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十六夜 咲夜
 
 [キャラクター]
 
 最初から使用できるキャラ。
 「紅魔館のメイド」
 紅魔館の住み込みメイドでメイド長。
 メイドの勤め以外にも、体術とナイフ投げが得意。
 タネ無し手品が好き。が、時を止めているというタネがある。
 時を操る程度の能力を持つ。
 
 繰り返される宴会と共に、次第に高まる出所不明の妖気。
 特に逼迫した危険があるわけでもなく、お嬢様に危害が加わるわけでもなく、
 紅魔館での仕事に支障があるわけでもないが、問題の解決に乗り出した。
 妖々夢以降、というか霊夢たちと絡むようになってから
 彼女の「お世話」の範囲が知らず知らずに拡大しているのかもしれない。
 
 以前の事典に記述あり:「東方紅魔郷」「東方妖々夢
 
 テーマ曲(メイドと血の懐中時計、月時計 〜ルナ・ダイアル)についても
 以前の事典に記述あり:「東方紅魔郷
 
 
離剣の見
 
 [技]
 
 咲夜の必殺技。
 ナイフを投げ、ナイフの時を止める。
 しばらく後、ナイフに当たり判定が生じてそのまま飛び去ってゆく。
 
 室町時代に能(当時は猿楽)を大成した世阿弥の著書「花鏡」に
 「離見の見」という言葉がある。
 舞台の演者が、自分が演じているその体感を「我見」、
 観客席の観客が、演者の演技を見ることを「離見」とし、
 舞台の演者が、自分が演じている様をまるで観客席から自分を見ているようなイメージを描き、
 自身の演技を客観視することを「離見の見」としたもの。
 近年も、舞台においても、ビジネス界においても、「客観視」の重要さの話として登場する言葉。
 
 また、忍者の使用することで広く知られる武器に手裏剣がある。
 投げ捨て専用の武器の中で、価格と威力が短刀と針の間の、利便性に優れる武器で、
 手の内に隠された剣ということで手裏剣の名があるが、
 手を離れて敵を伐つ剣ということで、時には手離剣とも表記された。
 このことから、「離剣」は投擲用の剣、ここでは投げナイフを指すと思われる。
 
 時が止められた投げナイフ(離剣)も、当たり判定はないが空間に留まって表示されている。
 時が止められた系のナイフを、時の流れが正常な系から見ている格好で、
 油断をしていると突如それらのナイフに襲われることになるし、
 そちらばかり注視していると咲夜本体からの攻撃に集中できなくなる。

 
 
アンビシャスジャック
 
 [技]
 
 咲夜の必殺技。
 特殊軌道のナイフ群。
 ジグザグに方向を変え、全体的に広がりつつ飛来する。
 
 ・ambitious …「大望のある、野心のある、熱望する、大掛かりの、大げさな」
 
 Ambitious Jack.
 アンビシャスは、手品用語の「アンビシャスカード(Ambitious card)」から。
 一組のトランプの真ん中ほどに入れたはずのカードが、
 呪文ひとつで一番上に上がってきているというもの。エレベーターカードとも呼ばれる。
 トランプ一組がまるごとその手品用のトリックデックである場合や、
 普通のトランプとテクニックで演じる場合などがある。
 
 ナイフ達の上下の並びが、飛ぶにつれて入れ替わり、
 最初とは異なっていることにかけたものか。
 ジャックは、従来通り(?)「切り裂きジャック」であろう。ナイフだし。

 
 
クロースアップマジック
 
 [技]
 
 咲夜の必殺技。
 咲夜の近距離周囲をナイフが巡る。
 
 ・close up …「密着して、寄り添って」
 
 Close up Magic.
 手品用語。
 近年流行のクロースアップ・マジック。
 1〜10人ほどの少人数で、マジシャンと観客が至近距離で向き合うように行うもので、
 トランプ、コインなどを使う小さいスタイルのマジック。
 テーブルマジックなどが含まれる。
 ステージなど大きな舞台で行うものをイリュージョンマジック、
 クロースアップとイリュージョンマジックの中間の中規模なものをパーラーマジックという。

 
 
バウンスノーバウンス
 
 [技]
 
