人形租界の夜
[タイトル]
Stage3のタイトル。にんぎょうそかいのよる。
寒さも攻撃も厳しい、殺伐とした夜。
春を奪った犯人の手がかりは未だつかめず。
迷い込んだ先は人形遣いのフィールドであった。
・租界
…「19世紀後半〜解放前の中国の開港場で、外国人が行政権と警察権を握っていた地域」
イギリス租界、フランス租界などがあった。
詳しくは「明治十七年の上海アリス」の項を参照。
戦後の不平等条約などでの占領地みたいなもの。
ここでは、アリスの人形軍に占拠された領域を、「人形租界」と称したものと考えられる。
タイトルと共に以下の字幕も現れる。
"Is that it is snowing only this paradise?"
"The
paradise was already Alice's
playground."
「この楽園には雪が舞い散るだけでしょうか?」
「そこは既にアリスのテリトリーでした」
だから、雪だけでなく人形や人形からの弾が降り注ぐのですね。
ブクレシュティの人形師
[音楽]
Stage3のテーマ曲。
ブクレシュティ(Bucureşti)は、ルーマニア南部のワラキア地方にある首都。
ハンガリー語、ドイツ語、英語などでは「ブカレスト」と呼ばれ、
それに倣って日本でも「ブカレスト」が一般的。
第二次世界大戦以前は、その美しさから「小パリ」とも呼ばれた。
ブカレストには22の劇場があり、
その中にタンダリカ人形劇場(操り人形劇場;Teatrul
de Marionete Tandarica)がある。
アリス・マーガトロイド
[キャラクター]
Stage3のボス。
「七色の人形使い」
わりと普通の魔法使い。
種族としての魔法使いで、人間ではなく妖怪の側。
魔理沙は人間で、職業としての魔法使い。
アリスも蒐集家で、魔理沙とかち合うことも多く、わりと犬猿の仲。
万能の魔法使いで、属性の得手不得手はない。
作中では操り人形を介した弾幕を展開する。
主に魔法を扱う程度の能力を持つ。
アリスは、英語圏で一般的な女性の名前のひとつ。
筆頭はやはりルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」。
そして何より「上海アリス幻樂団」。
マーガトロイドは、アガサ・クリスティの作品からか。
レティシア・ブラックロックも登場する「予告殺人」には、
エミー・マーガトロイドという養鶏・養豚業を営む中年女性が、
「管理人の事件」には、キングスディーン荘の元管理人の
マーガトロイド老婦人が登場する。
【改訂用の備忘録】
ワイン・シャンパン用ボトルの50リットルサイズを
マーガトロイド
(Murgatroyd)
と呼ぶらしい。
ボトルサイズに合わせて聖書にあらわれる人名が当てられているそうだが、
なぜ50Lがマーガトロイドなのかは不明。
そもそも50Lなんてサイズがレア。
萃夢想でアリスが紫に強奪されたのがワインであった。
(元ネタスレ3.5の458より。多謝)
人形裁判 〜
人の形弄びし少女
[音楽]
アリスのテーマ。
人形裁判は、1986年のタカラ社とマーバ社(マテル社とバンダイ社の合弁)との間の
タカラ・バービー(当時はジェニー)人形とマーバ・バービー人形とが元となった
不当競争防止法違反を巡る裁判の通称。
アメリカでバービー人形のヒットを飛ばしたマテル社が、
タカラ社とライセンスを結び、タカラ・バービー人形を発売。
日本人受けするように人形の顔かたちやプロポーションなどを変更したバービー人形である。
しかし、売り上げや経営方針の違いからライセンス契約の更新は行われなかった。
その後マテル社は、タカラ社のライバルであるバンダイ社と合弁会社マーバを設立、
新たにバービー人形を発売すると発表する。
このマーバ・バービー人形が、細部に違いはあるが、
全体的にタカラ・バービー(この頃にはジェニーに改名済み)人形に似ているということで、
出荷差止の仮処分申請を東京地裁に出した事が人形裁判の発端。
翌年(1987年)、マーバ社が人形の顔を変えることを承諾し、和解。
その後、新しいマーバ・バービーが発売されるが、
人形裁判から受けた「バービーはジェニーのそっくりさん」との印象は拭えず、
業績不振から、1989年、マーバ社は解散。
ちなみに、バービー人形は、マテル社の創業者が旅行先のスイスで娘の土産にと
購入したセクシードールのリリ(Lilli)が元となっている。
人形は、人間の姿を模して作られた物を指す。(広義には動物や架空の生き物も含む)
