伊吹
萃香 [キャラクター] グッドエンディング9種を見ると使用可能になるキャラ。 本作のラスボス。いぶきすいか。 「萃まる夢、幻、そして百鬼夜行」 陽気で酒好き、無邪気で子供っぽい。 というか、外見は子供。 子供の鬼。 幼児体形のため重心は高く、また、まっすぐに長い角のためさらに重心は高い。 加えて、常に酔っており、頭は大きくふらふら揺れる。 しかし、鬼の身体能力のため、パワー・スピード・妖力はたいへん強力。 密と疎を操る程度の能力を持つ。 人間界からも幻想郷からも、隠れてしまって久しい種族、鬼。 その鬼の中でも異端児である萃香は、面白いメンツの揃う幻想郷にちょっかいを出す。 賑やかな事とお酒と力較べが好き。 しかし、幻想郷に舞い戻って早々、春の訪れは遅れに遅れ、 楽しみにしていた宴会とそれに付随する花見が全然楽しめず、 隠れ居ながらにしてこっそりと気分は鬱積していった。 長い冬もようやく解決し、いよいよ宴会シーズンが到来。 自然に集まるような宴会のタイミングや頻度では満足いく訳もなく、 その能力を駆使して人妖を萃め、宴会を繰り返させた。 また、あわよくば鬼の仲間も幻想郷に引き入れようとその下地作りも考えていた。 鬼 もともとは姿の見えないもの、この世ならざるものを指す「おぬ(隠)」が転じ、 現在も知られる、人型だが肌の色が異質で、角と牙と怪力を有する大男の容姿、 虎の毛皮の腰巻と金棒を装備した妖怪の「おに(鬼)」となったと言われる。 その過程においては陰陽思想や浄土思想、地獄における獄卒のイメージや 仏教における羅刹・夜叉などと習合し、そのイメージが平安時代には確立されたとされる。 日本最強の鬼と名高い酒呑童子は室町時代の「御伽草子」に描かれるが、 出生・生い立ちなどその詳細は種々の伝説・説話に伴い様々な説がある。 住処であっても、丹波国の大江山、あるいは、近江国の伊吹山と説が分かれる。 伊吹萃香の「伊吹」はおそらく、伊吹山の酒呑童子にちなむものと思われる。 大江山の酒呑童子伝説では、 酒呑童子は越後国に生まれ、少年時代には絶世の美少年であったとされる。 多くの女性に恋されたが、それらの恋文を焼いたとか読まずに放置したとかで、 想いを告げられなかった女性の恨みにより鬼と化し、人里離れて各地の山を点々とし、 大江山に棲みつく。 伊吹山の酒呑童子伝説では、 酒呑童子は八岐大蛇(あるいは山神)と人間の娘の子として生まれる。 比叡山の寺に預けられ修行をしていたが、仏法で禁じられている飲酒を繰り返していた。 ある時、祭礼用の鬼の面が顔面に癒着、やむなく山奥で鬼としての生活を送る。 どちらのケースも、同じ鬼である茨木童子と出会い意気投合し、 多くの鬼を従えて京都で悪行を働くが、頼光四天王により結成された討伐隊により 酒に酔い潰れた(神便鬼毒酒という鬼にとっては毒になる酒を盛られた)ところで 寝首をかかれて命を落とす。 酒呑童子は、人前では聡明な童子の姿で現れたとも言われるが、 他にも、大江山の捨て子が妖怪化したもので、捨て童子が訛って酒呑童子になったという説、 もとは出家せずに寺から逃げ出した寺小僧であるから童子(出家しない幼童を指す語)である とする説などがあり、なぜ酒呑「童子」であるかについても諸説ある模様。
御伽の国の鬼が島 [音楽] 萃香のテーマ。 〜子供に聞かせる御伽噺、桃太郎、一寸法師、そして金太郎などなど。 この曲はそんな御伽噺に出てくる、どこか楽しげで幸せそうだった鬼達をイメージしました。 この恐ろしくなさげがたまらないですよね。 さて、上の御伽噺の中に仲間外れが居るとしたら、一体どれだろう? そんな事でも考えながら、今日も鬼とお酒でも飲みましょうか。〜 (曲解説より) ・御伽の国 …「おとぎ話に出てくる、美しく楽しい世界」 (おとぎ話
