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魂魄妖夢 / レミリア・スカーレット / 西行寺幽々子 / 八雲紫 / 伊吹萃香 // 紅美鈴

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魂魄 妖夢
 
 [キャラクター]
 
 最初から使用できるキャラ。
 「生命の二刀流」
 冥界にある白玉楼で働く庭師で、白玉楼の亡霊の姫の警護&剣術指南を担う。
 見張りを兼ねたお庭番でもある。
 少女の容姿の背後に魂が常に憑き従うビジュアルだが、
 どちらも妖夢である、というか、人間と幽霊の2体合わせて一人の妖夢である。
 人間と幽霊のハーフで半人半霊・半死半生。
 体術も妖術も半人前だが優れている。たぶん、この半人前ってのは違う意味。
 幽霊を強制成仏させる長刀の楼観剣と、人間の迷いを断つ小太刀の白楼剣を振るう、二刀流。
 楼観剣と白楼剣の二本の刀を操る本体は、人間と幽霊の二成分。なので「生命の二刀流」
 剣術を使う程度の能力を持つ。
 
 繰り返し催される宴会に付随して増長する正体不明の妖気。
 異様な事態を打破すべく、きっと何か企てているであろう犯人を斬りに出掛ける。
 人間も妖怪も霊も弾幕も迷いも、少しばかりの斬れない物を除いて、何でも斬れる
 楼観剣と白楼剣で、怪しい物を斬る。
 斬れば判る。
 犯人か、そうでないかが。
 
 以前の事典にも記載あり:「東方妖々夢
 
 テーマ曲(東方妖々夢、広有射怪鳥事)についても
 以前の事典に記述あり:「東方妖々夢

 
 
反射下界斬
 
 [技]
 
 妖夢の必殺技。はんしゃげかいざん
 白楼剣(短い方)を振るい、
 弾幕を反射させる光の円盤を斜め前方に発生させる。
 
 「反射」には物理的な反射と生物的な反射があるが、ここでは前者。
 「下界」は、仏教用語で「この世、人間界」を指し、天上界に対して下の界を言う。
 単に、高所から見た、そこよりも低い地帯を指していうこともあるが、
 東方妖々夢では妖夢のスペル名に仏教用語がふんだんに用いられていたこともあり
 ここでは仏教用語の「下界」。
 ちなみに、下界を「かかい」と読むと数学用語で、
 実数の集合の任意の数よりも大きくない数を言う。
 
 人間の迷いを断つ白楼剣で繰り出す技で、
 死んだ人間の未練・妄執を霊体から斬り出し、下界に反射する迷惑な技か。

 
 
弦月斬
 
 [技]
 
 妖夢の必殺技。げんげつざん
 下方から前方を経て真上に斬り上げる剣閃。
 
 ・弦月 …「上弦または下弦の月。弓張り月」
 ・上弦 …「新月→満月に至る間に現れる半月。真夜中に弦を上にして地平線に沈む」
 ・下弦 …「満月のあとの半月。上弦とは反対側半分が輝くが、日の出時に南中するため
       実際に弦を下にして地平線に沈む姿は見られない」
 
 下から上へ弧を描いての剣閃を弦月に例えたものだが、
 「サムライスピリッツ」覇王丸の弧月斬が元ネタと思われる。

 
 
天界法輪斬
 
 [技]
 
 妖夢の必殺技。てんかいほうりんざん、または、てんがいほうりんざん
 弦月斬の強化版。剣閃を二回転させ、最後には飛び上がる勢いもプラスして斬り上げる。
 
 ・法輪 …(仏教用語)「仏の教え」
 法輪を転ず、で説法する意であり、転法輪では説法を意味する。
 仏法が人間の迷いや悪を打ち破るのを、古代インドの武器(輪)に例えたもの、とも
 仏の教えを、転輪聖王(転輪王)の輪宝になぞらえたもので、転は説くこと、とも言われる。
 