先史時代から作られており、文化活動に根差すところは深い。
伝統行事、人形劇、玩具、鑑賞、蒐集、呪物、マネキン、かかし、副葬品など
様々な面で多種多様な人形が使用?される。
文化の原点とも見られることから、しばしば哲学的な考察の材料にもなる。
最近では、攻殻機動隊がらみの映画「イノセンス」作中での考察が印象深い。(個人的に)
アリスは、これより後の作品で特に、
魂を持ち自立して動く人形の研究に取り組んでいることを明らかにする。
また、魔法の森の中の住まいには、数多くの人形たち(専ら自作)があり、
人形に関しては製作者であり使用者であり研究者である。
オリジナルの、精度の高い探求・研究ともなれば、「弄ぶ」の表現も頷ける。
操符
「乙女文楽」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。おとめぶんらく。
ステージ中盤において、Hard および Lunatic
でのみ使用してくる。
アリスは大玉を一つ放つ。
大玉から複数体の人形が画面上部に横に広がって現れ、
人形たちはそれぞれ、レーザー照射、レーザーに沿って青弾丸を縦列に発射、
赤弾丸群を画面上方に向け複数個投射するという3つの攻撃を行う。
「文楽」は、文楽座、あるいは人形浄瑠璃の通称である。
文楽座は人形浄瑠璃専門の劇場で、明治末期には唯一であったため後者の意味がある。
文楽の操り芝居に用いる人形を文楽人形と呼び、
一つの文楽人形を三人で遣うものである。
首(かしら)と右手を遣う主遣い、左手を遣う左遣い、両足を遣う足遣いから成る。
その後、文楽座の焼失があり、文楽が衰退した大正末期の頃は素人浄瑠璃が盛んで、
そんな中、人寄せ策として、少女による一人遣い文楽(娘文楽)が考案された。
三人遣いの文楽人形の身体を細紐で一人の少女と連結し、
人形遣いの生の身体の動きを直接に人形の動きに置き変えようとするものである。
昭和初期にはこの技法がさらに発展され、
全盛期には「娘文楽」「大阪乙女文楽」「女文楽」の三座が活躍、
現在も、プロの人形遣いが僅かであるが、「乙女文楽」の活動は続いている。
アリスの他のスペルは「××の○○人形」というネーミングなのに対して
この「乙女文楽」は特殊。「なんとかの文楽人形」とできないわけではないのに。
これは、3成分の動き(攻撃)をする人形をアリス一人が操ることを
強調するために「乙女文楽」をはずしたくなかったのであろうか。
深読みだろうが、
森博嗣の「人形式モナリザ」に「乙女文楽」が描かれる。
乙女文楽が演じられる衆人環視の中、演者が殺害される。
蒼符
「博愛の仏蘭西人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。はくあいのふらんすにんぎょう。
アリスの周囲を複数体(難易度により変化)の人形が廻る。
人形から青楔弾が一発ずつ放たれる。
青楔弾は突如方向を転換、7つの白楔弾に分裂する。
白楔弾はまたも突然方向を転換、同時にそれぞれ7つの赤楔弾に分裂、
最終的には画面中にその赤が印象強く広がることになる。
・博愛 …「すべての人を等しく愛すること」
仏蘭西はフランスの当て字。他に佛蘭西、法蘭西とも書く。
当て字としては仏蘭西が良く用いられ、仏と略すのはこれに由来する。
弾幕の青→白→赤の変化はフランス国旗にちなむ。
フランス国旗は左から青、白、赤のトリコロール(フランス語で三つの色の意)。
それぞれ自由、平等、博愛を表す。
スペル名の「博愛」はここから取られ、
攻撃本体が画面中に広がる「赤」であることが知れる。
となると、スペルの種類、「蒼」符がひっかかる。
フランス人形(ビスクドール)の、印象的な蒼い瞳を指すか。
フランス人形のイメージ検索→[リンク]
(以下、方向違い覚悟で深読み。)
赤=博愛と同様、トリコロールにちなむと蒼=自由。
自由+フランスで自由フランス(France
libre)に行き当たる。
第二次大戦中、ナチスドイツのフランス占領に対して戦った抵抗運動(レジスタンス)である。
下記「オルレアン」でジャンヌ・ダルクと百年戦争を考えるならば、
このスペル「フランス」では自由フランスで関連が取れる。
そもそも、フランス国旗はフランス革命軍が帽子につけた帽章の色に由来し、
いわば革命運動の象徴である。
単純に、フランス国旗では
左から青・白・赤の順に並んでいるから「蒼符」としたとも考えられる。
これについては、「紅毛の和蘭人形」「白亜の露西亜人形」も参照されたい。
蒼符
