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咲夜のボム背景

 初回: 2007.07.05、 最終更新: 2009.06.07

 

5月14日

簡易メモの「東方ラスボス」にて、「時の神 ホーライ」に触れましたが、
さらにもう少しホーライの関連を考えてみます。
東方関連で蓬莱と言えばいろいろありますね。
・蓬莱人形(音楽CD)・蓬莱伝説(曲名)・蓬莱人形(アリススペル)
・蓬莱山輝夜・蓬莱の薬・蓬莱の弾(玉)の枝・蓬莱人形(EXタイトル)
・蓬莱人(曲名)・蓬莱の人の形(妹紅二つ名)
ありゃ、挙げすぎた。
大雑把に、音楽CD、アリススペル、輝夜界隈に分かれ、
輝夜にホーライが関連するかなぁ…というのは前の話でした。
(ホーライ → 蓬莱山輝夜、 時の神 → 永遠と須臾)
今回は、蓬莱人形(音楽CD)に着目してみます。

蓬莱人形 − 蓬莱 − ホーライ = 時の神 − 時 − 時を操る能力
 
おや。
というわけで、蓬莱人形と咲夜関連で見ますと、
共通点がありました。

左は「蓬莱人形 〜Dolls in Pseudo Paradise.」より。
(色相・彩度・コントラスト・縦横比といろいろ弄ってますが)
右は東方妖々夢での咲夜時符ボムより。
パーフェクトスクウェアでは大きく出現しますが、
プライベートスクウェアでは小さくなって咲夜に付き纏います。
時符ボム共通グラフィックとも言えます。赤いのと2種現れます。
この二枚が「ホーライ」で滑らかに連結でき、
すなわち関連が強いかも。
 
さて、それでは時符グラフィックの方を詳しく見ていきます。

少々分かりづらいですが…(汗)
パーフェクトスクウェアでは左上の青画像含め
4枚の画像が出現しますが、
これらは赤青二種が二枚ずつ出現しているだけです。
(右下はプライベートスクウェアで、ここでは単におまけです)
青カードは左上(多少調節しています)の通りで、
左側に "Rattenuto"、右側に "Religioso" と書かれています。
赤カードはちと分かりづらいですが、
上側に "Recessional"(上の画像で左下と右下の画像参照)
下側に "Recapitulation"(上の画像で右上の画像参照)とあります。
4つの単語には "R" と、音楽関連語あるいは音楽用語であることが
共通しております。単語の詳しい意味の方は…
ZUN氏への質問メールの回答
http://coolier.sytes.net:8080/up/source/game_1522.lzh
こちらを参照しますと「単語の意味より、そのこと自体が意味を持」つ
とのことですので、共通点の方が重要と見て、割愛。
 
では、R と音楽関連という条件を引っさげて、
先ほどの筋道、蓬莱人形 − 時符 間を移動してみましょう。
辿り着くのは、蓬莱人形収録の13の曲目の中で
「R」を頭文字に持つ「曲名」…
該当するのはそう、「リーインカーネイション」(Reincarnation)。
曲に付随する文章はこのようになっています。
 そもそも、道の無い森の中に洋館が建ってるだけでも不思議なのだ。
 あそこに住んでいた彼女は滅多に街に出てこない。
 でも、最近、彼女の娘らしき人を見た。
 何で娘って分かったかって?
 そりゃ、あれだけ幼少時代の彼女に似ていれば...
さて、信憑性はごっそり置き去りにしつつも面白くなってきました。
続いて求聞史紀の咲夜の項に移ります。
P121、124を参照すれば、
咲夜は紅魔館が外の世界にあった頃からメイド長であったと
考えることも出来るようです。その後、「館ごと幻想郷に移転」。
 本人は十代後半だと言っているが、(中略)どちらかというと、
 何百年も昔の人間の様に感じる事もある(時間も弄れるしね)。
これらの阿求解釈に則れば、
「リーインカーネイション」に付属の文章は
外の世界での紅魔館&咲夜さんに当てはまると言えそうでもあります。

