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水棲の技師
 

 [コードネーム]
 
 LV4の撮影対象、河城にとりのコードネーム。すいせいのぎし。
 
 ・水棲
   「水中に生じ、または水中で生活すること」
 ・技師
   「専門技術を職業とする人、エンジニア」
 
 河川や湖沼に棲息すると言われる水の妖怪、河童。
 東方の河童は、ZUN氏の河童に対する「技術者のイメージ」
 (キャラ☆メルでのインタビューより)から構築され、
 にとりは「コテコテのエンジニア」(風神録のキャラ設定より)と紹介される。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (水棲、技師)
 



山のテレグノシス
 

 [コードネーム]
 
 LV4の撮影対象、犬走椛のコードネーム。やまのテレグノシス。
 
 ・tele-
   「遠距離の」
 ・gnosis
   「神秘的直観、霊知、覚知」
 ・-gnosis
   「[医] 認識」
 ・telegnosis
   「(遠く離れた場所の出来事を知ることができる)透視力、千里眼」
 
 椛は、妖怪の山で見回りをしている白狼天狗で、
 千里先まで見通す程度の能力を持つ。

 参考
 「SPACE ALC」 (tele-, gnosis, -gnosis, telegnosis)



水符 「ウォーターカーペット」
 

 [スペル]
 
 にとりのスペル。
 
 Water Carpet.
 「水の絨毯」
 平たい面を水が一様に流れる様を、水の絨毯と例える事がある。
 一般的には穏やかかつダイナミックな印象であるが、
 本スペルの場合は、大量に押し寄せる水が
 見掛けに反して、流路のあらゆる障害物を押し流してしまうパワーも加味か。
 
 ウォーターベッドをイメージした、河童の発明品だろうか。
 語感としては、ウォーターベッド+カッパにも思える。
 
 照り返しの改善やヒートアイランド現象の軽減を目的とした
 都市部においての芝生による緑化推進において、
 水分を多く含む芝生を「水のカーペット」と称することがある。
 河童に近いとされる妖怪、芝天を意識していたりするだろうか。
 関連は不明。
 
 蛾の一種、ヒダカアトクロナミシャク(学名:Lampropteryx suffumata)は、
 英語一般名で "Water Carpet" と呼ばれる。
 関連は、きっと無い。

 参考
 「緑化計画研究所」>>芝生の園庭(PDFファイル)
 「Wikipedia(英)」 (List_of_moths_of_Great_Britain_(Geometridae))
 「みんなで作る日本産蛾類図鑑」>>学名【L】



狗符 「レイビーズバイト」
 

 [スペル]
 
 椛のスペル。
 
 ・rabies
   「狂犬病、恐水病」
 ・bite
   「かむこと、かみ付くこと、咬合。刺傷、咬傷」
 
 Rabies Bite.
 「狂犬病の咬みつき」
 狂犬病は、狂犬病ウイルスによる犬の伝染病である。
 犬は狂暴化し全身麻痺で死ぬ。
 また、咬傷から人畜にも感染する。
 感染後、発症すれば極めて高い致死率を誇る。
 感染後にウイルスは中枢神経に達し、痙攣や麻痺を起して死に至る。
 水を飲む時や水を見るだけで嚥下筋の痙攣を起こすため、恐水病とも呼ばれる。

 参考
 「SPACE ALC」 (rabies, bite)
 「広辞苑 第五版」 (狂犬病)



河符 「ディバイディングエッジ」
 

 [スペル]
 
 にとりのスペル。
 
 ・dividing
   「分割する、区分的な。[機械] 度盛り用の」
 ・edge
   「端、へり、はずれ、境界。尾根、稜線、(崖の)縁。瀬戸際、出発点。
    接線。刃。鋭さ、切れ味。」
 
 Dividing Edge.
 「分割の河縁」「分水の境界」「水分の刃」
 
 国境などを設定する際、山や川などの
 自然に存在し、越える事も容易くはないラインを境とすることがよくある。
 県境や市区町村の境に山の稜線や河川を利用したものが
 皆さんの周辺地域にもきっと馴染み深い。
 また、山や川は古来より異界との境界とみなされてきた。
 死後に渡る三途の河やアケロンの河なども代表格である。
 水を操るにとりにかかれば、地形的な境界としての河の形も自在に変動し、
 河童の棲息する河川の淵に迂闊に近付けば生と死の境界も自在か。
 
