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Level 9
 
 [ステージ]
 
 全8シーン。
 うちスペルカードは7種。
 ステージは永夜抄Stage6B、永遠亭の奥から直結した、真実の月と宇宙空間。
 
 被写体は、
  八意永琳、ターゲットコードネーム:街の薬屋さん
  蓬莱山輝夜、ターゲットコードネーム:人間らしくないお姫様
 の2名。
 
 蛇足ながら…
 人間らしくないのもそのはず、月人である。
 また、幻想郷内に「街」と表現される箇所は今のところ見受けられない。



新難題 「月のイルメナイト」
 
 [スペル]
 
 輝夜のスペル。
 輝夜の周囲に次々出現する弾源から小弾7WAYが撒かれる。
 小弾には自機へ向かう加速度が付与され、上下左右に関係無く自機に向って降り注ぐ。
 小弾の色は弾源毎に異なり、七色の色彩豊かな弾幕となる。
 撮影成功毎に多段階強化。
 放射小弾のWAY数が1ずつ増大する。
 チャンス魔法陣の発生は無い。
 
 ・ilmenite …「チタン鉄鉱、イルメナイト」
 
 イルメナイトはチタン鉄鉱とも呼ばれる灰色〜黒色の鉱物である。
 組成式はFeTiO3
 変成岩や火成岩に多く含まれ、砂浜などから採掘されている。
 大部分は酸化チタンの成分を基に、白色の顔料製造に使われている。
 旧ソ連のイルメナイト産地である Ilmen山地に ちなんだ英名である。
 
 月のチタン鉄鉱
 月においては、アポロ計画で持ち帰られた月の石の調査や月面のガンマ線計測から
 月面にもイルメナイトが存在することが知られていたが、2005年10月には
 ハッブル宇宙望遠鏡による月面観測により、月面上広範囲に
 イルメナイトが分布していると明らかになった。
 イルメナイトは特に玄武岩に含まれることが知られており、
 玄武岩は月面では月の海を形成する岩石に多いとされる。
 月の海とは、月表面を肉眼で見て、濃い色の玄武岩で覆われるため黒っぽく見える部分であり、
 月表面の種々に解釈される模様を形成している部分である。
 実際に水が湛えられているわけではないが、数百年前の天体望遠鏡による観察の際に、
 月の暗い部分は水のある海であると考えられ、現在も月の海と呼ばれるのはその名残である。
 月の海は、地球から見てのいわゆる月の表側に多く分布しており、裏側には少ない。
 
 月のイルメナイトは宇宙開発の上で重要な資源として注目されている。
 これは地上のイルメナイトの様に顔料としての利用を目的としたものではない。
 イルメナイトに水素や炭素を加えて加熱すると、比較的低い900度くらいで
 酸素を取り出すことができるため、酸素源として生命維持やロケット燃料(酸化剤)に活用出来る。
 また、イルメナイトから得られる二酸化チタンをさらに酸素とチタニウム(チタン)へと分離すれば
 チタニウムは耐食性の強い軽くて丈夫な金属なので機体や部品などへの活用も見込める。
 加えて、二酸化チタンは光触媒作用を有することが知られている。
 光触媒とは、光を吸収する事で触媒作用を示す物質の総称で、
 酸化チタンを水に入れ光を当てるだけで水の分解が進行し、水素と酸素に分解できる他、
 有害物質の処理による空気浄化や殺菌及び消臭の効果などを行える物質である。
 宇宙資源として月のイルメナイトは重要なのである。
 
 新難題として見れば、アポロ計画やルナ計画により地球に持ち帰られた月の石は稀少で、
 月から飛来した隕石として入手出来る物を除けば、人為的に持ち帰られた月の石は700kg。
 非常に貴重で、ルナ16号により採取された0.2g の小片が44万ドルで売却されたり
 285g の岩石資料の査定では100万ドルの価値が算出された。
 新難題として取って来いと言われたならば、頑張って月へ行くか、頑張って強奪するしかない。
 (注:しかも月の石まるのままではイルメナイトとは言えない)
 弾幕形状としては、採掘の際に舞い上がり、弱い月面の重力のため滞空時間が長かったり
 慣性に任せて飛んで行ってしまうような岩石の小片や粉塵を表すだろうか。

