暗闇の館 〜 Save the Mind.
[タイトル] Stage4のタイトル。くらやみのやかた 〜
セイヴ・ザ・マインド。 門番を退け、妖霧の中心地となっている洋館に足を踏み入れる。 窓の無い、冥く広い館の一室。 多量の書物が詰まった本棚が数多立ち並ぶ図書館。 そこに棲みついている魔女と出くわすことになる。 ・save 「救う。蓄える、取っておく。守る、保護する。 省く、節約する。間に合う。防ぐ」 ・mind 「心、精神。ものの考え方。知力、知性。意見。 願望。記憶、記憶力。正気。平静、理性。」 「暗闇の館」 は紅魔館、ここでは特に図書館を指す。 吸血鬼の住処であるため日光を取り込む窓は数少なく、 図書館もまた、本が痛むことを避けるために窓が無く、 従って暗闇と表現するのが適している様である。 Save the
Mind. 「正気を保て」 暗闇と遠大な空間で先が見通せない恐怖。 敵の正体も人数も不明である所に単身攻め入る不安。 敵の本拠地、物語も後半に突入し激化する攻撃による精神的消耗。 気を引き締めてかからねば、瞬く間に自機やボムが消費されてしまう。
参考 「ジーニアス英和辞典」(save, mind) |
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ヴワル魔法図書館 [音楽] Stage4のテーマ曲。ヴワルまほうとしょかん。 〜4面テーマです。 この曲から室内ステージです。 曲も室内の雰囲気を出してみました。 後半、中ボスあたりから不気味さが出るように曲調が変化します。 それ以外には特に特徴も無いですが、 強いていえば、STGの曲ではない(笑)
〜 (恋々音樂館より) 〜魔導書などの専門の図書館があってもいいんじゃないかと。 急にファンタジー。って、一応全体的にファンタジーのつもりですが ヴワルというのは固有名詞なんで余り意味ありません。 フランス語かなんかで、なんか意味があります(笑)
〜 (おまけ.txt より) ・voile
[フランス語] 「ベール、覆い隠す物。」 フランス語の "voile" は英語の "veil" に当たり、 かぶり布 (ベール)
や覆い、垂れ幕などを意味する。 音楽用語では打楽器の音の抑制のための覆いを意味し、 加えて、声楽では明るさをなくして冷たく歌う事を指す。 「暗闇の館」、「室内の雰囲気を出してみました」、 「不気味さが出るように曲調が変化」
から推察すれば、 ベールとして視覚的に光を一部遮断した意味合いや 声楽的な 「ヴワル」
として雰囲気的な明るさを抑えたニュアンスが強いだろうか。 あるいは、魔法で消音効果の施された意とか。 図書館ではお静かに。 ドビュッシー作曲の前奏曲に
"Voiles" がある。 フランス語の "voile" は男性名詞と女性名詞で 意味が異なるが (それぞれ 「ベール」、「帆」
の意)、 通例、定冠詞などでそれらが区別される。 ドビュッシーの "Voiles"
がベールとも帆とも訳される様に、 「ヴワル」
の方も意味が定まらなくとも不自然ではないかもしれない。 関連は不明。 なお、本曲名を外語表記する際には、 "voile" という単語が英語にもある (ボイルという織物)
ため 意味は上記に加えて余計にこじれるおそれがある。
参考 「WEB版音楽用語辞典」(voile, son voile) 「ジーグの部屋」>フリー素材音楽用語辞典 >voile 「Wikipedia」(前奏曲_(ドビュッシー)、ボイル) |
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パチュリー・ノーレッジ [キャラクター] Stage4のボス。 「知識と日陰の少女」 紅魔館内の図書館に棲みつく魔女。 そのテリトリーに侵入した騒がしい輩の排除に重い腰を上げる。 暗い図書館に常駐しており、常に本と共にある。 豊富な知識を持ち、多彩な精霊魔法を得意とする。 身体面は脆弱で、喘息と貧血と夜盲症などを患う。 火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力を持つ。 ・knowledge 「知っていること、知識、心得、認識、知恵、知見」 ・know 「知っている人、知っていること」 ・ledge 「出っ張り、棚。岩層」 パチュリあるいはパチョリ (patchouli, patchouly or pachouli)
は、 同名の植物やその葉から採れる精油を指す。 シソ科の常緑多年草で、東南アジアで広く栽培される。 精油には強い芳香があり、香料や薬用に利用される。 好みの分かれる香りで、土のような香りなどと表現される。 〜このパチュリーがまた寺院臭がする。 強いて言えば古い寺院で土と黴まみれといった香り、いや臭い。〜 (博麗幻想書譜:
2006年2月8日 「動かない大図書館は寺院の香り」
より) 薬草に由来するのはシソ科植物セージと賢者のシャレに由来するだろうか。 ・sage 「賢者、聖人。物知り。セージ、セージ葉」 "knowledge" の発音は通例 「ナリッジ」 である。 これが敢えて
