東方文花帖

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東方文花帖 〜 Bohemian Archive in Japanese Red.
 
 【概要】
 とうほうぶんかちょう  〜 ボヘミアン・アーカイヴ・イン・ジャパニーズ・レッド
 東方花映塚体験版を伴ってリリースされた書籍。
 射命丸文の文々。新聞とそれにまつわる後日談が交互に織り成される形式。
 巻頭カラーにZUN氏原作のコミック、
 後半には同人作家によるアンソロジーコミックや
 ZUN氏へのインタビューを含む。
 また、文々。新聞にはZUN氏の自作音楽解説である「幻想の音覚」、
 付属のCDにはオーディオトラックも含まれる。
 
 【題意】
 東方文花帖については 東方文花帖事典の 「東方文花帖」 を参照。
 後にリリースされることになるユニークなシューティングゲームの
 布石としての書籍であったことが、ゲーム版東方文花帖にて明らかとなった。
 
 ・bohemian
   「自由奔放に生きる人、放浪者。慣習にとらわれない、自由奔放な」
 ・archive
   「公文書、記録保管所、保存記録」
 
 「朱書きの奔放な記録文書」
 「朱色の奔放な記録文書」
 ジャパニーズレッドとは朱色、
 特に海外で、ツヤのある漆の朱を指す。
 陶磁器のことを 「チャイナ」、漆器のことを 「ジャパン」 と呼ぶなど
 漆器 = 日本のイメージが海外で強く、漆器の朱塗りの印象からそう呼ばれる。
 朱色は黄みがかった赤色を言い、硫化水銀の色である。
 現在では天然の硫化水銀原鉱よりも鮮やかな人工の硫化水銀の色を言う。
 古代から朱色は権威の象徴で、古代中国の名家の門や
 日本でも宮城の正門・朱雀門の色や神社の鳥居の色でもある。
 ここでは神社の神殿や鳥居の朱、あるいは朱印の朱だろうか。
 とりわけ神社要素も強くないので、「日本の伝統色」 のニュアンスか。
 または、天狗の赤。

 
 【参考】
 「SPACE ALC」 (bohemian, archive)
 「色の名前」 角川書店
 「日本のきもの」>「日本の色」 >柿色
 「照葉樹林文化圏の世界」>ウルシと漆工芸



風の号外
 
 【概要】
 ZUN氏原作、葉庭氏作画の漫画。かぜのごうがい
 霊夢と魔理沙の日常と射命丸文が来訪を通して
 文々。新聞が紹介される。
 
 【題意】
 ・号外
   「定期以外に発刊する新聞・雑誌。特に、大事件などの際に臨時に発行する新聞」
 ・風の便り
   「風が吹きおくること。風の使い。どこから来たとも分らぬほのかな便り。
    うわさ。風のつて。風聞」
 ・風聞 (ふうぶん
   「ほのかに聞くこと。うわさ。とりざた。風説。風評。かぜのたより」
 
 風を操る風神少女である射命丸文と
 彼女が作る新聞・号外とに、「風の便り」 を掛けたものと思われる。
 主要メディアというよりは週刊誌じみた信憑性と世俗性であることも、
 風聞、風説、風評といった単語にちなむか。
 
 【その他解説】
 →ブンヤ
 射命丸文の二つ名、「伝統の幻想ブン屋」 より。
 ブンヤは新聞屋の略であり、一般的に蔑称とされる。
 
 →配って回ってた
 号外と叫びつつ家屋または人妖に対して新聞を投げ回る文。
 「天狗の投げ文」 にちなむか。
 ・天狗の投げ文 (てんぐのなげぶみ
   「どこから来たかわからない怪しい手紙」
 
 →文々。新聞
 射命丸文が発行する新聞の名称。ぶんぶんまるしんぶん
 空振りを気にせずブンブンと振り回すスポーツ選手、
 例えば元プロ野球選手の池山隆寛、K-1ファイターの藤本祐介は
 ブンブン丸と渾名される。
 ヒットするしないを気にせず書きたい物を書き、
 拒む者にも押しつける文のスタンスを表す新聞名か。
 また、価値の低いことを三文などと言うが、
 三文ブン屋というような謙遜も内包されているだろうか。
 ・三文文士、三文々士 (さんもんぶんし
   「つまらない作品しか書けない文士。また、文士の蔑称」
 ちなみに、魔理沙は本誌で 「三流新聞」 と茶化していた。
 
 →新聞大会
 天狗仲間で催される毎年の行事。
 日本では新聞週間に合わせて年に一度催される
 新聞界のメインイベントとしての新聞大会がある。
 こちらは、発行部数を競うとかではなく、シンポジウムのようなもの。
 国際的には "World Newpaper Congress (世界新聞大会(会議とも訳される))" もある。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (号外、風の便り、風聞、天狗の投げ文、三文文士)
 「Wikipedia」 (侮蔑#蔑称
 「日本新聞協会」>新聞週間 >新聞大会
 「World Association of Newspapers」> 61st World Newspaper Congress



幻想の音覚
 
 【概要】
 ZUN氏による、自曲に関する音楽コラム。げんそうのおんがく
 
 【題意】
 音楽から受ける感覚、
 「決して思い込みの類ではない幻想の感覚、そう、それが幻覚である。
 「今記事では、私にとって幻覚度の高い思い入れのある曲をいくつか
  思い出して書いてみた。私が幻覚を懐かしむだけの駄文である。

 
 「音覚」 は造語。
 「おんかく」 と読めるが、ここでは音楽に掛けて 「おんがく」 とした。
 円覚、縁覚、三覚などの仏教用語では覚を 「がく」 と読むのに基づいた。
 
 【曲目】
 (p.022) 上海紅茶館 〜Chinese Tea @紅魔郷、夢違
 (p.026) 人形の森 @蓬莱
 (p.040) 夜のデンデラ野を逝く @蓮台野
 (p.048) 亡き王女の為のセプテット @紅魔郷
 (p.054) 魔術師メリー @蓮台野
 (p.068) 遠野幻想物語 @妖々夢
 (p.072) 古の冥界寺 @蓮台野
 (p.088) 御伽の国の鬼が島 〜Missing Power @萃夢想
 (p.088) 少女秘封倶楽部 @蓮台野
 (p.089) ネクロファンタジア @妖々夢
 (p.089) 幻想の永遠祭 @蓮台野
 (p.089) 月の妖鳥、化猫の幻 @蓮台野
 (p.089) プレインエイジア @永夜抄
 (p.090) 蓬莱伝説 @蓬莱
 (p.090) 竹取飛翔 〜Lunatic Princess @永夜抄
 (p.090) サーカスレヴァリエ @蓬莱
 (p.090) 科学世紀の少年少女 @夢違
 (p.091) 風神少女 @花映塚
 (p.091) 夢と現の境界 @夢違
 (p.091) 童祭 〜Innocent Treasures @夢違
 
 (これらの解説は事典等の方でしている (かも))



第113季・文月の一(pp.032-3)
騒霊ライブ、突然の会場移動

 
 【概要】
 人妖: ルナサ・プリズムリバー (ポルターガイスト)
 時期: 113季文月以前
 場所: 白玉楼 → 紅魔館前
 内容: ルナサが雨 (低気圧) を察知
 関連: 東方妖々夢 (上昇気流)、東方花映塚 (鬱の音)
 