 参考
 「SPACE ALC」(ilmenite)
 「Wikipedia」(イルメナイト二酸化チタン光触媒月の海月の石
 「日本大学鉱物研究会」>主要鉱物英名語源データベース >I (Ilmenite)
 「HAL'S EYES WEB SITE」>>G-ray Titanium Appollo 15 Experiment +HST
 「月探査情報ステーション」>Q&A >FAQ >月に住む >資源



薬符 「胡蝶夢丸ナイトメア」
 
 [スペル]
 
 永琳のスペル。こちょうむがんナイトメア
 永琳から青蝶弾10層から成る24WAY放射が自機外しで繰り出される。
 同時に弾源が8WAYで放射されており、これが経路上に緑米弾を多数撒いてゆく。
 撮影成功3, 5枚で強化2段階。
 米弾色が緑から紫、赤へと変わり、
 段階に応じてばら撒かれる量が増大する。
 
 胡蝶夢丸・悪夢仕様
 永琳オリジナルの「文字通りの夢の新薬」。ピカ新。
 胡蝶夢丸は、「胡蝶になった自分を楽しむ、と言う意味」を持つ紅色の丸薬。
 就寝前の服用により、その夜の夢は楽しい夢となるとされる抗悪夢薬。
 高枕無憂。
 本スペルは、胡蝶夢丸のナイトメアタイプ。黒色の丸薬。
 悪夢は吉兆であるとする価値基準の者やスリリングな夢を楽しみたい者向けの悪夢薬。
 高速の場面転換と、逃げても逃げてもねっとりと絡みついてくる何か。
 
 胡蝶夢は、荘子の「胡蝶之夢」にちなむ。
 東方萃夢想事典;「胡蝶夢の舞」を参照。

 参考
 「東方文花帖 〜Bohemian Archive in Japanese Red.」(一迅社)



新難題 「エイジャの赤石」
 
 [スペル]
 
 輝夜のスペル。エイジャのせきせき
 輝夜からは絶えず赤レーザーブレードが全方位に撒かれ続ける。
 チャージ後、チャンス魔法陣と共に大レーザーブレードならびに7つの赤大玉が
 自機照準で発射される。
 撮影成功毎に多段階強化。
 レーザーブレードのばら撒き頻度が上昇する。
 
 エイジャの赤石は、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第二部(Part2、戦闘潮流)に登場する宝石。
 エイジャと呼ばれる、ある種の赤い宝石は、自然界にもめったとない美しさを誇り、
 結晶内で光を何億回も反射・増幅させ、一点より放射する特質を持つとされる。
 作中では、「柱の男」と呼ばれる、太古より存在した超高等生物種達が、
 唯一の弱点たる太陽光を克服し究極生物となるため
 エイジャの中でも一点の曇りもない完全結晶、スーパー・エイジャを捜し求めた。
 その旅は数千年の時をかけ、少なくとも中米・中国・欧州を巡るものであった。
 最終的にエイジャの赤石は1939年のヴォルガノ島大噴火以降描かれておらず、
 その行方は杳として知れなかった……と思ったら、幻想郷の好事家の手に渡っていた。
 
 エイジャの赤石を太陽光にかざすと、光エネルギーを取り込んだ後
 一点収束したレーザーエネルギーが迸り、ボートの尾部を破壊する描写が作中にあり、
 弾幕形状はこれに由来すると考えられる。
 
 「ジョジョの奇妙な冒険」作中に登場する種々のネーミングには
 音楽関係のネタが多量に盛り込まれており、エイジャの赤石のネーミングについても
 スティーリー・ダンのアルバム「Aja」や
 イギリスのロックバンド、エイジア(Asia)が元ネタではないかといわれている。
 「Aja」は、"asia" と同音(エイジャ)とされ、
 スティーリー・ダンのメンバーの友人と結婚した韓国人女性の名に由来し、
 アルバムのジャケット写真は日本人モデルの山口小夜子である。
 いずれにしても「アジア」との関連が深い。
 
