「東方儚月抄 〜月のイナバと地上の因幡」
第十三回

※ 以下、各4コマのオチについてはなるべくネタバレしません ※


あらすじ

  雨模様の迷いの竹林、永遠亭。
  永年そのままであり続けた永遠亭は、永遠の魔法も解除され、
  今では雨漏りに困る屋敷になってしまった。
  修理のために屋外に出た鈴仙を、強敵が待ち受ける!

 

誌上情報

  柱アオリ 雨が降ったらお休みで。
         ははははー。

 

タイトルラインナップ

  ・家庭菜園
  ・雨漏り
  ・逆さ八ツ墓村
  ・屋根にて
  ・EX級
  ・戦禍
  ・一人でできるもん
  ・結局 一人でやりました
  ・ガマの油とか
  ・アナザーカジュアル
  ・根性論
  ・とってくう
  ・カエルのために虫は飛ぶ
  ・未遂
  ・んない 
 
 
  タイトル雑学
 
  ・(柱) 雨が降ったらお休みで。
   童謡 「南の島のハメハメハ大王」 より。
   ♪南の島の大王は 子供の名前もハメハメハ
   ♪学校ぎらいの子どもらで
   ♪風がふいたら遅刻して
   ♪雨がふったらお休みで
   ♪ハメハメハ ハメハメハ ハメハメハメハメハ


  
  ・逆さ八ツ墓村
   横溝正史の推理小説 「八つ墓村」 より。
   というか、同じく横溝正史の 「犬神家の一族」 より。
 
   「犬神家の一族」 の強烈なインパクトを与えるシーン、
   湖から死体の足が突き出ている様が元ネタ。
   このシーンの出典がしばしば 「八つ墓村」 と混同されるようだ。
 
   また、「八つ墓村」 が正式な表記で、
   原作や他のメディア作品も 「八つ墓村」 だが、
   1951年の最初の映画化では 「八ツ墓村」 と表記された。
 
   八つ墓村と言えば、「祟りじゃー」 だが、
   祟符「ミシャグジさま」 への伏線としての意図的ミス、
   ってわけではないと思われる。
 

  ・一人でできるもん
   NHK教育で1991年から2006年まで放送された、
   料理がテーマの教育番組 「ひとりでできるもん!」 より。
 
   ここでは、鈴仙もてゐも料理をしているわけではないので、
   覆面ダンサーの 「ひとりでできるもん」 でも良いかもしれない。(違
 
 
  ・ガマの油とか
   江戸時代に傷薬として売られたガマの油
   実際にガマガエルから取った油ではなく、
   因幡の素兎も効果を体験した方のガマ (蒲) からの誤解である。
   が、江戸中期の実演販売では筑波や伊吹の霊山に棲む
   特異なガマガエルから取った物が原料であると
   軽妙に語り、鋭い切れ味の刀によってついた傷も
   たちどころに治る、などと口上と実演がなされた。
   筑波山の四六のがまを、鏡で囲み、
   たらーり、たらりと流れた油汗を、
   とろーり、とろりと煮つめたもの、などと紹介される。
 
 
  ・アナザーカジュアル
   ゲーム 「The iDOLM@STER」 より。
   衣装の一種で、いつもの普段着とちょっと違う普段着。
 
 
  ・根性論
   漫画 「ど根性ガエル」 より。
   倒れこんできたひろしに潰されたカエルのピョン吉が
   なぜかシャツに張り付き、平面ガエルとなり生きてゆく。
   ♪平面ガエルのピョン吉様は
   ♪ケロケロケロとは鳴かないで
   ♪根性 根性 ど根性

 
 
  ・カエルのために虫は飛ぶ
   ゲーム 「カエルの為に鐘は鳴る」 より。

 

セリフ解説

 ・ついカッとなってやった
 
  衝動的犯罪の犯罪者の弁として
  ニュースなどでよく使われた定型文、
  「ついカッとなってやった。今は反省(後悔)している。」 より。
  「むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった。」 など、
  衝動に駆られてからはパターンが類似し、よく定型化する。
  定型化された言葉はネット上でもよく使われ、さらに浸透した。


 ・もしかしたら雨降らせてるのコイツかもよ!
 ・しかし堂々と永遠亭 (ここ) に乗りこんできてるよ!
 
  しか「も」堂々と、の誤植?


 ・スペルカ――ド!
 
  緋想天のスペルカードを意識したものと思われる。
  コストは3。


 ・そいつ神様だから
 
  てゐは因幡の素兎のエピソードで知られる
  妖怪兎 (兎神) の可能性が考えられている。
  諏訪子はタケミナカタが諏訪に来る以前に
  諏訪を統治していた土着の神。
  どちらも天孫降臨よりも昔から日本に暮らしていた。
  また、スペル背景も鳥獣戯画で共通している。
 
  あるいは、単にてゐが鈴仙よりも情報通だっただけか。


 ・人生の勝利者
 
  東方花映塚にて対戦勝利時に出現するテロップ。
  他方は 「負け犬」。


 ・ケロヨソ
 
  銭湯の黄色い洗面器。
  内外製薬が銭湯の洗面器を宣伝に利用したもの。
  洗面器メーカーにスポンサー料を支払うことにより、
  洗面器の価格が低減され、銭湯には安く卸された。
  安価な洗面器が銭湯にウケて、全国に広がった。
  内外製薬が宣伝した薬は、頭痛薬のケロリン
 
  商品名が書かれているだけなので、
  知らない人には何のことだか伝わらなかったことや
  1960年代後半に人気を博し、流行語にもなった
  カエルのキャラクター 「ケロヨン」 の浸透から
  洗面器の文字も 「ケロリン」 ではなく 「ケロヨン」 と
  しばしば勘違いされてきた。
  (私もケロヨンだと思っていた)


 ・ぷは――
 
  風呂上りの牛乳。
  漫画で銭湯とくれば定番中の定番。


 ・使える部分
 
  生薬に蟾酥センソ) がある。
  ヒキガエルの耳下腺ないし皮下腺からの分泌物を
  集めて成型したもの。
  「ガマの油」 に配合されていたとも言われる。
  蟾酥は強心作用で知られる。
 
  ガマの油、蟾酥以外は…
  魔女が怪しげな薬を煮込む時に放り込む位だろうか…。


 ・スパ―――ン
 ・ば――ん
 
  登場時、実際の障子の音に加え、
  登場SEも別個についている、さすがの姫様。


 ・ガクガクブルブル
 
  第六回 参照。


 ・(前略) と モノの本で読んだのだけど…
 
  輝夜の、いつもの聞きかじり知識。
 
  ちなみに、モノの本とはなにがしかの固有の本ではなく、
  書物や学問的な本を言う 「物の本」 という一般的な名詞。
  念のため。


 ・ひょ むっしゃむっしゃ
 
  諏訪子の帽子は、界隈では比較的早い段階から
  クリーチャーとしての地位を確立している。
  (このスレの292あたりから)
 
  本話 (妄想) では、クチの位置は異なり、
  ドロロンえん魔くんのシャポーじい型。

 

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