シャリは寿司の飯だけで十分だ」
(第十話 「無縁塚の彼岸花」)

「よく日本の伝統文化の美を表すのに、『侘び・寂び』 という二つの言葉が使われるが、今の日本人は、もう一つの 『幽玄』 という言葉を忘れているようだ。『幽玄・侘び・寂び』、この三つがあってこそ初めて日本の美の表現が完結する。(中略) つまり、幽玄は根源、侘びは経過、寂びは結果である。」
(第1章 誤用と誤解だらけの 『定説』 3.『幽玄・侘び・寂び』に秘められた謎)

東方永夜抄 散霊「夢想封印 寂」
回霊「夢想封印 侘」
神霊「夢想封印 瞬」
♪「Eternal Dream 〜 幽玄の槭樹」

「『古事記』 の成り立ち、当時の時代背景、稗田阿礼の超人的な記憶力、そしてこの 『古事記』 を利害関係の異なる当時の権力者達がなぜ受け入れたのか……、これらのことを併せ考えると、謎の人、稗田阿礼の正体が朧げながら浮かんでくる。阿礼は早期幼児自閉症の子供、つまり 『イディオ・サバン(idiot savant)』 であった可能性がある。イディオ・サバンとは、早期幼児自閉症の子供たちの内、例えば、非常に難解な祈祷文を記憶したり、素数だけを延々と言い続けられたり、一度聞いたメロディーを正確にピアノで再現するといった、特異な能力を持つ子のことをいう。」
(第2章 隠された 『素顔』 1.『古事記』の語り部はイディオ・サバン症候群)

東方求聞史紀 稗田阿求 求聞持の能力

「漱石は人一倍プライドが高かった。ユーモアに富む作品もたくさん残しているが、実際は、真面目で神経質、自分はエリートだという自惚れが非常に強い人物である。そんな彼が直に触れた西欧文明は、日本人としてのアイデンティティを打ちのめす驚愕の連続だった。(中略) マルクス主義についての知識は日本でもあったが、異国の地に来て初めてコミュニストを表す色が赤であるなんてことも知った。」
(第2章 隠された 『素顔』 3.夏目漱石 『坊ちゃん』 とターナー)

東方香霖堂 「おいおい、ただでさえ赤い鍋なんだから白味噌にしろよ。赤汁に赤味噌か? お前はコミュニストか?」
(第三話 「幻想の鳥」)

「『十五』 は 『完全』 という意味を持つが、これは月の満ち欠けから来ている。明治まで用いられた太陰暦では、人々は月の運行を基に、月日、季節の移り変わりを知った。(中略) 十五夜でまん丸の満月となることから、『十五』 は 『完全』 なのである。」
(第3章 改めて驚く日本人の 『知恵』 3.忠臣蔵に込められた数字)

東方香霖堂 「僕は思う、十五が力を持つのは当たり前じゃないか。古くからこの国では十五は完全を意味していた。満月を十五夜と呼ぶのも同じ理由だ。」
(第一話 「幻想郷の巫女と十五冊の魔力 前編」)

「後の応神天皇である。実は、この出産の折、あたかも皇祖、皇宗の啓示のように、天から赤と白のたくさんの 『幡(はた)』 が舞い落ちてきて、神功皇后のお姿を護り隠したという。(中略) 皇子の誕生は日本国にとって、これ以上ない喜び、祝賀であることは言うまでもない。この応神天皇の誕生譚の際の 『赤と白』 の幡が起源となって 『紅白』 はお目出度いことの象徴となり、慶賀の際には必ず 『紅白』 が使われるようになったのである。(中略) 天から降ってきた、たくさんの紅白の幡から由来して、応神天皇は 『正八幡』 とも称された。誕生の地から近い宇佐神宮(現在の大分県宇佐市)は、神功皇后、応神天皇を祭神とし、全国に約四万社ある八幡宮神社の総本社となっている。天から降ってきたとされる幡は、『ばん』 とも読み、仏や菩薩の権威を示す荘厳旗のことである。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 1.なぜ紅白はおめでたいのか)

東方香霖堂 「紅白の旗がお目出度いのは正八幡が源流だって、知っていました? 普通忘れますよね、そんな昔の事」
(第十四話 「無々色の桜」)

(同上)

東方花映塚 ♪お宇佐さまの素い幡

「赤は、色の原初である。太陽、血など、人間にとってもっとも身近な色だった。そして古代日本人にとって、白は 『無』 であり、色彩という意識がなかった。いわば、白は 『ゼロ』、赤は 『原初の色』、つまり紅白は、『無』 から 『有』 が初めて生まれたことを意味する。(中略) 同様に、黒と白が不祝儀とされるようになったことも容易に考えられよう。(中略) 北の神 『玄武』 は黒である。北は 『冥界』 を意味する方角でもあった。黒は、白と同様、古代の日本では色彩と認識されておらず、白が 『ゼロ』 なら、黒は 『マイナス』 である。だから、『黒と白』 は禍事を示す象徴となった。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 1.なぜ紅白はおめでたいのか)