「ノーレッジ」
と表記されていることから "know" と
"ledge"
の合成としての含意もあると考えられる。 知の棚、つまり本棚や図書館を想起させる語であり 知識そのものでもある名前と思われる。 パチュリーの魔法に関しては補遺を参照。
参考 「SPACE ALC」(knowledge, know, ledge, sage) 「Yahoo!辞書」(パチョリ) 「Wikipedia(英)」(patchouli) 「上海アリス幻樂団」>博麗幻想書譜(2006年2月8日) |
パチュリー (「Wikimedia Commons」 より)
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パチュリー外観 1. リボン 〜パチュリーのリボンは御札ではなく、 魔法力を高めるためのアクセサリです。〜 (おまけ.txt
より) 魔を避ける種類のお守りではなく、 身に付ける人によい影響を与える種類のお守りである。 前者はアミュレット
(amulet)、後者はタリスマン (talisman)
と 時に区別される。 特にファンタジーの系統では、 タリスマンは魔法力ブースターの効果を発揮することがしばしば。
2. 三日月 リボンの他に見られるアクセサリーは、 帽子の装飾か髪留めか判然としない位置の三日月である。 パチュリーは五行に属するエレメントやそれらの合成魔法を扱うが、 日・月要素の魔法も行使する。 館の主が太陽を厭い、「幼き月」
であるためか、 月のアクセサリーのみをつけている。 なお、月符のスペルは、Extra Stage
で使用する 「サイレントセレナ」 である。 ギリシア神話の月の女神であるセレナは、 右図をはじめいくつかの図像で 頭部に三日月を伴っている。
3.
弱視 パチュリーは本とともにある生活から視力は弱い。 また、ビタミンA不足の夜盲症から 暗い図書館内では物が良く見えないと考えられる。 それらのことから、右上図に見られる様に 本に顔を近付けて文字を読む描写が為されている。 いくら目が悪いとは言え、 そこまで密着したら文字を見る見ないどころではないだろ、 と思わずつっこみたくなる姿は、 竹本泉の漫画
「あおいちゃんパニック!」
に登場する 勉強好き少年の山崎たかしくんからだろうか。 平時はたいてい顔に本を密着させて読書している。 ちなみに、図書委員。 なお、竹本泉作品からのネタは、 紅魔郷以前の東方Project
で多く採られている。
参考 「Wikipedia」 (お守り) 「あおいちゃんパニック!」 竹本泉著、講談社 |
「Selene und Endymion」 より
Selene (「Wikimedia Commons」 より)
友人達と外を歩く山崎たかしくん (「あおいちゃんパニック!」
より)
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ラクトガール 〜
少女密室 [音楽] パチュリーのテーマ。− 〜
しょうじょみっしつ。 〜パチュリー・ノーレッジのテーマです。 ああ、またいつもの悪い病気が... 暗い曲です。こんなにも激しいのに明るさも軽快さも感じません もうちょっと気持ちよければいいんですが、 この曲聴くと微妙に暗い気分になる感じがします(笑)
〜 (恋々音樂館より) 〜Locked Girl、鍵っ娘です。Keyとは特に関係はありません。 日陰大好き、不健康少女。 ちなみに密室、密室で殺人する意味ってあんまないですよね。 私は密室自殺なら出来そうです。〜 (おまけ.txt
より) ・locked 「鍵が掛かった、固定された、にらみ合った」 ・密室 「中から鍵をかけなどして、密閉状態の、外から入れない部屋。 秘密にして人に知らせない部屋」 Locked Girl. 「鍵っ娘」 日陰大好き、不健康少女。 常に本と共にあり、暗い図書館に常に自身を置いている。 自らの意思で図書館を中心としたテリトリーに籠もり、 時にはその領域を堅く閉ざすこともあるのだろうか。 それをもって、鍵を所持し密室を形成しうる様子を指す曲名か。 ちなみに、本来の
「鍵っ子」
は、 両親が勤めに出て家に誰もいないため、いつも鍵を持ち歩いている子を言う。 ZUN氏のコメントにある 「Key」
は、ビジュアルアーツ傘下のゲームブランド。 「Kanon」、「AIR」、「CLANNAD」 で有名。 Key の熱心なファンは
「鍵っ子」 と呼ばれるそうである。
参考 「広辞苑 第五版」(密室、鍵っ子) 「SPACE ALC」(locked) 「Wikipedia」(Key) |
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火符 「アグニシャイン」 火符
「アグニシャイン上級」 [スペル] パチュリーのスペル。 前者は Easy, Normal にて使用。 後者は