 エイジャの赤石は「不老不死、不死身」に関わることから、
 輝夜関連では「蓬莱の薬」のイメージだろうか。
 また、上記の様に "Asia" に関わる元ネタの元ネタと「東方」が係る。
 バンド「Asia」の方は、デビューアルバム「ASIA」は邦題が「詠時感〜時へのロマン」であり
 輝夜の時に関わる能力にこじつけることが可能だし(詠時感で「えいじあ」と読むらしい)
 「Aja」の方は、邦題が「彩(エイジャ)」であり、虹色や極彩色の方向からこじつけられる。
 この「彩」は「Aja」のドイツ語風発音に由来すると思われるが、
 そう考えれば射命丸の「文」への関連も思い浮かべられる。

 参考
 「ジョジョの奇妙な冒険」集英社文庫
 「Wikipedia」(スティーリー・ダンエイジア
 「Wikipedia(英)」(Aja_(album)
 「ロック&ポップス雑記帳」>70年代



錬丹 「水銀の海」
 
 [スペル]
 
 永琳のスペル。すいぎんのうみ
 ゆっくり上下動を繰り返しながら、永琳から多量の弾丸が放出される。
 砲塔がゆっくりと巡らされ、また、弾丸は画面端で4回反射するため、
 弾丸の帯が画面中に広がり満ちる。 
 撮影成功5枚で強化一段階。
 黄緑の弾丸放出も加わり、弾量が倍化する。
 
 ・ …「硫黄と水銀の化合した赤土。辰砂。薬。特に、道家における長寿・不老不死の薬」
 
 水銀は、常温常圧で液体である、唯一の金属元素である。
 液体としての性質と、銀のような光沢から水銀の名がある。
 その流動性は生命力に例えられることもあり、
 古くはラテン語で argentum vivum (生命力ある銀)とも呼ばれた。
 また、古代においては不老不死の薬として珍重されたこともある。
 その場合、水銀は不老不死の薬であるあるいは仙丹の原料とされ、
 仙丹の服用により仙人になり不老不死が実現されると信じられた。
 辰砂が鮮やかな赤褐色であるため血液、延いては生命力の素につなげて考えたものとする指摘もある。
 
 中国三代宗教の一つ、道教は、
 不滅かつ根源的な真理である道(タオ)と一体となることを理想にしている。
 そのための修行を行い、錬丹術により不老不死の霊薬であるを錬り、
 それを服用することで仙人になれるとする。
 不老不死を望んだ古代の権力者は喜んで水銀を含むを服用したが、
 水銀中毒により却って命を縮めたと言われる。
 (水銀の毒性については「マーキュリポイズン」の項や本項末尾も参照)
 それらの教訓から、人体内の丹田と呼ばれるスポットに気を集中し、
 呼吸法により錬られるものを仙丹(内丹)ととらえる様になったとされる。
 仙丹を化学的に作り物質として外界から取り込む方法は外丹と呼び、非推奨となった。
 
 不老不死を強く夢見、外丹の服用で代表な人物とされるのが晩年の始皇帝である。
 徐福を蓬莱へと派遣したのも彼である。(不死「徐福時空」参照)
  以水銀為百川江河大海,機相灌輸,上具天文,下具地理。
 司馬遷の「史記」には、始皇帝の陵墓の地下宮殿内に水銀の海が造られたとする記述もある。
 不死の幻想、水銀の海、太古の夢。
 
 また、月の海の一つ、神酒の海(Sea of Nectar)にも関連するだろうか。
 ネクタル(Nectar)は、ギリシア神話の神々の飲む酒、
 不老長寿の霊薬である。(関連、「神に奉るお酒〜Sea of Nectar」
 