「博愛のオルレアン人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。
Lunatic
のみで使用してくる、博愛の仏蘭西人形の上位版。
アリス周囲の人形数は8体。
それらから1つずつ青楔弾が放たれ、折り返しと同時に5つに分裂する。
青→白→赤→緑と、一段階多く分裂する。
オルレアン(Orléans)はフランス中央部の都市。
歴史的には、百年戦争時(14〜15世紀)にジャンヌ・ダルクにより
イギリス軍から解放された街として知られる。
ジャンヌ・ダルクはオルレアンの乙女とも呼ばれる。
オルレアン解放に伴いフランス側の形勢は逆転し、
ジャンヌ・ダルクはフランスの勝利に貢献した国民的英雄とされる。
オルレアン人形の実在は知られていない。
「博愛の仏蘭西人形」の上位ということで、
フランスの国家体系と国民の帰属意識が形成されるにつながった源である百年戦争
あるいはその勝利の起点であるオルレアンを意識してのことだろうか。
楔弾メインの「緑」が由来不明。
単純にRGBカラー(光の三原色)にちなみ、赤・青・緑のうちの
未使用色を選択したものか。
赤・青・緑の光を重ね合わせると白色になる。
紅符
「紅毛の和蘭人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。こうもうのおらんだにんぎょう。
画面上部に横並びに配置された人形それぞれから
四または六方向に弾群が放たれる。
弾群を構成する粒弾は微妙にベクトルが違い、飛程が伸びるほど拡散する。
・紅毛(こうもう)…「赤毛、紅毛人(江戸時代にオランダ人を指した語)」
紅毛は上記の通り、赤毛や赤毛の外国人を指すが、
江戸時代頃には専らオランダ人を指し、後には西洋人一般をも指すようになった。
また、17世紀にオランダ人が築いた台湾のブロビィンデンジャ城は紅毛城と呼ばれる。
「和蘭」は漢字による当て字で、「オランダ」である。
他にも和蘭陀、阿蘭陀とも表記する。蘭と略される。
オランダ人形のイメージ検索→[リンク]
なぜ「紅」符かと言えば、上記の通り、
オランダ人形 →オランダ人
→紅毛人、の流れからだろう。
もう一つの考えがあり、
これは前述の「博愛の仏蘭西人形」、後述の「白亜の露西亜人形」とも関連する。
オランダの国旗は、フランスの国旗と同様、青・白・赤の三色からなる。
フランスが左から青・白・赤の並びであるのに対して、
オランダは上から赤・白・青である。
先に述べてしまうが、ロシア国旗も同じ三色から成り、
上から白・青・赤であり、「白亜の露西亜人形」は白符である。
よって仏蘭西人形は蒼符、和蘭人形は紅符、露西亜人形は白符と
非常に上手い具合にマッチする。
白符
「白亜の露西亜人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。はくあのろしあにんぎょう。
Hard、Lunatic
で使用してくる、紅毛の和蘭人形の上位版。
左上→右上→右下、あるいは右上→左上→左下のL字型に順に人形が配置され、
そして順にそれぞれ六方向に弾群を放つ。
弾群を成す粒弾のベクトルはやはり微妙に異なり、少しずつ拡散していく。
・白亜
…「白い壁、北西欧州に分布する細粒白色の石灰岩」
北西ヨーロッパに、石灰質プランクトンの遺骸に由来する、
白亜系と呼ばれる地層・岩帯がある。
細粒白色の石灰岩で、整形加工したものがチョークである。
チョークのことを白亜と呼んだりもする。
また、白亜系が形成された時代ということで、その年代を白亜紀と言う。
これらはすべて余談。(ぉ
ここでの白亜は、白い壁である。
(ホワイトハウスは訳語で白亜館という)
ロシアで「白亜」と言えば、世界遺産の
「ウラジーミルとスズダリの白亜の建造物群」である。→[イメージ検索]
露西亜はロシアの当て字。略称は露(最近はロとも)。
ロシア人形と言えばマトリョーシュカが有名。
ロシア人形のイメージ検索→[リンク]
「白符」の所以は前項「紅毛の和蘭人形」を参照されたい。
オランダの国旗とロシアの国旗はとても似ている。
どちらも横縞で、三色の配置が異なるだけである。
オランダ:上から赤・白・青、ロシア:上から白・青・赤。
そのため、オランダの国旗(世界最初の三色旗と言われる)をロシアが真似て、
色の順番を変えただけであるとの説がまことしやかにささやかれたりする。
が、ロシアの国旗が定められた頃は、
オランダ国旗は橙・白・青の三色であったためこの説は誤っている。
このあたりを踏まえて、
紅毛の和蘭人形の上位版に白亜の露西亜人形を据えたのだろうか…?