 咲夜の必殺技。
 ナイフ群を、上方あるいは後方に投じる。
 ナイフ群は画面端で反射し、広範囲に降り注ぐ。
 
 Bounce No-Bounce.
 手品用語。
 よく弾むスーパーボールを、観客に手渡す。
 観客がそのボールを勢いよく地面に叩きつけるが全然弾まない。
 ボールを返してもらったマジシャンが軽く地面に落とすだけで今度はよく弾む。
 弾む・弾まない
 画面端で反射する不思議なナイフも、咲夜以外が投げては絶対に反射しない。ということ。

 
 
バニシングエブリシング
 
 [技]
 
 咲夜の必殺技。
 トランプ数枚をこぼしたかと思うと、トランプを残して咲夜自身は消え、
 別の所から現れるという、ワープ技。
 
 Vanishing Everything.
 「全消失」
 そのままの意味だが、手品用語でバニッシュは「消失法」、
 何かを(おまじないなどで)消す、といった現象を指す。
 ステッキが突然消える技をバニシングケーン、一組のトランプが消える技をバニシングデック、
 などとバニシング○○と表現する。
 霊夢の幻想空想穴でも述べたが、東方萃夢想のワープ技は韻を踏んでいる。
 そういうことで、人体消失、などの表現を取らずに「エブリシング」としたのではないかなぁ。

 
 
幻符 「殺人ドール」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。
 「周囲にばら撒かれたナイフが敵へと殺到します。」
 
 以前の事典に記述あり:「東方紅魔郷

 
 
時符 「プライベートスクウェア」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。
 「周囲の時間の流れを遅く、または停止します。」
 
 以前の事典に記述あり:「東方妖々夢

 
 
傷符 「インスクライブレッドソウル」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。
 「両手のナイフで眼前を何重にも切り裂きます。」
 
 ・inscribe …「記入する、刻む、刻み付ける、銘記する、贈る、献じる」
 
 Inscribe Red Soul.
 「紅き魂の刻印」
 上記"inscribe"の意味で、
 刻みつける、はそのまま物理的に刻みつけることで、
 相手の身体に物理的に「傷」をつけることであり、
 銘記する、は心に刻むことを意味し、精神・魂に「傷」を負わせることである。
 紅い悪魔の狂気のしもべ。
 過去を刻む時計ならぬ、幻在を刻む懐中時計。

 
 
幻葬 「夜霧の幻影殺人鬼」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。
 「画面外まで拡散したナイフが一瞬の後に敵に向かって収束します。」
 殺人ドールの上位版。
 
 ・夜霧 …「夜に出る霧」
 ・幻影 …「実際には存在しないのに、存在するかのように見えるもの」
 
 スペル名まるごとで「切り裂きジャック」を指す。
 切り裂きジャックの連続猟奇殺人が行われた地が、霧の都ロンドン。
 夜霧にむせぶ暗い路地での凄惨なる凶行。
 少なくとも5人をわずか2ヶ月の間に同じ街で解体するという犯行に加え、
 署名入り犯行予告を新聞社に送りつけるなどの劇場型犯罪の形式を取るが、
 結局、犯人特定に到らず真相は闇の中である。
 夜霧は、ロンドンの夜の霧、
 幻影は、未解決事件のその犯人を指すものと思われる。
 夜陰と夜霧に紛れ狂行を繰り返す、しかしながら正体不明の殺人鬼。
 
 切り裂きジャックについては、東方紅魔郷事典(ジャック・ザ・ルドビレ)にも記している。
 また、ロンドンと霧については、東方妖々夢事典(霧の倫敦人形)にも記している。

 
 
「咲夜の世界」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。
 「周囲の時間の流れをより長時間遅く、または停止します。」
 プライベートスクウェアの上位版。
 
 プライベートスクウェア(私だけの空間)と同じ意味か。
 荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」第三部のラスボス・DIOとの戦いを描いた
 18話分のサブタイトル「DIOの世界(その1〜18)」にちなむと思われる。
 世界(ザ・ワールド)ッ!時よ止まれ!