…「子供に聞かせる伝説・昔話など。また、比喩的に、現実離れした空想的な話」) (御伽の「とぎ」とは、退屈を慰めるための話し相手、看病、通夜、寝所での相手、を意味する) ・鬼が島(鬼ヶ島)…「鬼がすむとされる想像上の島」 鬼たちが楽しい時をすごした、今は昔の、美しく楽しい世界、というイメージだろうか。 萃香の、昔の故郷や仲間を想うきもち? 鬼ヶ島と言えば、桃太郎が代表格。 桃太郎の話は、室町時代頃の発生と言われるが、正確には分かっていない。 鬼ヶ島を本拠に人々を苦しめる鬼を、桃太郎がお供の動物達と退治する物語。 また、一寸法師や金太郎も鬼退治に関わる。 特に、御伽草子に描かれるバージョンの一寸法師では、 一寸法師と宰相殿の娘が乗った船が流れ着いた島で鬼に遭遇している。 現在一般的に知られる一寸法師では、都に出没した鬼が娘を攫いに来る。 こちらは、京に現れては悪事を行った酒呑童子と類似するところである。 酒呑童子を退治したのが頼光四天王で、源頼光と供に活躍した4人の家臣 渡辺綱・坂田金時・卜部季武・碓井貞光である。 金太郎は坂田金時(さかたのきんとき)の幼名であり、 坂田金時の伝承に脚色が為され、 江戸時代には怪力童子の金太郎のイメージが完成したと言われる。
妖鬼
-密- [技] 萃香の必殺技。 勢いよく中空に拳を突き出し、爆発的な衝撃波を発する。 「妖鬼」は鬼の種類の一。 怪力の鬼の他に、妖怪一般を指す鬼や凶行を行う人を指す鬼も含め 様々な鬼を分類すると次の様になるらしい。 原鬼(従わないもの)…まつろわぬ民、土雲、異民族、朝敵など 神鬼(神に並ぶもの)…国津神、山神、土着神、祖霊神、マレビト、大人(おおひと)など 霊鬼(見えないもの)…帰、隠、生霊、悪霊など 怨霊信仰・中国系関連 害鬼(災いを招くもの)…追儺の鬼、疫鬼、鬼殿など 悪鬼(仏道に背くもの)…羅刹、夜叉、牛頭馬頭、餓鬼など 仏教関連 餓鬼(人を喰らうもの)…都の鬼、餓鬼、暗殺、誘拐、死体荒らしなど 妖鬼(妖しいもの)…鬼、精霊、百鬼夜行、妖怪の総称など 怨鬼(恨み呪うもの)…呪術、怨霊、祟りなど 陰陽道・怨霊信仰関連 山鬼(山に潜むもの)…土蜘蛛、山人、天狗、山神、山姥、山蛇など 人鬼(非道を行うもの)…盗賊、朝敵、酒呑童子、温羅、鬼女紅葉など 酒呑童子は人鬼に分類されるが、 しばしば妖怪事典などにも著されるため、 妖怪の類である妖鬼でも差し支えない。 萃香は種族として純粋な鬼であるため、 この分類に当てはめるならば妖鬼である。 妖鬼=萃香の、気を密に凝集した攻撃。 また、女神転生シリーズで「妖鬼」は悪魔の分類で、鬼族の一つ。 シュテンドウジなどがこれに含まれる。
地霊
-密- [技] 萃香の必殺技。 空中から地面に向けて、両の拳を前に突きだして降下、 萃香が地面に激突すると、鋭く尖った岩石が隆起する。 ・地霊
…「大地に宿るという精霊」 大地の精霊。 万物を育み、恵みを与える一方で、 地震などの災厄をもたらすと言われる。 高密度の地霊を呼び覚ましての攻撃。 また、「地霊」は女神転生シリーズで鬼族の分類の一つ。 アトラス、ジャイアント、サルタヒコ、ティターン(タイタン)など 怪力自慢
and/or 巨神が含まれる。
妖鬼
-疎- [技] 萃香の必殺技。 数本の髪の毛を小さな萃香へと変じさせ、殺到させる。 小さな軍隊。 低密度、その分だけ分散し弾数は増す。 密に対して疎。 自分の毛で無数の分身を作り出す技は、 西遊記の齊天大聖、孫悟空の使う戦術としてよく知られる。 神戸大学文学部の高橋昌明教授は、「酒呑童子の誕生」にて 酒呑童子伝説の起源に中国の小説・伝説を挙げ、 齊天大聖と酒呑童子の関連を論じている。
地霊
