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湖上の魔精 〜 Water Magus
 
 [タイトル]
 
 Stage2のタイトル。こじょうのませい 〜 ウォーター・メイガス
 妖霧の発生源となっていると目される島を目指す。
 そこへ至るには湖の上を通過する必要があり、
 湖を根城とする氷の精のテリトリーに入り込む。
 霧で見通しが利かない上に、いたずら好きな妖精のちょっかいが入る。
 チルノ 「道に迷うは、妖精の所為なの」
 (霊夢ストーリーStage2より)
 
 ・湖上
   「湖のうえ。湖のほとり」
 ・
   「仏道修行や人の善事の妨害をなすもの。また、不思議な力をもち、
    悪事をなすもの。不思議な力。神秘的なもの。恐るべきもの」
 ・
   「こまかいこと。くわしいこと。まじりけのないもの。心身の力。
    元気。たましい。不思議な力をもつもの。もののけ」
 ・magus
   「ゾロアスター教の司祭。魔術師」
 
 湖の上に出没する妖精
 ここでいうは、いたずらやちょっかいを仕掛けてくる、
 ちょっと邪魔な存在としての意味合いだろうか。
 
 Water Magus.
 直訳で 「水の魔法使い」。
 水・魔 を指す語から成り、つまるところは 「湖上の魔精」 であろう。

 
 参考
 「広辞苑 第五版」(湖上、魔、精)
 「SPACE ALC」(magus)



ルーネイトエルフ
 
 [音楽]
 
 Stage2のテーマ曲。
 〜2面テーマです。
  水と霧をイメージして、ちょっと不気味さも混ぜて見ました。
  過去の東方のイメージとほとんど同じ感じとも言える。
  2面って言うと、なんの為にあるのかよく分からないからなぁ(^^; 〜

 (恋々音樂館 より)
 〜ここでいうエルフは耳の尖った例のアレ、じゃなくて、
  妖精そのものを指しています。意味はまるでありません。
  妖精以外の精は妖しくないの? 〜

 (おまけ.txt より)
 
 ・lunate
   「(新)月状の、三日月形の」
 ・elf
   「小妖精、小人。いたずら者」
 
 Lunate Elf.
 直訳で「三日月形の妖精」だが、意味不明。
 
 "Lunate" と難易度表示の "Lunatic" は共に "Luna" からの派生である。
 Luna はローマ神話の月の女神であり、この語から月自体や類するもの
 あるいは月の影響を意味する語に派生する。
 ・lunatic
   「狂人、精神錯乱者、心神喪失者。奇人、愚か者」
 西洋では古来より、月が人間を狂気に引きこむと考えられてきた。
 チルノに当て嵌めることを考えれば、「おばか」程度の意味になるだろうか。
 "Lunatic" は難易度表示に用いていることもあり、
 チルノが強敵と誤解されないためにも "lunate" を代用したのだろうか。
 Lunate Elf.
 「おバカ妖精」
 すなわち、H。
 
 あるいは、Stage1の宵闇の次のステージは三日月で、
 最終ステージは紅い満月という見立てだろうか。
 または、三日月形=弧状なので
 湖上の魔精とのシャレとか。
 
 「耳の尖った例のエルフとは、「ロードス島戦記」 を通して
 一部の日本人に定着したとされる、エルフと言えば長い耳のイメージを指す。
 現代のファンタジーでは、人間ほどの大きさで半神的な種族として描かれ、
 多くは美と知性と長寿を兼ね備える。
 北欧神話において古くは、人間ほどの大きさで超自然的な魔法の力を持つ、
 自然や豊かさを司る小神族とされ、神聖視されていたとされる。
 時を経て近世の北欧、特にイングランドでは、
 エルフは小さくて見出し難い、いたずら好きな存在として描かれた。
 このような描写から現代ではエルフとフェアリーとは同義的となっており、
 この場合、明確な区別は困難である。
 自然の精霊を表す存在としての 「妖精」 という包括的なカテゴリーの中に
 さほど明確な区分を伴わず収まっているようである。
 東方Project における妖精は、
 悪戯好きであるというエルフの特徴や羽を持つというフェアリーの特徴、
 そして、人間よりも小さい事や自然の一部であるという事は
 総合的な近世北欧の 「妖精」 のイメージであろう。