 【語彙】
 →気圧が下がる
 ・低気圧
  「大気圧が周囲より低い所。低気圧圏内では上昇気流が生じて、
   一般に天気が悪い。」
 低気圧と雨。
 妖々夢では上昇気流や気圧について話題にしている。
 「この辺はこの季節になると気圧が・・・下がる
 「上昇気流と言いたかっただけ
 
 →良いライブを創る
 ・live
  「生きている。火のついている。元気な、活気のある。当面の。
   生の、実況の。生放送で、録音でなく」
 騒霊 (幽霊の一種) だけどライブ。
 生命と非生命の対比。

 →テンションも下がる
 ・tension
  「ぴんと張ること、伸ばすこと、伸張。張った状態。張りの度合い。
   張力。蒸気の圧力。緊張、不安。緊迫状態。電圧」
 弦楽器は演奏を続けるほど弦が緩む。
 弦が緩むと音が低くなる。
 張力 (テンション) が弱まり音が下がることと
 気分のテンションが下がり鬱傾向が強まることが掛けられている。
 しかし、通常、気圧変動で弦の張力は影響されないと考えられる。
 ルナサと鬱については、花映塚事典 「ルナサ・プリズムリバー」 にも記した。
 
 →枝葉末節
  「物事の本質からはずれた、ささいな部分」
 
 【欄外】
 幻想郷名所案内 紅魔館

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (低気圧、枝葉末節)
 「SPACE ALC」 (live, tension)



第114季・神無月の一(pp.034-5)
プリズムリバー次女、ソロ活動?

 
 【概要】
 人妖: メルラン・プリズムリバー (ポルターガイスト)
 時期: 114季神無月以前
 場所: 墓地
 内容: 躁の音を演奏する程度の能力
 関連: 東方花映塚 (躁の音、自縛霊)
 
 【語彙】
 →自縛霊
 土地に縛られる霊は地縛霊だが、ここでは自縛。
 ・自縛
  「自ら自分を縛ること。自分の主張した意見に拘束されて自由を失うこと」
 自らの未練や迷いのため広義には現世、
 狭義には局地に縛られる霊であろうか。
 この解釈の場合、地縛霊は自縛霊の一種となろうか。
 ちなみに、花映塚にて吸霊フィールドに触れた霊は自爆霊となる。
 花映塚事典 「未断の魂」 参照。
 
 →躁の音
 ルナサとは対極。
 管楽器は演奏を続けるほど体温で温まり、
 熱膨張の影響で音が高くなる傾向がある。
 メルランと躁については 花映塚事典 「メルラン・プリズムリバー」 にも記した。
 
 →墓石をひっくり返しそうになった
 天狗倒しにちなむ?
 ・天狗倒し (てんぐだおし
  「天狗のしわざのように、原因不明で突然暴風のような
   すさまじい音がして、ものの倒壊すること」
 
 →トランペットのぐるぐる
 管楽器の音階は呼気の経路長に左右される。
 単純に直線の管楽器にすると長い経路が必要な楽器ほど大変なことになるが、
 実際は直線にこだわる必要が無いため、
 楽器にはぐるぐるを備え、構造的にコンパクトになっている。
 「ぐるぐるですものね。貴方も。」 は
 昭和期以降の俗語、「くるくるぱあ」 からか。
 
 →女が三人寄れば姦しい
 騒がしい霊であるポルターガイストが三人姉妹という設定の由来か。
 ・女三人寄れば姦しい (かしましい
  「女はおしゃべりが多くて、三人寄りあえばやかましい。
   「女」の字が三つ合して「姦」という字ができるのに通じていったもの」

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (自爆、天狗倒し、女三人寄れば姦しい)
 「YAMAHA」>ヤマハで習う・学ぶ >鳴るほど♪楽器解体全書



第115季・皐月の四(pp.036-7)
新しい音を求めて

 
 【概要】
 人妖: リリカ・プリズムリバー (ポルターガイスト)
 時期: 115季皐月以前
 場所: 不明
 内容: 幻想の音を演奏する程度の能力
 関連: 東方花映塚 (幻想の音)
 
 【語彙】
 →外の世界から無くなった音を奏でる楽器の幽霊
 東方花映塚でのチャージショットは 「キーボード霊」。
 
 →ヒューとかドロドロといった非常に不思議な音
 電子鍵盤楽器、シンセサイザーによる効果音。
 シンセサイザーのルーツはテルミンであるとされる。
 紅魔郷の月時計コメントでも触れられているが、
 作家・藤木稟はテルミンに 「霊気琴」 の字を当てている。
 キーボードと騒霊は、実は相性が良いのかもしれない。

 →稲妻が落ちる音、風が木々を揺らす音、ひぐらしが鳴く音
 雷鳴は膨大な電子エネルギーによる急激な熱膨張と
 その半真空領域へ空気が流入することとで、
 空気の塊同士が高圧でぶつかり合う。
 これにより、衝撃波を伴う大きな音が轟く。
 また、木々の音は葉擦れによる。
 ・葉擦れ (はずれ
  「風などで草木の葉がすれ合い、音を立てること」
 一方、セミは発音の為の器官を備えている。
 発音筋により発音膜を震わせ音を発し、
 これを共鳴室と呼ばれる腹中の空洞で共鳴させる。
 腹弁にて音の調節も行なわれる。
 ちなみに、英語で "organ" は器官、臓器、オルガンの意である。
 
 →曲霊
 音楽の霊。ポルターガイストを生んだ生き物であり、
 騒霊三姉妹が音楽により創り出す生き物である。
 一方、曲霊 (まがひまがつひ) と言えば、
 人の心 (時には森羅万象) の 「霊」 が
 曲がっている状態、悪しき状態である。
 マガに対して正常な状態、良い状態がナホ (直) であり、
 その状態の 「霊」 を直霊 (なおひなおび) と呼ぶ。
 禅寺の三黙堂、特に音を立てない食事作法に見られる様に
 音は心を乱すものの一つと捉えられる。
 騒々しい騒霊ならばなおのこと。
 また、プリズムリバー三姉妹自体が
 レイラの心の乱れから生み出されているとも言える。
 
 【欄外】
 →氷の妖精、大ガマに喰われる
 5年後、120季・水無月にも同一主題の記事有り。
 後年の方は東方花映塚のチルノストーリーに基づくものであり、
 本記事の再利用ではないと考えられる。
 本記事は詳細不明。
 
 →芋煮会
  「主に東北地方で、里芋を主とし、野菜・魚・肉を加え、野外で煮て食べる集り」
 呼称は多様で、芋煮会という言葉は
 東北地方南部、新潟や関東に分布するようである。
 秋の風物詩。
 皐月 (梅雨頃) に参加者を募集するということは
 真夏に催されるのだろうか。妙なイベントだからこその募集か。
 
 →蜆しじみ
  「ヤマトシジミガイ科の二枚貝の総称。殻長2〜3センチメートル、暗褐色
   または漆黒色、内面は多少とも紫色を帯びる。淡水または汽水産。肉は食用」
 