 〜薬屋さんって水銀を扱うんですね。
  何に使うのかって聞いたんですけど……企業秘密みたい。
  毒薬か、不死の薬か。〜

 (文コメントより)
 不死の薬は前述の通り。
 水銀ならびに一部を除く水銀化合物、それらを含有する製剤は毒物に指定されている。
 医薬品には現在ほとんど用いられておらず、毒薬として指定されているものには
 毛虱の駆除に水銀軟膏が、アレルギーの確認や殺菌消毒に塩化第二水銀が
 一部認められているのみである。
 塩化第二水銀(昇汞)などの水銀化合物は梅毒の治療など様々な皮膚疾患に用いられてきた
 歴史があり、また、塩化第一水銀(甘汞)の利尿作用は16世紀頃から知られており、
 1900年代中頃30年ほどは Mersalyl という水銀利尿薬が最も有力な利尿薬として使用されていた。
 尤も、毒薬としての利用は医薬品よりも暗殺目的のものが古くから知られており、
 水銀が毒として高い地位にあるいことは中世の人々もよく理解していたのだが。

 参考
 「Yahoo!辞書」(丹)
 「Wikipedia」(水銀錬丹術道教始皇帝神酒の海ネクター
 「Wikipedia(英)」(Mercurial diuretic
 「中國哲學書電子化計劃」>史記 >秦始皇本紀(47)
 「Fuji-tv ART NET」>アートで科学 >vol.3 「始皇帝の地下宮殿の秘密」
 「国立医薬品食品衛生研究所」>>毒物および劇物取締法(毒劇法)
 「医薬品医療機器情報提供ホームページ」>添付文書情報 >検索のページ >「水銀」にて検索
 「毒のはなし」東京図書
 「NEW 薬理学」南江堂



新難題 「金閣寺の一枚天井」
 
 [スペル]
 
 輝夜のスペル。きんかくじのいちまいてんじょう
 画面上方に静止した輝夜から、左右に展開してゆっくり下降する黄弾丸列が交互に繰り出される。
 また、輝夜の周囲を弾源に、十字4WAYに緑弾丸が連射され続ける。
 弾源がぶれながらも砲塔は統一して巡らされ、見かけ上は弾群の帯が弧を描いて回転する。
 撮影成功3, 5, 6枚で強化三段階。
 それぞれ、緑弾より速く逆旋回の水色弾丸、
 緑弾より少し遅く同じ旋回方向の青色弾丸、
 緑弾より少し速く逆旋回の紫色弾丸が追加される。
 チャンス魔法陣の発生は無い。
 高得点の鍵は天井発生の瞬間の金色の輝き。
 
 臨済宗相国寺派・鹿苑寺の寺院全体を指して言う通称が金閣寺である。
 寺院の中心となる舎利殿は金閣と呼ばれ、
 三層からなる建物のうち、初層をのぞく2層に金箔が貼られている。
 初層は寝殿造風の「法水院(ほっすいいん)」、
 二層は武家造の「潮音洞(ちょうおんどう)」、
 三層は中国風の禅宗仏殿造の「究竟頂(くっきょうちょう)」といった、
 三つの様式が見事に調和した特異な建築である。
 1224年に建立された西園寺を、1397年に足利義満が改築し「北山殿」として一新、
 義満の死後は舎利殿を残して解体され禅寺となった。
 この時、義満の法名にちなんで鹿苑寺とされた。
 1950年には放火により国宝の金閣ならびに国宝を含む文化財6点が灰燼に帰した。
 究竟頂の天井板は「楠天井の一枚板」と伝えられていたが、
 この災禍により焼失してしまい、真偽の程は不明である。
 
 究竟頂の天井が一枚板であるとする描写は、
 江戸時代の人形浄瑠璃「祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)」にある。
 この作品は初演の翌年には歌舞伎に移され、現在では特に四段目の
 通称「金閣寺」と呼ばれる場面が上演される。
 天下乗っ取りを企てる敵役・松永大膳は室町幕府第十三代将軍足利義輝を殺害し
 義輝の老母・慶寿院を金閣寺の楼上に幽閉する。
 慶寿院が天井の一枚板に墨絵の竜を描かせることを望んだり、いろいろあるが、
 此下東吉という若者が慶寿院らを救い出すおはなし。
 
 上記の様に、江戸時代頃から金閣寺の一枚天井の伝承が語られてきたようだが、
 金閣寺が一般の拝観者を受け入れたのは明治27年であり、
 ましてや究竟頂は仏教用語で「究極の頂」を意味し、
 足を踏み入れることが適う者は一部の僧等に限られていたものと推測される。
 