-疎- [技] 萃香の必殺技。 地面に拳を撃ち込む。直後あるいは数拍後、 地表からいくつもの魂弾が湧き起こる。 こちらも分散型で、疎。
萃符
「戸隠山投げ」 [スペル] 萃香のスペル。とがくしやまなげ。 「敵に飛びかかって敵を掴んで岩と共に投げ飛ばします。」 掴んだ相手をぶんぶん振り回し、さらにどこからともなく岩を萃めて吸着させ まとめて叩きつける技。 戸隠山は、長野市北西部にある山で、標高1904m。 周辺に戸隠高原や戸隠神社がある。 地名の戸隠は、天手力男命(あめのたぢからおのみこと)の投げた岩戸が 飛んできた所という伝説に基づく。 いわゆる岩戸伝説。 天岩戸(あまのいわと)は日本神話に登場する、岩でできた洞窟。 太陽神・アマテラスが治める、天つ神の住まう場所・高天原(たかあまはら、たかまのはら)にて アマテラスの弟のスサノオが乱暴を繰り返したため、 アマテラスはそれを恐れて(あるいは怒りのあまり)隠れたとされるのが天岩戸。 (アマテラスは「天照大神、天照大御神、天照皇大神」などと表記される。 スサノオは「素盞嗚尊、素戔嗚尊、須佐乃袁尊」などの表記。 あまてらすおおみかみとすさのおのみこと。 どちらも、黄泉の国から帰ったイザナギが、その穢れを洗い流す禊の際に化生したとされる。 また、スサノオは日本初の和歌を詠んだ事でも知られる→参照「八雲藍」) 太陽神であるアマテラスが隠れてしまったため、世界は真っ暗になってしまうが、 八百万の神々の計により、アマテラスが自ら岩戸の扉を開いた隙に引きずり出され、一件落着。 古事記では、タヂカラオがアマテラスの手を取って岩戸の外へ引きずり出し、 その隙にフトダマが岩戸に結界を施し封印してしまう。 少なくとも古事記では岩戸を放り投げてはいない模様。 天岩戸伝承の具体的な場所は特定されていない。 天岩戸にまつわる名を持つ地域や神社は全国にいくつかあり、 戸隠山もその一つである。 失われし太古の神々の力、という点でミッシングパワーだろうか。 また、女神転生でタヂカラオが鬼神族であることから、鬼関連だろうか。 順序としては、天岩戸→天手力男投げ→戸隠→戸隠山投げ、かな。 鬼関連と言えば、戸隠山には鬼女紅葉(もみじ)の伝説がある。 子に恵まれぬ夫婦が、第六天の魔王(妖夢の「魔を斬る」の項参照)に祈り、 その甲斐あって女児を得る。 呉葉(くれは)と名付けられ、才色兼備の女性に成長するが、 強引な求婚者に、秘術で生み出した偽呉葉を充てて、その隙に逃亡したり、 権力を手中にせんと呪いをかけたりと、けっこうな力を持つ。 京では紅葉と名を変え、源経基の局となるが、 比叡山の高僧により、他者にかけていた呪いを看破され、戸隠に追放される。 戸隠の村で村人にも受け入れられて暮らしを続けるが、 都の暮らしがやはり恋しく、次第に心は荒み、 京に上るための軍資金稼ぎにと、一党を率いて戸隠山を根城に、他の村々を荒らし回る。 この話が戸隠の鬼女として京に伝わり、鬼女討伐隊が編制され、これにより討たれる。 鬼女紅葉にちなんで、数ある天岩戸関連の地から戸隠を選んだのだろうか。
酔符
「鬼縛りの術」 [スペル] 萃香のスペル。 「鎖で敵を絡め取り霊力を奪います。」 植物の鬼縛(おにしばり)については、 霊夢の「八方鬼縛陣」を参照。 ここでは、鬼を縛る意ではなく、鬼が縛る。 鎖は萃香が身につけているアクセサリ(?)。 鬼と鎖がどう関連を?と思い調べてみたところ、少し気になるものを発見。 菅井汲(すがいくみ)(1919〜1996)という洋画家・版画家の「鬼の鎖」という作品。 国際的に最も高く評価されている日本人画家の一人だそうだ。 この作品、なんたって一際目をひく赤が、まる・さんかく・しかくなのだ。[
リンク
] 萃香の会話時グラフィックの球・正四面体・立方体と関連?
