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Level 8
 
 [ステージ]
 
 全8シーン。
 うちスペルカードは7種。
 ステージは妖々夢Stage6、白玉楼の桜の庭。
 
 被写体は、
  八雲藍、ターゲットコードネーム:珍しい動物
  西行寺幽々子、ターゲットコードネーム:幽雅な心霊写真
 の2名。



レトロスペクティブ京都
 
 [音楽]
 
 Level 8〜10での撮影曲。
 〜撮影曲4のテーマです。後半に使う曲として用意しました。
  レトロな日本をイメージしたところ、私の中ではこんな感じに。
  雪の降る京の都。人気の少ない夜の道。
  でも、この曲のレトロさは私のレトロさでして……。
  この曲を聴いていると何となく昔を思い出してしまう。〜

 (曲解説より)
 
 ・retrospective …「回想の、追想にふける、回顧的な、レトロの。(法律などの効力が)遡る」
 
 「回顧的に京都」
 
 京都は、平安京に遷都(794年)したことに始まる都で、千年の都ともされる。
 四方を山に囲まれ、東と西には鴨川・桂川が南へと流れ、
 内部は長方形の区画から成る、風水に忠実に計画設計された都市である。
 鎌倉時代には政治都市としての機能は失われるが、室町時代に復帰。
 17世紀・江戸時代には再び政治中枢としての役割が失われたものの
 京の都(首都)であることには変わりはなかった。
 1868年の東京奠都(とうきょうてんと)から、一般には首都は東京に移転されたとされるが、
 東京は京都から見て東の京であるにすぎず、遷都でなく奠都である点や
 天皇の在所を示す高御座が現在も京都御所に安置されている事から
 京都市が現在でも首都のままであるとする主張もある。
 現行法令に日本の首都を定めるものは直接的には無いそうである。
 
 千年の歴史と伝統は、有名なものから細かいものまで
 いくつか東方Projectにおいて取り入れられ関連している。
 陰陽寮や晴明神社(京都市上京区)、安倍晴明は橙のスペルに、
 京人形はアリスのスペルに、
 広有射怪鳥事は京都御所の紫宸殿(上京区)での出来事、
 妖夢のスペルに関わる餓鬼草子は京都国立博物館(東山区)所蔵、
 酒呑童子は都で悪行を働き、大江山(丹後地方、あるいは西京区の大枝山とも)を根城に、
 花の御所と呼ばれる邸宅を建造(上京区)した足利義満は慧音のスペルに、
 同じく慧音のスペル、一条戻橋(上京区)、
 藤原氏と鳳凰にゆかりの平等院鳳凰堂(宇治市)、
 そして、賀茂神社(北区・左京区)の阿礼少女(あれおとめ)、
 etc.
 
 特に、本曲をBGMに登場する各キャラクターは
 少なくとも1つ以上の京都への関わりを持つ。
・八雲藍
 玉藻前は鳥羽上皇に仕え、上皇の院政期に活躍したと言われる。
 また、稲荷神を祀る全国約4万社の稲荷神社の総本宮が伏見稲荷大社である(伏見区)。
 狐は稲荷神の使いとされる。
 安倍晴明の十二神将は、通常は一条戻橋の下に隠されていたとか。
・西行寺幽々子
 西行の墨染桜ももとは墨染寺(伏見区)の墨染桜の一枝であった。
 雙林寺(東山区)には西行法師の供養塔や西行堂がある。
・八意永琳
 平安神宮(左京区)
 天文密奏と陰陽寮の関わりも密接である。
・蓬莱山輝夜
 金閣寺(北区)
・小野塚小町
 小野篁と六道珍皇寺(東山区)
 小野小町塚(綴喜郡井手町)他、小野小町ゆかりの地(随心院など)
・四季映姫・ヤマザナドゥ
 閻魔王&小野篁と引接寺(千本閻魔堂)など
 
 京都のレトロとの邂逅の旅。
 陰陽道と仏教と神道と天皇の座す都。
 江戸末期は尊王攘夷論が高まり、激動の時代を経て、
 明治をもって都は東へ。
 尊皇攘夷論には「文久の調べ」と「水戸の光圀」も関わる。
 
