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メディスン・メランコリー
 
 [キャラクター]
 
 エンディングを9つ見ると使用できるキャラ。
 「小さなスイートポイズン」
 元は普通の人形であったが、鈴蘭畑で長い年月を経て妖怪化した人形。
 人の形をした物には霊が憑き易いとか言われるが、
 さらに、周囲から人形としてのボディに浸透した鈴蘭の毒を媒介に
 身体を自在に動かせるに到った物。
 精神と身体を持つため、自律思考と自在な運動が可能である。
 毒を操る程度の能力を持つ。
 
 人間に作られ、人間に操られ、人間に捨てられた人の形を模したモノ。
 妖怪化し、毒を操る事で動物や人間を操る方法をも確立した人形。
 怨念がこもったとか恨みが増大したとかでは無いが、
 人形が人間に操られるモノであることに我慢はならず、
 人形解放を強く願っている。
 しかし、彼女の血肉は毒としての鈴蘭毒であり、
 妖怪化して数年来、鈴蘭畑より外へは足を踏み出せていない。
 また、彼女には賛同する人形の仲間はいない。
 それらは随意に動くことの出来ない普通の物体であり、足を踏み出すどころではないのだ。
 
 今年の鈴蘭畑は例年より様相が異なる。
 季節の頃合いを待たずして、丘の鈴蘭は一斉に開花し一面に広がる。
 生長に伴ってか毒も漲り、メディスンは力の充実と気持ちの昂ぶりを実感する。
 異変は幻想郷中に及んでいる様で、騒ぎ立つ人妖たちが広範に駆け巡り、
 普段は誰も踏み込まないこの地にも来訪者が絶えない。
 それらを撃退するうちに自信も昂じ、住処の外へ冒険してみることにしたが…
 魂に引き寄せられる様に赴いた塚で、彼女の、世の理に対する偏狭な見方が断罪される。
 
 ・medicine …「医学、医術(特に内科)、医療。医薬、薬剤、薬。まじない、魔法、魔除け」
 ・melancholy …「憂鬱、塞ぎ込み。もの悲しさ、哀愁。鬱病。不機嫌」
 
 ありとあらゆる物質・化合物は、その作用濃度あるいは作用量の違いこそあれ、
 人体になんらかの作用をもたらす。
 例えば、塩や砂糖なども大過剰摂取すれば死にも至る。
 主に有益な作用のものを薬と称し、
 主に有害な作用のもの、特に僅かな量で死をもたらすものを毒と称するが、
 いずれも人間が評価し区別しているに過ぎず、
 乱暴に言ってしまえば、毒も薬も人間の主観を除けば違いは無い。
 虫には毒の殺虫剤も、人間にとっては虫を殺すための薬である。
 一般には、強い副作用が懸念されるものの
 病態のリスクと副作用リスクを鑑みて使用される薬もあれば、
 通例は毒である物質を低用量で用いるなどして薬となす例もある。
 薬と毒は密接であり、メディスンの名はその語の意味する薬以外に
 毒とも関連するものと考えられる。
 野放しにされれば生物にとって毒としての振る舞いしか無いところ、
 世の理や人間との共生、その利益を理解させ関係を友好に保てば毒も薬となるのだ。
 もちろん、人間の主眼においての話だが。
 
 その昔、胆汁が人を憂鬱にさせるものと考えられていた。
 そのため、憂鬱(melancholy)の単語は黒い(melan)胆汁(choly)が語源である。
 鈴蘭に関わるのに衣装の一部が黒いのは、これに基づくのだろうか…。
 赤は医療(赤十字とか血とか)、あるいは赤いスイートピー?
 スイートピーどころかスイートP(ポイズン)だけど…。
 
 鈴蘭については次項にて。

 参考
 「キャラ設定.txt」
 「ジーニアス英和辞典」大修館書店

【改訂用の備忘録】
SF作家、レイ・ブラッドベリの作品に 「A Medicine for Melancholy」 がある。
表題作を含む短編集として出版されている。
表題作は、謎の奇病に侵された少女とその治療を巡る騒動の話。
メランコリィの妙薬とは…
…ネタバレは避けるが、メディスン・メランコリーには関係しない。
名前を取っただけということもあろうか。ということでひとまず、関連は不明。



