項目LV1LV2LV3LV4LV5LV6

LV7 / LV8LV9LV10 / EX

Acknowledgements & References

東方備望録TOPへ戻る


Level 5
 
 [ステージ]
 
 全8シーン。
 うちスペルカードは7種。
 ステージは紅魔郷Stage5。紅魔館内廊下。
 
 被写体は、
  紅美鈴、ターゲットコードネーム:色鮮やかに虹色な門番
  パチュリー・ノーレッジ、ターゲットコードネーム:得体の知れない魔法の元
 の2名。



日&水符 「ハイドロジェナスプロミネンス」
 
 [スペル]
 
 パチュリーのスペル。
 パチュリーから全方位へ、32WAYの赤大玉と48WAYの水レーザーが放射される。
 いずれも自機照準。
 続いて、パチュリーの周辺で赤小弾と青小弾をばらまく炸裂が1つずつ発生する。
 撮影成功毎に多段階強化。
 小弾群の炸裂が赤青それぞれ1つずつ増大する。
 
 ・hydrogenous …「水素の、水素を含む」
 ・prominence …「目立つこと、卓越。重要。卓立。突出物。目立つ物。紅炎、プロミネンス」
 
 プロミネンスは太陽表層で観測される現象。
 太陽表面のすぐ外側を覆う薄い大気層、彩層の一部が
 太陽において絶えず変化する磁場に沿って
 外側の大気層であるコロナ中へと突出したものである。
 磁力線に沿って時に大量のプラズマが太陽の上空高く放り出される。
 光り輝くガスは秒速 500 km という猛烈なスピードで10万 km 以上も噴き上がることもある。
 優雅な環を作ることもあれば、数ヶ月も雲の様に浮かんでいることもある。
 彩層は4400〜5500度、コロナは100万度と言われる。
 ちなみに、彩層で時折発生する爆発現象がフレアである。
 (参考:日符「ロイヤルフレア」
 
 太陽は主に水素(73%)とヘリウム(25%)から成る。
 プロミネンスの主体もプラズマ化した水素であり、従って「水素を含む」。
 水素の英名 hydrogen は、「水を生ずるもの」が原義である。
 高温の水素を地上で突出させれば、水素と酸素が結びつき、水が発生する。
 というか、爆発するが。
 
 Hydrogenous Prominence.
 「水を生ずる紅き炎」
 水素を含む意と水を発生させるの意の両者を含むだろうか。
 レーザーも水に見えない事もないし。
 したがって水符
 また、太陽で起こる現象のプロミネンスのため日符であると同時に
 紅魔館住人であることからプロミネンスの別名「紅炎」も関わるだろうか。
 
 試験的な合成魔法で、太陽と水が無意味に力を打ち消しあう。

 参考
 「ジーニアス英和辞典」大修館書店
 「Wikipedia」(紅炎彩層太陽水素
 「140億光年のすべてが見えてくる 宇宙の事典」ナツメ社
 「宇宙大紀行 −タイム・トリップ200億年への招待」福武書店



華符 「彩光蓮華掌」
 
 [スペル]
 
 美鈴のスペル。さいこうれんげしょう、あるいは、ツァイコアンリェンホアチァン
 (cai guang lian hua zhang)
 美鈴から虹色の米弾が自機基準で放射される。
 米弾群は七つの花弁を持つ花を象ったのち、
 短い断片からさらに個々の米弾へとばらけて飛散する。
 撮影枚数に応じた強化は無い。
 
 ・蓮華 …「ハスの花。蓮華草の略。散り蓮華の略」
 
 ハスは、地中の地下茎から茎を伸ばして水面に葉と花を出す多年生水生植物。
 英名の "lotus" は上海アリス幻樂団や東方シリーズでしばしば登場する。
 ハスの花イコール蓮華(蓮花)である。
 以前はよく混同されたハスとスイレンも、
 現在では全く系統が異なることが明らかとなっている。
 
 仏教では蓮華は極楽浄土の象徴であり、釈迦は蓮華に座して瞑想し、
 蓮華を象った台座の上に仏像が乗せられる。
 また、極楽浄土には花弁が8枚のハスの花、八葉の蓮華はちようのれんげ)があるとされる。
 本スペルは虹の七色に基づいてか、完全であることに及ばないのか、1葉足りない。
 7は西洋でラッキーセブン、縁起の良い数である。
 
 武術・格闘技における突き技に、掌で相手の顎などを打つ当て方として掌底や掌打がある。
 中国武術には八卦掌はっけしょう)があり、柔の太極拳や剛の形意拳の中庸とも例えられる。
 