 
 
傷魂 「ソウルスカルプチュア」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。
 「魂をも切り裂く赤い嵐。」
 インスクライブレッドソウルの上位版。
 
 ・sculpture …「彫刻、彫像、彫刻作品」
 
 Soul Sculpture.
 「魂の彫刻」
 相手の魂を彫刻する、のニュアンス。
 咲夜が魂を込めて何か彫刻作品を作るわけではない。

 
 
符の壱 「連続殺人ドール」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。
 咲夜から放射されたナイフが、順次あるいは一斉に自機照準で飛来する。
 
 殺人ドールの上位版、連続殺人。
 切り裂きジャックも連続殺人犯。
 「すべてがFになる」も連続殺人事件。

 
 
符の弐 「チェックメイド」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。
 バニシングエブリシングで空間移動後、時を止め、多量の直進ナイフを出現させる。
 
 ・check …「停止、妨害、止めるもの、照合、点検、伝票、チェック柄、チェスの王手」
 ・maid …「お手伝い、女中、メイド、少女、乙女」
 
 Check-maid.
 チェスのチェックメイト(checkmate)とかけたネーミングであると思われる。
 将棋で言うところの「王手」がチェック(check)であり、"check"の原義がこれである。
 将棋で言うところの「詰み」がチェックメイトまたは単にメイト(mate)である。
 (時を)止めるメイド、王手をかけるメイド、という具合だろうか。
 
 おそらくは、ここにも「ジョジョの奇妙な冒険」のDIOが絡んでくるものと思われる。
 時を止めた状態で多量のナイフを投げ付け、時が動き出した時にはナイフ弾幕が生成されている、
 というのはDIOの攻撃でかなり印象深い攻撃だったのだが、
 この技の直前のセリフをもじったものと推測される。
 「フン!逃がれることはできんッ!
  きさまはチェスや将棋でいう『詰み(チェック・メイト)』にはまったのだッ!
  『世界(ザ・ワールド)』!!」(ドオオーン)

 
 
手品 「クロースアップ殺人鬼」
 
 [スペル]
 
 咲夜のスペル。ストーリーモードのCPU専用スペル。
 霊夢、アリス、妖夢、幽々子使用時限定。
 画面端あるいは地面で反射するナイフを前方へ連続あるいは全方向一斉に放つ。
 
 手品、とあるため、上述のクロースアップマジックと
 同じクロースアップと解釈して良いものと思われる。
 しかし、攻撃レンジは至近距離限定ではないため、
 "close-up"で「近接写真、接写、拡大図、詳細な観察、詳細な描写」の方の意味も込めて
 「殺人鬼の詳細な描写」という意味合いも持つだろうか。

 
 
神前試合 〜 Shrine Battle
 
 [タイトル]
 
 咲夜のストーリー、Stage1
 博麗神社 1st Day 14:00
、霊夢戦。
 妖気に満ちた空気に違和感を覚え、とりあえず宴会会場の神社の主に軽く訊ねてみる。
 が、お賽銭箱の存在をアピールするばかりで全く取り合わない巫女。怪しい。
 
 神前親善試合をかけたタイトル。
 英題は、神前試合の英訳。

 
 
人形違い 〜 Darkside
 
 [タイトル]
 
 咲夜のストーリー、Stage2
 魔法の森(マーガトロイド邸) 1st Day 21:00
、アリス戦。
 次は宴会幹事の黒い魔法使いを訪ねることにする。
 が、昼でも暗い森に夜踏み込んでハズレに辿り着く。
 というか、もともと魔理沙邸の正確な所在地を知っているわけでもなかった。
 
 魔理沙を訪ねるはずが、アリスの家に辿り着き、とんだ「人違い」。
 ちなみにアリスは「人形遣い」で魔法使い。
 「人違い」と「人形違い」のシャレ & 「人形遣い」と「人形違い」の文字の形でのシャレ。
 
 "Darkside" は何だろう…
 幻想郷から見れば魔法の森は「暗い側」。
 道に迷ったのは、暗い森を夜に訪れるという、特に「暗いの場面」だったせい。
 魔法の森に棲む魔法使いで、魔理沙といえば明るい方、アリスといえば「暗い方」?
 完全で瀟洒な従者である咲夜も、どこかぬけた一面をときどき見せる。そんな彼女の「暗黒面」。

 
 
霧雨魔法店 〜 Magic Shop
 
 [タイトル]
 