【改訂用の備忘録】 ついでに、萃香の○△□について。 ZUN氏の設定画では、○は無=拡散、△は調和=萃、□は不変=自分、とある。 ・宇宙とは円窓、丸のことだ。つまり丸の内側が宙、丸を囲っているものが宇。 その外側が無限だ。宇宙がなぜ無限と誤解されたかというと、カタカナのムの 異体が円窓(○)だからだ。ムは無につながりゼロをイメージする。これによって 宇宙があたかも無限であると誤解された。 ・江戸時代の妙心寺派の禅僧に仙崖という人がいた。彼は丸と三角と四角を描いて これを宇宙図と言った。三角は完全なる調和を意味し、社会のこと。四角は 揺るぎのないということで、大地。丸は言うまでもなく宇宙。揺るぎのない大地に 社会が形成され、この全てを宇宙が覆っている。 (明石散人著
「謎ジパング」 講談社文庫、より)
鬼符
「ミッシングパワー」 [スペル] 萃香のスペル。 「大きくなります。」 しばらく巨人。 ・missing
…「あるべき所にない、いるべき所にいない、欠けている、紛失した、行方不明の」 Missing
Power. 「失われし力」 ヒトの前から隠れて久しい、鬼の操る古の力。 昔話や伝説
(「戸隠山投げ」参照)
上でしか語られていない、失われた力。 単独行動に走る鬼の異端児ということで、居るべき所(=鬼の郷)に収まらない者とも 解釈できないことはないかな。
萃鬼
「天手力男投げ」 [スペル] 萃香のスペル。あめのたぢからおなげ。 「戸隠山投げ同様、掴みかかり大岩を吸着させ投げ飛ばします。」 戸隠山投げの上位版。 前述の「戸隠山投げ」も参照されたい。 天手力男は、日本神話の神で、天手力男神あるいは天手力雄神と表記される。 前者が古事記、後者が日本書紀の表記である。 「手の力の強い男神」の意で、腕力・筋力の象徴とされる。 田+力=男でタヂカラオではない。 アマテラスの岩戸隠れの際には、岩戸から顔を覗かせたアマテラスを引きずり出したとされるが、 日本書紀や古語拾遺では岩戸を引き開けたとされる。 長野の戸隠に伝わる伝承では、タヂカラオが岩戸の扉を放り投げ、 それが落ちた土地が戸隠であるとされる。 戸隠の戸隠神社には、天手力男が祀られている。
酔夢
「施餓鬼縛りの術」 [スペル] 萃香のスペル。せがきしばりのじゅつ。 「鎖で敵を絡め取り、敵の霊力を吸収します。」 鬼縛りの術の上位版。 ・施餓鬼(せがき)…「餓鬼道に落ちて飢餓に苦しむ亡者に食物を供えて弔う法会」 ・酔夢
…「酔って眠っている間に見る夢。満足して安閑としている状態」 施餓鬼は、餓鬼に施しを行うこと。 施餓鬼縛りは、ここでは施餓鬼で束縛する、 つまり、強制的に施餓鬼をさせる意味あいだろうか。 また、餓鬼と言ってもここでは餓鬼道の餓鬼ではなく、子供のガキの意味合いだろうか。 小鬼への施しを強制させる術。 強制的に施しをさせる。犯罪の香り。 贈与者がいれば享受者がおり、レシピエントは酔夢の中。 酔夢はやはり、萃夢想の「すいむ」とかけてのことだろうか。 酔って見る夢は酔夢(すいむ)、眠って見る夢は睡夢(すいむ)、 萃香の空中ダッシュはバタ足のスイム(swim)、六里霧中の水霧(すいむ)。 同音異義語はこんなところだろうか。
鬼神
「ミッシングパープルパワー」 [スペル] 萃香のスペル。 「更に大きくなります。」 ミッシングパワーの上位版。 鬼の古の力よりもさらに昔の失われた力。 神話の代の神々や巨人たちの太古の力。 ここでのパープルは「高位」の意と考えられる。 Missing Purple
Power. 「失われし神々の力」
符の壱
「投擲の天岩戸」 [スペル] 萃香のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。とうてきのあまのいわと。 ぐるぐる回す腕に周囲から萃めた岩を吸着し、自機狙いで投げ付ける。 あるいは、自機に飛びついて掴み、戸隠山投げ・天手力男投げ。 ・投擲(とうてき)…「投げうつこと。投げること。陸上の投擲競技の略」 (擲つ(なげうつ)=なげつける、なげすてる;投擲競技=砲丸投げ・円盤投げ・槍投げなど) 戸隠山投げ、あるいは、天手力男投げの項を参照。
符の弐