 金閣寺は1955年に再建されたが、数年もすると金箔の剥離が目立ちはじめ、
 ついには「黒閣」と揶揄されるほどになってしまった。
 1987年には漆の塗替えや金箔の張替えが行われ、現在見られる美しい姿に復元された。
 その行程が以前、「プロジェクトX 挑戦者たち」にて紹介されている。
 金箔の剥離は紫外線による漆へのダメージであると判明したため
 金箔を、紫外線を透過しない、五倍の厚さのいわゆる五倍箔としたことや、
 究竟頂の天井3000枚の金箔を一人の職人が十二時間不休で一切の隙間無く押したこと
 などが語られている。
 その「黄金天井」としての表現に則れば、多数の金箔が全く隙間無く貼られた
 一枚の黄金にも錯覚するような見事な天井をして一枚板に例えたものとも解釈できよう。
 
 焼失してしまった幻想の一枚天井を表現した本スペル。
 天井を模した弾列が黄色であることも、黄金天井を踏まえたものではないかと考えられる。
 また、天井を下に繰り出す輝夜の位置は差し詰め金閣の屋根の上の鳳凰像にマッチする。
 鳳凰や火の鳥やフェニックスなどが一絡げになっていた東方永夜抄を念頭に考えれば
 不死の輝夜が座すに相応しく思える。
 紫外線を透過しない五倍箔を、
 プレイヤーを寄せ付けない五色五種の弾丸に例えたりもしているだろうか。

 (2007年6月追記)
 「一枚天井」 伝説の真偽については、摸捫窩様が文献調査から明らかにされました。
 詳しくは、摸捫窩様のサイト 「胡蝶の見果てぬ夢」 の造家寮をご参照下さい。

 参考
 「Yahoo!辞書」(究竟)
 「Wikipedia」(鹿苑寺金閣寺放火事件
 「金閣寺」>散策、歴史
 「浮世絵と囲碁」>8.金閣寺
 「日本芸術文化振興会」>文化デジタルライブラリー内 歌舞伎辞典より「祇園祭礼信仰記
 「おたべず・はうす」>歌舞伎 >祇園祭礼信仰記
 「プロジェクトX 挑戦者たち 壁を崩せ 不屈の闘志 金閣再建 黄金天井に挑む」(XMDF版)



秘薬 「仙香玉兎」
 
 [スペル]
 
 永琳のスペル。せんこうぎょくと
 画面中ほどに静止する永琳の周辺を弾源に、48WAYのレーザーが固定展開される。
 自機照準の十字4WAYで緑大玉が次々放たれる。
 緑大玉は画面端で反射を繰り返し、画面中に留まり続ける。
 撮影枚数に応じた変化は無い。
 また、チャンス魔法陣も発生しない。
 
 ・)…「かおり。におい。美しい色つや。光沢」
 ・こう)…「種々の香料を練り合わせたもの。香木。薬味のこと」
 ・玉兎 …「(月の中に兎がすむという伝説から)月の異称」
 ・秘薬 …「製法などを秘密にしている薬。特別な効能のある薬」
 
 「」とは本来は天然香木の香りをさすが、そこから線香、焼香などの香りとして用いられ、
 「お香」としてよく親しまれている。
 インドは多くの香木の産地として知られ、酷暑の気候的要因から発生しやすい悪臭を防ぐため、
 あるいは香を焚き不浄を祓うとする仏教的観点から、香はインドなどを中心によく用いられてきた。
 宗教的には仏教との深い関わりの他、多くの宗教で用いられる。
 また、一般にも普段の生活の悪臭抑止やお洒落として、
 さらにはより上品に香りを楽しむ香道が知られる。
 一般には伽羅・沈香・白檀などの香木の薄片を加熱して芳香を発生させるが、
 熱することなく良く香る白檀は仏像彫刻や扇子・数珠などの仏具の材料としても用いられる。
 (東方萃夢想での幽々子の台詞、「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は白檀の中国名である)
 香木の他、乳香や安息香などの芳香性樹脂、麝香や竜涎香など動物由来の芳香性分泌物が
 香に用いられることもある。
 乳香は、古代エジプトでは神に捧げる神聖な香とされ、聖書でも神に捧げる香の調合や
 東方の三博士のイエスへの贈り物に神の象徴として含まれたと記述されているようである。
 乳香には鎮痛、排膿、止血作用が、麝香には興奮、強心、男性ホルモン様作用が、
 竜涎香もまた強心作用で知られ、香以外の面でも医薬に応用されていた。
 
