OP・ED / 博麗霊夢 / 霧雨魔理沙 / 十六夜咲夜 / 魂魄妖夢 / 鈴仙・優曇華院・イナバチルノ

リリカ・プリズムリバー / メルラン・プリズムリバー / ルナサ・プリズムリバー / ミスティア・ローレライ / 因幡てゐ

射命丸文 / メディスン・メランコリー / 風見幽香 / 小野塚小町 / 四季映姫・ヤマザナドゥ

 Acknowledgements & References

東方備望録TOPへ戻る


東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.
 
 [タイトル]
 
 東方シリーズ第9作、話としては妖々夢・萃夢想・永夜抄の翌年の春。
 ストーリーを東方文花帖(書籍)より抜粋。
 〜冬を耐え忍んだ彩の力が解放され、命芽吹く季節、春。
  花は咲き乱れ、妖精たちは騒ぎ立てる。
  ――しかし、まだ春だというのに一年中全ての花が咲き出していたら、
  それは異変でしかない。
  霊夢はいつものように、あてど無く神社を飛び出すのだった。〜

 
 花映塚は、「かえいづか」と読む。
 使用曲にも有るように、「花の映る塚」あるいは「花の映える塚」の意味合いだろうか。
 ・映る …「姿・形・影などが、反射や投影によって、他の物の上に現れる。
       色や物の配合がよく、つりあいが取れている。人の目にある印象を与える。」
 ・映える …「光を受けて照り輝く。引き立ってあざやかに見える。よく調和する。」
 作中に登場する、「無縁塚」とそこに咲き誇る「紫の桜」を指すものと思われる。
 
 関連はしないかもしれないが、
 本作のキャラクターとも関わりが深い小野小町の歌に、次のものがある。
 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
  (我が身を徒にこの世に置き、むなしく時を経るばかりの、物思いをしていた間、
   空からは春の長雨が降り続けていたその間に、花は色褪せてしまった。)
 百人一首の第9首でもある。(9!)
  「」…ここでは古今集の配列から桜を指すと考えられている。
  「移りにけりな」…以前とは変わってしまった。
   花の色と自身の容色を掛け、時が経って共に失われたという意味合い。
  「世にふる」…世にあって時を経る。恋に人生を費やす、という意味も掛かる。
   「ふる」は「経る」の意味と、次の「ながめ(長雨)」に「降る」として掛かる縁語。
  「ながめ」…じっと物思いに耽る。「長雨」と掛詞。
 東方花映塚の花の異変は、死を自覚しない多量の幽霊が
 幻想郷中の草花に憑依してしまったことで起こっている。
 無自覚な魂達は、自身の気質に適合する種の花に宿る。
 向日葵には陽気な魂が、
 彼岸花には寂しい性格の魂が、
 そして、紫の桜には罪深い人間の霊が。
 花は霊の気質を映す。
 小野小町の歌の上の句は主に桜の花を詠んだ部分であるが、
 それになぞらえれば、罪深い人間の魂を反映する紫の桜ととらえる事もできる。
 小野塚小町が霊を彼岸へ送れば、その分だけ異常に咲いた花も減る。
 しかし、徳のある霊から順番に彼岸に帰されるため、
 紫の桜が散るのは一番最後となる運命であり、
 それまではただいたずらに無縁塚と調和するのみである。
 そうこうしているうちに、長雨のように降り注ぐ桜花となるわけで。
 花の色は 映りにけりな いたづらに わが身世に降る ながめせしまに
 
 ・phantasmagoria …「移り変わる幻影、幻覚連鎖、走馬灯(のような幻影)」
 ・view …「見ること、視界、視野、光景、景色、意見、見識、概論、目的、信念、図」
 
 Phantasmagoria of Flower View.
 「花見の幻想」
 Cherry blossom viewing とか flower viewing で「花見」を意味する。
 幻想郷を覆いつくさんばかりに咲き誇る多種多量の花々。
 季節も無視して無闇に開花する、その華やかさや賑やかさとは裏腹に、
 密やかで幽かで儚い実体の、悲しい幻。
 作中には、「外の人間が見た幻の彼岸」という表現がある。
 外の世界が正常に戻れば、キャパを越えた幽霊の量も自然と減り、
 幻の彼岸は幻想の此岸へと戻り行く。