「坤軸の大鬼」 [スペル] 萃香のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。こんじくのおおおに。 上空画面外に飛び去る萃香。 しばらくのちに風切り音が轟き、直後に巨大化した萃香が自機狙いで着地する。 着地後、元の大きさに戻る。 ・坤軸(こんじく)…「大地の中心を貫き支えていると想像される軸。地軸」 大地の全容を知り得なかった昔の人々の幻想は、 大地を支える象や亀、天を支える巨人や巨木を描き出した。 生物が支えているというのは、おそらくは地震メカニズムの幻想であろう。 巨人・巨木はそれぞれアトラスとユグドラシルで、どちらも天を支える存在であるが、 しばしば世界を支えるものと解釈される。 ここでいう乾坤の大鬼は、アトラスのようなものをイメージすればよいだろうか。 アトラスは、ギリシア神話に登場する巨躯の神で、 ティタン神族(巨神族)の一神。 ゼウス軍とティタン軍の戦い、ティタノマキアにおいて勝利を収めたゼウスにより 世界の西の果てで天を背負う役目を負わされた。 天を支える巨神にちなんで、アフリカ北部のアトラス山脈が命名されている。 また、16世紀にメルカトルが地図帳の表紙にアトラスを描いたことから 地図帳をアトラスと呼んだりする。 球体を肩で支えるアトラスの図に見覚えのある方もおられるだろうが、[
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彼の支えている物は地球であるとしばしば誤解される。 この図でアトラスが支えているのはやはり天であり、球体表面には星座が描かれている。 (指先のふたご座がわかりやすいだろうか) 女神転生シリーズでも、アトラスは地霊として登場する。 というか、女神転生シリーズ自体がアトラス社の作であるが。
符の参
「追儺返しブラックホール」 [スペル] 萃香のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。ついながえしブラックホール。 当たり判定の無い黒い球体を自機後方めがけて投げつける。 自機後方でブラックホールが展開し、自機を吸引すると共に、 どこからともなく楕円弾も吸い込まれてくる。 ・追儺(ついな)…「悪鬼・疫癘(えきれい)を追い払う行事。鬼やらい」 追儺はもともとは中国の儀式で、それが日本に伝わり、 日本では8世紀初頭に疫気を祓ったことが続日本書紀に記述されており これが追儺の行事の始まりと考えられている。 平安時代には陰陽師によってシステムが整えられ、 宮廷の年中行事となったとされる。 陰陽師が祭文を読み、4つ目の面をつけた方相氏が矛と盾を持ち、 その矛を地面にうち鳴らしながら、「鬼やらい、鬼やらい」と言って 後方に桃の弓と葦の矢を持った殿上人たちを従えて宮中を歩き回る行事。 当初は目に見えない気、邪気や疫気、 世のあらゆる災いや不満などを「鬼」としていたものが、 次第に、擬装鬼に対して石を投げつけるなどして追い払う、 鬼払いの儀式へと変化したとされる。 節分の豆まきの元となった行事。 敵の後方に密度無限大の物体・ブラックホールを作り その強力な引力により、石などによる追儺の投擲攻撃を回避する目的の技と思われる。 投射された物体もブラックホールに引き付けられるが、 その経路上には攻撃者本人がおり、向かい風にツバを吐くようなことに。 ブラックホールは、星の死に際してつくられる、最も高密度の天体。 太陽の約30倍以上の重い星では、重力エネルギーにより核融合反応がどんどん進行し、 最終的には安定で核融合反応を起こさない鉄が中心核となる。 収縮が進行し、中心部の温度が50億度を越えると 鉄はエネルギーをどんどん吸収して分解してしまい、 中心核の温度が急激に奪われ、星を支えきれなくなり、超新星爆発を起こし吹き飛んでしまう。 爆発後に残された中心核の重さが太陽質量の2倍以上に相当する場合、 中性子同士の反発力では中心核の崩壊を支えきれず、 わずか直径5〜6km程度にまで落ち込んでしまい、ブラックホールを形成すると考えられている。 