 →トリモチ
 ・鳥黐 (とりもち
  「モチノキ・クロガネモチなどの樹皮からとったガム状の粘着性物質。
   5〜6月に樹皮をはぎ、これを秋まで水につけておいて、臼に入れて搗き、
   それを流水で洗う。これを3〜4回くりかえすと出来る。江戸時代から
   熊野の山中が産地として著名。捕鳥・捕虫に用いる」
 竿の先に鳥黐をつけた黐竿 (もちざお) にて直接捕獲したり
 枝に塗っておいてトラップとする。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (葉擦れ、芋煮会、蜆、鳥黐)
 「Wikipedia」 (効果音シンセサイザー雷#雷鳴セミ一霊四魂芋煮会鳥黐
 「【縮刷版】 神道事典」 弘文堂 (まがこと)



第115季・葉月の四(pp.074-5)
香霖堂に謎の嗜好品入荷

 
 【概要】
 人妖: 森近霖之助 (人妖)
 時期: 115季葉月以前
 場所: 香霖堂
 内容: 水煙草の謎
 関連: −
 
 【語彙】
 →水煙草
 主にインドや中近東で嗜まれる喫煙具。
 タバコの葉と香料を熱し、出た煙を瓶内の水を通し吸う。
 1回の燃焼時間は霖之助の言にもあるように1時間程度と長く、
 水の重さから可搬性も悪い。
 じっくり腰を落ち着けて嗜むのに向く。
 また、複数人で嗜めるという特徴も有する。
 水を通ることで多少温度が下がるため、
 気温が高い国で好まれ定着している。
 水層に流入した気泡から易溶性物質程度は除かれるが、
 ニコチンや有害物質の多くは除去されず、
 一般に抱かれやすい 「安全なタバコ」 というイメージは誤りとされる。
 
 →煙管きせる
  「刻み煙草をつめて火を点じ、その煙を吸う具。火皿・雁首・羅宇・吸口から成る」
 
 【欄外】
 幻想郷名所案内 博麗神社

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (煙管)
 「Wikipedia」 (水タバコ
 「Wikimedia Commons」 (Hookah-lookthrough



第116季・葉月の二(pp.046-7)
白昼堂々、暗闇に潜む魔物

 
 【概要】
 人妖: ルーミア (妖怪)
 時期: 116季葉月以前の真夏
 場所: 不明
 内容: 闇を操る程度の能力
 関連: −
 
 【語彙】
 →自分の身の回りの光を打ち消し
 ルーミアの能力。
 自身を中心とした球形領域の光子を消滅させるものか。
 そのため、黒い球体が目撃される。
 
 →日差しを避けるだけで暑さを回避できる
 可視光に留まらず、赤外線や
 ともすればその他電磁波もカット可能か。
 それにより直射日光の他、反射光や輻射熱も遮断できる。
 ただし空気分子の動き (気温) には干渉できず、
 ルーミア周囲の気温が夏の夜とまで下がりそうにはない。
 
 →闇の風物詩
 ・風物詩
  「風景または季節をうたった詩。季節の感じをよくあらわしている者ごと」
 光を遮り、無闇に木にぶつかるのは年中の事なので季節は限定されない。
 むしろ欄外の風鈴や西瓜の方が風物詩 (夏)。
 
 →返り討ち
 記事の二年後である118季夏の出来事、
 東方紅魔郷ステージ1を言っているのであろうか。
 
 【欄外】
 →地震雲
 大地震の発生前に何か特徴的な雲が見られるとされる
 宏観異常現象の一種だが、学術的には証明されていない。
 形状が特徴的で発生頻度の低い雲が
 統計的に地震の発生と相関するか、
 メカニズム面から科学的にアプローチを取る必要があるが、
 いずれも学術的根拠に至っていない。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (風物詩)
 「Wikipedia」 (風物詩地震雲



第117季・長月の二(pp.054-5)
謎の秘密歴史結社の実態

 
 【概要】
 人妖: 上白沢慧音 (ワーハクタク)
 時期: 117季長月以前
 場所: 不明
 内容: 危険な思想の秘密結社に対し、慧音の思想
 関連: −
 
 【語彙】
 →秘密結社
  「入社式を秘儀として行い、共通の目的を遂行するため
   加入者に一定の守秘義務を課す団体。未開社会における
   年齢集団的なもののほか、政治的・宗教的な性格のものは
   未開社会・文明社会を問わず広く見られる。」
 
 →歴史の学校
 のちに 「東方求聞史紀」 にて紹介される 「寺子屋」 である。
 本記事の時点では構想段階であったが、
 隣のページの後日談の時点では開校されている。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (秘密結社)



第118季・特集(pp.078-9)
幻想郷を覆う謎の紅い霧

 
 特集記事原稿覚書に分類される。
 紅霧異変 (東方紅魔郷) についての記事。



第118季・葉月の四(pp.018-9)
真夏の連続空き巣泥棒、犯行現場撮影に成功

 
 【概要】
 人妖: 霧雨魔理沙 (人間)
 時期: 紅霧異変から一月以内で、異変は前月。侵入被害は計10件以上で今月は5件目。
 場所: 紅魔館裏口
 内容: 魔理沙の紅魔館での悪行
 関連: 東方紅魔郷 (ED)、東方萃夢想 (ストーリー)、東方花映塚 (ED)
 
 【語彙】
 →速い体内時計の持ち主だ。
 後日談の方は紅霧異変から2年くらい後。
 2年のところを12年か20年かと言う文に対する魔理沙の言葉。
 体内時計は概日時計とも呼ばれる、
 生物の持つ約24時間周期の時計機構。
 生物時計とも呼ばれる。
 日単位なので、年単位の話に用いるのは不正確である。
 光刺激に依存して日々リズムが補正され、
 脳波やホルモンなどの生体機構が調節を受けており、
 規則的な明暗サイクルにより健康的にリズムが維持される。
 
 →犬並
 狗 (犬の意) の字が天狗に含まれることにちなむか。
 平家物語 (長門本) には、天狗について
 「天狗と申は人にて人ならず、鳥にて鳥ならず、犬にて犬にもあらず、
  足手は人、かしらは犬、左右に羽生ひて、飛ありくものなり

 とあり、類型の記述は平家物語 (延慶本) にも見られるが、
 古今の天狗についての記述の中で犬と直接結び付くのはマイナと思われるので
 単に文字の面でのシャレだろうか。
 史記の記述にまで遡れば天狗の源流に 「狗 (に似る)」 があるともとれる。

 
 【参考】
 「Wikipedia」 (概日リズム天狗
 「J-TEXTS 日本文学電子図書館」>平家物語
 Special Thanks!
 「胡蝶の見果てぬ夢」>文蔵 >東方民譚集 >天狗覚書



第118季・長月の五(pp.048-9)
紅い虹と天使の翼

 
 【概要】
 人妖: レミリア・スカーレット (吸血鬼)
 時期: 紅霧異変発生から半月だが未解決。先に出た葉月の記事は異変解決後。
 場所: 超上空から幻想郷を鳥瞰
 内容: 紅霧異変の不思議な外観
 関連: 東方紅魔郷 (異変、スペル)、東方文花帖 (レミリアストーカー)
 