Normal, Hard, Lunatic にて使用。 火焔弾が飛来する交差系弾幕。 ・アグニ 「古代インドのヴェーダの火神。祭式に用いられる火を神格化したもの。 仏教では火天という。阿耆尼(あぎに)」 ・shine 「光。光沢。晴れ」 Agni Shine. 「アグニ神の光」 アグニはインド神話の火神で、拝火信仰を起源とする古い神と考えられている。 とりわけ、儀式における祭火として重視されるが、 世界に遍在する火のあらゆる属性を神格化したものである。 天上の太陽、中空の雷光、地界の祭火、その他日常の火以外にも 怒りの炎、思想の火としても存在するとされたようである。 火はそもそも燃焼に伴ってエネルギーを熱と光の形で発する現象であり、 太陽や雷光といったアグニの性質や 火の用途のひとつである照明としての利用を踏まえるまでもなく、 光
(shine)
をスペル名に宿しているのは自然である。
参考 「広辞苑 第五版」(アグニ) 「SPACE ALC」(shine) 「Wikipedia」(火、アグニ) 「神魔精妖名辞典」(アグニ) |
アグニ (「Wikimedia Commons」より)
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水符
「プリンセスウンディネ」 [スペル] パチュリーのスペル。 Easy, Normal
にて使用。 自機照準でレーザーを連射、スローな青弾丸群を放射し、 中玉を自機方面へ展開する難関スペル。 ・Undine 「ウンディーネ、水の精」 ・princess 「王妃、王女、皇女、親王妃、女王、内親王。お嬢様、箱入り娘」 Princess Undine. 「王女ウンディーネ」 錬金術師としても有名なパラケルススの著書、いわゆる 「妖精の書」
において 四大精霊のうち水の精霊にあてられた名がウンディーネである。 たいていは美しい乙女の姿で現れ、しばしば人間との悲恋が語られる。 そのような物語では、ウンディーネは人間に恋をする。 ウンディーネは本来魂を持たないが、人間と結婚し子を宿すと魂を得る。 しかし、人間が愛を裏切った場合は、ウンディーネは夫を殺さねばならない。 ドイツの作家、フリードリヒ・フーケの
「ウンディーネ」
や フランスの戯曲家、ジャン・ジロドゥの
「オンディーヌ」、 E.T.A.ホフマン作曲のオペラなどいくつかの芸術作品の題材となっているが、 プリンセスに該当するウンディーネは見出せない。 フーケの作品では、ウンディーネは騎士フルトブラントと結婚するが、 騎士との対比で本スペルではプリンセスとされているのだろうか。 あるいは、水と悲恋とプリンセスから連想される 「人魚姫」
が絡められているだろうか。 ウンディーネは時に妖精ニンフの一種あるいはマーメイドと扱われることもある。 弾幕形状は、チルノ通常弾幕2の発展強化型という感じも受ける。 水の精と氷精で類縁の部分もあるのかもしれない。
参考 「SPACE ALC」(undine, princess) 「Wikipedia」(ウンディーネ、四精霊) 「Dictionary
of Pandaemonium」(ウンディーネ) 「神魔精妖名辞典」(ウンディーネ) |
「Undine Rising from the
Waters」 (「Wikimedia Commons」より)
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木符 「シルフィホルン」 木符
「シルフィホルン上級」 [スペル] パチュリーのスペル。 前者は Easy, Normal にて使用。 後者は
Normal, Hard, Lunatic
にて使用。 画面の左端から右へ向けて、あるいは逆方向に、 風に流れる木の葉を模した緑棘弾が飛来する。 また、パチュリーから下方へ向けても棘弾が放たれる。 これらは画面斜め下方に、さながら風に乗る様に進行方向を変える。 ・sylph 「ほっそりした魅力的な女性。空気の精」 ・horn 「角。角状突起。クラクション、警笛。(楽器の)ホルン。管楽器」 Sylphy Horn. 「シルフのホルン」 錬金術師としても有名なパラケルススの著書、いわゆる 「妖精の書」
において 四大精霊のうち風の精霊にあてられた名がシルフである。 ジルフェとも、美しい女性の姿を取るため女性形でシルフィードとも呼ばれる。 風とともに飛び回るイメージが強く、 時に浮気っぽい、移り気で信頼できないとされることがある。 シルフは、ラテン語 "sylva"(森) とギリシア語 "nymphe"(妖精)
の合成語と言われる。 本スペルのシルフィは造語と思われる。 ホルンは金管楽器の一種であり、 カタツムリの様な形状に巻かれた円錐状の管が特徴的である。 ホルンの名称は、上記の様に、管楽器一般 (英語圏)
や角と同じ語であり、 その区別のために英語では一般的にフレンチホーン
(フランス趣味のホルン) と呼ばれ、また、ドイツ語ではヴァルトホルン (森のホルン)