無限大の密度に由来する強力な重力により、 中心近くでは、光の速度以上の速度でないと脱出できない領域となる。 この中心からのある距離で形成される面が事象の地平面(イベントホライズン)で、 これよりも内側では光でさえも引きこまれてしまう。 つまり、この天体からは光エネルギーが外部に放出されず、 外部からの光も反射されないため、光を出さない黒き虚、ブラックホールの名がある。 周囲からガスなどの流入が絶えず大量にある場合、 ブラックホール周囲には流れ込むガスの円盤が降着円盤として形成され、 ガスは摩擦で加熱されて]線やγ線を放出するため観測が可能となる。 銀河系の中心には超巨大ブラックホール(大質量ブラックホール)の存在が確認されている。
鬼火
「超高密度燐禍術」 [スペル] 萃香のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。ちょうこうみつどりんかじゅつ。 燃えさかりながらゆっくり弾む大玉を複数、自機足元から噴出させる。 ・輪禍 …「自動車や電車などにひかれたり、はねられたりする災難」 ・燐火
…「墓地や湿地で発生する青白い火。ひとだま。鬼火。狐火」 ・鬼火(おにび、きか)…「夜間、墓地や沼地などで、青白く燃え上がる不気味な火」 燐禍は「燐火(鬼火)による災難」の意と思われる。 超高密度の鬼火により攻撃する術。 鬼火、あるいは人魂(ひとだま)は、主に夜間、空中のあまり高くない位置を漂う 球状で尾を引く、青白い炎の玉。 その正体は、動物の死体などから出た燐(リン)が発火したもの、あるいは、 昆虫群、球雷、流星、幻覚などとする説がある。 燐の同素体でも、黄燐は空気中で自然発火し、燐光を発する。 燐光は青白く、生体物質が腐敗・酸化する時に生じることも確認されている。
疎符
「六里霧中」 [スペル] 萃香のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。ろくりむちゅう。 大玉群の放射と同時に、萃香は霧散し画面中には霧が広がるばかりとなる。 霧からは自機狙いで弾丸が次々と発射される。 直接攻撃は効果を為さず、飛び道具による攻撃しか受け付けなくなる。 ・五里霧中
…「方向を失うこと。どうしていいか迷うこと」 五里霧中のもじりであろうことは容易に想像される。 五里霧中は、後漢時代の張楷という人物にちなむ故事からの四字熟語である。 張楷は、非常に優れた学者で、門弟も多く、至る所で高い評価がなされ、 貴人や学者の多くからも是非とも仲良くしたいものだと望まれる程であった。 彼の父も、高く評価された学者であったが、 当時の政治の実権を握る人物からの誘いもかたくなに断っている。 張楷もまた、官職への誘いや、門弟や付き人や来訪者の多さにうんざりし、 郷里へと帰り、山中に隠居してしまう。 それでも彼を慕う学者は多く、学者たちの居所がついには市を成す規模となる。 その有様から、ますます挙用したいと望まれたのだとか。 しかし、張楷はとことんかたくなで、皇帝が激賞と礼をもって迎えさせようとした際も 病気を理由に回避している。 張楷は、学問以外に道術にも精通し、五里(約20km)も続く霧を起こせたと言われ、 三里霧使いの裴優という者が張楷に学びたいと望んだ折も、 五里霧に姿を隠して会わなかったと言われる。 ここから五里霧という言葉が生まれている。 五里霧の中ということで、五里霧中。 張楷よりもさらに広く、裴優に比べれば4倍もの広さに広がる霧が六里霧。 六里は約24kmの長さ。
【改訂用の備忘録】 (※注)
里は、現在の日本では約4km、中国では500mに相当する。 上記の六里の換算は日本の里に基づいた数値。 (2007年8月9日の拍手メッセージによるご指摘に感謝)
「百万鬼夜行」 [スペル] 萃香のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。 与えたダメージに応じて攻撃が激しくなり、ライフゲージなども演出で崩壊する。 萃香はフィールド中央の空中に留まり続ける。 全方位大玉放射
→ +萃香周囲を巡り外側に向けて弾を連射する使い魔 → +宝石の様に美しいが巨大でゆっくり飛来する弾 →