無名の丘
 
 [ステージ]
 
 メディスンの対戦時ステージ。
 一面に鈴蘭が咲き誇り、毒も充満し舞い上がるほどの丘陵。
 普段は誰も訪れないというかほとんど誰にも知られていないような土地。無名。
 しかし盆地ではなく丘なのにガスが充満するという事は、
 相当量の毒の発散があるものと推測される。
 「どうなのかなぁ。少し毒が強すぎないかなぁ。」
 「スーさん。今年のスーさんはちょっと咲きすぎかしら?」

 
 スズランは、4月下旬から5月中旬頃に芳香のある鈴のような白い花を複数個
 葉に隠すように開花する多年草。
 谷間のユリ(Lily of the valley)の別名があり、
 和名としては君影草という異称もある。
 鈴蘭とはいっても蘭科ではなく、ゆり科の植物。
 花言葉は「純潔」
 日本には在来種のスズラン(Convallaria keiskei)と、
 ヨーロッパ原産で主に観賞用のドイツスズラン(Convallaria majalis)が見られる。
 全草(根、葉、花、果実)に毒を持つ有毒植物で、
 牧草地などで動物にも食べられずに群生していることもある。
 有毒成分は花に最も多いが、その他の部位にも注意は必要で、
 スズランを活けた花瓶の水を誤飲した子供が死亡した例や
 芽生えの頃はギョウジャニンニクと似ているための誤食事故による死亡例も知られる。
 コンバラトキシン、コンバラマリン、コンバラマレチン、コンバロシドなどの成分を含む。
 コンバラトキシンなどの強心配糖体には心臓調整作用があり、
 軽度の心不全や心臓神経症、不整脈に用いられる例もあった。
 また、スズランの葉は染料に、スズランのエーテル油は香水にも利用される。
 コンバラトキシンなどの有毒成分は水溶性であるため、
 油中にはほとんど溶出されないのであろう。
 スズラン毒の中毒症状としては、嘔吐、悪心、下痢などの消化器障害に始まり、
 次いで、心筋の異常興奮による不整脈、心不全などの心臓作用が引き起こされる。
 重症の場合は、昏睡、麻痺、痙攣を起こし死に至る。
 
 もちろん、スズランの芳香が毒であるとかスズランが毒ガスを放出する事は無い。
 おそらくはメディスンがその能力で毒を操り、咲き乱れるスズランから得た毒素を
 大気中の水分に留めている結果、毒霧と化しているのではないかと思われる。
 吸引したり、皮膚に付着したりすれば呼吸器粘膜からや経皮的に血流に乗るのだろう。
 
 スズラン毒を集める呪文、コンパロコンパロは、
 スズラン毒のコンバラトキシンやコンバロシドをもじったものと思われる。
 Companion(仲間)とかの意味合いもあるだろうか。
 Compulsion(強制)とか…

 参考
 「毒のはなし」東京図書
 「Wikipedia」(スズラン
 「季節の花 300」>鈴蘭
 「深山毒草園」>スズラン
 「写真で見る 家畜の有毒植物と中毒」>目次 >スズラン



ポイズンボディ 〜 Forsaken Doll
 
 [音楽]
 
 〜メディスン・メランコリーのテーマです。
  花映塚の中では最も異色な曲。
  ちょっと西洋風で暗いイメージを持たせようと書いてみました。
  妙な高揚感を煽るボスっぽいこの曲は、懐かしいアーケードゲームの香りがプンプンします。
  曲の頭の鐘の音は、何だか頭がおかしくなりそうな不安定な音を醸し出しています。
  ここが毒。〜

 (曲解説より)
 
 ・poison …「毒、毒物、毒薬。有害なもの、害になるもの、害悪、害毒。きつい酒」
 ・forsaken …「(forsake の過去分詞)、見捨てられた」
 
 Poison Body.
 「毒の躯」
 捨てられた人形に
 魂が宿り 毒が満ち
 心となり 躯となり
 白の鈴が 葉影で偲ぶ様に
 毒の有機に包まれて
 愛らしくあれ 甘き毒
 