と呼ばれることがある。 そもそもホルンの起源自体が動物の角、角笛であり、 角笛は管楽器の起源にも考えられている。 そして、管楽器は英語で
"Wind instrument"
である。 風の楽器。 風と森の精の吹き鳴らす、森の管楽器。
参考 「SPACE ALC」(sylph, horn) 「Wikipedia」(四精霊、ホルン、管楽器) 「神魔妖精名辞典」(シルフ) 「Interest
noiz」>Game >悪魔辞典 >精霊 「YAMAHA」>音・音楽を愉しむ >MUSIC PAL >いろいろな楽器 >ホルン 「BABU
ROOM」>フレンチホルン |
角笛 (「井筒和幸の楽器博物館」より)
ホルン(フレンチホルン) (「Wikipedia Commons」より)
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土符 「レイジィトリリトン」 土符
「レイジィトリリトン上級」 [スペル] パチュリーのスペル。 前者は Easy, Normal にて使用。 後者は
Normal, Hard, Lunatic
にて使用。 パチュリーの周囲に散開した黄弾丸が、 交差系弾幕を形成する様に自機に襲い掛かる。 ・lazy 「怠惰な、無精な。だらけさせる、のろのろした、眠気を誘う」 ・trilithon 「三石塔」 Lazy
Trilithon. 「無精なる三石」 トリリトンとは、古代の巨石モニュメントに見られる、 2つの巨石が柱となり、1つの巨石を天上石として支えている組石を言う。 特にイギリスの遺跡、ストーンヘンジのものが有名。 トリリトンの語源はギリシア語の "tri"(3) と
"lithos"(石)。 ストーンヘンジの石の配置は天文学あるいは暦学上の役割を持つと示され、 遺跡の目的としては太陽崇拝の祭祀場、古代の天文台、礼拝堂など 種々の説が唱えられている。 魔術師マーリンが巨人を使役して作らせた、あるいは悪魔が作った などとする伝説や、時に魔術師や魔女の行う儀式と関連付けられたりもした。 レイジィが難解。 単に、図書館に籠もって出不精な上に、空気に乗って移動するなど いろいろと不精な術者自身をもじったものか。 本を異常に近づけているので弱視 (lazy eye) とも言えそう。 また、動きは緩慢ながら、巨石はその質量のため たいした速度でなくとも大きな運動エネルギーを持つが、 その性質を有する攻撃魔法であることを表したスペルか。 あるいは、それ自身で魔術的・神秘的性質を有するトリリトンに 特に精霊の力を付与せずに術式を組んだということで 精霊を用いないことと無精とを掛けたと考えられるだろうか。 弾幕形状としては "lazy dog"(破片爆弾) のもじりとか。
参考 「SPACE ALC」(lazy, lazy eye, lazy dog, trilithon) 「Wikipedia」(ストーンヘンジ) 「Wikipedia(英)」(trilithon) |
ストーンヘンジのトリリトン (「Wikimedia Commons」より)
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金符
「メタルファティーグ」 [スペル] パチュリーのスペル。 Normal
のみで使用。 パチュリーから放射された中玉が、途中で分裂し飛来する。 ・fatigue 「疲れ、疲労。(金属などの材質の)疲労」 Metal
Fatigue. 「金属疲労」 物体は、その機械的強度よりも小さい力であっても、 継続的あるいは繰り返し受け続けるとその強度が小さくなり、 やがて変形や破壊に至ってしまう。 このような機械的強度の低下現象を疲労と言い、 破壊に至った場合を疲労破壊と言う。 材質が金属であった場合は金属疲労と呼ぶが、 日本で一般に金属疲労の語が用いられた場合、多くは疲労破壊を意味する。 繰り返し応力により金属は破断などする。 次々と断裂を起こす金属塊を表現したスペルだろうか。
参考 「SPACE ALC」(fatigue) 「Wikipedia」(金属疲労、疲労 (材料)) |
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火符
「アグニレイディアンス」 [スペル] パチュリーのスペル。 Hard, Lunatic
にて使用。 アグニシャインの上位版。 交差系火焔弾群に加え、赤大玉が放射される。 ・radiance 「輝き、光輝、放射輝度」 Agni
Radiance. 「アグニ神の輝き」 アグニに関しては 「アグニシャイン」 の項を参照。 アグニは時に輝き(光) や火と同義であり、太陽の輝きともされる。 シャインからレイディアンスへ、 単なる光がより太陽を思わせる程のまばゆい輝きに。 同時に火の性質も強く、焦熱に包み込まれる。
参考 「SPACE ALC」(radiance) 「Wikipedia(英)」(Tejas) |