 古代インドの武器である「輪」とは、
 車輪の形の投擲武器であるチャクラム(円月輪、戦輪)とされたり、
 戦車のような武器(戦闘馬車?)の、その車輪の威力を指すとされたりする。
 のちに転輪聖王の七宝の一つである輪宝に転じ、
 さらに仏教に取り入れられ、王の行くところ先行して四方を制するとされる輪宝に転じた。
 結局は「輪宝」の元が「輪」なので、どちらも法輪に結びつきました…。
 剣閃の形状から法「輪」だろうか。
 最後に妖夢が飛び上がるので、ますます弧月斬。
  
 ちなみに、転輪聖王は古代インドの思想における理想的な王のことで、
 武力ではなく宗教を保護し、その徳によって国を治める王のことを言う。
 
 天界は天上界のこと。
 仏教用語で六道の一つ。
 六道については、下記あるいは、東方妖々夢のStage5を御参照くださいませ。

 
 
生死流転斬
 
 [技]
 
 妖夢の必殺技。しょうじるてんざん
 前進しながら横薙ぎに一閃。
 
 ・生死しょうじ)…(仏教用語)「生まれては死に、死んでは生まれる苦しみ・迷いの世界」
 ・流転るてん)…(仏教用語)「六道・四生の迷いの生死を繰り返すこと。
                  生まれ変わり死に変わって迷いの世界をさすらうこと」
 ・生死流転…(仏教用語)「衆生が生死を繰り返し、果てしなく三界六道の迷界をめぐること」
 
 (補足)
 ・六道(仏教用語、りくどう・ろくどう)は、
  衆生がその業(ごう)によって赴く六種の世界を言い、
  地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道から成る迷いの世界。
  六種の世界を巡り生死を繰り返す輪廻の中に人は在り、
  現在は人間道の苦の中にある、ということ。
 ・四生(仏教用語、ししょう)は、生物の四種分類で、胎生・卵生・湿生・化生。
 ・三界(仏教用語、さんがい)は、衆生が生まれ死んで往来する世界を指し、
  欲界・色界・無色界の三つの世界、または、過去・現在・未来の三世。

 
 
折伏無間
 
 [技]
 
 妖夢の必殺技。しゃくぶくむけん、あるいは、せっぷくむけん
 相手の胸倉を掴み引き寄せ、すぐさま突き放す技。
 スキをこじ開け、連続技に活用する。
 
 ・折伏しゃくぶく)…(仏教用語)「悪を打ち砕き、迷いを覚まさせること。教化法。破邪」
 ・無間むけん・むげん)…「絶え間のないこと。無間地獄の略」
 
 教化きょうけ・きょうげ)とは、人々を導いて仏道に入らせることを言う仏教用語である。
 つまり、折伏は「迷いを覚まさせる」とあるが、異教徒を改宗させることも含まれる。
 転じて、折伏を「せっぷく」を読めば、「相手を打ち負かして、自分に従わせること」を意味する。
 この場合は折服とも書く。
 相手の体勢を翻弄しスキを晒させるのは、後者の意味合いが強い。
 
 相手が仏門に下る(屈服する)まで延々続く、という意味か。

 
 
人符 「現世斬」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。げんぜざん
 「神速で敵へと踏み込み、擦違いざまに強烈な一太刀を浴びせます。」
 生死流転斬の強化版、とも言える。
 
 ・現世げんぜ)…(仏教用語)「現在の世。この世。三世の一つ。」
 
 三世さんぜ)は、「生死流転斬」の項にも書いたが、
 過去・現在・未来、すなわち、前世・現世・来世の三つの世界。
 過去世・現在世・未来世、ともされる。
 人からみれば、現世とはすなわち、六道の人間道に生きる現在の生である。
 前世や来世も同じ人間道に生きるとは限らない。

 
 
断命剣 「冥想斬」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。めいそうざん
 「二つの剣を合わせた力で敵を叩き斬ります。」
 二つの剣とは、楼観剣と白楼剣。
 合わせた力で、長大な妖気の刀となる。
 