 あぁ〜みずいろの〜あめ〜♪

 参考
 「ジーニアス英和辞典」大修館書店
 「Wikipedia」(京都日本の首都



幽雅 「死出の誘蛾灯」
 
 [スペル]
 
 幽々子のスペル。しでのゆうがとう
 幽々子から全方位16WAYに左旋回の緑蝶弾列および
 16WAY右旋回の青蝶弾列が交互に高速で放射され続ける。
 蝶弾列は一定距離飛行後に変曲点に達し逆旋回、全体に歪な曲線で構成される模様を描く。
 スペル発動と共に自機照準8WAY赤大玉放射が追加される。
 撮影成功毎に多段階強化。
 大玉の発射間隔が短くなる。
 チャンス魔法陣は発生しない。
 
 ・死出 …「死んであの世へ行くこと」
 ・誘蛾灯 …「昆虫の光に集まる性質を利用し、ガなどの害虫を誘い寄せて駆除する灯火」
 ・幽雅 …「上品で深い趣があること。また、そのさま」
 
 走光性を利用して蛾を死へと誘うように、
 禍々しくも美しい花がゆっくりと精神に絡みつき、死出の旅路へ御案内。
 蝶弾に囲われたコンパートメントは、砲塔が巡らされるため
 ゆっくりと弾源へと引き寄せられ、大火球が命を焼く。
 
 敵に傷を与えることなく骨格や内腑を抜き取る技、虎背熊牙盗(こはいゆうがとう)ではない。
 
 幽雅誘蛾のシャレ。
 これで弾幕形状が花を模しているとすれば、
 モデルは柚香菊(ゆうがぎく)だろうか、四手辛夷(しでこぶし)だろうか。

 参考
 「Yahoo!辞書」(死出、誘蛾灯、幽雅、柚香菊)
 「Wikipedia」(北斗の拳
 「季節の花 300」(四手辛夷)



密符 「御大師様の秘鍵」
 
 [スペル]
 
 藍のスペル。おだいしさまのひけん
 妖々夢EXなどで藍が背負っていた曼荼羅が、画面の左右、交互に次々と下降して来る。
 曼荼羅は下降しながら上・左右の3方向に紫符弾を連射する。
 スラッシュ・バックスラッシュ型の棒状に連なった符弾が左右から飛来する形となる。
 撮影成功3枚で強化一段階。
 藍からの自機照準中玉投下が加わる。
 
 ・御大師 …「『大師』を敬っていう語。特に、弘法大師をさす」
 ・大師 …「仏・菩薩の尊称。朝廷から高僧に対して贈られる称号。高徳の僧の敬称。弘法大師」
 ・秘鍵 …「秘密の庫を開けるかぎ。転じて、学問・宗教・芸術などの秘密の奥義」
 
 空海(774-835)は、若くして広く学問に通じ、虚空蔵求聞持法をも修めたとされる。
 30にして遣唐使の留学僧として、最澄や霊仙らと同じ船団で唐に渡り、密教の奥義を学んだ。
 帰国後、嵯峨天皇より高野山の地を賜り、修行の場として開いた。
 高野山は高い峰に囲まれた平坦地であり、空海はこれを八葉の蓮華(曼荼羅の象徴)とみなし、
 山上に曼荼羅世界を現出しようとしたものともされる。
 高野山真言宗総本山の金剛峯寺(こんごうぶじ)は交通の不便から工事が遅れ、
 完成は空海の入定後であった。
 921年、醍醐天皇より弘法大師の諡号が贈られた。
 
 空海の著に、般若心経の注釈書である「般若心経秘鍵」(818年頃)がある。
 般若心経を般若菩提の大心真言による深い禅定に入るための教えと定義している。
 般若心経に対する注記の形をとりつつ空海の思想が述べられている教理書ともされる。
 
 また、空海の代表的著述に「十住心論」こと「秘密曼荼羅十住心論」がある。
 人間の心を十段階に分け、それぞれに当時の代表的思想を配置し体系付けており、
 第十段階にあたる真言密教こそが人間の心が到達出来る最高の境地としている。
 この書の内容を簡略に示した空海の著作に「秘蔵宝鑰ひぞうほうやく)」がある。
 「秘蔵宝鑰」は、東方永夜抄での妹紅の台詞の引用元でもあり、既に東方に関係している。
  「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
   死に死に死に、死んで死の終わりに冥し