 あるいは、「毒身」…。

 参考
 「SPACE ALC」(poison、forsaken)



ポイズンピー
 
 [ショット]
 
 メディスンのチャージショット。
 「広範囲停滞ショット」
 固定軌道で中距離周囲に花弾を放射する。
 花弾はフィールドに設置され、短時間停滞する。
 
 ・pea …「エンドウ、エンドウに似た植物、豆粒大のもの」
 
 Poison Pea.
 「毒の豆(マメ科植物)」
 ピーは、マメ科の植物、ここではその花を指すだろうか。
 毒薬変じて甘露となる、
 毒が甘くなれば、ポイズンピースイートピーに。
 Sweet pea は、「甘い豆」「かぐわしい豆」の意味で、
 学名はLathyrus odoratus、マメ科。
 別名、麝香豌豆(ジャコウエンドウ)、麝香連理草(ジャコウレンリソウ)。
 桃色・白色・紫色など、花の色は種々存在する。
 スイートピーは、その種子に毒を持つことで知られる。
 コラーゲン合成阻害で知られるアミノプロピオニトリルが毒性成分で、
 火を通しても毒力は損なわれない。
 少量では問題無いが、大量摂取で頸椎麻痺や神経性ラチリスムを引き起こす神経毒。
 Lathyrus属(レンリソウ属)に起因する症状のため、ラチリスム。
 
 スイートピーは、シチリア島の原産で、野生品種はレンガ色の花だったが、
 品種改良を経て種々の色調の品種が作出された。
 ポイズンピーは、種子以外(特に花弁)にも毒を分布させた
 メディスンオリジナル品種だろうか。

 参考
 「ジーニアス英和辞典」大修館書店
 「季節の花 300」>スイートピー
 「深山毒草園」>スイートピー
 「ロゴスの森」>植物 >スイートピー
 「NeoChemir社」>SCAR WARS >Episode3



スウィートポイズン
 
 [ショット]
 
 メディスンのEXアタック。
 「視認性が悪く、動きが鈍くなる毒霧」
 相手フィールドに毒霧の充満する領域を設置する。
 ダメージは無いが、毒霧中では移動速度が低下し、
 自機や霊等も見えにくくなる。
 
 Sweet Poison.
 「甘き毒」「芳しい毒」
 スズランもスイートピーも良い芳香で知られる。
 「兎なんて珍しい。鈴蘭の香りに誘われたわね」(てゐストーリーより)
 と言っても、さすがに充満し濃縮された芳香は強い匂いとなり
 霊夢 「何よこの辺。ここは匂いがきつすぎるわよ!」(メディスンストーリーより)
 魔理沙「毒ガス事件の現場か?これはきつい。」(同上)
 
 Sweet には、「優しい、思いやりのある」といった意味もある。
 「さあ、鈴蘭の丘で毒の優しさに包まれて眠りなさい!」(ミスティアストーリーより)
 眠り……あまいいき!?
 
 coba のアルバムに「sweet poison 〜甘い毒薬〜」がある。
 また、複数のアーティストから「sweet poison」という楽曲が幾つか発表されている。
 関連は不明。



毒薬変じて甘露となる
 
 [カットイン]
 
 メディスンのカードアタック時カットインに書かれる。どくやくへんじてかんろとなる
 
 ことわざ、毒薬変じて薬となる、と同義。
 毒薬も使い方によって良薬に変わる。
 毒としての物質も、用法用量や送達システムの工夫により
 有益な治療薬として用いられることもある。
 また、医薬品の中にも毒に当たるものを毒薬、劇薬として区別し、
 その取扱いは薬事法により制限されている。
 