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水符
「べリーインレイク」 [スペル] パチュリーのスペル。 Hard, Lunatic
にて使用。 プリンセスウンディネの上位版。 レーザーは減弱しているが、中玉が青大玉に強化されている。 ・bury 「埋める、埋葬する、葬り去る。覆い隠す、秘密にする」 ・bury at sea 「水葬にする」 ・bury in
the ground 「土葬にする」 Bury in
Lake. 「湖へと葬る」 葬儀方法の一種に水葬があり、湖に葬る場合が湖葬である。 遺体を海や川に沈める水葬としては、 現在もインドのガンジス川流域で行われているが、日本では原則禁止されている。 また、散骨の場合も、海・川・湖などで行う形式を時に水葬と呼ぶこともある。 この場合、それぞれ海洋葬、河川葬、湖葬とするようである。 「プリンセスウンディネ」
の項において、ドイツの作家、 フリードリヒ・フーケの 「ウンディーネ」
を紹介した。 水の精ウンディーネは騎士フルトブラントと結婚したが、 やがてウンディーネは自分を裏切ったフルトブラントの命を絶った。 フルトブラントの埋葬の時に見知らぬ白衣の女が跪いていた跡から泉が湧き、 水が騎士の墓を囲んで池に注いだ。 騎士は、ウンディーネの両の腕に優しく抱かれて眠る。 しかし、関連は不明。
参考 「SPACE ALC」(bury) 「Wikipedia」(水葬) 「物語要素事典」(水) 「散骨セレモニー:ジロイム」>著名人 |
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木符
「グリーンストーム」 [スペル] パチュリーのスペル。 Hard, Lunatic
にて使用。 シルフィホルンの上位版。 画面端から飛来する緑棘弾が左右両サイドからに強化されている。 ・green 「緑。緑の、青々した。青い、未熟の。生き生きした」 Green Storm. 「緑の嵐」
「青嵐」 木々の葉が強風の勢いで吹き飛ばされ、 方々から降り注ぐイメージ。 俳句の季語に見られる、青梅・青蛙・青柿・青田・青葉・青虫などのように、 日本語や漢字の
「あお」 「青」
は、グリーンからブルーにかけての 広い範囲の色をカバーしており、現代でもその名残がある。 これは日本語独自の特徴ではなく、他の様々な言語にも根強く見受けられ、 中国語の
「青」 も実際は 「緑」
を意味する語が多い。 五行思想においては、木行にあたる色は青である。 ・青嵐 (あおあらし) 「青葉の茂るころに吹くやや強い風」 ・青嵐 (せいらん) 「青々とした山の気。青葉を吹きわたる風」
参考 「広辞苑 第五版」(青嵐) 「SPACE ALC」(green) 「Wikipedia」(青) 「色の名前」 角川書店 |
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土符
「トリリトンシェイク」 [スペル] パチュリーのスペル。 Hard, Lunatic
にて使用。 レイジィトリリトンの上位版。 自機照準の黄大玉放散が追加されている。 ・shake 「振ること、揺すること。振動、震動、震え。地震。 (岩や木にできた)裂け目、割れ目」 Trilithon
Shake. 「三石震動」 トリリトンについては 「レイジィトリリトン」
の項を参照。 震動とは震え動くことである。 一般には、物体が正反対の二方向に行ったり来たりを 小さな振幅と短い周期で繰り返す様を言うだろうか。 物体の運動の速度や方向が激しく変化することは、 その物体の質量が大きいほど より大きなエネルギーがかけられていることを意味する。 緩慢な
(レイジィ) 運動よりも余程巨大なエネルギーである。
参考 「広辞苑 第五版」(震動) 「SPACE ALC」(shake) 「Wikipedia」(振動 (物理現象)) |
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金符
「シルバードラゴン」 [スペル] パチュリーのスペル。 Hard, Lunatic
にて使用。 パチュリーから銀弾丸列が自機照準で放射状に射ち出される。 もともと自機照準であった弾丸に自機照準加速度が発生し飛来、 同じセットの弾丸群はそれらと同じベクトルで飛来する。 Silver
Dragon. 「銀龍」 ドラゴンは、ファンタジーなどで非常に馴染み深い伝説の生物である。 典型例としては、鋭い爪と牙を持ち、大きな翼で空を飛ぶ事も可能で、 炎などを口から吐き、ダンジョンの奥深くに財宝とともに生息している。 ドラゴンの訳は一般に 「竜」