 虹色に美しく彩られた蓮の花。
 ハスの地下茎はレンコン(蓮根)として食用になる。

 参考
 「Yahoo!辞書」(蓮華、八葉の蓮華)
 「Wikipedia」(ハススイレン突き技八卦掌
 「季節の花 300」(蓮、睡蓮)



水&火符 「フロギスティックレイン」
 
 [スペル]
 
 パチュリーのスペル。
 青火焔を帯状に2本、互いに逆回転で巡らせる不可避弾幕。
 また、1・2・3・・・7個の光弾組を2セット放つ。
 これらはセット毎に自機照準。
 撮影枚数に応じた強化は無い。
 
 ・phlogistic …「フロギストン(燃素)の、炎症性の」
 
 化学の歴史を振り返れば、ひとくちに古代と言われる長い期間に錬金術は含まれ、
 広く西欧で17世紀頃まで目標に達することなく実りの少ないままの時代が続いたと言える。
 17世紀の後半から18世紀にかけては、化学者達の関心は燃焼の本質に集中した。
 燃焼には空気が必要であるという考えが次第に理解を広めると共に
 古くから存在する、燃焼を火の原素で説明しようとする考えも根強く、
 フロギストン説(燃素説)が唱えられて以降は
 ドイツを中心に18世紀末まで化学の主流を占める考えとなった。
 フロギストンは、実体は無いが空気より軽く、
 燃えやすい物ほどフロギストンを豊富に含んでいるものとされた。
 燃焼とはフロギストンが物質から空気中に逃げ出すことであり、
 燃焼に空気が必要であるという事実は、
 空気がフロギストンを運び去るのに不可欠の媒体であるからだと説明付けられた。
 金属が加熱されて金属灰となると重さが増すのは、
 フロギストンが負の質量を持ち、これが金属から放出されたためだとする説もあった。
 金属よりも木炭は燃えやすく、そのためフロギストンも大量に含まれる。
 金属灰と木炭を加熱すると元の金属に戻るのは、木炭のフロギストンが金属灰に移動したため。
 密閉容器で燃焼が続かず火が消えるのは、容器内の空気がフロギストンで飽和されるためなど
 燃焼のあらゆる事象を説明しうるものであった。
 18世紀末に酸素の発見、質量保存の法則の発見が為されるに到り、
 燃焼の理論が確立されたことでフロギストン説は幻想となった。
 
 Phlogistic Rain.
 「燃素の雨」
 幻想となった原素が燦然と輝きさめざめと降る。
 可燃物の檻から解放された燃素は拡散し、あるいは別の檻に宿る。
 その影響は生物にも係り、生命の息吹に混在する。
 燃焼の実体は酸素。
 初めから檻になど囚われてはおらず、
 空気中に存在し、燃焼や呼吸に深く関わる、酸の素。
 酸性雨。(違)
 
 ついでながら、他の「レイン」も挙げる。
  rhein … 大黄(ダイオウ)に含まれる大黄酸。芳香成分である。
  lane … 小道。通り。通り道。
  reign … 治世。統治。君臨。支配。
  rein … 手綱。制御手段。
 燃焼に関わる事から火符、レインという事で水符と思われるが、
 雨のレインの他に弾幕形状からは手綱のレインも含まれるかも。

 参考
 「SPACE ALC」(phlogiston、phlogistic、レイン)
 「Wikipedia」(フロギストン説
 「化学」三共出版
 「植物用語辞典」(rhein)



彩翔 「飛花落葉」
 
 [スペル]
 
 美鈴のスペル。ひからくよう、あるいは、フェイホアルゥオイエ
 (fei hua luo ye)
 美鈴の飛び蹴りに伴い多量の虹色米弾が発生、全方位に放射される。
 一部の米弾にはチャンス魔法陣と同時に加速度がかけられ、
 弾道を変えて増速しながら飛散する。
 撮影成功毎に多段階強化。
 飛び蹴りの間隔が短く。
 
 ・飛花 …「風に飛び散る花」
 ・落葉 …「葉が落ちること。また、その落ちた葉」
 ・飛花落葉 …「花が散り、秋には葉が色づいて落ちること。
           絶えず移り変わる世の中の儚いことの例え」
 
 春と秋に染み入る無常。
 仏教では、仏の教えあるいは師の無いまま、
 世の中の無常を観じて独力で悟った者を指して縁覚(えんがく)と言う。
 この時、無常あるいは因縁の道理の例として飛花落葉がしばしば示される。
 
 自然は刻々と移ろい、彩りを披露しては短時間に損なわれる。
 翔ける様に一瞬の視覚に息づく美を見出し、その死に儚き美を見出す。
 年という周期に乗って巡る季節の輪廻に世の理を知れば、
 尺度の違いだけで人の生もまた同じであると知る。
 自然界の彩りは留め置くことは叶わず、空を翔ける鳥の様に手も届かぬものとも思えるが、
 人もまた自然であり、美は手に入れようと望むまでもなく一体である。
 一体だからこそ、飛び蹴りと彩光の華にて体現可能。
 