 「秘蔵宝鑰」の「」とは「」であり、
 したがって、こちらも御大師様の「秘鍵」と解釈するに申し分無い。
 (本段落の内容は2007年1月2日に頂いた拍手メッセージによるところが極めて大きい。多謝)
 
 空海は唐にて密教の第七祖である唐長安青龍寺の恵果に師事し、胎蔵界・金剛界の灌頂を受けた。
 (灌頂(かんじょう)は、主に密教で行う、正当な継承者とする為の儀式)
 いずれの灌頂においても、空海の投じた花は敷き曼荼羅の大日如来の上に落ち、
 両界の大日如来と結縁したと伝えられる。
 大日如来は密教の中心となる仏であり、大日如来の説く真理や悟りの境地を表現した曼荼羅が
 両界曼荼羅である。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の2つの曼荼羅を合わせて称する。
 それぞれ密教経典「大日経」「金剛頂経」をもとに、
 大日如来を中心とした数々の仏を一定の秩序に従って配置し描いたものである。
 金剛界曼荼羅は9つの曼荼羅の集合体として描かれ、
 そのうち1つの区画、一印会いちいんえ)は大日如来一尊で表されている。
 藍が背負っている、本スペルでは上から次々降ってくる曼荼羅がこの一印会大日如来である。
 ゴザではない。
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 京都市南区の空海ゆかりの真言宗寺院・東寺(とうじ)の守護神は稲荷神とされる。
 真言密教における荼枳尼天(だきにてん)に、京都一帯の豪族・秦氏の氏神である稲荷神が習合し、
 真言宗が全国に布教されると共に稲荷信仰が全国に広まることとなったと言われる。
 稲荷神の使いがであり、荼枳尼天については藍のスペルに絡む。(式神「憑依荼枳尼天」
 また、四国には狸の怪が多い一方で狐に化かされる話がないのは、
 空海が諭したとか懲らしめたとか封じたとする伝承がある。

 参考
 「Yahoo!辞書」(御大師、大師、秘鍵)
 「Wikipedia」(空海高野山金剛峯寺般若心経秘鍵両界曼荼羅稲荷神東寺十住心論
 「稲沢市 文化財」> 104. 般若心経秘鍵版木
 「PIICATS FAMILY」>仏教の勉強室 >「秘蔵宝鑰 序
 「怪異・妖怪伝承データベース」>番号 0640386
 「高松市歴史資料館」>高松の民話 >伝説・民話2 >帰らぬ狐



蝶符 「鳳蝶紋の死槍」
 
 [スペル]
 
 幽々子のスペル。あげはちょうもんのしそう
 幽々子の背後に展開した大扇の両サイドから自機照準のレーザーブレード2本が発射される。
 ブレードの炸裂と共に弾源の逆側には弾丸群がばら撒かれる。
 また、ブレードは経路上に多量の蝶弾を設置してゆく。
 蝶弾は自機照準でゆっくり飛び立つ。
 撮影成功3枚以降は成功毎に多段階強化。
 弾源は扇のランダムな位置となり、レーザーブレードが1本ずつ次々と発射される。
 この発射間隔は撮影成功に従い短くなる。
 チャンス魔法陣は発生しない。
 
 鳳蝶は「あげはちょう」と読む。揚羽蝶スワローテイル(バタフライ)に同じ。
 アゲハチョウを意味する中国語、鳳蝶(feng die)による。
 蝶の紋様は、平氏・源氏の鎧や兜、直垂などにさかんにつけられ、
 後に家紋に転化していったものであり、殊に平清盛流の者が多用し、
 平家の代表紋のようにされている。
 実際、平家流の公家や戦国時代・江戸時代に平氏の流れであることを称する家の
 家紋に用いられているが、清和源氏流や藤原氏流の諸家も蝶紋を用いている。
 
 一方、は長柄武器の一種であるが、日本では南北朝時代に発明されようやく多用されはじめた。
 槍の前身は矛(ほこ)であり、ソケット状の穂先の根元に柄を差し込むものをいう。
 また、類型の長柄武器である薙刀(なぎなた)は日本刀から発展した武具である。
 薙刀は奈良時代から平安時代の僧兵の武器として、
 戦場では鎌倉時代末から室町時代にかけての主流な武器であったが、
 やがて槍に取って代わられる。
 槍は、先を尖らせて刃をつけた金属製の穂を柄の先端に挿し込んだもの。
 1335年の箱根・竹ノ下の戦いにおいて菊地武重が発案した武器とされる。
 