 
 参考
 「SPACE ALC」(lunate, elf, lunatic)
 「Wikipedia」(エルフフェアリー妖精出渕裕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「Solägget」におけるエルフのイラスト
Elsa Beskow 画
(「Wikipedia」より)


「Take the Fair Face of Woman(略
(「Wikimedia Commons」より)



チルノ
 
 [キャラクター]
 
 Stage2のボス。
 「湖上の氷精
 住処としている湖の上空に人間が侵入してきた。
 人間がどこへ向かうか知らないが、悪戯を仕掛けて楽しむのが妖精。
 冷気を操る程度の能力を持つ。
 
 氷精は氷の妖精を意味する造語。
 妖精については上の 「ルーネイトエルフ」 の項を参照。
 
 イングランドの寒さを具現化する妖精、ジャックフロストにちなむだろうか。
 ジャックフロストは霜男の意の名で、
 ツララの垂れた真っ白な服を着ているとされる。
 氷の妖精であるチルノのセリフに 「英吉利 (イギリス)」 の語があり、
 看過できない符合である。

 
 チルノの名前の由来は不明。
 以下の英単語が関係するだろうか。
 ・chill
   「冷え、冷たさ、寒さ、寒気、悪寒、風邪、冷気、冷感」
 ・chilled
   「冷却された、冷却した、冷硬された、冷蔵の」
 ・snow
   「雪、降雪」
 名前の響きから、チル (chill)、チルド (chilled) あるいは
 チル (chill) とスノー (snow) の合成といった氷冷関連単語が連想される。

 
 参考
 「SPACE ALC」(chill, chilled, snow)
 「Wikipedia」 (ジャックフロスト
 「神魔精妖名辞典」 (ジャック・フロスト)

 Special Thanks!
  「東方好きなら民俗とか神話とかいろいろ語ることあるだろ」> 671



おてんば恋娘
 
 [音楽]
 
 チルノのテーマ。おてんばこいむすめ
 〜チルノのテーマです。
  やっぱり、頭の悪い少女をイメージしてます。
  その割には明るいんだか暗いんだか分からない曲に仕上がって
  なんとも。ハイスピードにしっとりしたメインメロディとか。
  まぁ、2面だし(ぉ 〜

 (恋々音樂館 より)
 〜頭の悪そうな曲を作りたかったので、まず曲名から頭を悪くしました。
  言葉の響きや文字の見た目がなんか頭悪いです。
  その割にピアノメロディは、ちょっとエキゾチック感も混ぜて、
  個人的に萌え萌えです。〜

 (おまけ.txt より)
 
 ・おてんば
   「少女や若い娘が、つつしみなく活発に行動すること。
    また、そういう女」
 ・
   「一緒に生活できない人や亡くなった人に強くひかれて、
    切なく思うこと。特に、男女間の思慕の情。恋慕。恋愛」
 ・
   「(親からみて)自分の子である女。若い未婚の女。おとめ」
 
 チルノが誰かを恋い慕う意味での恋娘では無いと思われるので、
 ここでは、「かわいい少女」 の意味合いだろうか。
 悪戯、おてんば、頭の悪い、などのマイナス表現があるので
 恋のプラスをどう見積もっても、「憎めない少女」 程度だろうか。

 
 参考
 「広辞苑 第五版」(おてんば、恋、娘)



氷符 「アイシクルフォール」
 
 [スペル]
 
 チルノのスペル。
 Easy, Normal にて使用。
 チルノの左右に展開した氷弾が方向を変え、
 画面中央に向かって降り注ぐ交差弾幕。
 Normal では自機照準の弾丸も撃ち出される。
 
 ・icicle
   「つらら、氷柱」
 ・fall
   「落下、墜落、撃墜。減少。降雨量、降雪量。秋。崩壊、陥落。落下物」
 
 Icicle Fall.
 「氷柱落とし」
 氷柱は建物の軒下などに形成される棒状の氷である。
 昼夜の温度差など、水滴の供給とその氷結を繰り返すことで
 より長く成長する。
 チルノの場合は、冷気を操り
 単に棒状の氷を生成し振り撒いていると思われる。

 
 参考
 「SPACE ALC」(icicle, fall)


つらら
(「Wikipedia」より)