闇符
「霧の倫敦人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。きりのろんどんにんぎょう。
アリスの周囲を複数体の人形が回転、
それぞれから全方位に粒弾が乱射される。
弾源が複数あるために、各弾道が複雑に交差飛来する。
倫敦はロンドンの当て字。
ロンドンと言えば霧の都で有名である。
霧による遮光あるいは光の散乱により、
ぼんやりした、または暗いというイメージが染み付いた街で、
産業革命の頃から長い間は街中の建物が排気ガスで黒く汚れ、
暗いイメージをさらに引き立てていた。
暗いととらえるか、ぼんやりと明るい様が神秘的と捉えるか、
主観によりまちまちだが、多くの文学作品・絵画・ゲーム・アニメなど
ロンドンが関われば霧というのはもはや揺るぎない。
近年は酸性雨の影響から、建物の黒ずみは落ちてきているらしい。
ロンドンの霧は、その移ろいやすい天候を反映してのもの。
年中雨の日が多く、特に冬場には霧が発生しやすい。
イギリス西岸まで至る暖流の北大西洋海流と、その上空を偏西風が流れることで
温暖な西岸海洋性気候となるのは中学の地理で習うことだが、
この湿った暖かい空気が、陸地の冷たい空気に触れ、霧が生じる。
イギリスと言えば、妖精・怪物・怪異・幽霊の宝庫である。
ポルターガイスト、切り裂きジャック、ストーンヘンジ、租界…と
東方シリーズとの関連も深い。
廻符
「輪廻の西蔵人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。
りんねのせいぞうにんぎょう。あるいはりんねのちべっとにんぎょう。
Hard
でのみ使用してくる、霧の倫敦人形の上位版。
アリスの周囲を巡る六体の人形が、それぞれ全方位に楔弾を打ち出す。
西蔵(せいぞう)は、「チベット」を変換すると出てくる漢字だが、
実のところ厳密には西蔵=チベットではない。
西蔵は、チベットの西部から南部にかけての地域をまとめて呼ぶ場合の中国語の呼称で、
中国の定める、チベット民族の民族区域自治単位としての「西蔵自治区」に当たる。
チベットは、ヒマラヤ山脈、崑崙山脈、祁連山脈、横断山脈に囲まれる、
チベット高原上に位置する地域を指す。
チベットの方が西蔵よりも面積は広い。
中国国外では、西蔵をこのチベットの意味で用いたりすることもあるので
あまりこだわらなくてもいいのかもしれないが…。
輪廻(りんね)は、ヒンドゥー教、仏教の用語で、
人が何度も転生し、人や動物などに生まれ変わることを言う言葉。
ヒンドゥー教では教義の根幹で、信心により次の輪廻では位が上がると言われる。
業(カルマ)の結果が前世から影響することもあり、
業を超越しない限り永遠に生まれ変わり、次の生は前の生の業により決まる。
仏教に取り入れられたのは観念としての輪廻であり、仏教教義としてではない。
一般に浸透していた輪廻の概念を否定せず、方便として認め、
これを「苦」として、輪廻からの解脱をその教義としていた。
チベット仏教は、地理・民族的影響から、
インドからの伝来後は他の地域とは違った独自の仏教思想の発展を遂げ、
インドでの後期仏教思想の影響を色濃く残している。
そのチベット仏教の最高指導者が、かの有名なダライ・ラマである。
代々、予言に基づいた生まれ変わりにより引き継がれており、現在は14代目である。
先代ダライ・ラマの没後、次のダライ・ラマの生まれる地方や特徴が予言される。
その場所の生まれたばかりの乳児に、先代ゆかりの品への愛着やクセなどで
前世の記憶を試し、ダライ・ラマの生まれ変わりと認定する。
雅符
「春の京人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。
Lunatic
でのみ使用する、輪廻の西蔵人形の上位版。
アリスの周囲に14体の人形が廻り、それぞれが全方位に粒弾を放つ、
むしろ霧の倫敦人形の特上版。