東方香霖堂 「白とは何を指しているか、と考える。まず、白は色として認識されていないのだ。何故なら、如何なる色にも変化する事が出来る唯一の色だからである。数字でいえばゼロに当たるだろう。一方、紅は人間の血の色であり、生命の象徴でもある。それは人間が最初に感じる生命の色であり、すなわち原初の色なのだ。これは存在そのものと考えても良い。つまり、紅と白の間には存在と無の差がある。紅白の境界が 『目出度い』 のはその為だ。(中略) 白が色として認識されていないのと同時に、黒も色として認識されていなかった。黒はただの闇であり、闇の中ではどんな色も黒になる。そこから生み出されるものは何も無い。白がゼロならば黒は虚と言う事だ。ゼロと虚である以上、黒白の境界は何も実体、つまり生命を生み出さない。紅白と黒白の違いはまさに、この世とあの世の違いと類似し、紅白が生を象徴とするように、黒白が死を意味するようになったとしても何も不思議な事ではないのだろう。」
(第十四話 「無々色の桜」)

「武家にとっての本分とは、赤白の 『幡』 が舞い落ちてきて神功皇后・応神天皇を護り隠したように 『天皇家を護る』 ことだ。当然、武家の二大勢力、平家と源家は宇瀰で起きた奇跡にちなみ、平家が赤幡、源家は白幡を旗標とした。(中略) 権勢を握った平家は、いつしか武家の本分たる 『赤幡の理・武家の大義』 を忘れ、応神天皇の天皇家をないがしろにした。一方の源家は、『白幡の理・武家の大義』 を忠実に守り続ける。(中略) やがて平家は没落し、『白幡の理』 を忘れなかった源家の世となる。源家が、いかに応神天皇を大事にしていたかは、強い八幡信仰に見て取れよう。特に、源家嫡流の氏神として崇めていたのが山城国、京都の南にある石清水八幡宮であった。(中略) 源義家は、元服に当たって、京や奈良の由緒ある神社ではなく、迷わず石清水八幡宮の神前で元服し、そのことから、『八幡太郎』 の異名を取ったほどだった。義家の四代後が、鎌倉幕府を創設した源頼朝である。頼朝も、鎌倉に鶴岡八幡宮を造営し、八幡神に崇敬の念を寄せていたことがわかる。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 1.なぜ紅白はおめでたいのか)

卯酉東海道 「そういえばこの新幹線、最初は京都と東京だけじゃなくて、鎌倉にも駅を作る予定だったらしいよ?」
「蓮子は誰かに嘘情報吹き込まれたんじゃないの? 八幡様が好きな誰かに」
(6.お宇佐さまの素い幡  Most Famous Hero)

「『かぐや姫』 などもそうだ。この物語は宇宙を舞台にした、世界最初のSFとも言えるのだから。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 2.『視えないもの』 を視る日本の文化)

東方永夜抄 竹取物語
宇宙人(月人)

「古代日本人にとって、原初の概念としての 『ハシ』 は 『端っこ』 の意であった。そこから、端と端を結ぶもの、つまり 『二点間を結ぶ』 ものが 『ハシ』 となる。ハシは必ずしも、岸と岸を結び川に架かるものとは限っておらず、上下をつなぐ 『梯』、斜めに渡るための 『階』、陸地と船を結ぶ 『桟』、食物を口へと渡す 『嘴』や 『箸』、また、かつてこの日本では、世界の端っこにあるという意味からペルシャを波斯の国とも呼んでいた。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 2.『視えないもの』 を視る日本の文化)

東方地霊殿 水橋パルスィ
種族:橋姫
「……嫉妬に駆られたペルシャ人かな よく判らない」
「何でペルシャ人が土の下にいるんだよ」
(魔理沙&パチュリーストーリー Stage2)

※地上と地底をつなぐ縦の移動における 「ハシ」 に対して橋姫と波斯人をリンクさせていると考えられる

「仙高フ禅画に○、△、□を横に続けて描いただけのものがあり、彼はその画の題を 『宇宙図』 とした。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 2.『視えないもの』 を視る日本の文化)

東方文花帖 萃香のスペカ背景は宇宙が題材
※ 萃香は○△□が付いている鎖を身に付けている。
  「謎ジパング」の項も参照

「古代出雲人は、神産巣日神(かみむすびのかみ)を象徴する五穀第一位の米を神奈備(三角形)の山形に握り、これを尊称してオムスビと名づけた。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 3.当世風お姉ちゃんこそ現代の江戸っ子)

東方永夜抄 産霊「ファーストピラミッド」
「世界最古のピラミッドパワー。産霊の神の象徴である三角。調和。」
「世界最古のピラミッドパワー。 むしろおむすびの事。」
(産霊「ファーストピラミッド」 スペカコメント)