(つづく)

 

 

5月17日

時のスクエア 第2回
(前回=14日)

前回も少し触れましたが、時符グラフィックで出現する
4つの音楽関連用語と格子窓の意味するところについての質問に対する
ZUN氏の回答は以下のようであったとされています。
 > 見ての通り音楽用語で固めた物です。
 > 単語の意味より、そのこと自体が意味を持ちます。
 > ……これはまぁ、ただのくだらない洒落なんですが(笑)
 > 鉄格子のようなイメージは、プライベートな部分です。

前回お示しした内容でもこれらの言に結び付けることもできますが、
先の私の考察では、一部、全く説明できていない部分があります。
「ただのくだらない洒落」のところです。
今回はこれを掘り下げてみます。
 
上の画像にて、あるいは常々プレイされていてご存知の通り、
パーフェクトスクウェアでは、格子窓とRで始まる単語を伴った
4つの正方形が画面中に順次出現します。
(東方界隈では「鉄格子」としばしば言われてますが、
 鉄かどうか私にはよく分からないので、
 ここではとりあえず格子窓と呼びます)
4つの正方形は、たてよこ2枚ずつに配置され、
左上・右上・左下・右下の順で出現します。
最初の2つは画面手前から画面奥へとズームアウト、
残りは画面奥から画面手前へとズームインします。
赤い正方形2つは同じ物、同じく青の2つも同一です。
赤は上側に "Recessional"、下側に "Recapitulation" と書かれており、
赤正方形2つとも画面左側に配置されています。
青は左側に "Rattenuto"、右側に "Religioso" と書かれており、
青正方形は画面右側に配置されています。
グラフィックがぼやけ、上下左右は敢えて曖昧になっているかもしれません。
その場合、上下左右まで厳密には区別できませんが、
少なくとも格子窓の格子と水平・直交の2方向は規定できそうですね。
細かい話ですが。
また、赤・青の色調は、一般的な対比と見て
あまり大きな意味は探らないでおきます。
弾幕・アイテムなどしばしば赤青2色は見受けられますし。
(「対比」としたのは、男=青、女=赤、という一般レベルで
 時に使用されるものと類似。ある意味、陰陽。
 ここでの意味までは不確か。)
 
さて、つらつらと視覚的な情報を細かく挙げてみました。
実は上記の文章では意図的に少しだけ使用回数を減らしましたが、
私が注目したのは「2」です。(4でも良いですが)
まず、正方形4枚。
 たてよこ2枚ずつの配置で2×2=4枚です。
 その出現の仕方はズームイン/アウトの2通り×2=4枚。
 色調が赤青の2色×2=4枚。
4枚のグラフィックにはいくつかの2×2が施されています。
ゲーム画面を4分割するかのように、4つの4角形が。
次は単語の方に注目します。
4種の語はすべてRで始まり、音楽関連用語であることが共通です。
上でチェックしてきたことを踏まえて細かく見てみますと…。
 格子の方向に対して単語の方向が平行・直角の2種×2。
 英語(赤)とイタリア語(青)の2言語×2。
(RecessionalとRecapitulationが英語、RattenutoとReligiosoがイタリア語)
ここにも2×2が施されていました。
 
2×2=4です。そして、4×4=16です。
16と言えば、十六夜咲夜に含まれる数字ですね。
ここまで辿り着けば、すでに妖々夢の「パーフェクトスクウェア」の項にて
ご紹介したことと同じです。
4(2の2乗)や16(4の2乗)などの平方数は、完全平方とも呼ばれます。
完全平方、Perfect Square.
完全平方を表現したグラフィック、それこそが「ただのくだらない洒落」、
なのでしょう。たぶん。

 

 

5月18日

時のスクエア 第2.5回
 
昨夜は肝心なことを書き忘れてました。
2×2をあれだけ大量に書いておきながら…(^^;
こんな(↑)連載タイトルまでつけておきながら…(^^;;
 
