項目 / 自機 / Stage1 / Stage2 / Stage3 / Stage4 / Stage5 / Stage6 / ED

Extra / Phantasm // Acknowledgements & References

「東方備望録」TOPに戻る


白銀の
 
 [タイトル]
 
 Stage1のタイトル。
 暦の上では春でも、冬が終わらない。
 春を探して出立。
 桜花混じりの風雪を頼りに風上へ。
 雪深い山奥へ。
 
 タイトルとともに以下の字幕も現れる。
 
 "Cherry petals must have fallen like snowflakes..."
 "However, it was still silvery snow."

 
 「時節は桜花が雪片の様に舞い散る頃」
 「だが、銀雪の降り舞うばかりであった」
 てな感じか。(意訳)
 
 よしの山 さくらが枝に 雪ちりて 花おそげなる 年にもあるかな
 (西行法師・新古今和歌集)
 と、勝手に西行の歌を見立ててみる。

 【改訂用の備忘録】
 空寒み 花にまがへて 散る雪に 少し春ある 心地こそすれ
 (枕草子、二月つごもり頃に)
 (2008年2月10日の拍手メッセージより。感謝)

 
 
無何有の郷 〜 Deep Mountain
 
 [音楽]
 
 Stage1テーマ曲。
 〜無何有の郷(むかうのきょう)。
  一言で言えば人里はなれた山奥です(笑)〜
 〜曲名(何か有るという事が無い)通り、
  手付かずの自然をイメージしてあります。〜

 (曲解説より)
 
 ・無何有むかう、むがう、むがゆう)…「作為が無く自然なこと。また、そのような境地」
 
 中国の思想家・荘子が「逍遥遊」にて記述したのが最初。
 老子の無為自然の思想を継承、発展させた思想家として知られ、
 形あるものの無い世界、何もののあることなし、の意で
 「無何有之郷」の造語を用いた。
 のちに、(荘子の)理想郷=「無何有之郷」とされた。
 日本では無何有の郷(さと)、無何有郷(むかうきょう)などとされる。
 15世紀のトマス・モア著「ユートピア」についても、
 「どこにもない所」が原義であるため「理想郷」あるいは「無何有の郷」と訳された。

 
 
レティ・ホワイトロック
 
 [キャラクター]
 
 Stage1のボス。
 「冬の忘れ物」
 冬になると自然に湧く妖怪で、冬であることが幸せ。
 幸せを破ろうとする主人公にちょっかいをだす。
 ただ、春の訪れこそが自然であり当然であることを判っているため
 本気の攻撃ではない、らしい。
 主に寒気を操る程度の能力を持つ。
 
 アガサ・クリスティの「予告殺人(A Murder is Announced)」に登場する、
 レティシア・ブラックロックにちなむと思われる。
 レティシアなので愛称はレティ。
 リトル・パドックスの女主人にして、「予告された殺人」の標的。

 【改訂用の備忘録】
 ブラックロックから黒色。
 または、五行思想から、冬の水行は黒色。
 冬を言う 「玄冬」 という言葉もある。

 
 
クリスタライズ・シルバー
 
 [音楽]
 
 レティのテーマ。
 〜白銀の雪の結晶のイメージで。
  決して銀の結晶ではありません。〜

 (曲解説より)
 
 ・crystallize …「結晶化させる、具現させる」
 
 Crystallize Silver.
 「白銀の結晶」
 silver には「雪」の意味はないけど、
 そこは予め曲解説でも言及されていることだし、
 ここは「雪の結晶化」のニュアンスで。

 
 
霜符 「フロストコラムス」
 
 [スペル]
 
 道中で中ボスとして現れるチルノが、
 難易度 Hard と Lunatic で使用するスペル。
 線状に氷弾を自機照準 or not で発射、
 線状の縦列氷弾とは角度を変えて、霜柱に見立てた並列氷弾を飛ばす。
 
 ・frost …「霜、結氷、氷点下、冷淡さ」
 ・column …「円柱、柱、新聞の縦の段、コラム、縦の行、船隊の縦列」
 
 Frost Columns.
 「霜柱」
 冬の夜、土中の水分が毛管現象で地表にしみ出し
 凍結して出来る細い氷柱の集まりが霜柱
 また、シソ科に霜柱という名の多年草がある。
 秋に葉のわきから穂を出し、白い花を総状につける。
 冬に枯れた茎に氷柱が出来る。雪寄せ草とも呼ばれる。
 
 column は発音注意英単語で、「カラム」と発音する。
 受験生諸氏には留意願いたい。
 新聞の「コラム」も日本語化していることだし、
 テストや英会話や専門家で無ければ「コラム」で問題は無し。

 
 