 の使用方法としては、焚いて使用する焼香と、焚かずに身体に塗る塗香に大別される。
 焼香は、用いる香の形状によって線香、抹香など多種に別けられる。
 抹香は、香木などを粉末状にした香、
 線香は、香木の粉末や香料などの材料を練り、線状・渦巻き状などに成型後乾燥させた香をいう。
 線香は長持ちし、作製条件や長さを揃えれば燃え尽きるまでの時間も一定である事から
 時計の代わりとしても使用されたことがある。
 特に長時間をかけて燻らされる様や宗教的(道教?)ありがたみ、シャレっ気などから
 中国では仙香、前寿香あるいは長寿香とも呼ばれる。
 日本でも線香を仙香に置き換える風流が文学人などに好まれたようである。
 
 中国のの異称は多い。
 太陰、陰精、夜光、兎光、玉鏡、玉鏡懸、玉鑑、玉魄、玉盤、玉盤転、玉輪、玉蟾、桂子、桂輪、
 桂影、桂花開、霊輪、金鏡、金盆、金波、金魄、金枢、金精、金蝦蟆、水鏡、氷鏡、破鏡、鵲の鏡、
 氷輪、氷輪輾、一鏡円、仙蛾、嫦娥、素蛾、清光、清輝、澎輝、陰魄、掛鏡、似鏡、皓潔、皓々、
 素影、素華、蟾華、珠暉、月輪、月光、月華、月嬋、月色、月痕、宵徳、月明、玉兎、玄兎、兎輪、
 兎影、兎魄、兎月、蟾兎、銀蟾、氷蟾、瑶蟾、蟾蜍。
 中国の月にまつわる伝説の中で非常に古くからあるのが「嫦娥奔月」である。
 夫が西王母から貰った不老不死の薬を一人服用した嫦娥が仙女と化し月へ昇る、というもの。
 しかしながら月に降り立った嫦娥は美しい天女の姿ではなくなり、蟾蜍(せんじょひきがえる)に
 変わっており、不毛の地である月に独り寂しく住んだとか、
 そんなわけで月の表面には蛙のような模様があるんだよ、というお話。
 長い時を経る中で、月に生えるとされる桂(月桂)を伐ろうと躍起になる罪人・呉剛が
 傷つけても再生してしまう樹木相手に斧を繰り返し振るう「呉剛找桂」、
 「酉卯東海道」でも語られた、不死の薬を白兎が搗く「玉兎搗薬」などが加わり、
 仙女が住む宮殿が建ったり、嫦娥は蟾蜍に身を窶さず仙女の姿だったりと
 月もなんだか賑やかな様相へと変化していったようである。
 そういうわけで、光や玉、あるいは太陽に対する陰、昼に対する夜、といった分かりやすい
 語の他にも桂や蟾蜍や兎に関係する異称に溢れているわけである。
 月には兎が住むとされ、玉兎はその兎を指し、延いては月の異称となった。
 古代の伝承では単独で月に昇った嫦娥だが、いつしか兎を抱いて昇ったと伝えられる様になったり、
 あるいは、西王母の不死薬を作っていたのが西王母に仕えた兎であったとされ、
 もしくは嫦娥が兎に身を変じたとされ、この兎が月で薬を搗くことへと変化したようである。
 
 月の仙女の焚く長寿の香と月の兎の不老不死の秘薬。

 参考
 「Yahoo!辞書」(香、玉兎、秘薬)
 「Wikipedia」(香木線香抹香乳香麝香龍涎香
 「茨城県上海事務所」>TOPICS IN 上海(2005年9月)「中国の伝統的な祝日 中秋節
 「明麗軒」>福山堂 >香港廟宇寺院
 「ハリマ化成株式会社」>松脂を訪ねて >お線香と松脂 >香料の伝来と歴史
 「月の本」角川書店
 「中国の神話伝説 上」青土社
 「Dictionary of Pandaemonium」>西王母、嫦娥
 「末葭敏久のHP」>中文関連雑文 >中国文化と「月」