2×2=4、です。
英語で言うと、Two times two equals four. ですね。
そう、時(time)符と掛ける(〜倍=time)との洒落も仕込まれています。

 

 

8月14日追記

上記の様に考えてきますと、
永琳が咲夜を見て非常に驚いた件は
咲夜のホーライと輝夜のホーライ、
これを看破して 「姫ー!出番前に他の出演者と丸かぶりですー!」
って吃驚したとか。
ネタがかぶるとか、焦らずにはいられないでしょう。
 
あとは、かぐや姫とコノハナサクヤヒメの関連とか
咲夜とコノハナサクヤヒメの関連とかがあったりするのかもしれない。
咲夜とサクヤヒメの名前の一致だけでは、
永琳が咲夜を「見て」驚くことにはならないし。
さて、今後の展開待ちということで。

 

 

2009年6月7日追記

萃夢想の○△□、永夜抄のオムスビ、文花帖の金閣寺&邪馬台国、
卯酉東海道の闘食会と、東方のネタ元の一つに挙げられるのが
明石散人著 「謎ジパング」 である。

ここでは、「謎ジパング」から、日本人の宇宙観に関する話題を拾おう。

「日本人の概念としての宇宙、その意味で宇宙は有限である」
という趣旨から、以下の展開が為される。
まず、宇宙の広辞苑での意味から触れると、
 
 【宇】 「1) 四方のはて。天地四方。
      2) ひさし。のき。屋根。また、家。…」
 【宙】 「1) 無限の時間。古往今来。
      2) そら。おおぞら。虚空。また、地面から離れたところ。…」
 【宇宙】 「(淮南子えなんじの斉俗訓によれば、「宇」は天地四方、「宙」は古往今来の意。
       一説に、「宇」は天の覆う所、「宙」は地の由る所。すなわち天地の意)
     1) 世間または天地間。万物を包容する空間。…」
 
「三つを並べても、何を説明しようとしているのかよく判らない。
 何か矛盾もあるようで……。
 つまりは誰も上手に説明できないんだ。
 日本人の宇宙の概念はもっと単純に考えれば良い。
 宇というのは堂宇の宇、屋根って意味だ。
 宙は人間世界、まぁ平ったく言えば社会のことだ。
 従って人間世界を覆っている状態そのものを宇宙という。
 宇宙は天下と同義語になっている。
 日本の古い辞書 『悉皆世話字彙墨宝』 では
 宇宙に 《あめがした》 と訓を付けている。
 あめがしたとは言うまでもなく天下を意味する。」

以上から、宇宙が有限であるとしている。
有限であれば、例えば○を描いて、これが宇宙と言える。
宇宙の外側、物理では計り知れない、宇宙を内包するその領域が無限の無である。

「宇宙とは円窓、丸のことだ。
 つまり丸の内側が宙、丸を囲っているものが宇。
 その外側が無限だ。宇宙がなぜ無限と誤解されたかというと、
 カタカナの 《ム》 の異体が円窓 (○) だからだ。
 ムは無につながりゼロをイメージする。
 これによって宇宙があたかも無限であると誤解された。
 円窓はなぜ宇宙を意味するか。
 それは根源と消滅を繋ぐものだからだ。
 万物には始まりがあって経過があって終わりがある。
 円窓はこのことを言っている。」

話を咲夜ボム背景に戻そう。
背景に登場の円窓は、以上から、宇宙そのものを意味するものと考えられる。
(円窓から直接宇宙につなげても良かったのだけど、回りくどく引用してみた。)
宇は天地四方、すなわち空間であり、
宙は古往今来、すなわち時間である。
両方とも、時間を介して空間をも操ることが出来る咲夜の領分であり、
それぞれがここではスクウェアとタイム (時符) に合致する。
というわけで、円窓と時とスクウェアが結び付きました。ゆにばーす。
そう言えば、英語の universe も、ひとつに (uni) 回る (verse) が語源らしい。
一つの○が思い浮かびます。

 

 

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