「江戸初期になると、婆娑羅とよく似た 『男達(おとこだて)』 という奇怪なグループが二つ誕生した。旗本奴と町奴のことである。男達を自称した彼らの、華美というか派手というか、無茶苦茶とも言える扮装は江戸の町に異様な雰囲気を醸し出したが、男達の神髄はその着飾った扮装や珍妙な風体ではなく、彼らのあくまでもストイックな生き様にあった。(中略) この婆娑羅と男達の精神構造を、現在でも体現している者がいると言えば、一体どこにと驚くかもしれないが……、ひと頃流行った(?)ガングロと称されるお姉ちゃんたち、あるいはシャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンなどの全く身分不相応のブランド品で全身を固めた若い女性たち、この当世風日本女性にこそ、婆娑羅や男達と同じ、或いは、一点豪華主義に全財産をかけた江戸庶民の心意気が引き継がれている。」
(第4章 現在でも知らずに根付く 『粋』 3.当世風お姉ちゃんこそ現代の江戸っ子)

卯酉東海道 「派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。東京は昔の姿を取り戻しつつある」
(「レトロスペクティブ京都」 Retrospective Kyoto)

 

日本史鑑定―天皇と日本文化 明石散人
篠田正浩
文庫 2004年12月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

「現人神の天皇」
(「室町の文化で日本文化の謎が解ける」)

東方風神録

「私は風祝の早苗 外の世界では絶え果てた現人神の末裔」
(Stage5)

「国体を護る」
「三種の神器」
(「室町の文化で日本文化の謎が解ける」)

東方永夜抄 国符「三種の神器 剣」
国符「三種の神器 玉」
国符「三種の神器 鏡」
国体「三種の神器 郷」

「当時は旗本奴と町奴の全盛期で」
(「時宗の系譜と歌舞伎の意識」)

卯酉東海道 「派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。東京は昔の姿を取り戻しつつある」
(「レトロスペクティブ京都」 Retrospective Kyoto)

「私はあの 『ハシ』 はペルシャの波斯だと考えています。あの時代、天皇家周辺に間人一族がいますが、あれは波斯人、つまりペルシャ系の人達です。これらのペルシャ系波斯人がペルシャ文化を天皇家にもたらし、それが道教的な考えと結びついたと思うんです。」
(「二月堂は古代天皇家に近い」)
「以前にも書いているのですが、『ハシ』 という言葉は、昔の 『梯』 のハシからきてハシなのですが、これは垂直の移動という意味です。斜めは 『階』 でこれもハシと読みます。水平を渡すのは 『橋』 で、空間を移動するのは 『箸』、これら全て読みはハシで字は異なる言葉です。ただ、今は指す物が違うけれど、二点間をつなぐという根源の意味は同じであり、必ずしも異義語ではないわけです。」
(「『源平盛衰記』は武家世界を描く神品」)

東方地霊殿 水橋パルスィ
種族:橋姫
「……嫉妬に駆られたペルシャ人かな よく判らない」
「何でペルシャ人が土の下にいるんだよ」
(魔理沙&パチュリーストーリー Stage2)

※地上と地底をつなぐ縦の移動における 「ハシ」 に対して橋姫と波斯人をリンクさせていると考えられる

「トキ絶滅となった時に、政府が何故あれほど必死になったかの説明がありませんでしたが、天皇の鳥であるという背景をもっときちんと言うべきだと思います。」
(「日本主義とは何か」)

東方香霖堂 朱鷺
(第三話 幻想の鳥)

「江戸になっても治水関係は特殊な集団が担っていたようですが、河童の伝説などもそうしたことと結びついています。河童の祖先とされる河伯ですが、河伯とは中国では川の神のことですから、その集団に渡来人系列の関わりがあったのかもしれません。」
(「時宗の門徒が時代を拓く」)

東方香霖堂 「河童は、よく中国の河伯と呼ばれる河の妖怪が転じたものだといわれているが……それは違うんだ」
「河伯は大河に住む水の神様だ。」
(第十八話 「月と河童」)

「柳田國男は 『山人考』 で、日本はたくさんの人種の交わりがあると書いています。山の中に住んでいる民は、土着のサンカと荘園制度の崩壊で山の中に逃げ込んだ民があるとか、山に捨てられる者もあることが書かれています。」
(「時宗の門徒が時代を拓く」)

ダブルスポイラー 山窩「エクスペリーズカナン」

 

男達 現代が失ったオトコの真髄 明石散人
浪川政浩
単行本 2007年1月
元ネタ ZUN氏作品 当該箇所

旗本奴と町奴

卯酉東海道 「派手な格好の若者達が、独自のルールを形成している事が特徴的な東京。町奴や旗本奴、火消しが暴れる町の様に……。東京は昔の姿を取り戻しつつある」
(「レトロスペクティブ京都」 Retrospective Kyoto)