新難題 「ミステリウム」
 
 [スペル]
 
 輝夜のスペル。
 32WAYの米弾を青色・水色と交互に放射し続ける。
 米弾は進行速度を変化させ、輝夜から一定距離で一度停滞する他、
 軌道自体も直進ではなく小さく蛇行する。
 撮影成功毎に多段階強化。
 WAY数が2ずつ増大する。
 チャンス魔法陣の発生は無い。
 
 ・-ium …(接尾)「ラテン語系の名詞語尾。金属元素名の語尾」
 ・Mysterium …(ドイツ語)「神秘、不可思議。秘儀、密儀。神秘劇」
 ・mysterium …(天文用語)「ミステリウム」
 
 Mysterium.
 「謎物質」
 "mysterium" という語は、上記の他、ラテン語にあり、英語の mystery の語源である。
 ここでは、文のコメントにあるように「謎物質」で、
 mystery + ium の英語で、謎の元素の意。
 現在もなお新たに見出されている超重元素などは
 神話・地名あるいは物理学の偉人の名+ium というような命名がなされている。
 例えば原子番号111のレントゲニウムは、
 1994年の実験で3つの原子の生成が確認され、2004年に公式の名が冠された。
 約10年の間は、「第111の元素」の意の暫定名、ウンウンウニウムで呼ばれていた。
 同様に、原子番号112〜116は既に発見されているが、正式名を持たない。
 117以降は実証に至っていない。
 
 1960年代、宇宙空間から発生源未知の周波数1665MHzのメーザー(マイクロ波レーザー)が観測され、
 カリフォルニア大の電波天文研究所の研究チームは1965年のNature誌に掲載された論文で
 このメーザー源として Mysterium 説を発表した。
 いわゆる星間ガスが発生源と考えられたが、一体その源となる物質は何なのか考えるに当たり、
 当時は宇宙空間に漂う物質が分子状であるとするものは主流ではなかったため
 未知の元素を放射源とするメーザーと考えられたのであろう。
 すぐ後の研究で、宇宙空間の分子雲に存在するOH分子(ヒドロキシラジカル)が放射源であることが
 明らかとされ、さらには1969年のH2O、1970年のCH3OH(メタノール)、
 1974年のSiO(一酸化ケイ素)などが続々報告されるに至る。
 現在は種々の星間分子が発見同定されており、中でも有機物質が惑星環境に頼らずとも
 宇宙空間に存在していることはしばしば生命の起源を考える際に取り入れられる。
 
 弾幕は、米弾が進行速度の緩急差で形作る縦波と、弾道が蛇行する横波から成る放射弾幕。
 上記を踏まえるならば、宇宙の彼方から地球に届くマイクロ波と、
 その放射源たる幻想と化した未知元素を表すだろうか。
 
 1984年のPCゲーム、スターアーサー伝説シリーズの第2弾「暗黒星雲」ではミステリウム
 暗黒星雲内で生まれたばかりの惑星の中心部から僅かに採掘される高密度鉱物として登場する。
 暗黒星雲は分子雲とも呼ばれるもので、おそらくは天文学のミステリウムを元にした、
 なかなか細かい設定と思われる。
 アドベンチャーゲームだが、一部、3Dシューティングも含まれるらしい。
 また、1991年のゲームボーイ用ゲーム、「Mysterium」(ミステリューム)というものもある。
 錬金術をテーマとしたアクション・アドベンチャーゲーム。

 参考
 「ジーニアス英和辞典」(-ium)大修館書店
 「マイスター独和辞典」(Mysterium)大修館書店
 「SPACE ALC」(mysterium)
 「Wikipedia(英)」(Astrophysical_maser
 「Wikipedia」(超ウラン元素レントゲニウム星間分子のリスト
 「Nature」>> Nature 208巻 頁29-31
 「ashen to ashen」>誰が見るのよ懐ゲー攻略集 >暗黒星雲
 「ゲームボーイ-ミステリューム-Mysterium-攻略



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