 と、強引なこじつけは置いといて…
 「」は空高く飛ぶ、の意。
 また、「かけり」と読めば、能の働き事の一。
 修羅物で戦闘の苦患(くげん)、狂女物で狂乱の様など興奮状態を表す。

 参考
 「Yahoo!辞書」(飛花、落葉、飛花落葉、縁覚、翔)
 「Wikipedia」(縁覚
 「WikiArc」(えんがく



月&木符 「サテライトヒマワリ」
 
 [スペル]
 
 パチュリーのスペル。
 画面中央に位置するパチュリーを挟むかたちで
 2つの弾源が同一円上を巡り続けるパターン弾幕。
 一定光の緑の弾源は同じ速度の緑米弾群を、
 脈動光の黄の弾源は3種の速度の黄米弾群を、
 それぞれ米弾の方向を僅かずつ変化させながら軌道上に多量に設置してゆく。
 撮影枚数に応じた強化は無い。
 チャンス魔法陣も発生しない。高得点の鍵は黄米弾。
 
 ・satellite …「衛星。人工衛星。従者、取り巻き。衛星のような。二次的な」
 
 Satellite Himawari.
 「衛星ひまわり」
 
 天気予報でおなじみの、気象衛星ひまわりである。
 地球と同じ自転周期で巡るため、地上からは上空に静止しているように見える
 いわゆる静止衛星
 単純化された系では静止軌道上では遠心力と引力が釣り合い、
 半永久的に軌道を維持する様に思えるが、
 実際は地球の重力場の不均一性や太陽・月による引力の影響を受けるため
 静止軌道を維持する必要があり、静止衛星はしばしば軌道制御を行わなければならない。
 通例、姿勢制御用の燃料が少なくなると、人工衛星は残りの燃料を使って
 墓場軌道と呼ばれる位置に上昇し、投棄される。
 歴代のひまわりは燃料を消耗する前に設計寿命を向えたが、
 ひまわり5号については後継機が打ち上げ失敗に見舞われたことで
 米国の気象衛星がある期間業務をカバーした。
 1〜5号が静止気象衛星GMS、6、7号が運輸多目的衛星MTSATとされており、
 それらの愛称が「ひまわり」である。
 いつも地球を同じ方向から見ていることと、日に1回 地球を回ることから
 植物のヒマワリにちなんで名付けられたとされる。
 ひまわり7号は2006年2月に打ち上げられたもので、同年9月より待機運用が開始された。
 すなわち、「東方文花帖」リリース時にはひまわり6号までが歴代のひまわりであった。
 ひまわり6号は、赤外チャンネル4つと可視チャンネル1つを組込んだイメージャを
 搭載しており、気象衛星としての観測機能が強化された他、
 航空管制機能も併せ持ち、それゆえ運輸多目的衛星という名称である。
 
 2006年11月時点の話題だが、静止軌道上にはひまわり6号と7号が存在している。
 ひまわり6号は東経140度、ひまわり7号は東経145度の静止位置である。
 7号は6号の緊急時バックアップ用として2010年の使用開始予定まで待機、
 その後は6号がバックアップとして待機し、後継機を待つことになろう。
 これらの態勢を踏まえれば、静止軌道を2基のひまわりが巡ることは
 珍妙なことでは無いようである。
 が、そこまでスペル形状に反映されているかは不明。
 黄色はヒマワリの多数の花弁や種に、緑色は丈夫で太いヒマワリの茎に
 見立てられていると考える方がよいかもしれない。
 
 人工だが、地球の衛星ということで 月符
 植物のヒマワリに由来するということで 木符

 参考
 「Wikipedia」(ひまわり(気象衛星)静止衛星
 「気象庁」>気象等の知識 >気象観測・気象衛星 >気象衛星観測について



彩華 「虹色太極拳」
 
 [スペル]
 
 美鈴のスペル。にじいろたいきょくけん、あるいは、ホゥォンソタイチチュィアン
 (hong se tai ji quan)
 美鈴から7WAY(7色)の棘弾が放射される。
 棘弾は小さな曲線を描いて美鈴の元へ戻り、
 曲線軌道のまま再び外向きとなると今度はそのまま外方向へ射出される。
 弾源で砲塔が回転しているため外方向への射出も従って螺旋を巡り、
 七筋の曲線が描く渦となる。
 わずかに図形が乱れるのは美鈴が小刻みに小移動を繰り返しているため。
 また、一定時間後(チャンス魔法陣4回分)渦は逆回転となる。
 撮影枚数に応じた強化は無い。
 
