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♪妖怪モダンコロニー
 

 [音楽]
 
 撮影曲2。ようかいモダンコロニー。
 
 ・modern
   「近代の、現代の。現代的な、最新の」
 ・colony
   「植民地。植民者。居留地、居留者。共同体。コロニー」
 
 YOUKAI Modern Colony.
 「妖怪の現代的共同体」
 幻想郷の外の世界、現代の人間社会や人間の技術を意識しつつ、
 河童や天狗は妖怪の山に独自の妖怪社会を形成している。
 また、外の世界から引っ越してきた山の神様により
 旧地獄には新エネルギーがもたらされ、
 いくつかの妖怪集団のそれぞれで近代化が進んでいる。

 参考
 「SPACE ALC」 (modern, colony)
 



不憫な不法投棄物
 

 [コードネーム]
 
 LV3の撮影対象、多々良小傘のコードネーム。ふびんなふほうとうきぶつ。
 
 ・不憫
   「あわれむべきこと。かわいそうなこと」
 
 小傘の星蓮船での二つ名は 「愉快な忘れ傘」。
 
 「使われなくなった傘が化けた者。
  彼女は元々は忘れ物の傘だったのだが、配色が不人気で誰も拾ってくれる事もなく、
  雨風に飛ばされているうちに妖怪になった者である。」
 (星蓮船のキャラ設定より)
 
 不憫だった忘れ傘が妖怪化したのだが、
 人を驚かすことは達成できていないようで、やはり不憫。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (不憫)



秋の日の人食い
 

 [コードネーム]
 
 LV3の撮影対象、キスメのコードネーム。あきのひのひとくい。
 
 キスメは妖怪・釣瓶落とし。
 京都に伝わる釣瓶落としは、夜間の通行人に対して
 大木から突如釣瓶や首が落ちてくる怪異。
 釣瓶落としはその人間を引っ張り上げ、食べてしまうという。
 
 秋の日の沈むのが早いことをいう諺に、秋の日は釣瓶落し、がある。
 「The Grimoire of Marisa」 のキスメの項にも、
 怪奇「釣瓶落としの怪」に対して、「秋から冬の夕方になると見える」とある。
 
 参考
 「広辞苑 第五版」 (秋の日は釣瓶落し)
 「The Grimoire of Marisa」 ZUN著、一迅社
 「日本妖怪大事典」 (釣瓶下ろし) 村上健司編著、角川書店



忍び寄る恐怖の気
 

 [コードネーム]
 
 LV3の撮影対象、ヤマメのコードネーム。しのびよるきょうふのき。
 
 ヤマメは、感染症を主とした病気を操る。
 忍び寄る、病気の気。
 地霊殿で使用したスペルも含めて考えれば、
 ミアズマ=瘴気(熱病を起こさせる山川の悪気)も。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (瘴気)



傘符 「一本足ピッチャー返し」
 

 [スペル]
 
 小傘のスペル。いっぽんあしピッチャーがえし。
 
 ・ピッチャー
   「野球で、打者に球を投げる人、投手。水差し、ジョッキ」
 
 一本足の妖怪である傘化けや一本だたらの要素が
 多々良小傘には盛り込まれている。
 その一本足にちなんで、一本足打法とピッチャー返し。
 
 一本足打法は、野球のバッティングフォームの1つ。
 片足を上げてタイミングを上手く取り、打撃力を向上させる。
 王貞治の打法で有名である。
 また、ブンブン丸の愛称で知られる池山隆寛も一本足打者であったようだ。
 
 打球が強いライナーで投手めがけて飛ぶものをピッチャー返しという。
 多くはピッチャーが投球直後でバランスを崩しており、
 回避や捕球が困難なため非常に危険である。
 
 一本足の傘化けが放つ、一本足打法でのピッチャー返し。
 
 また、「とりあえずピッチャー二つで」ではないが、
 居酒屋などでビールの容器の1つとして(一部ではよく)登場するピッチャーもある。
 取っ手のついた容器で、水やミルクなどの液体を注ぐための水差しがピッチャーで、
 小傘が星蓮船で雨や水関係のスペルを多用したことを踏まえると、
 一本足の傘化けが水差しの水を盛大に返している様子とも考えられる。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (ピッチャー)
 「Wikipedia」 (一本足打法、ピッチャー)



釣瓶 「飛んで井の中」
 

 [スペル]
 
 キスメのスペル。とんでいのなか。
 
 ・飛んで火に入る夏の虫
   「自ら進んで禍に身を投ずることのたとえ」
 ・火の中水の底
   「ひどい苦しみや困難な境遇に身を置くたとえ。火の中水の中」
 
 飛んで火に入る夏の虫と、例え火の中水の中の合わせ技で
 飛んで火の中、だろうか。
 キスメは釣瓶落としで、大木から落下して来る他、
 井戸でも待ち伏せていたりするのだろうか。
 
 獲物がまんまと井戸に飛び込んでやられる、というシチュエーションは、
 漫画 「ジョジョの奇妙な冒険」 第二部で登場のサンタナが
 陽光から逃れようと井戸に飛び込んだものの
 真昼の太陽が水面に反射して逃げ道が無かった、というシーンを思い起こさせる。
 関連は不明。
 
 ちなみに、アニメ 「もーれつア太郎」(1990年版)のオープニング主題歌、
 「がってん承知ノ介」 の歌詞中に、「飛んで火の中水の中」 とある。
 関連は不明。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (飛んで火に入る夏の虫)
 「Yahoo!辞書」 (火の中水の底)
 「Wikipedia」 (もーれつア太郎)
 「うたまっぷ.com」>>がってん承知ノ介