 ・冥想 …「目を閉じて深く静かに思いを巡らすこと」
 
 冥想・瞑想は、もともとは、神・キリスト・マリアのことを想うキリスト教系の修行方法、
 
Meditation の訳語として明治の頃に造語されたもの。
 仏教においては内観や観想あるいは禅定などの用語があるが、
 現在ではこれらよりも瞑想と表現する方が一般的となっている。
 ・内観 …(仏教用語)「内省して自己の仏性・仏身などを観じること。観心」
  精神を集中して自分の心を観ずることにより、
  自己内部の真理や自己の真実の姿を知ろうとする、瞑想による修行法である。
  心理学用語では、自分自身の心の動き・状態を自分で観察することをいう。
 ・観想 …(仏教用語)「特定の対象に向けて心を集中し、その姿や性質を観察すること」
 
 瞑想で辿るような自己の魂へのアクセス経路に侵攻し魂魄に致命傷を負わせるものか、
 それにとどまらず、霊体を殺傷できる楼観剣と、人の迷いを断つ白楼剣の合剣による斬撃は、
 死を通り越して一気に成仏まで達する一撃死?
 もしくは、対キリスト系斬撃か。

 
 
魂符 「幽明の苦輪」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。ゆうめいのくりん
 「半身が人間部分の動きを一定時間トレースします。」
 
 ・幽明 …「死後の世界と現在の世界。冥土と現世。幽界と顕界」
 ・苦輪 …(仏教用語)「六道生死の苦しみが繰り返されて止まないこと」
 
 回り続ける車輪に例えて「苦輪」の語がある。
 生と死が無間に繰り返される、その苦。
 半人半霊の妖夢ともかけあわされ、人間と幽霊、顕界と冥界も幽明に含まれるとみられる。
 
 妖夢(ヒト型)の背後に漂い、時には弾源にもなる妖夢(魂型)は、
 通常は「ヒトダマ」的なビジュアルだが、
 幽明の苦輪が発動すると、半透明なヒト型と変じ、操作本体(ヒト型)の動きをトレースする。
 さながら、古いブラウン管テレビの「ゴースト」現象。
 「ヴァンパイアシリーズ」のリリスやガロンが類似の分身攻撃をする。

 
 
人鬼 「未来永劫斬」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。みらいえいごうざん
 「敵を切り上げ更に超高速で全方位から追い討ちを仕掛けます。」
 現世斬の上位版。
 宙に浮いた敵の周囲を高速で巡り、斬り刻む。
 八辺の剣閃は妖々夢での「一念無量劫」を想起させる。
 
 ・未来 …(仏教用語)「三世の一。死後の世。来世。後世。未来世」
 ・永劫 …「限りなく長い年月」
 ・未来永劫 …「これから先、無限に長い年月にわたること。永遠」
 
 ちなみに、永劫と同じ意味の仏教用語が「無量劫」。
 
 現世斬の上位で、来世すべてを斬ることを意味するか。
 生死流転の輪廻・苦から解き放たれる解脱、
 来世全てを斬り強制的に解脱させるという善いニュアンスでは無いかな…
 来世へのつながりを断ち、転生を封じ、魂ごと現世に永劫留めて
 救いの可能性が完全にゼロである永劫の苦をもたらすイメージか。

 
 
断迷剣 「迷津慈航斬」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。めいしんじこうざん
 「より強化された二つの剣を合わせた力で敵を叩き斬ります。」
 冥想斬の上位版。
 
 ・迷津めいしん)…(仏教用語)「迷いの境界。三界・六道の世界」
             迷いの渡し場、の意味で、悟りの彼岸に対しての語。
 ・迷津慈航 …(仏教用語)「迷いの境界から、悟りの彼岸へ衆生を渡す慈悲の船」
 
 迷津は、迷いの渡し場、の意味で、悟りの彼岸に対して迷いの此岸という意味の語。
 迷津慈航は、仏法や仏の慈悲を例えて用いられる。
 ちなみに上記の境界とは、「きょうがい」と読む仏教用語で、境遇や認識世界を意味する。
 
