「東方儚月抄 〜月のイナバと地上の因幡」
第十回

※ 以下、各4コマのオチについてはなるべくネタバレしません ※


あらすじ

  里へ薬売りに出掛けた鈴仙。
  永遠亭の知識人に始まり、里の知識人を巡る知識人リレー。
  そして、戻った先の永遠亭にはにわか知識人。

 

誌上情報

  柱アオリ それにしても、この輝夜ノリノリである。
        少女老い難く、学成り難し。

 

タイトルラインナップ

  ・少女準備中…
  ・ディスコミュニケーション
  ・おねがい 先生
  ・睡眠学習
  ・人のふり見て
  ・いつの間に
  ・師弟関係
  ・ネタ的な意味で
  ・ボーパルうさー
  ・ここでもか
  ・衆愚政治
 
 
  タイトル雑学
 
  ・(柱) それにしても、この輝夜ノリノリである
   テレビ番組 「世界まる見え!テレビ特捜部」 のナレーションで
   しばしば特徴的に用いられる言い回しに由来し、
   ネット上で 「それにしてもこの○○、ノリノリである」 の形で使用される。
 
  ・少女準備中…
   永夜抄以降の東方作品のローディング画面でおなじみ
   「少女祈祷中」 より。
 
  ・ディスコミュニケーション
   discommunication
   「(非標準英語)ディスコミュニケーション、コミュニケーションのないこと、
     話が通じないこと、相互不達

   (SPACE ALCより)
 
   植芝理一の漫画 「ディスコミュニケーション」 からか。
 
  ・おねがい 先生
   アニメ 「おねがい☆ティーチャー」 より。
 
  ・人のふり見て
   ことわざ 「人のふり見て我がふり直せ」
 
  ・ボーパルうさー
   ゲーム、ウィザードリィシリーズに登場するモンスター、
   ボーパルバニーより。(後述)
   ボーパル (vorpal) の語はルイス・キャロルの造語で、
   「鏡の国のアリス」 の 「ジャバウォックの詩」 に登場する単語。
   ボーパルソードを用い、怪獣ジャバウォックを倒す。
   切れ味鋭いとか、特定の敵を倒すための専用武器とかの
   ニュアンスでいくつかのゲームで用いられる。
 
  ・衆愚政治
   「多数の愚民による政治の意で、民主政治の蔑称。
    もと、古代ギリシアのアテナイでの民主政治の堕落形態を指した

   (広辞苑より)
 
  ・(アオリ) 少女老い難く、学成り難し。
   「少年老い易く学成り難し」 より。
 
   「[近世初期の「滑稽詩文」、寄小人詩。一説に、朱子の作とされる偶成詩の句]
    月日がたつのは早く、自分はまだ若いと思っていてもすぐに老人になってしまう。
    それに反し学問の研究はなかなか成しとげ難い。だから、
    寸刻を惜しんで勉強しなければならない

   幻想郷の少女達 (主に人外) は老い難い。
   寸刻を惜しまないから勉強しない。

 

セリフ解説

 ・置き薬の確認
 
  配置販売業
  家庭用常備薬を一通り無料で設置し、
  定期的な点検と補充とともに使用された薬分の代金を徴収する。

 

 ・寺子屋
 
  「江戸時代に多くあった営業的手習所。寺子を扱う職業の意
  (広辞苑より)
 
  幻想郷の人間の里では、慧音先生の開く教育施設。
  文花帖や求聞史紀で触れられている。

 

 ・ビクン
 
  睡眠中に起こる、無意識の筋収縮。
  入眠時は特に自覚される。
  入眠時ミオクローヌスジャーキングなどと呼ばれる現象。
 
  個人的には、歩行や階段昇降の夢と連動する事が多い様に思う。
  それらの夢や、寝入りばなの夢と現の境界意識の中で
  地に立っているという足からの圧シグナルが無いため
  落下・転倒に備える反射が働き、足を突っ張る筋収縮が起るのかな。

 

 ・この辺は出ねぇよ――
 
  代々木ゼミナール、荻野講師のセリフ 「この点は出ねぇよぉ」 より。
  これを元にしたネタ、パロディはネット上に散見される。

 

 ・言うは易し 行うは難し
 
  「[塩鉄論利議] 口で言うだけなら誰にでもできるが、
   それを実行するのはむずかしい

  (広辞苑より)
 
  「言うは易く行うは難し」 ともされる。
  「言之易而行之難

 

 ・反面教師
 
  「見習い学ぶべきではないものとして、悪い手本・見本となる事柄・人物。
   第二次大戦後、中国からきた語

  (広辞苑より)
 
  人のふり見て我がふり直せ。

 

 ・ゴールデンドロップ
 
  ポットから注ぐ紅茶の最後の一滴。
  ゴールデンドロップまたはベストドロップなどと呼ばれる。
  香りとコクが凝縮された黄金の滴。
  厳密には、この滴が美味しいのではなく、
  この一滴まで入れた紅茶が美味しい。

 

 ・おいしい…
 
  紅茶の味の方ではなく、ネタ的な意味で。
  そんな価値観で永遠亭での日常を送っているのか、うどんげ。

 

 ・前歯で 獲物の首を刎ねる
 
  前述の 「ボーパルバニー」 の攻撃として
  ウィザードリィプレイヤーには印象深いらしい。
  即死攻撃。
 
  元ネタの元ネタは映画 「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」。
  目的の洞窟前に棲息する、恐るべき怪物と恐れられる生物とは、
  一見ただの白兎であった。
  アーサー王の円卓の騎士達が挑み掛かると、兎は素早く反応し攻撃を開始した。
  その攻撃は、射程距離内の外敵に対して、その喉笛目掛けて素早く飛翔し
  前歯で一撃死を見舞う凶悪なものであった。
  円卓の騎士の数名は容易く屠られてしまう。

 

 ・聖なる手榴弾が弱点
 
  こちらは 「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」 ネタ。
  白兵戦では勝ち目無しと見たアーサー王は
  アンティオキアの聖なる手榴弾の使用を決意。
  これにより、兎を倒すことに成功した。
  メット (バケツ) をかぶり手榴弾を構えた人物や箱を抱える人物、
  そして岩場の描写などはその映画のシーンに基づく。

 

 ・HHG of Aunty Ock
 
  オックおばさんの聖なる手榴弾
  HHG は Holy Hand Grenade の略。
  ウィザードリィWにてコズミックキューブ脱出に必須のアイテム。
  元ネタの元ネタは上述の聖なる手榴弾。

 

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