 特に注目される槍に天下三名槍(天下三槍)と呼ばれる三槍、
 御手杵(おてぎね)、日本号(にほんごう)、蜻蛉切(とんぼきり)が挙げられる。
 「御手杵」は駿河国の名工・島田義助の作。川越藩主・松平大和守家が所有していたが、
 空襲により焼失した幻の名槍。
 「日本号」はもとは宮中にあった名槍で、正親町(おおぎまち)天皇から足利義昭が拝領し、
 織田信長、豊臣秀吉の所有を経て福島正則の手に渡ったもの。
 その後、「黒田節」に語られるように、黒田藩家臣・母里太兵衛と福島正則との飲み比べから
 黒田家へと渡ったことで知られる。
 現在は福岡市博物館が所蔵。
 「蜻蛉切」は徳川四天王の本多忠勝の愛槍として有名であり、
 穂先に止まった蜻蛉が真っ二つになったという逸話で知られる。
 村正一派の刀匠・藤原正真の作。
 
 この中で揚羽蝶紋に関連するのは、平氏の子孫であると称していた信長くらいだろうか。
 織田氏は木瓜紋と共に蝶紋も使用していた。
 というわけで、本スペルは「日本号」を指すだろうか。
 う〜ん、焼失してしまった「御手杵」の方が幻想らしいし
 妖刀で有名な村正がらみの「蜻蛉切」の方が死槍っぽいなぁ…(汗)
 
 死槍を詩宗(しそう;すぐれた詩人)と読み換えても
 揚羽蝶紋に関連する著名な詩人は見出せなかった。
 四相(しそう;仏教用語で万物の生滅・無常、生・住・異・滅。人の生・老・病・死)に読み換えれば
 蝶符だけに蝶の完全変態としての四相と弾幕形状を死槍に掛けたものとも解釈できるだろうか。

 参考
 「Yahoo!辞書」(鳳蝶、詩宗、四相)
 「Wikipedia」(薙刀術天下三名槍本多忠勝
 「家紋World」>蝶紋蝶紋
 「The craftworks of my friends」>三上さん >「日本号」とは
 「川越原人のホームページ(川越雑記帳)」>川越武芸帳



行符 「八千万枚護摩」
 
 [スペル]
 
 藍のスペル。はっせんまんまいごま
 自機方向を中心とした240度の広範囲に、128WAY紫符弾4層が展開される。
 また、藍から火焔弾がばら撒かれ続ける。
 撮影成功毎に多段階強化。
 火焔弾のばら撒き量が増す。
 
 ・護摩 …「密教で、不動明王や愛染明王などの前に壇を築き、火炉を設けてヌルデの木などを
       燃やして、煩悩を焼却し、併せて息災・降伏などを祈願する修法」
 ・護摩木 …「護摩修法の時、火炉に投じて燃やす木。乾燥した木を段々に切った壇木と、
        生木である乳木の2種がある」
 
 護摩密教にのみ存在する修法で、真言宗、天台宗で行われる。
 いわゆる火の行
 仏の炎により煩悩が滅せられることに重ねて、息災・増益・敬愛・降伏が祈願される。
 密教において、虚空蔵求聞持行と並ぶ難行の一つに八千枚護摩行がある。
 どこまでも護摩木を火中に投げ焼くことにより、
 行者が自己の罪障煩悩の焼尽を思い、同時に法界一切衆生の得脱正覚を希求するのだそうだ。
 断食を行いながら一日三回の護摩行を、真言を数多く唱えつつ21日間行い、
 最後の護摩行には八千本の護摩木を焚くという難行である。
 真言は、慈救の呪(じゅ)「ノウマクサマンダバザラダン、センダマカロシャダヤソウタヤ、
 ウンタラタカンマン」を三十万遍が行中のノルマとなる模様。
 干し上がった身体がさらに燃え盛る炎により火あぶりにされる。
 