 【語彙】
 →人間達が暴れた時の光
 夢想封印、封魔陣、スターダストレヴァリエ、マスタースパーク
 
 →迷惑千万めいわくせんばん
  「まったく迷惑であるさま」
 
 →一番ストレートな紅
 屈折率は光の周波数 (波長) に依存する。
 可視光では波長の短い紫の光に近いほど屈折率が大きく、
 波長の長い赤の光に近いほど屈折率は小さい。
 屈折率が小さく屈折しにくいということは、ストレートに近いということ。
 紅霧では紫色に近い光ほど大きく屈折するため、
 赤以外の光は霧粒子への衝突頻度や経路長が増大し、
 減衰されやすくなるとかだろうか。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (迷惑千万)



第119季・特集(pp.080-1)
白銀の春に天上の花びら

 
 特集記事原稿覚書に分類される。
 春雪異変 (東方妖々夢) についての記事。



第119季・皐月の一(pp028-9)
長引く大寒波に春乞いの儀式

 
 【概要】
 人妖: レティ・ホワイトロック (妖怪)
 時期: 春雪異変に対して巫女が動き出して間もなく。妖々夢Stage1直後。
 場所: 山 (妖々夢Stage1)
 内容: 冬の妖怪が攻撃された理由とは
 関連: 東方妖々夢 (異変、Stage1)
 
 【語彙】
 →春乞いの儀式
 春を乞う。
 天候に関連するところでは、雨乞い、日乞い、雪乞いなどがあり、
 いずれも望ましくない天候が長引くことに対して
 その好転を神仏に祈ることである。
 ここでは長引く冬に対して春を願うことを指す。
 ♪春よ来い 早く来い
 
 →冬が長い
 後日談は、異変が未解決であることから
 事件翌日〜数日あたり。
 
 【欄外】
 →トリインフルエンザ
 A型インフルエンザウイルスの中で鳥類に感染するものを
 トリインフルエンザウイルスと呼ぶ。
 家禽類に感染して養鶏場に甚大な被害をもたらす例は高病原性トリインフルエンザ、
 高病原性トリインフルエンザが変異しヒトにも感染する例は新型インフルエンザと呼ぶ。
 トリインフルエンザの感染は家禽類、ニワトリの大規模被害が主だが、
 日本でトリインフルエンザの名称を広く知らしめることとなった
 2004年2月〜3月にかけての近畿地方における発生例では、
 養鶏場での甚大な被害の他、周辺地域で死亡ないし衰弱カラス8例から
 高病原性トリインフルエンザウイルスが検出された。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (雨乞い、日乞い、雪乞い)
 「Wikipedia」 (トリインフルエンザ



第119季・皐月の三(pp.030-1)
桜の木の下に、謎の花びら

 
 【概要】
 人妖: 西行寺幽々子 (亡霊)
 時期: 妖々夢Stage6後にしてエンディング (花見) 前後
 場所: 不明
 内容: 前借りの春度を返して回る亡霊
 関連: 東方妖々夢 (春度)
 
 【語彙】
 →温故知新おんこちしん
  「[論語為政 「温故而知新、可以為師矣」]
   (古い事柄も新しい物事もよく知っていて初めて人の師となるにふさわしい意)
   昔の物事を研究し吟味して、そこから新しい知識や見解を得ること。
   古きをたずねて新しきを知る。」
 
 →花咲なんとか
 花咲爺 (はなさかじじい) の昔話。
 枯木に灰を撒き、見事な花を咲かせた。
 愛犬の墓の傍に植えた木で作った神秘的な臼、
 これが燃やされた灰を撒いた。
 夢枕に立った愛犬の助言、いわば霊夢に従った行動。
 
 【欄外】
 →ラジオ試験放送失敗
 世界的には1900年に最初の通信テスト成功、
 1906年にアメリカで世界初のラジオ放送が為された。
 日本初のラジオ放送は1925年。
 
 →見えない雨
 不可視の雨はサニーの関与が疑われるが、
 局地的なのは他の要因か、偶然か。
 神社で豪雨を不可視化かつ無音化したのは翌年夏のこと。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (温故知新)
 「Wikipedia」 (花咲か爺ラジオ



第119季・水無月の三(pp.026-7)
神社の裏の木に大量の藁人形

 
 【概要】
 人妖: アリス・マーガトロイド (魔法使い)
 時期: 119季・水無月以前
 場所: 神社の裏
 内容: 伝統の呪術と職人技術
 関連: 東方萃夢想 (勝ちゼリフ)、東方花映塚 (メディスン)、東方文花帖 (ストロードール)
 
 【語彙】
 →藁人形
 東方文花帖事典 「ストロードールカミカゼ」 参照。
 
 →自立して動く人形
 メディスン・メランコリー登場の伏線であった。



第119季・特集(pp.082-3)
三日置きの百鬼夜行

 
 特集記事原稿覚書に分類される。
 奇妙な連続宴会 (東方萃夢想) についての記事。



第119季・文月の四(pp.070-1)
紅魔館にて季節外れの大節分大会

 
 【概要】
 人妖: パチュリー・ノーレッジ (魔女)
 時期: もうすぐ夏、春が終わり夏になる時期。5月5日頃 (弥生中旬頃) か。
 場所: 紅魔館
 内容: 夏の節分と鬼対策
 関連: 東方萃夢想 (ED)
 
 【語彙】
 →節分
  「季節の移り変る時、すなわち立春・立夏・立秋・立冬の前日の称。
   特に立春の前日の称。この日の夕暮、柊の枝に鰯の頭を刺したものを
   戸口に立て、鬼打豆と称して炒った大豆をまく習慣がある。 (冬の季語)」
 本記事は立夏の前日、5月5日頃 (弥生中旬頃) だろうか。
 この場合、発行は随分遅れたことになる。(藍虐待記事の例など大幅遅延例もある)
 第119季は2004年に相当すると考えられ、立夏は5月5日、節分は5月4日。
 少しずれるが、5月5日の端午の節句も踏まえられているだろうか。
 端午の節句の蓬や菖蒲による邪気払いと
 節分の柊や鰯の頭や豆撒きによる邪気払いの合成術式か。
 
 →恵方巻き
 関西発祥とされる、節分に食べる太巻き。
 その年の歳徳神が在する方位、恵方に向き
 巻き寿司を黙々と食する習慣。
 ・恵方 (えほう
   「古くは正月の神の降臨する方角。のちに暦術が入って、その年の
    歳徳神のいる方角。あきのかた。吉方 (えほう)。(新年の季語)」
 
 →転ばぬ先の何とやら
 ・転ばぬ先の杖
   「失敗しないように、前以て用意をしておくこと」
 
 →五行がどうだとか、鬼門がどうだとか
 種々の説有り。
 金棒とか厄の金行を火を通した豆で打つ火剋金とか。
 木行の春を迎えるのになにがしかの金行を剋する火行の炒り豆とか。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (節分、恵方、転ばぬ先の杖)
 「Wikipedia」 (節分端午立夏恵方巻
 Special Thanks!
 「胡蝶の見果てぬ夢」>文蔵 >東方民譚集 >追儺考



第119季・特集(pp.084-5)
夜が明けなかった一夜

 
 特集記事原稿覚書に分類される。
 永夜異変 (東方永夜抄) についての記事。



第119季・葉月の三(pp.020-1)
夜を駆ける珍品ハンター現る

 
 【概要】
 人妖: 十六夜咲夜 (人間)
 時期: 永夜異変 (葉月の15日) の翌日未明。
 場所: 魔法の森の霧雨邸
 内容: 外の魔法、月ロケットの材料確保
 関連: 東方永夜抄 (ED)、東方香霖堂 (月ロケット)、東方儚月抄 (月ロケット)
 