 毒薬
 ・微量で激しい作用を持ち、生命の危険を起こす薬物。
  薬事法によって厚生労働大臣が指定する医薬品で、劇薬より作用が激しいもの。
 
 甘露
 ・中国古来の伝説で、天子が仁政を施すと、天が感じて降らすという甘い露。
 ・梵語アムリタの漢訳。天上の神々の飲む、甘い霊液。不死を得るという。
  転じて、仏の教え、仏の悟りに例える。
 ・煎茶の上等なもの。
 ・夏に、カエデ・エノキ・カシなどの樹葉からしたたり落ちる甘い液汁。
 ・甘露酒。甘露水。
 ・非常においしいこと。甘くて美味なこと。また、そのさま。

 参考
 「体や病に関することわざ」>毒薬変じて甘露となる
 「Wikipedia」(
 「Yahoo!辞書」(毒薬、甘露)



毒符 「神経の毒」
 
 [スペル]
 
 メディスンのカードアタック、チャージ2目盛および3目盛。
 画面中央付近で炸裂した弾群が、微妙に弧を描いて飛び去る。
 チャージ2目盛では、小弾と粒弾で織り成され、
 チャージ3目盛では、楔弾と粒弾で織り成される。
 
 毒の中でも、体内に摂取されると神経系に障害を起こすものを神経毒と称する。
 中枢系での神経細胞同士のやりとりの遮断あるいは促進、
 末梢系での神経細胞と筋細胞の連関の遮断あるいは促進、
 または、神経細胞そのものに作用しての抑制あるいは亢進がその機構である。
 主立って、痙攣、麻痺、幻覚、ひいては死に至る諸症状を引き起こす。
 トリカブトのアコニチン、ベラドンナのアトロピン・スコポラミン、
 ジャガイモの新芽に含まれるソラニン、タバコのニコチン、
 フグ毒のテトロドトキシン、二枚貝のサキシトキシン、
 ベニテングタケのイボテン酸・ムスカリン、ボツリヌス菌のボツリヌストキシン、
 などなど、自然界を含め多種の神経毒が知られる。
 人工的なところでは、神経ガスのタブン・サリン・ソマンなどや
 殺虫剤(主に虫にとっての神経毒)の類も神経毒である。

 参考
 「Yahoo!辞書」(神経毒)
 「NEW 薬理学」南江堂
 「薬物!ねこねこ大事典



毒符 「憂鬱の毒」
 
 [スペル]
 
 メディスンのボスカードアタック。ゆううつのどく
 相手フィールドに送り込まれたメディスンの幻影が、
 粒弾と小弾を綯い交ぜに放射したり、
 左右どちらかから正面方向に向かって連射中玉で薙ぎ払ったりする。
 
 ・憂鬱 …「気持ちが塞いで、晴れないこと。草木が暗くなるほどに茂ること」
 
 憂鬱な気分、すなわち抑鬱状態や
 不安、焦燥、精神活動の低下、食欲低下や不眠などを主症状とする精神疾患が鬱病である。
 時に自殺企図を伴う気分障害である。
 発症要因は、遺伝素因に由来する内因性のもの、
 種々のストレスの蓄積に伴う反応性のもの、
 特定の病中や病後、外来物質により引き起こされる身体因性のものに分けられる。
 
 医薬品の副作用や身の回りの物質による中毒例として抑鬱症状が現れるものがある。
 医薬品による場合は、インターフェロンによる副作用が代表格で、
 抑鬱あるいは自殺企図が現れる可能性を、添付文書では「警告」に明示している。
 また、レセルピンなどにも抑鬱症状の副作用が発現することがある。
 毒物などは致死量に基づいて毒物あるいは劇物として区別されるため
 抑鬱症状が主作用であることは無いが、
 中枢毒性などに由来して抑鬱状態を示すものはある。
 
 憂鬱の毒は、中枢毒性に基づき抑鬱症状をもたらす植物毒だろうか。
 あるいは、メディスン特製の自殺企図毒とか
 「憂鬱」の別の意味から、あたりが暗くなるほどに鬱蒼とした毒霧の濃縮とか
 単純にメランコリーのメディスンとか、だろうか。

 参考
 「Yahoo!辞書」(憂鬱、抑鬱)
 「Wikipedia」(うつ病
 「医療用医薬品の添付文書情報



 

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