 本スペルは万倍、
 最後の一座に八千万枚の護摩木を焚く、延々終わりの見えないスペルだろうか。
 熱とエネルギー不足とトランス状態の無間。
 
 関連;魂魄「幽明求聞持聡明の法」

 参考
 「Yahoo!辞書」(護摩、護摩木)
 「桔梗山三明院」>護摩 >八千枚護摩行
 「中津峰山如意輪寺」>朝念暮念 >255〜262号



死符 「酔人の生、死の夢幻」
 
 [スペル]
 
 幽々子のスペル。すいじんのせい、しのむげん
 青蝶弾および光弾をそれぞれ32WAY、交互に放射しながら
 幽々子は規則的に画面を上下動する。
 撮影成功毎に多段階強化。
 WAY数が1ずつ増す。
 チャンス魔法陣の発生はしない。
 
 ・酔人 …「酒に酔った人。酔客」
 ・夢幻 …「ゆめとまぼろし。また、はかないことのたとえ」
 
 四字熟語「酔生夢死すいせいむし)」に基づくと思われる。
 酒に酔ったような、また夢を見ているような心地で、
 為すところも無くぼんやりと一生を終わる事、
 有意義な事を一つもせず、無駄に一生を終える事、を意味する。
 雖高才明智、膠於見聞、酔生夢死、不自覚也
 優れた才能や智恵のある人物でも、見聞きするものにとらわれるばかりでは
 酔生夢死して自分で覚ることがない、という「程子語録」の文に由来する。
 見聞を深め、知識を蓄積することは重要ではあるが、
 それをもとに自ら考え覚ることが欠かせない。
 記憶や記憶だけならば古くは書物から新しいデジタル機器まで幅広く担われており
 それ以上の機能を果たさないならば、その個人が失われたとしても
 当人にとっても酔生夢死であるし、周囲から見ても酔生夢死のようなものだろう。
 終了の時期に遅いも早いもなくなるわけだ。
 もちろん、幽々子が終わらせる。
 察知され難い変化がじわじわと累積し、撮影成功毎に難易度は微妙に上がるが、
 それを覚らずに虚しく散った文も多い事と思われる。
 
 しかしまぁ、酒に限らずとも風流に酔うに越したことはなく、
 自然や生の味に酔い尽くして夢の如き生に充実を覚えるのもまた一興である。
 無常に在る生はすべて夢まほろばならん。
 
 文のコメントにある「オーブ」は、近年ポピュラーになった心霊現象。
 写真やビデオなどに半透明の光球が1つ以上写り込む現象。
 肉眼で見えない光が写ることから心霊現象、心霊写真や心霊ビデオの類と
 解釈され、殊に心霊スポットなどでしばしば撮影されることなどが交えて語られる。
 基本的には超自然現象などではなく、埃などの微粒子や微細な液滴などの
 レンズへの付着や浮遊が撮影されるケースであり、昆虫の発光の誤認なんてこともある。
 近年になり注目され始めたことから、アナログ機材とデジタル機材の性質的相違が
 報告増大の要因となっていると指摘されることもある。

 参考
 「Yahoo!辞書」(酔人、夢幻、酔生夢死)
 「たこつぼ通信」>特集記事 >酔生夢死とはなにか
 「Wikipedia(英)」(Orb (paranormal))



超人 「飛翔役小角」
 
 [スペル]
 
 藍のスペル。ひしょうえんのおづぬ
 画面外、上方から回転しつつ自機照準で藍が突っ込んで来る。
 画面下端に消えた藍はまた画面上端から自機照準で降ってくることを繰り返す。
 藍の経路上には青・緑・黄、三色の蝶弾が多量に設置され、それらがばらけて飛び去る。
 撮影成功毎に多段階強化。
 藍の移動速度が増し、攻撃サイクルが短くなる。
 
 ・超人 …「並外れた能力をもった人。スーパーマン」
 
 役小角えんのおづのえんのおづぬえんのおつの)は、飛鳥〜奈良時代頃の呪術者であり、
 修験道の開祖とされる実在の人物。多分の脚色と共に伝えられる。
 通称を役行者えんのぎょうじゃ)、「続日本紀」には役君小角えんのきみしょうかく)、
 「日本霊異記」には役優婆塞えんのうばそく)として登場する。
 孔雀明王の呪法を学び、鬼神を自在に使役できる法力を持ち、
 山岳修行を行い修験道の基礎を築いたとされる。
 呪術に優れ、神仏調和を唱えた。
 謀反の疑いをかけられ、伊豆大島へと流刑になったが、
 そこでも後述の様に修行を行ったと言われる。
 