 【語彙】
 →八卦炉はっけろ
 魔理沙所持の魔具、ミニ八卦炉。
 東方香霖堂 「霖雨の火炉」 にて紹介された。
 東方永夜抄の魔砲 「ファイナルマスタースパーク」 解説にも現れる。
 直線的なエネルギーの放出からロケットエンジンの代替品として目を付けられた。
 永夜抄・紅魔組エンディング参照。
 八卦炉の元ネタは 「西遊記」。
 通常は太上老君が錬丹に用いる炉で、刃でも術でも傷付かないとされたが、
 孫悟空はこの炎にも耐え八卦炉による処刑から脱出した。
 
 →コマはジャイロ
 ジャイロは略称で、ジャイロスコープを指す。
 姿勢制御、安定化などに利用される、加速度を検出する計測器である。
 コマと同等の原理、回転運動体の回転維持力に基づく回転型ジャイロもあるが、
 回転座標系のコリオリの力や相対論的効果によるサニャック効果に基づくタイプもある。
 
 →スッポンは生き血が液体燃料
 永夜抄・紅魔組エンディング参照。
 
 →アームストロング
 永夜抄・紅魔組エンディング参照。
 アポロ11号船長、ニール・アームストロング。
 人類初の月面着陸を果たした。
 「これは一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である
 
 →竹の花や青いダイヤモンド
 竹の花は紅魔郷・魔理沙エンディング参照。
 宝石は元素組成や結晶構造の歪みにより
 色調が異なることが知られている。
 ダイヤモンドの場合は黄みを帯びた物が多く、
 無色透明の物ほど価値が高い。
 無色よりも高価なのがブルー、ピンク、グリーンなど
 希少な色調のダイヤモンド。
 ブルー・ダイヤモンドで最も有名とされるのは
 呪いの宝石としても知られるホープダイヤモンドである。
 竹の花とは異なり、時間操作能力で入手難度が低くなるとは思えない。
 
 →誰?
 パチュリーが文を見て。
 この後日談は、永夜異変から半年ほどの、120季如月あたりと思われ、
 いくつかの記事での受け答えや後日談で面識はあるはず (少なくとも節分記事)
 なのに、謎の疑問。文も自己紹介している。
 二人とも呆けたか、二人ともボケたのだろう。
 
 →月とスッポン
  「(月とスッポンとは丸いところは同じだが、全くかけはなれているところから)
   二つのものの間に非常に差のあることのたとえ。」
 パチュリーはその差を、手の届く現実と手の届かない幻想と解釈した。
 同じ手の届かない理想、ルナチャイルドの地上の月構想に対して
 東方三月精では 「絵に描いた餅」 の諺が用いられた。
 
 「月とスッポン」 と一般的なその意味の認識がおかしいという論は、
 明石散人の 「日本語千里眼」(講談社文庫) からか。
  「しかし、丸いもの同士でつながったとしても、月と鼈の喩えが何故成立するのかと言うと、
   この説明は案外難しい。だから、故事や諺時点の類は『月と鼈は形が丸くて似ているが、
   実は全く違うもの、或いはかけ離れたものの喩え』などと、何の説明もなくいきなり結論し、
   かなり強引に片付けてしまう。少し想えば判ることだが、月と鼈を丸いもの同士で括る
   のは、これはもう突拍子もないこじつけである。ただ、こんな具合の奇妙な喩えには、その
   裏側に必ず仏教的な解釈が潜んでいるから面白い。
    丸は無と同義。無はムであり、ムの異体は円相、つまり丸である。このことを前提に
   しないと月と鼈の正しき答えは決して得られない。月は無限の宇宙に浮かぶが、鼈は
   その月に照らされて地上世界の湖沼にぽっかりと浮く。これは双方の天文学的にかけ
   離れた距離を教えている。また、黒くて汚い鼈と冴え冴えとして清浄な月が地面に並ぶ
   様は双方の美醜を意味している。ただ、この月と鼈が共に円相を共有することを忘れては
   ならない。月と鼈の喩えは般若心経の『色即是空、空即是色』と同義であり、実は似て
   非なるものではなく月と鼈は全く同じものなのだ。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (月と鼈)
 「Wikipedia」 (西遊記ジャイロスコープアポロ11号ホープダイヤモンド
 「世界神話伝説事典」>八卦炉
 「日本語千里眼」 明石散人著、講談社文庫
 Special Thanks!
 「東方Wiki」>東方香霖堂



第119季・葉月の三(pp.040-1)
妖怪が行う動物虐待の現状

 
 【概要】
 人妖: 八雲紫 (妖怪)
 時期: 妖々夢EX の直後と思われる。記事の発行は取材から随分と後となっている。
 場所: 不明、文の耳に悲鳴が届いたことから妖怪の山か
 内容: 式神の教育
 関連: 東方妖々夢 (EX)?



第119季・葉月の四(pp.056-7)
竹林で怪火

 
 【概要】
 人妖: 藤原妹紅 (人間)
 時期: 別紙に永夜異変を振り返るとあり、永夜異変 (葉月の15日) 後。
      また、永夜抄EX はその次の満月 (長月の15日) なので、EX は本記事の未来。
 場所: 永遠亭付近
 内容: たけやぶやけた。小火と消火活動あるいは重要参考人。
 関連: 東方永夜抄 (設定)
 
 【語彙】
 →鳥というのは兎の事
 文の解釈。
 鳥が焼かれていたと思いたくないためか
 鳥とは兎のことと解釈してそういうことにした。
 兎は1羽2羽と鳥と同様の助数詞を伴う。
 
 →白レバー
 鶏の肥大化した肝臓。
 ガチョウの肥大化した肝臓であるフォアグラのなかま。
 
 →火の鳥の事を、輝夜さんは焼き鳥と
 ZUN氏も 「パゼストバイフェニックス」 にて
 「まさに焼鳥。」 とコメントしている。
 
 →大先輩
 妹紅の生誕〜不死化は竹取物語に沿えば1300年ほど前のこと。
 一方、文は千年ほど前から幻想郷に住み着いたとされる@花映塚設定
 
 【欄外】
 →酒泥棒
 東方萃夢想・紫ストーリー?