+萃香を中心にブラックホール発生 ・百鬼夜行
…「いろいろの化け物が夜中に列をなして出歩くこと」 こちらは百鬼夜行のもじり。 百鬼夜行の一万倍。 また、百万は単にきわめて大きな数を指す場合もある。 疎の能力で極めて細かく分散したのか、 萃の能力で多数の鬼(妖鬼・地霊)を召集したものか。 あるいは両極の兼ね合いか。 神道の神々は「八百万(やおよろず)」と言われ、非常に数が多い。 これらは、自然物や自然現象を神格化したアニミズム的なものや 思考・災いといった抽象を神格化した観念神、古代の実力者の神格化、 などから形成されるが、特に原初となるのはアニミズム的な神である。 「災い」などや邪気・疫気などはもともとの「鬼」の観念と重なるところであるが、 萃香のスペルからはそれだけに留まらない部分がある。 地霊、燐火、坤軸など自然に関わる部分や 日本神話系のそれこそ八百万の神に直結する部分である。 それらを総合して考えると、 百万鬼夜行の百万は、八百万の神すべてとはいかないまでも 相当の神鬼や精霊を含んだものではないかと思われる。 ちなみに、 鬼の角や虎皮の履物は、陰陽道で丑寅(艮、うしとら)の方角(北東)を 鬼門と言うことからデザインされたものと言われている。 鬼が出入りするとされる、不吉な方角で、万鬼の集まる所とも言われる。
幻宙の鬼退治 〜 Model
Maid [タイトル] 萃香のストーリー、Stage1 幻想郷 Feast Day 19:00、咲夜戦。 「あれー? もう見つかっちゃった?」 最初の訪問者は調理と片付け役。 幻宙の単語は造語。 東方紅魔郷の咲夜スペルは幻象とか幻在とかあったので、 それに類することと思われる。 「宙(ちゅう)」
は、そら、大空、地面から離れた所、空中の意味。 また、「宇宙」
は、あらゆる存在物を包容する無限の空間と時間の広がり、 と辞書に記載されるものだが、 「淮南子(えなんじ)」斉俗訓によれば、 「宇」は天地四方、「宙」は古往今来の意で、 あわせて空間と時間の広がりを意味する。 これに依拠すれば、「宙」は無限の時間を意味し、 幻宙はそれが幻、幻想であることを指すのかもしれない。 Model Maid. 萃香 「宴会ではいっつも調理と片付け役に徹してたわね。えらいえらい。 でも、誰もその事に気が付いていないわ。誰もあんたに感謝はしていない」 咲夜 「みんなが盛り上がっている時に片付けをするのは、失礼だと思わない? だから誰にも気が付かれないように片付けするの。 誰にも気を使わせない。そう在るべきなのよ」 模範的なメイド。あるいは、完璧なメイド。 誰にも気を使わせないそうですよ、紅美鈴さん。
人魔の鬼退治 〜 Magical
Dolls [スペル] 萃香のストーリー、Stage2 幻想郷 Feast Day 19:00、アリス戦。 「あれー? まだ遊べると思ったんだけどなぁ」 今日の相手は不憫な妖怪。 Magical
Dolls 「魔法の人形」 人形遣いの魔法使いなので人魔だろうか。 幽々子ストーリーの魔理沙戦タイトル「人魔戦」の人魔とは異なるものと考えられる。
虚宴の鬼退治 〜 Half
Human [タイトル] 萃香のストーリー、Stage3 幻想郷 Feast Day 19:00、妖夢戦。 「あれー? また見つかっちゃった?」 本日の挑戦者は、みんなのからかわれ役。 萃香 「あんたは宴会を行いながら、少しづつ私の事を探りに入れてたわね」 宴会に集中しきっておらず、ともすると犯人探しが主題となっていたため 「虚宴」
だろうか。 妖夢は半分幻だし。 残り半分は人なので、Half
Human
魔精の鬼退治 〜 Demon
Mind [タイトル] 萃香のストーリー、Stage4 幻想郷 Feast Day 19:00、パチュリー戦。 「も〜。見つかってばっかね!」 今日のお客は、宴会でも退屈そうに口数少なだった魔女。 魔精は、チルノ(湖上の魔精)ではなく、 精霊魔法を操る魔女であるパチュリー、あるいはその精霊を指す。 Demon Mind は直訳で「鬼心」。 ・鬼心(おにごころ)