 太極拳は、我々に馴染み深いイメージとして
 中国の朝の公園などで緩やかな動きをする一団を想起する。
 健康・長寿に良いという印象であり、武術は少し連想しにくいかもしれない。
 これは中国政府の推奨により広められた制定拳が主であり
 健康運動と伝統文化の普及を目的としたものである。
 武術面での本質は伝わらず、武術としての認識も伴わずに広められたため
 伝統的な太極拳に関わる人々からの批判もあるらしいが、近年では
 制定拳の武術的意味が再考されたり、運動競技としての比重も大きくなってきてもいる。
 
 緩やかな動作を基調としながらも、緩急と緊張を内包する拳法であり、
 古い歴史と高い実用性、高度な技術を備えた武術といわれる。
 発勁(はっけい)、すなわちを用いた打撃にも長ける。
 勁は力とだいたい同義だが、前者は気で発されるものであり、
 後者は骨と筋肉で発されるもの、と区別されることもある。
 武術における「」とは、伸筋の力、張る力、重心移動の力と言われることが多い。
 震脚による踏み込みや素早い重心の移動など、急激な運動量増加で撃力を増強することもある。
 全身の力を一部分に集中させ発することで、至近距離でも相手を吹き飛ばす力量を有するそうな。
 太極拳では、全身の力を最大限に引き出すため姿勢が特に重要視され、
 修練時には特にゆっくりとした動作である。
 
 太極拳は、清代までには存在していたものとされ、後に武術理論の重視から
 道教の陰陽五行説、太極思想が取り入れられ、太極拳と名付けられたとの説がある。
 太極については、東方妖々夢事典;結界「動と静の均衡」に記したので参照されたい。
 今回の美鈴は、極楽浄土、自然美と無常観、そして宇宙論と、豪華絢爛。
 
 東儀秀樹(TOGI+BAO)の作品に「春色彩華」がある。
 関連は不明。

 参考
 「Wikipedia」(太極拳発勁太極
 「Yahoo!辞書」(太極拳)



日&月符 「ロイヤルダイアモンドリング」
 
 [スペル]
 
 パチュリーのスペル。
 パチュリーから3本の曲線を描く様に点滅体が次々に出現。
 点滅体は弾丸と予告線を伴う。
 予告線に沿って、曲線の接線外側にレーザーブレードが次々発生し、順次消滅して行く。
 また、弾丸はブレードの逆方向へ飛び去って行く。
 撮影枚数に応じた強化は無い。
 
 ・diamond ring …「ダイヤモンドリング、ダイヤの指輪、光輪、ダイヤモンド環」
 
 Royal Diamond Ring.
 「壮麗なるダイヤモンド環」
 
 「ダイアモンドリング」は皆既日食の際に見られることのある天文現象。
 地球から見て太陽との直線上に月が割り込む時に見られるのが日食である。
 太陽が月によって覆い隠される。
 地球からの視直径では太陽も月も同等だが、月軌道が完全な円形ではなく楕円であるため
 月の視直径は微妙に変動する。
 月が太陽全体を隠す場合を皆既日食と呼び、
 月の外側に太陽がはみ出して細い光輪状に見える場合を金環日食と呼ぶ。
 皆既日食にて太陽がすべて隠れる直前と直後には、
 太陽の光が一箇所だけ漏れだして輝く瞬間があり、これをダイアモンドリングと呼ぶ。
 月の表面には起伏があり、その谷間を通して光が漏れ出るのである。
 
 日食自体は地球全体で見れば年に2〜4回起きているが、
 観測自体は月の影に入る
地域でしかできないため、
 一地域に限れば日食を見ることが出来る頻度は少なくなる。
 月の本影に入る機会と地域はさらに限られるため、
 能動的に動かなければ、皆既日食などの観測は非常に稀となる。
 今後50年内に日本で観測出来る皆既日食は次の様である。
  2009年7月22日、屋久島〜奄美大島で皆既日食
  2035年9月2日、富山〜茨木にかけて皆既日食
  2042年4月20日、伊豆小笠原諸島南端で皆既日食
 
 太陽と月の関わる天文現象であるため、日&月符
 覆い隠されているとは言え、太陽。下手に視てると、
 皆既日食からダイヤモンドリングに移行し、うぉっまぶしっ!

 参考
 「SPACE ALC」(diamond ring)
 「Wikipedia」(日食
 「Star&Eclipse」>日食情報 >21世紀に日本で見える皆既日食



 項目LV1LV2LV3LV4LV5LV6

LV7 / LV8LV9LV10 / EX

Acknowledgements & References

東方備望録TOPへ戻る