 
 【参考】
 「Wikipedia」 (ウサギレバー (肝臓)



第119季・葉月の五(pp.038-9)
真夏の昼の幽霊行列

 
 【概要】
 人妖: 魂魄妖夢(半人半霊)
 時期: 盆の入り翌日。(文月の14日か?里のお盆の定義による)
 場所: 幻想郷上空
 内容: 未修復の幽明結界とその影響
 関連: 東方妖々夢 (ED〜EX ストーリー (結界修復))
 
 【語彙】
 →盆
 お盆は祖先の霊を祀る行事で、
 旧暦の7月15日を中心に行なわれる。
 13日の迎火で祖先の霊を家に迎え、供養する。
 16日には送火により霊を彼岸に見送る。
 明治6年に新暦が採用され、伝統的な旧暦7月15日の他
 新暦7月15日、新暦8月15日などで行われる様になった。
 現在では新暦8月15日が主である。
 幻想郷の人間の里でいずれの日がお盆に該当するかは不明である。
 少なくとも真夏ということで新暦7月15日は排除されるか。
 
 →あの世とこの世の結界は一向に修復される様子もないし
 妖々夢PH にて紫が依頼された仕事が幽明結界の修復。
 しかし、その後も改善されず、
 東方求聞史紀・八雲紫の項にも進行中の異変と記されている。

 
 【参考】
 「Wikipedia」 (お盆



第119季・長月の二(pp.060-1)
蟲の知らせサービス開始

 
 【概要】
 人妖: リグル・ナイトバグ (妖怪)
 時期: 119季長月以前
 場所: 不明
 内容: 蟲を操る程度の能力と蟲の地位向上
 関連: −
 
 【語彙】
 →虫の知らせ
  「何の根拠もないが、何か悪いことが起きそうな不安を感ずること」
 本来は超感覚的なものだが、
 ここでは蟲が大挙して押し寄せ何かを知らせてくれる。
 
 →松虫
 ♪ちんちろ ちんちろ ちんちろりん
 
 →最後に残った蟲が最強
 蠱毒。
 起源の古い伝統呪術。蠱術、蠱道。
 平安時代には禁止令が発行されたとか。
 
 →殺虫剤
 通例、殺虫剤は虫は殺すが人間に毒性の低い物が開発されている。
 酵素など特定のタンパク質の中でも、
 ヒトと昆虫で相同性の低い標的を阻害するものであれば、
 選択毒性は確保できると考えられる。
 しかしながら、文のアドバイスにもある通り、
 いずれにしても人間に全くの無影響というわけではなく、
 昆虫に毒性を示す同様のメカニズムで悪影響があるものや
 昆虫とは異なりヒトでは別種の作用をもたらすものなども知られる。
 同じく文の発言にある様に虫の殺虫剤への抵抗性も知られる。
 蠱毒と同様、殺虫剤抵抗性の強力な蟲を見出してゆくことも
 決して的外れな着想ではない。
 だが、人間と強化蟲で殺虫剤を影響させあっても
 さすがに体格差が著しく、人間は少しのダメージで勝利を得ることができる。
 1mg の殺虫剤を作用させたとして、60kg の人間と 6g の昆虫では
 体全体に影響する薬剤濃度が1万倍も異なるのである。
 抵抗を得てヒト並に殺虫剤の影響を緩和しても、まだ大きな差があり、
 虫は圧倒的な個体数で補ってようやく対等である。
 
 【欄外】
 →幻想郷に響く怪音
 詳細不明。
 天狗笑い、天狗倒し、天狗太鼓などの怪音に関わる天狗が、
 怪音を記事にするというシャレか。
 
 →茶毒
 お茶に含まれるカテキンは普通抗菌作用を示すため
 一般には食中毒の予防的要素が強いお茶であるが、
 古いお茶ではカテキンが酸化され失活しており
 そこで何らかの菌が繁殖すれば食中毒に至る恐れもある。
 「茶毒」 の語は造語か。
 毒蛾の一種、茶毒蛾とリグルの記事とのシャレか。
 
 →助け鬼
 鬼ごっこの一種だが、呼び名は地域により様々である。
 ケイドロ、ドロケイ、ドロジュン、ドロタンなど。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (虫の知らせ、茶毒蛾)
 「Wikipedia」 (殺虫剤ケイドロ



第119季・長月の四(pp.068-9)
お花畑に謎の文様

 
 【概要】
 人妖: 紅美鈴 (妖怪)
 時期: 119季長月以前、事件から後日談まではお嬢様が見飽きる程度の日数分
 場所: 紅魔館
 内容: 新種ミステリーサークル
 関連: −
 
 【語彙】
 →ミステリーサークル
 英語では一般に "crop circle" と呼ばれる。
 穀物畑の一部が基本は円形に倒される現象。
 世間の注目に相関する様に
 数、バリエーション、複雑性ともに増していった。
 円形に限らず、直線を含む物、本記事で話題になった星型の物も知られる。
 1980年代に宇宙人の仕業かと流行したが、
 後に人為的な物であるとの告白がなされ、
 人為的な創作との認識が一般化しブームは終息した。

 
 【参考】
 「Wikipedia」 (ミステリー・サークル
 「Wikimedia Commons」 (Cropcirclebarnstar



第119季・神無月の二(pp.044-5)
猫の棲む里

 
 【概要】
 人妖: 橙 (式神)
 時期: 119季神無月以前
 場所: 人里離れた山奥の廃村 (マヨイガ?)
 内容: 妖怪の式の式の使い魔育成
 関連: −
 
 【語彙】
 →マタタビ
 ・木天蓼 (またたび
  「マタタビ科の蔓性落葉低木。山地に自生し、葉は円形、
   夏には葉面の半分が白変する。初夏、白色5弁の花を開き、液果を黄熟する。
   熱湯に浸して乾燥した果実は中風・リウマチ、また強壮に効があり、
   名の由来は食べるとまた旅ができるからとする俗説もある。
   若芽も食用。猫類が好む。ナツウメ。」
 ネコ科の動物はマタタビの臭い、原因物質としては
 マタタビラクトンやアクチニジンに恍惚を感じ強い興奮反応を示す。
 
 【欄外】
 →猫避けペットボトル
 水の入ったペットボトル。猫水とも呼ばれる。
 反射光を忌避することを狙った物と言われるが、効果は全然無い。
 塀の上の通行路を妨害する目的だったものがいつしか形骸化したとも言われる。
 
 →銅鐸
  「弥生時代の青銅器の一。釣鐘を扁平にした形で、上方に半円形の鈕がある。
   本来内部に舌を吊るし、ゆり動かして音を出したもの。次第に大形化し、
   装飾が多くなり、鳴りものの機能を失う。高さ十数cm前後から
   130cm以上のものまであり、装飾には原始絵画のあるものがあって有名。
   西日本で製作され、祭器として用いた。」
 
 →下戸におはぎ
 ネコの記事に関連すると見るならば、
 地口 (「着た切り雀」 などの語呂合わせ) に見られる
 「下戸に御飯 (猫に小判)」 のさらにもじりか。
 猫萩 (ねこはぎ) というマメ科多年草植物もある。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (木天蓼、銅鐸、地口)
 「Yahoo!辞書」 (語呂合わせ地口
 「Wikipedia」 (マタタビネコ#猫水



第119季・師走の一(pp.024-5)
現代幻想郷に夢の新薬

 
 【概要】
 人妖: 八意永琳 (人間 [自称])
 時期: 119季師走以前、119季葉月中旬 (永夜異変) 以降
 場所: 永遠亭
 内容: 夢の夢の新薬、あらゆる薬を作る程度の能力
 関連: 東方文花帖 (胡蝶夢丸ナイトメア)
 
 【語彙】
 →胡蝶夢丸、胡蝶夢丸ナイトメアタイプ
 文花帖事典 薬符 「胡蝶夢丸ナイトメア」 参照
 
 →夢と現実が入れ替わる
 荘子の 「胡蝶之夢」 にちなむ。
 萃夢想事典 「胡蝶夢の舞」 参照
 
 【欄外】
 →銘酒 月世界
 富山銘菓・月世界にちなむ?