 冥想斬が断命剣であったのに対して、迷津慈航斬は断迷剣。
 命を断つだけでなく、迷いも断ち、悟りの境地への強制シフト。
 永劫続く苦から一撃で解放する慈悲深〜い斬撃。

 
 
魂魄 「幽明求聞持聡明の法」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。ゆうめいぐもんじそうめいのほう
 「ダメージを受けても消失しない半身を人間部分に追従させます。」
 幽明の苦輪の上位版。
 
 ・求聞持法ぐもんじほう) …(仏教用語)
           「密教で、虚空蔵菩薩を本尊として行う、記憶力増進のための修法」
 
 求聞持法は虚空蔵求聞持法とも求聞持聡明法とも呼ばれる。
 能満諸願虚空蔵菩薩最勝心陀羅尼という長い呼び名もある。
 虚空蔵菩薩の虚空蔵とは、虚空を蔵する、つまり、
 広大な宇宙のような無限の知恵と慈悲を持ったほとけ、という意味である。
 仏教における菩薩の一つで、密教で重視される。
 虚空蔵菩薩をサンスクリット語でアーカシャガルバと言うが、
 アカシャあるいはアカシックレコードも同様にサンスクリットのアカシャ(虚空)を冠している。
 アカシャは、広大な宇宙の果てに存在するとされる、
 人類の過去から未来までの意識上にのぼる歴史全てが記録されたデータバンク。
 虚空蔵菩薩を信仰すれば記憶力増強の御利益があると言われるが、
 究極まで修法を積めばアカシャにもリンクできるのではなかろうか。
 虚空蔵菩薩の真言を、人里離れた修行場で、1日一万回×100日以上唱えるのが求聞持法で、
 記憶力を極限にまで増進させ、天才的な才能を開花させる経文。
 途中で中止すると発狂するとさえ言われる。
 役の行者、空海上人、日蓮上人などが過去に修めたと言われる。
 
 さて、この技が何故に求聞持聡明法なのかが不明。
 苦輪に生きる人間がさらに自らに課す苦行ということで苦輪の上位か。
 見かけ2体(実質1体)の妖夢であれば、真言を唱える間にも半分休憩が出来、
 修行もラクチンということか。

 
 
符の壱 「二重の苦輪」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。
 幽明求聞持聡明の法の上位版、というところだろうか。
 半身が妖夢の動きをトレースするのではなく、別の動きで2体連携の攻撃を行う。
 高難度ではさらに1体増えて合計3体になるが……3体目は何者?

 
 
符の弐 「心眼迷想斬」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。しんげんめいそうざん
 冥想斬あるいは迷津慈航斬。
 
 ・心眼しんげん)…(仏教用語)「修行によって得た智慧。心の働き」
 ・迷想 …「迷っている考え。妄想」
 
 修行を経て得られた、真理を見抜く鋭い心の働き、あるいは智慧により
 迷いを断ち斬る様を表す名か。

 
 
符の参 「業風神閃斬」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。ごうふんしんせんざん
 妖夢の直上に弾源が出現し、大玉をばら撒く。
 しばらく後に妖夢が神速の踏み込みで剣が閃くと、大玉は弾丸群に姿を変え、
 妖夢の踏み込みで巻き起こった風に乗り妖夢の前方へと流れる。
 東方妖々夢での同名のスペルを元にしたもの。
 
 以前の事典に記載あり:「東方妖々夢

 
 
奥義 「西行春風斬」
 
 [スペル]
 
 妖夢のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。
 アリス使用時限定。
 神速の踏み込みを繰り返し、舞散る桜花と共に春色の剣閃を迸らせる。
 
 東方妖々夢にてその歌が多用された西行法師の「西行」。
 西行は桜の花を愛し、その歌にも桜花をテーマとしたものが多い。
 咲き誇る桜の花に対して、春風は花を散らしてしまう。
 東方妖々夢の「春風の夢」の項にも記載したが、
 春風が桜を散らしてしまう様子を見たのが夢であっても、胸がざわついてしまう…
 という西行の歌があり、それを踏まえてZUN氏も
 「春風は桜を散らす風でしかない」と述べている。
 桜を儚く散らせる春風を、少女の命を断たんばかりの剣閃に例えたものか。
 