とされるが、 西洋と東洋とでは竜のイメージ・特徴が異なることもあり、 ファンタジー等の世界では西洋のドラゴンを竜、 東洋のものを龍と区別することを好む傾向にある。 ドラゴン・龍は、もともとは具体的生物ではなく、 観念的で抽象的な存在であったと考えられる。 自然に属するものや自然災害といった、人の力で御しがたい、 最も身近な恐怖の表現であったものが端緒とされるが、 多く土着の宗教に見られる蛇神信仰ともあわせて具現化され、 ドラゴンは水の精霊や神とされるに至ったようだ。 やがて、ドラゴンに象徴される自然を克服するといった思想・物語の発展、 さらには、後に生まれた新宗教による扱いから 蛇やドラゴンは悪、神の敵対者とするイメージが形成されたとされる。 一方、中国における龍は、風水で扱われる龍脈の概念ように、 大地に生命を与える
「気」 の表現体とみなされた。 神獣・霊獣あるいは瑞獣とみなされ、時に畏怖をもって崇められた。 「気」
の表現体であり、水中か地中に棲み、また 天空を自在に飛翔することも可能とされる。 一方で、銀は貴金属に分類される金属であり、 ラテン語名 argentum
(輝くものの意)
から元素記号はAgである。 電気伝導率、熱伝導率、可視光線反射率が金属の中で最大。 可視光線反射率が極めて高い事から、 日本では白銀 (しろがね) と呼ばれた。 白い金属という意味である。 また、色表現における銀・シルバーは、輝きを持ったあるいは美しい 灰色系や白の形容にしばしば用いられる。 五行思想においては、金行に属する色が 「白」 であるため スペル名に白い金属、銀を用いたものと推測される。 「白」
に注目して考えれば、シルバードラゴンは 天上界の天帝に仕えるとされる白龍だろうか。 「南総里見八犬伝」
では、白龍が物を吐くとそれが地面に入って金になるとされる。 あるいは、パチュリーの他のスペルに見受けられる錬金術に絡んで ドラゴンと金の関係とも考えられる。 自らの尾を咥えて円形を成すドラゴン、ウロボロスは 始まりも終わりも無い完全なものとしての象徴的な意味の他種々の意味を内包し、 錬金術においては無限の象徴、相反するものの統一の象徴などとされた。
参考 「Wikipedia」(竜、ドラゴン、白龍、ウロボロス、五行思想) 「Dictionary
of Pandaemonium」(ドラゴン、ウロボロス) |
Chinese dragon. (「Wikimedia Commons」より)
銀 (「Wikimedia
Commons」より)
ウロボロス (「Wikimedia Commons」より)
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火&土符
「ラーヴァクロムレク」
[スペル] パチュリーのスペル。 全難易度で使用。 単純放射される火焔弾とレイジィトリリトン様の黄弾丸から成る。 ・lava 「溶岩」 ・cromlech 「環状列石」 Lava
Cromlech. 「溶岩のクロムレック」 溶岩は、マグマが溶融体または半溶融体として地表に噴出したもの、 あるいは、それが冷却固結して生じた岩石をいう。 一方、クロムレックは先史時代の巨石構造物に使われる語で、 Pケルト語の
"crom"(曲った) "llech"(敷石) が語源とされる。 通例、英語ではドルメン
(複数の石の上に大きく平らな石を乗せた巨石墓)、 フランス語ではストーンサークル (環状列石)
を意味する。 しかし、時に英語でも環状列石を意味したり、 より複雑な巨石構造を指すこともある。 ここでは、火口から放射状に飛散した溶岩が半溶融体として 環状に立ち並んでいる様を言うスペル名だろうか。 Lava
(火) とCromlech (土) で相生関係の合成魔法。
参考 「SPACE ALC」(lava, cromlech) 「広辞苑 第五版」(溶岩) 「Wikipedia(英)」(Cromlech) |
溶岩 (「Wikimedia
Commons」より)
Cromlech. (「Wikimedia Commons」より)
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木&火符
「フォレストブレイズ」 [スペル] パチュリーのスペル。 全難易度で使用。 シルフィホルン様の赤棘弾が画面右端から左下方向へ降り注ぎ、 その方向の風に煽られるかの様に、 パチュリーから放たれた火焔弾が流され飛来する。 ・blaze 「炎、火炎、火災、火事、ぼや、しゃく熱、地獄」 Forest Blaze. 「森林火災」 森林火災は森林で起こる火事であり、 より広範囲に亘れば山火事、山林火災とも呼ばれる。 雷・火山の噴火などによる自然発火、あるいは 火の不始末や焼畑農業などによる人為的要因で起こり得る。 乾燥や強風などの気候条件によっては被害は甚大となる。 英語表現としての森林火災は "forest fire" が一般的だが、 より強調的な意味合いで "forest blaze"
の表現が用いられることもある。 乾燥した木々が擦り合わせられれば、摩擦熱から発火に至る。 熱と光が増殖・拡大し、猛火に包まれる森林。 枝葉や木々が次々と燃え落ちてくる極限環境。 Forest
(木) とBlaze (火) で相生関係の合成魔法。