細綱 「カンダタロープ」
 

 [スペル]
 
 ヤマメのスペル。
 
 カンダタは、芥川龍之介の小説 「蜘蛛の糸」 の主人公として知られる。
 「蜘蛛の糸」 には典拠が知られているが、
 ここでは芥川作品の 「蜘蛛の糸」 で問題無いと思われる。
 
 様々な悪事を働いた泥棒であったが、
 小さな蜘蛛を踏み殺さず逃がした、たった1つの善行があった。
 死後地獄へと落とされたカンダタに対し、
 お釈迦様は極楽から一本の蜘蛛の糸を垂らした。
 蜘蛛の糸は、カンダタがそれを伝って上昇出来、
 数多くの罪人もぶら下がるに耐えるほどの強度であったが、
 カンダタの利己的な感情を剥き出しにした途端に
 儚くもぷつりと切れてしまった。
 
 糸を撚り合わせたものが綱、ロープである。
 糸では人が掴まって上るには細すぎると判じて、
 蜘蛛の糸でつくられたロープとしたものか。
 
 絡新婦(じょろうぐも)が人を引き込む際、蜘蛛が細い糸を一本一本付けてゆく。
 これに気付いた人間が、付けられた無数の糸を近くの樹木に結ぶと、
 その樹木が淵に引き込まれてしまう。
 
 蜘蛛の糸と言えば救済の一縷の望みだが、
 蜘蛛のロープとなれば、絡新婦のイメージも絡めて脅威となるか。

 参考
 「Wikipedia」 (蜘蛛の糸)
 「日本妖怪大事典」 (女郎蜘蛛)



虹符 「オーバー・ザ・レインボー」
 

 [スペル]
 
 小傘のスペル。
 
 Over the Rainbow.
 「虹の彼方に」
 
 "Over the Rainbow" は、ミュージカル映画 「オズの魔法使い」(1939年)の劇中歌。
 アカデミー歌曲賞を受賞し、世界的な人気曲で、多数のアーティストがカバーしている。
 
 持ち主に忘れられ、他の人々にも見向きもされず、
 強い風と冷たい雨と孤独にさいなまれて妖怪と化した付喪神。
 暗い思い出の現代社会は風雨をもたらす厚い雲と共に眼下に飛び去り、
 虹の向こうの青い高空に、明るい太陽と幻想の世界。
 
 ♪虹の向こう側のどこか高い空の上に
  いつか子守歌で聞いた国がある
  虹の向こう側の空は真っ青で
  そこでは、どんな夢もかなえられる
 (「開けてびっくり・ジャズ玉手箱」の和訳より)

 参考
 「Wikipedia」 (虹の彼方に)
 「開けてびっくり・ジャズ玉手箱」>>Over The Rainbow



釣瓶 「ウェルディストラクター」
 

 [スペル]
 
 キスメのスペル。
 
 ・well
   「井戸、鉱泉、泉、源泉」
 ・destruct
   「(ロケットなどが)自爆する。(ロケットなどを発射後)爆破する」
 ・destructor
   「廃物焼却炉」
 
 Well Destructor.
 「井戸の破壊者」
 地霊殿では極太レーザーを落下させていたが、
 飛んで井の中、狭い空間に入った獲物であれば逃げ道なく攻撃できそう。
 勢い余って井戸ごと破壊か。
 
 地霊殿の要素から、井戸とイドも掛けられているか。
 地中深く伸びる井戸全体を破壊する攻撃は、
 精神の奥底の本能的エネルギーの源泉をも破壊するか。

 参考
 「SPACE ALC」 (well, destruct, destructor)
 「広辞苑 第五版」 (イド)



毒符 「樺黄小町」
 

 [スペル]
 
 ヤマメのスペル。かばきこまち。
 
 ・樺黄小町蜘蛛
   「フクログモ科のクモ。網を張らずにススキの葉を巻いて住居を作って潜み、
    夜間徘徊して昆虫を捕る。橙色ないし黄色で体長10〜15ミリメートル。全国に分布し、
    日本のクモの在来種の中では最も毒性が強く、咬まれると痛い。」
 
 日本在来種の中で最も毒性が強い蜘蛛をチョイスか。
 カバキコマチグモの子蜘蛛は、最初の脱皮が済むと
 生きている母蜘蛛にとりついて食べてしまうことで知られる。
 弾幕がヤマメに集中後に散開するとヤマメの姿が無いのはこの習性の表現か。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (樺黄小町蜘蛛)
 「Wikipedia」 (カバキコマチグモ)



傘符 「細雪の過客」
 

 [スペル]
 
 小傘のスペル。ささめゆきのかかく。――かきゃく。
 
 ・細雪
   「こまかに降る雪。また、まばらに降る雪」
 ・過客
   「来訪した人、来客。通り過ぎてゆく人。旅人」
 
 まばらに雪の降る中、傘をさして通り過ぎてゆく人々。
 忘れられた上に人々に見向きもされなかった傘であった小傘。
 冷たい雪の降る中であっても必要とされない。
 視界に入る他の傘達は皆全て持ち主の手に収まっている。
 そんな、過ぎ去った昔の悲しくつらい思い出だろうか。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (細雪、過客)



更新履歴
 

2010年
3月16日 初回更新
12月9日 TXTからHTMLに変更



 

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