 西行法師の、春風を詠んだ歌の一つに次のものがある。
 ・うき世には とどめおかじと 春風の ちらすは花を 惜しむなりけり
 春風が惜しげもなく桜の花を散らしてしまうのは、(それは非常に疎ましいことだが)
 それは花を愛するが余り、花をこの世の憂さにいつまでもさらしておくまいとするから。
 
 妖夢は面白半分だとか己の快楽だとか盲目的無思考とか
 そんな理由で剣を振るい、誰彼構わず斬り伏せているのではない。……たぶん。

 
 
空を斬る 〜 Nothingness
 
 [タイトル]
 
 妖夢のストーリー、Stage1
 博麗神社 1st Day 14:00
、霊夢戦。
 異様な妖気の集中しているのは神社…とすると…
 「霊夢が一番怪しいな」「怪しいものを斬りにきたのよ」
 「それはまた短絡的ね」

 
 ・くう)…(仏教用語)「すべての事物はみな因縁によってできた仮の姿で、
               永久不変の実体や自我などは無いということ」
 
 存在という現象も含め、全ての現象はそれぞれの関係性(縁)の上に成り立ち、
 関係性に相互矛盾や相互否定も含みながらも、相互に依存しあい影響しあう。
 すなわち、永久不変なものは無く、これがであり、
 全ての縁から孤立し、それ自身単独で存在する自性とは異なる。
 如来などの存在は自性であり、これら以外の、縁のファクターに絡められた無自性がである。
 は、もとはサンスクリットのシューニャの訳で、うつろ、ない、の意味である。
 つまり Nothingness
 空虚の空、空っぽの空。
 
 とはいえ、霊夢=空、とするには仏教用語がそぐわない。
 空を飛ぶ不思議な巫女と、妖夢に関わる仏教用語から空をかけただけだろうか…
 霊夢の関係操作能力(仮)とか持ち出すと深読み妄想超特急なので止しておく。
 ふわふわとつかみ所のない霊夢に対し、妖夢の剣は空を斬るばかり。
 異変の原因探しも、まずは空振り。ということで。

 
 
魔を斬る 〜 Magical Sword
 
 [タイトル]
 
 妖夢のストーリー、Stage2
 魔法の森(霧雨邸) 1st Day 21:00
、魔理沙戦。
 普通に考えて一番怪しい霊夢は犯人ではなかった。
 次に怪しい者は…というわけで、「色々と黒いの」に目星をつけてみた。
 
 ・ …(仏教用語)「魔王。その仕業としての、煩悩・疑惑・懈怠などの障り」
 
 サンスクリット語のマーラの音訳である魔羅の略語が
 仏道の修行や人が行う善事を妨害する者を指す。
 とは欲界に住むものの1つであり、
 特に魔王は、欲界の第六天・他化自在天の魔王の宮殿に住む。
 魔王・魔王波旬・天魔などの呼び名がある。
 
 欲界は三界の一つ。
 淫欲と食欲に囚われる欲界には天道の一部を除く六道が含まれており、
 欲界に含まれる天道唯一の部分が六欲天である。
 六欲天には天世界と魔世界があり、
 前者に三十三天(忉利天)、四天王天(四大王衆天)
 後者に他化自在天、化楽天(楽変化天)、兜率陀天(都率天)、夜摩天が含まれる。
 第六天とは六欲天の中で最高位にある天であり、他化自在天に当たる。
 この天に生まれたものは、他人の楽しみを自由に自らのものとすることができる。
 
 釈迦が悟りを開いたのに対して魔王は、娘を派遣して釈迦の心を乱そうとしたり
 睡魔などの12の軍勢を送って釈迦を悩ませた。
 
 仏教用語の魔はこれも大きすぎてそぐわないだろうか。
 魔〜は魔理沙の魔〜、くらいの選定で、それに仏教用語の魔をかけたとか。
 次のステージも魔女だし、Stage5も悪魔だが。
 