 
 【参考】
 「月世界本舗ホームページ



第119季・睦月の四(pp.064-5)
大胆不敵、賽銭詐欺

 
 【概要】
 人妖: 因幡てゐ (妖怪兎)
 時期: 119季睦月以前
 場所: 不明
 内容: 詐欺ウサギのお賽銭集金
 関連: −
 
 【語彙】
 →私の言った事は殆ど嘘だから、最初からね
 自己言及のパラドクス。(例、「私は嘘しか言いません」)
 と見せ掛けて、「殆ど」 でパラドクス解除か。

 
 【参考】
 「Wikipedia」 (自己言及のパラドックス



第120季・特集(pp.086-7)
幻想郷の花、未だ見頃が続く

 
 特集記事原稿覚書に分類される。
 六十年周期の大結界異変 (東方花映塚) についての記事。



第120季・卯月の一(pp.076-7)
神社の桜、今週も見頃が続く

 
 【概要】
 人妖: 博麗霊夢 (人間)
 時期: 120季卯月以前の晩春、花映塚霊夢ストーリー後
 場所: 博麗神社
 内容: 毎晩のように花見の宴会
 関連: 東方花映塚 (花の異変)
 
 【語彙】
 →嘘も千回繰り返せば真実になる
 百回または千回、ゲッベルスの言葉またはヒトラーの言葉と
 検索で引っ掛かる中では情報が定まらない。それらの出典も不明。
 嘘でも言い続けた者勝ち、という意ではなく
 真実と信じさせられている事に嘘がある、という格言となるか。
 
 【欄外】
 →宿酔に効く新薬
 ・宿酔 (しゅくすい
   「酒を多量に飲み、酩酊状態の去った翌日に、なお残存する
    頭痛・悪心などの中毒症状。ふつかよい。」
 アルコールの代謝においては、アルコールの酸化でまずアセトアルデヒドが
 代謝の中間体として生じ、アセトアルデヒドがさらに酸化され無害化される。
 代謝が追いつかないほどの飲酒でアセトアルデヒドが体内で増えると、
 アセトアルデヒドの毒性による不快な症状が現れてくるようになり、
 これが二日酔いと考えられているが、メカニズムは厳密には明らかでない。
 二日酔いの薬は実際には存在しておらず、民間療法が知られるのみである。
 なお、迎え酒はアルコールで知覚を鈍磨させているだけなので
 身体への無自覚の負担は軽減どころか大きくなる。
 
 →押花展
 東方花映塚・咲夜エンディングの大量の花に由来?

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (宿酔)
 「Wikipedia」 (二日酔い



第120季・皐月の一(pp.042-3)
三途の河幅の算出に成功

 
 【概要】
 人妖: 八雲藍 (式神)
 時期: 120季皐月以前
 場所: 不明
 内容: 式神を使う程度の能力
 関連: 東方花映塚 (小町ED)
 
 【語彙】
 →三途の河、故人の歴史
 花映塚事典 「小野塚小町」、「故人の縁」 参照
 
 →無間の底の深さ
 ・無間の底 (むけんのそこ
   「無間地獄の底」
 無間地獄は地獄の最下層。
 無間地獄自体は立方の各辺が2万由旬とされる。
 ここでは単に無間 (=無限) か。
 
 →北斗七星が北極星を食べるまでの時間
 荒俣宏の 「帝都物語」 においては、帝都破壊を画策する加藤保憲が
 天の竜こと北斗七星を目覚めさせようと暗躍した。
 加藤の所業により天空の北斗七星はその姿を変動させ、
 その短時間変化は数百年後の星図に合う、著しいものであった。
 一万年前から一万年後の北斗七星の形の予想図を前に次の会話が為される。
  「これが一万年後の北斗七星の形ですか?」
  (中略)
  「北極星の動き――むろん、北極星だって徐々に位置を変えているのだが
   ――を追いかけて、天を這っていく竜だよ」
  「竜!」
 
 【欄外】
 →蜃気楼
 空気が局所的に、層をなして温度差を形成する時に現れやすい。
 湖は氷の妖精の根城であり、気温差に関与した可能性が考えられる。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (無間の底、蜃気楼)
 「Wikipedia」 (八大地獄
 「帝都物語 第弐番」 荒俣宏、角川文庫



第120季・水無月の一(pp.062-3)
氷の妖精、大ガマに喰われる

 
 【概要】
 人妖: チルノ (妖精)
 時期: 120季水無月以前、花映塚チルノストーリー後
 場所: 沼 (大蝦蟇の池か)
 内容: 因果応報
 関連: 東方花映塚 (チルノストーリー)
 
 【語彙】
 →人妖の噂も七十五年
 人の噂も七十五日



第120季・葉月の三(pp.050-1)
夏の真昼に謎の逆さ虹

 
 【概要】
 人妖: サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイア (共に妖精)
 時期: 120季葉月以前。梅雨明け頃。
 場所: 博麗神社
 内容: 不自然な虹と妖精の休息
 関連: 東方三月精 (落雷の直撃)
 
 【語彙】
 →逆さ虹
 大気光学現象で言う環天頂アーク。自然現象である。
 本記事の場合はそれに該当しない不自然な条件があったのであろうか。
 
 →雷
 東方三月精・第1話 「梅雨明けの真実」
 
 →妖精園
 幼稚園とのシャレ?

 
 【参考】
 「Wikipedia」 (環天頂アーク



第120季・神無月の一三(pp.058-9)
夜雀が経営する新商売が好調

 
 【概要】
 人妖: ミスティア・ローレライ (夜雀)
 時期: 120季神無月以前
 場所: 人通りの少ない夜の道 (妖怪獣道)
 内容: 歌で人を狂わす程度の能力と商売
 関連: 東方花映塚 (文ストーリー)
 
 【語彙】
 →焼き八目鰻屋
 ・八目鰻 (やつめうなぎ
   「ヤツメウナギ科の無顎類の魚の総称。鉛青色。胸びれも腹びれもなく、
    口は吸盤状。眼の後に7個の鰓孔がある。他魚に吸着して害を与える。
    食用・薬用とし、殊に鳥目とりめに有効という。(冬の季語)」
 体側面に左右それぞれ1つの眼と7つの鰓孔 (えらあな) が並び、
 一見8つの眼に見えることからヤツメである。
 ビタミンAに富み、鳥目に効果がある。
 鳥目とは網膜の桿状体機能が減退し暗さに順応しにくくなる病症で、
 後天的なものは桿状体機能に直接関与するビタミンAの欠乏によることが知られる。
 夜盲症とも呼ばれる。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (八目鰻、夜盲症)
 「Wikipedia」 (ヤツメウナギ



第120季・霜月の一(pp.022-3)
永遠亭にて月都万象展開催中

 
 【概要】
 人妖: 蓬莱山輝夜 (人間 [自称])
 時期: 120季霜月初頭か
 場所: 永遠亭
 内容: 月都万象展
 関連: 東方花映塚 (勝ちゼリフ)、東方求聞史紀 (輝夜)
 
 【語彙】
 →月都万象展
 ・月の都
   「(唐の玄宗が月宮に遊んだという故事による)
    月の中にあるという宮殿。月宮殿。竹取物語「―の人なり」
 ・万象
   「天地に存在する、さまざまの形。あらゆる事物。「森羅―」
 
 →展示物
 月の石、人間が月に置いていったと言う旗、月を自由に走るという月面探査車、
 昔は宙を飛べたという牛車、今なお輝き続ける着物。
 
 →月史館
 月都万象展のメインパビリオン。History of the Moon.
 月の石があるなど、1970年の日本万国博覧会 (大阪万博、EXPO'70
) の
 アメリカ館の展示 (アポロ12号の月の石) とその大盛況ぶりにちなむか。
 