参考 「SPACE ALC」(blaze) 「Wikipedia」(火災、山火事) 「Wikipedia(英)」(Fire, Wildfire) |
森林火災 (「Wikimedia
Commons」より)
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水&木符
「ウォーターエルフ」 [スペル] パチュリーのスペル。 全難易度で使用。 積極的に移動を繰り返すパチュリーから 緑弾丸、水色弾丸、青中玉が次々と放射される。 Hard
以上では青中玉が黄大玉へと強化される。 Water
Elf. 「水の精」 エルフについては 「ルーネイトエルフ」
を参照。 土の下や洞窟に住むともされるが、 ここでは森の妖精として存在を言うものと思われる。 Water (水) とElf (木)
で相生関係の合成魔法。 ZUN氏の好きなアーティスト・松居慶子の楽曲に 「KAPPA (WATER ELF)」
があり、これにちなむと思われる。 河童は水の妖怪で、地方により様々な呼び名、性質、起源に分かれ複雑である。 その起源に言及するものの中には、草人形が変じたものとする説があったり、 稀に山神とイメージが一部重なることもあるようで、 水ばかりでなく木の属性を兼ね備えているとする解釈も可能と考えられる。
参考 「日本妖怪大辞典」>河童 「Wikipedia」(河童) 「Keiko Matsui official website」>Discography >「NO BORDERS
(1990)」 |
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金&水符
「マーキュリポイズン」 [スペル] パチュリーのスペル。 Normal, Hard, Lunatic
にて使用。 二種の軌道を持つ弾丸を連続放射する。 また、弾丸は互いに逆旋回する金色弾丸あるいは水色弾丸の二種である。 ・mercury 「水銀。温度計、寒暖計、水銀柱。水星」 ・poison 「毒、毒物、毒薬。有害なもの、害になるもの、害悪、害毒」 Mercury
Poison. 「水銀毒」 水銀は、常温常圧で液体である、唯一の金属元素である。 液体としての性質と、銀のような光沢から水銀の名がある。 その流動性は生命力に例えられることもあり、 古くはラテン語で
argentum vivum
(生命力ある銀)とも呼ばれ、 錬金術や錬丹術に代表される様に、神秘的な力を持つ物質と考えられていた。 神秘性と同時に猛毒性でも知られ、中世の人々が毒殺に用いたことでも知られる。 日本では現在、水銀ならびに水銀化合物のほとんどとそれらを含有するものは 毒物に指定され、毒物及び劇物取締法で取り扱いが規制されている。 金属水銀は誤飲などによる直接の毒性は低いとされるが、 水銀蒸気の吸引などによっては肺から体内に吸収されやすく、 水銀中毒
(mercury poisoning) の原因となり得る。 毒性は単体の水銀よりも水銀化合物で高く、有機水銀で特に著しい。 一部の微生物の働きで無機水銀が有機水銀に変換される他、 工場廃水などから環境中に有機水銀が拡散し、 有機水銀はその吸収のされやすさと蓄積性から 食物連鎖を通じて、より高次の生物の体内に生物濃縮される。 有機水銀が蓄積された水理系やそこに生息する魚を通しての中毒は 水俣病としてよく知られる。 水銀中毒で特に急性中毒の場合は 消化器系の障害と腎機能・肝機能の障害が見られ、重症の場合は腎不全に至る。 慢性中毒の場合や、水俣病に代表されるメチル水銀の毒性の場合は 中枢毒性が強く現れる。 水銀は金属であり、かつ、常温常圧で液体であるため、 金と水の相生関係の合成魔法。 水銀は液体として流動的な金属であり、 英名としての quicksilver や
mercury
はこの性質に由来する。 後者は、ローマ神話のメルクリウスが神々の使者として スピード、機動力に優れたとされたためである。 このメルクリウスは、ギリシャ神話のヘルメスに当たり、 ヘルメス神ならびに伝説的賢者のヘルメス・トリスメギストスは ヘルメス文書を代表例に、神秘主義や錬金術に重要な要素である。 水銀自体の神秘性とヘルメス要素の関連付けもあり、 中国の錬丹術と同様、西洋の錬金術においても 水銀は重要な元素であったとされる。
参考 「毒のはなし」東京図書 「SPACE ALC」(mercury,
poison) 「Wikipedia」(水銀、水銀中毒、メチル水銀、ヘルメス文書、ヘルメス・トリスメギストス) 「Wikipedia(英)」(Mercury (element)) 「オカルトの部屋」>オカルト百科 >西洋オカルティズム >パラケルスス登場 |
水銀 (「Wikimedia Commons」より)
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土&金符