京人形は、広義には京都で作られた人形を指す。
市松人形、鴨川人形、嵯峨人形、御所人形がある。
狭義には、少女のおかっぱ姿の人形で、着衣を別に作って着せたりする。
京人形と市松人形は分けて分類されることもある。
京人形、市松人形、東人形をまとめて「やまと人形」と総称したりもする。
衣装は購入者が作製する着せ替え人形。
御所人形は特に赤子をかたどった人形を言う。
また、「京人形」は、常磐津長唄で、
人形に魂が入って踊りだすという趣向の舞踊・音曲の名称でもある。
さらに、市松人形の中には「呪いの市松人形」として名を馳せる?ものもある。
余談・深読みか、かすっているかはわからないが、
雅符で「ガフ」と読むと、
エヴァンゲリオンでも単語が登場した「ガフの部屋」を連想してしまう。
ヘブライの伝説にある、天国の神の館の中にある「魂の住む部屋」で、
この世に生まれてくる子供はこの部屋から魂をもらうとされる。
魂関連ということで。
霧と怪異のロンドン、輪廻と転生のチベット、それらの上位となると
魂をあてがってもなんら違和感のないところ。
咒詛
「魔彩光の上海人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。まさいこうのしゃんはいにんぎょう。
アリスから放射状に飛散する青楔弾と、曲線軌道で飛来する大玉が放たれる。
また、アリスの周囲を複数体の人形が巡り、
黄色と褐色の楔弾を経路上円形に配置していく。
配置された楔弾はそのまま円の外側に拡散、あるいは円の中心を通ってから拡散する。
彩光
…「美しくいろどられた光」
咒詛の「咒」は「呪」の旧字体。
呪詛は、特定の人に災いがかかるように神仏に祈ること、呪うこと。
「魔」は魔都・上海からか。
「ロボットの夜
-異形コレクション-」に収録の速瀬れいの短編、
「上海人形」にちなむか?
上海アリス幻樂団だから上海+アリスの組合せははずせなかったというだけか。
咒詛
「首吊り蓬莱人形」
[スペル]
アリスのスペルの一つ。くびつりほうらいにんぎょう。
Lunatic
でのみ使用してくる、魔彩光の上海人形の上位版。
「上海人形」では全方位に飛散していた黄色楔弾が、
このスペルでは全て自機側に降ってくる。
蓬莱とは、古代中国の神仙思想で、
東の海上にある仙人が棲むと言われていた五神山の一つ。
不老不死の地と信じられた。
一説には台湾を指すとも、日本を指すとも言われる。
また、台湾や熱田神宮、富士山など霊山の異名としても用いられる。
始皇帝は不老不死を求め、徐福を蓬莱の国(日本)へと発たせた。
また、かぐや姫の5つの難題の一つが蓬莱の玉の枝であり、
これは「蓬莱山にある不死の薬となる玉の枝(宝石の実る木)」であるとの説がある。
徐福伝説・蓬莱伝説を踏まえると、もはや蓬莱=不老不死の代名詞である。
次作の「東方永夜抄」ではこのあたりが肝になり、
蓬莱の「弾」の枝(スペル)、蓬莱の薬(スペル)、徐福時空(スペル)や
不老不死となった人間を人間にカテゴライズできるか、という観点から、
「蓬莱の人の形」(不老不死の、人の形をした何者か、の意)と称される者も登場する。
「首吊り蓬莱人形」は、蓬莱の人形の首吊り、または
上記の様に、不老不死者の首吊りを意味するか。
ちなみに首吊りは、気管狭窄による呼吸困難や頸動脈圧迫による脳虚血よりも、
首を支点に自重が働いて起こる頸椎脱臼により死亡する。
頸椎脱臼は、実験動物の安楽死方法の一つである。
必殺仕事人がコキャッとやるアレ。
不死者はこれでも死なないから不思議なものである。
ZUN氏の、というか上海アリス幻樂団の同人CDに、
「蓬莱人形 〜Dolls in Psuedo
Paradise.」がある。
psuedoはpseudo(偽りの、ニセの、見せ掛けの)の誤字か。
偽りの楽園(蓬莱の地)の人形。
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