…「鬼のように残忍な心。」 あるいはdemon(魔)とmind(精神)だろうか。魔精。 パチェ 「うるさいわよ。貴方。 口数が多いのは相当イライラしている証拠。 腹を立てた方が勝負に負けるよ」 萃香 「じゃあ、負けた方が腹を立ててた方って事ね」 パチェ 「そうね」 萃香 「残念。私は結構イライラしてるんだ」 天の邪鬼(あまのじゃく)な心とも解釈できそう。
英雄の鬼退治 〜
Humanism [タイトル] 萃香のストーリー、Stage5 Masquerade 幻想郷 Feast Day
19:00、魔理沙戦。 「も〜そろそろ面倒になってきたなぁ。ここら辺で負けようかなぁ」 今回は宴会の幹事役がお相手。 「前言撤回。あんたには負けん」 普通の人を越える力や知識、技術を持ち、それらを用いて 一般社会に有益で人々に賞賛される素晴らしい行為を行う者が英雄である。 いわゆる英雄的行為、heroism
である。 物語の主人公としてのヒーローであれば男であり、女主人公のヒロインとは区別されるが、 物語の主人公ではなく、単に英雄、勇士、偉人といった場合のヒーローは 男女両方に用いられる傾向がある。 ここで、英雄と
heroism が、heroism と英題のhumanism が、それぞれ結びつく。 humanism
は「人間主義、人文主義、人間至上主義」の意だが、 ここではheroism
との関連であると解釈すれば「人間的行為」と意訳できる。 すなわち、鬼に対峙する人間として、 選ばれた人間としての魔理沙が、鬼による迷惑な被害を解決しようと 鬼退治に挑むという、お伽噺の形式に則れば、鬼に対して取る人間(特に英雄)的な行為である。 まぁ、選ばれたと言っても 萃香自身が幹事に選任したのであって、 それゆえかMasquerade
西魔の鬼退治 〜 So near
and yet so
far... [タイトル] 萃香のストーリー、Semifinal Stage 幻想郷 Feast Day
19:00、レミリア戦。 「つか、いーかげん相手が弱すぎるよ。ちょっと退屈に感じ始めてきたなぁ」 「あら、いらっしゃい。今週のゲストはあんたね」 西魔は西洋の悪魔を意味すると思われる。 ・so near and yet so far
…「出来そうだけれども結局のところ出来ない」 これまでの5人に比べれば、実力的に萃香退治の可能性が高いレミリアであるが、 それでもまだ及ばない。 萃香 「まだまだね。あんたの力では我々鬼の足元にも及ばない」
酒呑童子鬼退治 〜 Honesty
of Purpose [タイトル] 萃香のストーリー、Immaterial and Missing Power 幻想郷 Feast Day
19:00、霊夢戦。 霊夢 「あんたね!この妖霧を出していたのは!」 萃香 「そろそろ遊びはお終いにしようかな」 霊夢 「何かいきなり弱気ね」 酒呑童子(=萃香)が自ら正体を吐露し、隠=鬼
を明かすことを退治と見立てたものか、 酒呑童子鬼(=萃香)を退治する事(これまでの○○の鬼退治とは表記も違うし)を指すか、 酒呑童子=酒好きの少女(=霊夢)が鬼退治をすることを意味するか。 はて? ・honesty
…「正直、誠実、公正、何もかも正直に話すこと」 ・purpose
…「目的、意図、狙い、意向、趣旨、意味、決心、決意」 幻想郷の面々の鈍さに多少呆れながら、 萃香は頻繁に行われた宴会と妖霧のからくりを話す。 霊夢 「鬼?鬼なんてもうとっくに居ないわよ。そんな嘘で誤魔化しても駄目」 萃香 「私が嘘!?ふざけるな!我ら鬼が人間に嘘を吐く筈が無い。嘘は人間しか吐かない!」 嘘では無いが、動機面(目的、意図)は打ち明けていない萃香であった。
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項目 / 博麗霊夢 /霧雨魔理沙 / 十六夜咲夜 / アリス・マーガトロイド
/ パチュリー・ノーレッジ
魂魄妖夢 / レミリア・スカーレット / 西行寺幽々子 / 八雲紫 / 伊吹萃香 // 紅美鈴
Acknowledgements &
References
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