 Magical Sword
 魔法剣というと "Magic Sword" の方がややファンタジーでは一般的だろうか。
 マジカル☆ソードと表記すると、黄昏フロンティアの代表作である
 「Eternal Fighter ZERO(EFZ)」の倉田佐祐理の技だが、関係ない。

 
 
精霊を斬る 〜 Little Genie
 
 [タイトル]
 
 妖夢のストーリー、Stage3
 紅魔館大図書室 2nd Day 13:00
、パチュリー戦。
 妖気の元となれば「この館ほど怪しい処は無い」
 
 ・精霊しょうりょう)…(仏教用語)「死者の霊魂」
 
 精霊流しとかの「しょうりょう」ですな。
 「せいれい」と読めば、
 「万物の根源をなすとされる不思議な気。あらゆる生物・無生物に宿る超自然的存在。
  死者のたましい、霊魂」
 の意味を持ち、こちらはパチュリーの精霊魔法に関わる。
 万物の根源をなすエレメント。
 
 Genie は、イスラム神話の精霊、または妖精、魔人で、Jinnee とも綴る。
 ジン、ジニーについては、パチュリーの「ジンジャガスト」の項を参照。
 
 話は脱線するが、
 妖夢 「本には興味は無い。大昔の事しか書いていないし。」
 って、つくづく文武両道とは行かず、武のみに生きる武人…。
 それにしても、本で調べものをするという概念すらないとは、
 文人墨客の集う白玉楼にはよほど偏ったジャンルの本しか無いと見える。

 
 
時空を斬る 〜 Time Flies
 
 [タイトル]
 
 妖夢のストーリー、Stage4
 紅魔館時計台 2nd Day 21:00
、咲夜戦。
 「あなたかしら?この妖気、それと宴会の黒幕は」
 30時間くらい前に誰かが「人は滅多な事じゃ妖気なんか出さない」と言い聞かせた気が…
 
 時空は、一般的には時間と空間を、
 物理用語ではユークリッド空間の三次元と時間の一次元を合わせた四次元を言う。
 ここでの時空はやはり、言葉通りの時空と、時間を操る咲夜を指す。
 
 Time flies (like an arrow).
 時は速く過ぎ去る。光陰矢のごとし。
 時間を止める咲夜に対抗するために、時を斬り飛ばす!キングクリムゾン!(違
 妖夢の勝利後のセリフ「宴会まで余り時間が無い」に関係する?
 
 時間を操る咲夜は空間も操作できるとされている。
 これは紅魔郷の時点ですでに、長大なステージ(館内)は
 空間をいじったためであることが言及されており、また、
 咲夜のスクエア系スペルも「空間」あるいは、時間も合わせて「時空」なのだろう。
 物理的には時間と空間は密接な関係である。
 相対論によれば、時間と空間は互いに密接な時空連続体であり、
 一般相対性理論(特殊相対性理論を考慮した重力理論)では、
 質量の存在が時空連続体を歪ませ、その歪みが重力の源であると考える。
 質量が巨大になるほど時空連続体の歪みは大きくなり、その影響の検出も容易となる。
 空間の歪みは重力レンズ効果が実際に観測されているし、
 GPS衛星の時計は、衛星軌道を巡る高速度から生じる特殊相対論的影響と、
 地球重力場から生じる一般相対論的影響を計算に入れた誤差修整が為されており、
 リアルタイムに正確な位置情報を送っている。
 まぁ、時空を操る咲夜ですが、重力を仲立ちに操っているのではないので重力操作は行えず、
 それは密度を操る萃香の能力……とすると萃香も時空を物理法則の範囲で操れる?