 河と境界と言えば、主に山の稜線などを辿る事で
 河川の流域面積が決定されることも思い浮かべられる。
 降って来た雨水が山の斜面を下り、最終的にどの川に流れ込むかの
 一つの指標が山の稜線であり、ある1つの川に雨水が到達するであろう全領域を
 その川の流域面積と言い、○○川水系と表現もする。
 複数の山同士や山脈の稜線の場合、はっきりと
 2つ以上の川の流れを分ける境界となっている場合がある。
 これを分水嶺、山に限らず2つ以上の河川の流れを分ける境界を分水界や分水線という。
 水を分かつ境界である。
 古事記には流水の分配を司る神、天之水分神・国之水分神が見え、
 水源地や分水点に祀られることが多い。
 水分(みくまり)とは水配りの意で、山から流れ出る水が分かれる所である。
 
 また、エンジニアとしてのにとりであるため、
 武器を連想させる刃のエッジの含意もあると考えられる。
 超妖怪弾頭だし、のびーるアームだし、空中魚雷だし。

 参考
 「SPACE ALC」 (dividing, edge)
 「広辞苑 第五版」 (分水界、分水嶺、水分、水分の神)
 「【縮刷版】神道事典」 (水分神) 弘文堂



山窩 「エクスペリーズカナン」
 

 [スペル]
 
 椛のスペル。
 
 ・expellee
   「追放された人」
 ・Canaan
   「(神が約束した)楽園、(神が約束した)イスラエルの土地。
    [聖書] カナンの地、(古代)パレスチナ」
 ・山窩 (さんか、さんわ)
   「村里に定住せずに山中や河原などで野営しながら漂泊の生活を
    おくっていたとされる人々。主として箕作りや竹細工・杓子作り・
    川漁などを業とし、村人と交易した」
 ・禍難
   「災難。わざわい」
 
 Expellees' Canaan.
 「サンカの楽園」「サンカの禍難」
 サンカは、日本の山中や河原で過去に見られたとされる、
 定住せずに山間を移動しながら生業に携わる生活形態をとった不特定の人々の総称。
 山の民として、または山岳信仰や密教の山伏としてサンカが注目されることもあるが、
 山の怪異や修験道と密接な天狗をリンクさせてのスペル名だろうか。
 
 サンカの起源に、ヤマト王権により山間部に追いやられた原日本人とする
 古代難民説があり、「エクスペリー(追放された人)」と符合する。
 里の人々から見ての山中の異界は、追放された人々の楽園か。
 あるいは、追放されたこと自体が「禍難」と掛けられているか。
 
 東方Projectにおいては、タイトーにあやかってか、
 各作品に時折ユダヤ方面の要素が垣間見えることがある。
 カナンもそちら方面に展開可能な要素であるが、
 椛や天狗への関連付けは難度が高いため、ここではスルーしておく。

 参考
 「SPACE ALC」 (expellee, Canaan)
 「広辞苑 第五版」 (山窩、禍難)
 「Wikipedia」 (カナン、サンカ_(民俗学))



河童 「乾燥尻子玉」
 

 [スペル]
 
 にとりのスペル。かんそうしりこだま。
 
 ・尻子玉
   「肛門にあるとされた想像された玉。
    河童に抜かれると、ふぬけになるといわれる。」
 ・シリカゲル
   「珪酸を部分脱水した、ガラス状の透明な固体。乾燥剤などとして広く使用」
 
 河童は人を水中に引きずり込み、溺死させた上で尻子玉を抜くと言われる。
 しかし、乾燥させるという話は聞かない。(風神録事典のStage3、補足資料参照)
 
 「乾燥」の語と尻子玉の語感から、乾燥剤のシリカゲルが想起される。
 風神録から登場した粗弾、特に青いものは個人的にシリカゲルの印象を持っていました。
 シリカゲルは通常、湿度を吸っても外観の変化が無く、
 吸湿能が残存しているか判断できない。
 この解決に、シリカゲルに塩化コバルトを添加した、
 水分に応じて青色から淡桃色へと変化するシリカゲルがある。
 その青色の印象だっただけですが。

 参考
 「広辞苑 第五版」 (尻子玉、シリカゲル)
 「Wikipedia」 (シリカゲル)



更新履歴
 

2010年
3月17日 初回更新
12月9日 TXTからHTMLに変更



 

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