 生駒山の夫婦の鬼、前鬼と後鬼を使役した、
 葛城山の国津神、一言主(ひとことぬし)を使役した、
 道教の秘術、飛天の術をマスターした、
 修験道の守護神、金剛蔵王権現を祈り出した、
 伊豆から毎夜海上を歩いて移動し、富士山へ登り修行した、
 様々な厄を除き、病気を治癒し、天候すら操った、
 などなど不思議の術(時には妖術と賤しめられる)を操る超人として描かれる伝承に富む。
 流刑の期間は2年程と言われるが、流刑後に各地で異常気象が発生したため
 刑が解かれたとも言われる。
 そして、仙人になったのだとか。
 
 東方妖々夢において、式神「前鬼後鬼の守護」に関連している。
 この解説は鬼符「青鬼赤鬼」を参照されたい。
 ちなみに、能「鞍馬天狗」などでは前鬼・後鬼は大峰山の天狗だとされる。
 ある種の天狗は修験道、山岳信仰や山岳修験者と関連が深い。

 参考
 「Yahoo!辞書」(超人)
 「Wikipedia」(役小角
 「役行者霊蹟札所会」>開祖 役行者
 「Dictionary of Pandaemonium」>役小角



「死蝶浮月」
 
 [スペル]
 
 幽々子のスペル。しちょうふげつ
 環状に配列された16蝶弾が次々に生み出され群れかたまる。
 幽々子から48WAYレーザーが照射されると同時に蝶弾は全て高速で散開する。
 また、自機照準で12WAY大玉が放射され続ける。
 レーザーの勢いは大玉も加速させる。
 撮影枚数に応じた変化は無い。
 チャンス魔法陣も発生しない。
 
 光を纏う蝶の群れが中空に踊り、球形に舞う。
 冥い世界に浮かぶ月は、風流を演出し幽雅に心惹く。
 死出の世界へと魅力的に誘う蝶の灯り。
 
 浮月という単語は辞書に無い。
 月は天に浮かぶ。月は水面に浮かぶ。時には空を渡る舟に喩えられる。
 月はまた、花と並んで西行の歌によく詠まれている。
 嘆けとて 月やは物を 思はする かこちがほなる 我が涙かな
 百人一首の西行の歌である。
 
 自然を相手に詩などをつくる風雅な遊び、風流を言う語が花鳥風月である。
 特に風月ふうげつ)が、古くは「ふげつ」であったことを踏まえれば、
 死蝶浮月花鳥風月は音で類似すると考えられる。
 春は花鳥を、秋は風月を楽しむ風流。
 幽かなる幻の蝶と水面に浮かぶ虚像の月をたしなむ幽雅。
 
 死蝶浮月が花鳥風月のシャレであると考える場合、
 花鳥風月の「」が「」に置き換えられている点を重要視しなければならない。
 その場合、「」は幽々子の本質に深く関わる字であるとは言え、
 桜・西行が深く関わる「」がスペル名から敢えて抜き取られたことになるためである。
 花と死は、東方Projectにおいて互いに密接に絡められている。
 東方花映塚では死者の魂が植物に宿り花を咲かせた。
 また、幽々子絡みで見れば東方妖々夢の西行妖が最重要と言えよう。
 人を死に誘い、死に至らしめる妖怪桜・西行妖、
 その妖力は幽々子の死により封印され、以降西行妖が満開に至る事はなくなった。
 幽々子の「」が西行妖の「」を封じているという本質。
 「反魂蝶」や「西行寺無余涅槃」と比べて酷似する弾幕形状とは言えないが、
 蝶弾・大玉・レーザーの放射と大雑把に見れば、似ているとも思える。
 その上、本スペル開幕前には「反魂蝶」時と同じく
 幽々子はシルエットのみとなっており、上述の本質を伺わせる演出とも考えられる。

 参考
 「Yahoo!辞書」(花鳥風月、風月、花鳥)
 「WikiArc」(花鳥風月のあそび)



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