寒符 「リンガリングコールド」
 
 [スペル]
 
 レティのスペルの一つ。
 棒状の弾群を自機照準で放つ。
 と、捕縛ネットの様に弾丸が散開し飛来する。
 また、画面中 連鎖的に霧が発生し、霧の中からも弾丸が放出される。
 
 ・lingering …「長引く、ぐずつく、名残惜しそうな、なかなか消えない」
 
 Lingering Cold.
 「こじらせた風邪」ではない。
 「長引く寒さ」。
 もしくは「残寒」という感じか。

 
 
冬符 「フラワーウィザラウェイ」
 
 [スペル]
 
 レティのスペルの一つ。
 柔軟で短いレーザー?が数本、小刻みに氷弾を放ちながら
 レティの周囲を回り、花のような形を描いて飛び去る。
 
 ・wither away …「太陽・暑さ・寒さなどが植物などをしおれさせる、枯らす」
 
 Flower Wither Away.
 「花は枯れ果て」。
 木枯らしならぬ「花枯らし」とか。

 
 
白符 「アンデュレイションレイ」
 
 [スペル]
 
 レティのスペルの一つ。
 フラワーウィザラウェイの上位版で、難易度Hard でのみ使用。
 へにょりレーザーの軌道や氷弾のスピードとパターンが異なる。
 
 ・undulation …「波動、うねり、起伏、脈動、振動」
 
 アンデュレイションは、物理的な波(音波や振動波など)やその振幅または
 地形の起伏(ゴルフ用語のアンジュレーション)、波のうねりなどを指す。
 音楽用語では弦楽器のヴィブラートや、音波のうねりを指す。
 undulazione(ウンドゥラツィオーネ)
 
 Undulation Ray.
 「波動光線」「うねる光線」
 冬や寒さに関する「波」と言えば、「寒波」が考えられるが、
 これは「wave」の波であるため不適当。
 いっそ「凍てつく波動」ということで(ぉぃ)
 
 ひょっとすると、白符の「白」とアンデュレイションの「うねり」で、
 妖怪・白容裔(しろうねり)だろうか。
 江戸時代の妖怪絵師・鳥山石燕は、
 徒然草の「しろうるり」を洒落て、風になびき、うねり、龍の如き正体不明の
 古布巾の化け物を白容裔とし描いた。
 しろうるりとは、徒然草 第六十段の真乗院の盛親僧都の話に由来する。
 この僧都がある坊さんを見て「しろうるり」と渾名をつけるが、
 何の事かは不明で、つけた本人も
 「わしも知らん。もし存在するなら貴方の顔に似ているだろう」と。
 それゆえに「しろうるり」とは正体不明のものを指すようになった。
 白容裔も同じもの、正体不明、ということで、
 白符「アンデュレイションレイ」=「正体不明の光線」
 
 冬符「フラワーウィザラウェイ」(Easy、Normal)と
 怪符「テーブルターニング」(Lunatic)の間にあたる
 白符「アンデュレイションレイ」はその境界で正体不明。

 
 
怪符 「テーブルターニング」
 
 [スペル]
 
 レティのスペルの一つ。
 アンデュレイションレイのさらに上位版で、難易度Lunatic にて。
 
 Table Turning.
 「テーブル傾転」。
 コックリさんの起源で、西洋版の占い遊び。
 不安定なテーブルの上に数人が手を置き、
 テーブルが傾いたり回ったり床を叩いて音を出したりすることで
 霊との会話をするという降霊術の類。
 テーブルの傾く様から日本では「こっくりさん」と呼ばれた。
 さらにそののち、西洋起源の別の心霊遊びである
 「ウィジャ盤(ウィジャボード)」の様式が取り入れられ、
 また、低級な動物霊のストーリーと結びつき
 「狐狗狸さん」の当て字が為された。
 これらのゲームにはバックストーリーやリスク面の強調がないと締まらないのであろう。
 それっぽい雰囲気づくりがきっと大切なのだ。
 メカニズムは、単なる暗示や潜在意識と不覚筋動で説明される。
 予めルールやストーリー付けがなされ、
 また、複数人が絡むことで自覚も希釈され、
 全てが霊的な存在による自動書記と思い込んでしまう。
 集中と暗示からトランス状態に陥ることもあるそうな。
 
 レティが突然霊的なスペルを唱えるわけだが、
 なるほど寒気(かんき)と寒気(さむけ)を掛けてのことですな。
 寒気を操る程度の能力者、レティの怪符。


 項目 / 自機 / Stage1 / Stage2 / Stage3 / Stage4 / Stage5 / Stage6 / ED

Extra / Phantasm // Acknowledgements & References

「東方備望録」TOPに戻る