 咲夜のストーリー、Stage3
 魔法の森(霧雨邸) 2nd Day 13:00
、魔理沙戦。
 「今日は間違いないわね。」
 
 魔理沙 「私に仕事の依頼か?」
 咲夜 「貴方はとうの昔に勘当されたんでしょ?」
 魔理沙 「あー?仕事自体は、まだ廃業したつもりは無かったんだがな。」

 とのこと。
 つまりは、物語では言及されない謎の実家からすでに勘当されているが、
 魔法の森で魔理沙は、実家が営んでいたのと同じ仕事をしている、ということだろうか。
 それが「霧雨魔法店」。
 蒐集家である魔理沙が、マジックアイテムを陳列して販売するとは考えにくく、
 魔法道具店という線ではないのでは、と考える。
 魔法使いが魔法を使って依頼に応えますよ、という魔法店だろうか。
 それじゃあ魔女の宅急便だしなぁ…
 そもそも、立地条件も悪く、店主に信頼性が欠乏している。

 
 
天に昇る魂 〜 Next World
 
 [タイトル]
 
 咲夜のストーリー、Stage4
 大木の有る墓地 2nd Day 21:00
、妖夢戦。
 ろくに情報も得られなかったが、その分容疑者は絞られた。
 つい先頃にも騒動を起こしたばかりの冥界人を訪ねるが、
 見張りも兼ねた庭師の登場。
 
 「昇天」には、天に昇ることと死去することの二つの意味がある。
 天国とか天に召されるとか。
 幻想郷の冥界も天高く在る。(東方妖々夢参照)
 妖夢 「また生きたまま冥界に来て…。そんなに死にたいの?」
 
 ・next world …「あの世、来世」

 
 
最も平和な丑三つ時 〜 Ghostly Hour
 
 [タイトル]
 
 咲夜のストーリー、Stage5 Masquerade
 白玉楼 2nd Day 26:30
、幽々子戦。
 草木も眠る丑三つ時。亡霊の姫も眠っていた様子。
 先の事件の犯人も、本件の犯人ではなかった、Masquerade
 
 ・丑三つ時 …「今の午前2時から2時半頃。真夜中。」
 
 昔は、一日24時間に十二支が割り当てられ、
 その中で丑の刻は、午前2時を中心とするその前後1時間ずつの約2時間を指した。
 それを4つに分割し、丑一つ、丑二つ、丑三つ、丑四つ、とおよそ30分刻みで呼称した。
 したがって、午前2時から2時半頃が、通例の丑三つ時である。
 午前0時を子夜(しや)、昼の12時を正午、正午を基準にその前後を午前・午後、というのは
 丑三つ時ともども、昔の時刻表現の名残である。
 
 この場面では、咲夜と幽々子の会話が交わされる時点で丑三つ時も終わらんとしており、
 それ以前の30分が丑三つ時であった。
 丑三つ時は、草木も眠る丑三つ時とか丑の刻参りとかに代表される様に、
 真夜中の静謐と暗黒が、昼間の喧騒と陽光の正反対であることから
 日常生活の顕界とは正反対である異界・冥界を連想する向きもあった様で。
 昼と夜の境界の黄昏(逢魔ヶ刻)も類似の連想だろうか。
 「遠野物語」で有名な柳田國男によると、妖怪は逢魔ヶ時に出現するもので、
 幽霊は丑三つ時に出現するものとされるそうな。
 つまりは、丑三つ時=幽霊の時間(Ghostly Hour)であると。
 が、そんな幽霊活劇の一般的な期待を裏切り、幽々子は早寝早起きの精神で
 折角の丑三つ時を何事も無く平和に過ごした訳で。
 幽霊が出ない丑三つ時は、危険も恐怖も無く、ただ暗闇と静寂の世界で、最も平和。

 
 
一日結界 〜 Daylight and Moonlight
 
 [タイトル]
 
 咲夜のストーリー、Border Line
 博麗神社(境界) Feast Day 17:00
、紫戦。
 宴会参加者では無いが、怪しい者と言えば、怪しさの塊しか残っていない。
 
 題意については霊夢の項を参照。
 
 東方妖々夢の会話で、橙の「呼ばれて飛び出て...」
 魔理沙は「出る杭は打たれる、か?」と返したが、
 同様に今回の紫の「呼ばれて飛び出てぇ」
 咲夜は「私のナイフは飛ぶ鳥も落とすわよ」と返している。
 それぞれ「出る」「飛ぶ」を拾って攻撃的なことわざで返す攻撃。

 
 
萃まる夢、想い 〜 Pandemoniac Land
 
 [タイトル]
 
 咲夜のストーリー、Immaterial and Missing Power
 幻想郷 Feast Day 19:00
、萃香戦。
 紫により霧散を解かれた萃香の登場。
 
 題意については霊夢の項を参照
 


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