「エメラルドメガリス」 [スペル] パチュリーのスペル。 全難易度で使用。 真下に下降する緑大玉と散開する緑弾丸が次々に生成する。 ・emerald 「エメラルド。鮮緑色」 ・megalith 「(先史時代の)(直立)
巨石」 Emerald
Megalith. 「エメラルド巨石」 エメラルドは、ベリル (緑柱石) の一種で緑色の宝石である。 翠玉 (すいぎょく)、緑玉 (りょくぎょく)
の和名を持つ。 組成はBe3Al2Si6O18で、CrやVdを含むことがある。 メガリスは主に先史時代の巨石遺跡に見られるような巨石を指す。 巨石群から成る遺跡には上の項に挙げてきたストーンヘンジや クロムレクなどは巨石記念物
(megalithic monument) である。 megalith (土) と emerald (鉱物=金) で相生関係の合成魔法。 錬金術においてヘルメス文書と並んで尊重されたものに エメラルド・タブレット (エメラルド板、エメラルド碑文)
がある。 ヘルメス・トリスメギストスが万物照応、外宇宙と内宇宙の相似について述べ、 錬金術の基本原理が記されたエメラルドの板であるとされる。
参考 「SPACE ALC」(emerald, megalith) 「Wikipedia」(エメラルド、巨石記念物、エメラルド・タブレット) 「Wikipedia(英)」(Megalith) 「オカルトの部屋」>オカルト百科 >西洋オカルティズム >錬金術とヘルメス哲学 |
エメラルド (「Wikimedia Commons」より)
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空間をいじるのが好きな人 [会話] 霊夢ストーリー Stage4での会話。 霊夢 「この家には窓が無いのかしら? それに外から見たときこんなに広かったっけ?」 (中略) 霊夢 「それにしてもこの館って、外から見て、こんなに広かったっけ?」 パチェ 「家には空間をいじるのが好きな人がいるのよ」 大図書館内を進んできて感じたその広さが 紅魔館外観から受けた印象とは異なる点についての言及。 余談ながら、外観との比較や窓についての話題から、 紅魔郷当時に限れば図書館は地下ではなく地上に設定されていたと推測される。 ここでの空間は、物理的空間であり、三次元距離空間である。 空間と時間はしばしば対語の関係であるが、 時空として渾然一体とも扱われる。 古典物理学では、 空間とは我々の世界の基底としてあらゆる物質を内包するが、 物質は空間に影響を及ぼさないし、空間もまた物質に影響しない、 永久不変かつ普遍的な単なる容器と捉える傾向にあった。 一方で時間は、空間とはまた異なる概念だが、 世界の全ては一定不変の時間を共有していると考えられていた。 これらは現在でもある程度一般的とも言える感覚で、 我々の普段の感覚や尺度においては、すんなり受け入れられる解釈と言える。 しかしながら、古典物理学で伝統的に扱われてきたこれら空間と時間の性質は 十九世紀末にもなると電磁気学の発展や観測技術の進歩から マクロあるいはミクロの世界では実測との矛盾が見出され始めた。 この矛盾を解決し、空間・時間の概念を一新したのがアインシュタインの 特殊相対性理論ならびに一般相対性理論である。 空間と時間に関わるところで相対論関係を掻い摘むと、 ・それまで絶対的であると考えられていた
「時間」 は実は 系によって異なる相対的なものである
(運動している系では時間の進みが遅くなる) ・絶対的であると考えられていた 「空間」 は実は 物体の質量とエネルギーの分布によって歪む
(時空の歪みにより重力が生じる) ・「空間」 の三次元座標と 「時間」
の一次元座標とを組み合わせた 四次元座標で時空を表すことができ、空間と時間の間に実質的な違いは無い。 (すぐ上で、「時空の歪み」
と書いている様に、物体の質量で空間だけでなく 時間も歪んでおり、強重力場では時間の進みが遅くなる) このように、普段の感覚では実感し難いところでもあるが、 空間と時間は互いに密接であり、同列に扱われ得る。 空間を操る者は時間をも操れるし、逆も然り、 従って、紅魔館内で空間を操れる者は、 時間を操る程度の能力を有する十六夜咲夜であると言える。 というわけで、「幻想郷非公式ワールドガイド(仮)」より引用。 Q.パチュリーが言う「空間をいじるのが好きな人」は誰? A.それはもちろん咲夜の事です。 咲夜の操る時は、時間のことであり、時刻ではありません。 時間というものは、空間と分けて考える事は出来ないのです。 その為、時間を操れるものは空間も操れます。逆も然りです。
参考 「幻想郷非公式ワールドガイド(仮)」>設定 >幻想掲示板(2003/03) 「Wikipedia」(空間、時間、時空、ミンコフスキー空間、特殊相対性理論、一般相対性理論) 「ホーキング、宇宙のすべてを語る」ランダムハウス講談社 |
物体による時空の歪みの模式図 (「Wikimedia Commons」より)
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