 
 
未来永劫斬 〜 Eternal Checkout
 
 [タイトル]
 
 妖夢のストーリー、Stage5 Masquerade
 紅魔館ロビー 2nd Day 26:00
、レミリア戦。
 「もう大体斬り尽くして来た、残るは貴方しか居ない。今回の異変は貴方の仕業ね」
 妖夢はラスボス戦の気分で挑んでいる、そんなMasquerade
 
 前述のスペル「未来永劫斬」を参照。
 英題から判断すると、
 ここでは、現世での生あるいは輪廻を「宿」に見立て、
 そこから永久にチェックアウトするということで、
 「解脱」の方のニュアンスか。
 レミリアは運命を操る能力を持つため、
 レミリアを斬る= 輪廻転生・生死流転の運命を断ち斬る= 解脱
 という構図だろうか。

 
 
界面活性斬 〜 Surface Active
 
 [タイトル]
 
 妖夢のストーリー、Border Line
 博麗神社(境界) Feast Day 17:00
、紫戦。
 レミリアから指摘を受け、幽々子に対する疑念と信頼に揺れる妖夢。
 紫が現れて、犯人を知っていると怪しくほのめかすが、
 「紫様が犯人なのですね。この妖気」「また、えらく短絡的ねぇ」
 
 洗剤などに代表される界面活性剤は、英語での表現は多く、
 interfacial active agent, surface acting agent, surface active surfactant,
 surface-tension modifier, surfactant, surfactant agent などがある。
 表面を活性化、境界面を活性化、表面張力を弱める、などの表現がされる。
 
 水と油を混ぜようとしても混ざらず、水層と油層ははっきりと分離される。
 水は油に対して、油は水に対して、とても溶け込みにくい(ゼロではない)ためである。
 水分子は極性分子であり、油は電気的に中性である。
 油汚れは水に対して溶け出さず、したがって水だけで油汚れは落ちない。
 洗剤は油にも水にもなじむため、油汚れを良く落とす。
 手についた油をいくら水で落とそうとしてもぬるぬるは一向に取れないが、
 石鹸を使うといともあっさり油が落ちるのは誰しも知るところであろう。
 界面活性剤は、油になじみやすい、疎水基(親油基)と呼ばれる構造と、
 水になじみやすい、親水基と呼ばれる構造を併せ持つ。
 細胞膜を構成する脂質二重層や、肺胞サーファクタントなど、
 生体成分としても我々と馴染み深い?ものである。
 水に界面活性剤を添加していくと、まずは水中に分散して溶解する。
 構造として大きな疎水基を持つため、次第に溶けにくくなるが、
 今度は疎水基を空気中に突き出すように水面にずらりと並び、表面張力を低下させる。
 水と油が接していれば、その境界面に界面活性剤分子が並ぶ。
 さらに界面活性剤を投入していくと、今度はミセルと呼ばれる会合体を水中に形成する。
 疎水基同士が多数寄り集まって球状となり、内側は疎水基ばかり、外側は親水基ばかりで
 水に対して安定に溶け込むことができるようになる。
 油汚れがあれば、それを中心に界面活性剤分子が寄り集まり、
 会合体内部に油を内包し安定化するため、油汚れが落とせるのである。
 
 水と油の対極的な成分のどちらにもなじむ中間的な性質であり、
 細胞膜で見れば内界と外界を隔てる結界として働いており、
 境界としての界面活性を紫と見立てている。
 また、今回の異変の被害者と犯人の接触の仲立ちとなる役割を担っているのも紫である。
 実際に紫は宴会にも萃められていないし、かと言って萃香の手伝いをしたわけでもない、
 完全に中立的な立場に居たわけで、境界である。
 あ、だからステージ名が "Border Line" なのか。今頃合点がいった。

 
 
萃まる夢、想い 〜 Pandemoniac Land
 
 [タイトル]
 
 妖夢のストーリー、Immaterial and Missing Power
 幻想郷 Feast Day 19:00
、萃香戦。
 紫の能力により、鬼の霧散は無効化され、萃香登場。
 萃香 「え、えーと、始めまして、かな?」
 ……なんか意味深…気のせい?
 
 題意については霊夢の項を参照


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