雹符 「ヘイルストーム」
 
 [スペル]
 
 チルノのスペル。
 Hard にて使用。
 氷弾列を多方向に展開、それらが種々の角度で降り注ぐ。
 
 ・hail
   「雹、霰。(悪口・銃弾などの)雨」
 ・storm
   「あらし、暴風雨、荒天。騒動、動乱、強襲、襲撃、波乱」
 ・hailstorm
   「雹(霰)を伴う嵐」
 
 Hail Storm.
 「雹の嵐」
 直径5mm 以上の氷の粒が降る現象がである。(5mm 未満が霰)
 主に夏季、発達した積乱雲の激しい上昇気流で氷粒が成長し形成される。
 雹が降り注ぐと家屋や農作物の被害や人的被害がもたらされる。
 チルノの場合は、冷気を操り
 単に大きな氷弾を生成し振り撒いていると思われる。

 
 参考
 「SPACE ALC」(hail, storm, hailstorm)
 「Wikipedia」(



(「Wikimedia Commons」より)



凍符 「パーフェクトフリーズ」
 
 [スペル]
 
 チルノのスペル。
 全難易度で使用。
 チルノから多量のカラフル弾丸が放射される。
 それらがチルノの能力で一斉に凍結後、それぞれランダムな方向に飛び去る。
 
 ・perfect
   「完璧な、完全な、完全無欠の、欠点がない、絶好の、最適の、最高の」
 ・freeze
   「氷結、凍結」
 
 Perfect Freeze.
 「完全凍結」
 
 温度はそもそも物質を構成する分子の運動エネルギーに由来する、
 寒暖の度合いを表したものである。
 空気であれば窒素分子だとか酸素分子だとかの一つ一つが運動しており、
 気温が高いほど分子の動きが激しいということであり、
 固体であればそれを構成する分子や原子の一つ一つが振動している。
 低温であるほどこれらの分子運動エネルギーが低く、
 古典的には分子の運動が停止する温度がいわゆる絶対零度であり
 0 K (ゼロケルビン)= マイナス 273.15 ℃ である。
 熱力学第二法則によれば、この温度に到達するには無限の仕事が必要となる上に、
 量子論によれば、この温度においても粒子は零点エネルギーを持ち
 不確定性原理に基づいて完全な静止状態には到らない。
 また、物体を、多量の分子により構築された物と見れば
 統計熱力学的観点から分子エネルギーの分布も考慮に入れる必要がある。
 「パーフェクト」 がどのレベルまでの凍結を意味するかは不明である。
 
 分子に着目すれば運動エネルギーの低下が温度低下であるが、
 物体の場合はその物を構成する全分子の運動 (振動) の低下であり、
 物体自体の運動エネルギーは変化しない。
 つまり、飛行中の弾丸を冷却して絶対零度にしようが、
 極低温の物体がそのまま飛んでゆくことになる。
 本スペルの場合は、弾丸周辺の空気ごと包み込んで凍結、
 弾丸の運動エネルギーを吸収し固着させているのだろうか。

 
 参考
 「SPACE ALC」(perfect, freeze)
 「Wikipedia」(温度ケルビン熱力学温度


絶対零度と零点エネルギーの概略
横軸:温度(K)、縦軸:分子の動き
(「Wikipedia」より)



雪符 「ダイアモンドブリザード」
 
 [スペル]
 
 チルノのスペル。
 Normal, Hard, Lunatic にて使用。
 チルノの左右に弾源があり、それらから次々と氷弾が放射される。
 
 ・blizzard
   「猛吹雪、ブリザード、暴風雪」
 
 Diamond Blizzard.
 「細氷吹雪」
 ダイヤモンドダストをもじったネーミングと思われる。
 霧の水滴や空気中の水蒸気が極めて低温下で氷の結晶となって
 浮かんでいる気象現象を氷霧あるいは細氷と言い、
 これに太陽光が射してキラキラ輝く現象がダイヤモンドダストである。
 湖上であるため水蒸気の供給は充分であり、
 極低温で次々と氷片が生成され降り注ぐ。

 
 参考
 「SPACE ALC」(blizzard)
 「Wikipedia」(氷霧


ダイアモンドダスト
(「幌延深地層研究センター」より)
(広場 >風景 >2004年度 冬)



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