 →いつの間にか持っていたの。
 →うちの家系がね……。もう長い間、ずーっと好事家なの
 人間を装った表現か。
 永夜抄関連事項は本記事や後日談以外でも広く秘匿されている。

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (月の都、万象)
 「Wikipedia」 (日本万国博覧会



第120季・霜月の二(pp.066-7)
兎角同盟が神社の宴会に抗議

 
 【概要】
 人妖: 鈴仙・優曇華院・イナバ (兎)
 時期: 120季霜月以前、119季葉月中旬 (永夜異変) 以降
 場所: 博麗神社
 内容: 宴会と兎鍋
 関連: −
 
 【語彙】
 →兎角同盟
 ・兎角 (とかく
   「(仏教用語) ウサギの角。亀毛と並んで、あり得ないものの例として挙げる」
 
 【欄外】
 幻想郷名所案内 永遠亭

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (兎角)



第120季・如月の一(pp.072-3)
真冬の満月、大爆発

 
 【概要】
 人妖: 伊吹萃香 (鬼)
 時期: 120季如月以前の真冬で満月の日。真冬と節分は反撥。
 場所: 不明
 内容: 密と疎を操る程度の能力と砕月
 関連: −
 
 【語彙】
 →天蓋
   「仏像などの上にかざす笠状の装飾。
    方形・八角形・円形などにつくられ、
    瓔珞・幡、天人・宝華などの彫画で荘厳される。懸蓋。仏蓋。」
 ここでは天球、天球儀の方が近いか。
 ・天球
   「観測点から眺めた、半径無限大の仮想の球面。
    天体の見かけの方向を表示する座標を決めるために想定される。」
 ・天球儀
   「球面上に天球上の恒星・星座・赤道・黄道・時圏などを投影したもの。」
 例えば北斗七星などは7つの星までの地球からの距離は
 それぞれ大きく異なり、宇宙空間には関連無く点在しているものだが、
 これを目視する我々は透明な一つの球面に7つの星が並び
 柄杓型を形成している様に仮想する。その球面。天の蓋。
 
 【欄外】
 →天狗ノ麦飯
 ・天狗の麦飯
   「信州 (長野県) などの山地の地表や地中に産する
    径数mmから1cm、黄褐色、膠状の塊状物。
    藍藻・細菌・菌類の複合体といわれる。長者味噌。謙信味噌。」
   「緑藻の一種。日本特産で、富士山など火山性の高山の地表に生える。
    灰褐色のゼラチン質に富む塊状をなし、冬に繁殖。
    これを食べて修験者が飢えをしのいだといわれる。飯砂。」

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (天蓋、天球、天球儀、天狗の麦飯)
 「Yahoo!辞書」 (天狗の麦飯



第120季・弥生の四(pp.052-3)
巨大流れ星空中爆発

 
 【概要】
 人妖: フランドール・スカーレット (吸血鬼)
 時期: 120季弥生以前の初春 (獅子座流星群は11月)
 場所: 紅魔館
 内容: ありとあらゆるものを破壊する程度の能力と隕石
 関連: −
 
 【語彙】
 →まだ槍が降ってきた方が怖いわよ。
 ・槍が降っても
   「どんな難事に出逢おうとも。槍が降ろうが」
 
 →いや雨の方が怖いわね。
 ・雨が降ろうが槍が降ろうが
   「どんなことがあっても。どんな困難に出会ってもやるとげるという
    決意をこめた語」
 吸血鬼は流れ水を渡れない。
 雨を浴びるとよろしくない。
 
 →あーまんじゅう怖くない
 有名な落語、「まんじゅうこわい」 にちなむ。
 永夜抄・結界組EX 後会話にも。
 
 →全ての物には目って物があってねぇ。
 木材を切るときに木目を利用するが、
 堅くて無機質な石でもそれは同様である。
 ・石目 (いしめ
   「岩石のなかの特に割れやすい方向。石工が岩を割る時にそれを利用する。」
 石の目とも呼ばれる。
 この拡大発想で、あらゆる物体には
 そこを破壊されるとその物体全体を崩壊に導くような
 急所とでも言える点 (目、核) があるとして
 そのポイントを攻撃するような必殺技などが考えられたりしている。
 (アニメ・ベターマンのサイコグローリーなど)
 
 →あいつは何でもかんでも最初から判っていた振りをするの。
 →運命が判るだとか何だとか言って。
 運命操作は証明不能。
 未来予知は予言しておかないと結果論。
 
 →呪文 (古い古〜い日本語)
 神字こと神代文字に基づくか。
 ・神代文字
   「わが国固有の、神代から伝えられたという文字。
    実は、亀卜の灼兆や朝鮮のハングルに擬した偽作。
    日文・天名地鎮・阿比留文字などの種類がある。」
 また、神字について荒俣宏の 「絶の島事件」 (「どおまん・せいまん奇談」 の改題) より
 登場人物の目崎博士の文を以下に引用してみる。
  あの神字は、わたしの直感では、陰陽師がかなり古い時代に中国からもたらした、
  天文の記号だと思う。天文というくらいだから、天に文、つまり印があるのだ。
  日、月、五惑星、北極星、そして他の星。これらの天体のつくる形こそ、
  天が人間に知らせてくる文章だった。だから天を観測することは、神の文章を
  読むことを意味していた。
  神字は、おそらく二千年以上も続けられてきた天文観測から定められた
  星座の配置、つまり天の文字、だろう。漢字が生まれるよりも昔に、
  それは創られた。五芒星もカゴ目も、あるいは九字も、九鬼の家紋である
  九曜や左頭三つ巴も、すべては『天の文字』だ。星や月日がつくる形だ。
  その秘密の文字が、この地に伝えられた。証拠がある。鳥羽や伊勢、あるいは
  卜占の本拠地である対馬や壱岐、さらに鹿島でも、古い聖地には日の神とともに
  月の神が、かならず祀られている。月読命だ。
  この神こそが、神字の管理者だったのだ。

 
 →獅子座流星群
 ・獅子座
   「(仏教用語) (獅子が百獣の王であるように、
    仏も一切衆生の王者であるというところから)
     仏の座席。また、高僧の座席。猊座。猊床。獅子の座。
    (Leo) 黄道上の第6星座。
    乙女座おとめざの西方にあり、春の半ばの夕方に南中。」
 ・獅子座流星群
   「毎年11月15日頃、獅子座から放射されるように現れる流星群。
    十一月流星群ともいい、最も著名。千年も前から出現記録があり、
    約33年ごとの数年間は特に著しい。1833年には流星雨となった。」
 
 【欄外】
 →春の七草
 セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ
 
 →星座のずれ
 詳細不明。サニー?
 このころは天文の分野でいろいろあった模様。(月爆発、隕石爆発、星座のずれ)

 
 【参考】
 「広辞苑 第五版」 (槍が降っても、雨が降ろうが槍が降ろうが、
             石目、神代文字、獅子座、獅子座流星群)
 「Wikipedia」 (まんじゅうこわい
 「絶の島事件 シム・フースイ version 5.0」 荒俣宏、角川ホラー文庫



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