  参考
  「東方文花帖 〜Bohemian Archive in Japanese Red. 」ZUN、一迅社
  「Yahoo!辞書」(映る、映える)
  「千人万首 −よよのうたびと−」>小倉百人一首 >009
  「SPACE ALC」(phantasmagoria, view, 花見)



花映塚 〜 Higan Retour
 
 [音楽]
 
 タイトル曲。
 〜タイトル画面テーマです。
  いつもの曲ですね。ええ。
  ゲーム自体はここ暫くの間の中では一番バカになっているのに、
  この曲だけはいつものままです。
  ちょっとバカ度が足りないかもしれない。ここだけは幻想郷に。〜

 (曲解説より)
 
 ・彼岸 …「(仏教用語)生死の迷いを河・海に例えた、その向こう岸。悟りの境地。
       雑節の一、春分の日と秋分の日をそれぞれ中日とする各七日間。向こう側の岸」
 
 Retour は英語の return にあたるフランス語。
 英題は「彼岸回帰」、あるいは「彼岸帰航」。
 彼岸は春の彼岸、秋の彼岸ともに馴染み深いが、
 元々は、煩悩や迷いに満ちたこの世をこちら側の岸(此岸)とし、
 それに対する向こう側の岸ということで、煩悩を脱した悟りの境地を「彼岸」と言った。
 また、三途の川で言えば、向こう側の岸はすなわち死後の世界、あの世である。
 季節としての春の彼岸、
 彼岸花と関係して秋の彼岸、
 三途の川の対岸の彼岸と、
 本作の彼岸はすべて関連。
 「Retour」ということは、
 あの世(彼岸)へ至ることも輪廻の苦輪のうちで何度も繰り返されることで、
 魂の再訪を意味するか、むしろ極楽浄土から現世への転生や現世を「往路」と見たものか。
 
 英題は、服部克久の楽曲「一条戻り橋」の英題「Bon Retour」にちなむと思われる。
 Bon は英語の good にあたるフランス語で、
 Bon Retour は、Good Return、
 送る側からは「気を付けておかえり」、迎える側からは「よくぞ戻られた」という意味。
 服部克久氏は一条戻り橋から京都に関連して、「おはようお帰りやす」としている。
 このフランス語の bon を「盆」とシャレ、さらに連想で「彼岸」としたのが
 「Higan Retour」であろうと思われる。

  参考
  「Yahoo!辞書」(彼岸)
  「Wikipedia」(彼岸
  「服部克久ホームページ」>Works >音楽畑シリーズ >音楽畑19



達磨草・福寿草・山茶花・彼岸花・西行妖
 
 [タイトル]
 
 難易度表示。
 達磨草は Easy、「最も攻撃が少なく、穏やかな難易度です」
 福寿草は Normal、「標準的な難易度です」
 山茶花は Hard、「ある程度攻撃が激しい状態で始まります」
 彼岸花は Lunatic、「向こうの難易度です」
 西行妖は Extra、「降り注ぐ桜の花を避け続けろ」
 
 ・達磨草ダルマソウ
  座禅草(ザゼンソウ)の別名。
  サトイモ科の多年草。中部地方以北の山間の湿地に自生。全体に悪臭がある。
  4月頃、葉の開かないうちに、紫黒色の厚い仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた花をつける。
  座禅草の名は、仏像の光背に似た形の花弁の重なりが座禅を組む姿に見えることに由来。
  花を達磨大師の座禅する姿に見立てて達磨草とも言う。 《春》
 
 ・福寿草フクジュソウ
  キンポウゲ科の多年草。
  早春、黄色い花を1個開き、やがて茎が伸び、羽状に細かく切れ込む複葉を互生する。
  盆栽にして正月の飾り物とする。
  有毒で、根は強心薬になる。生薬の主要なグリコシドはアドニシドとアドニベルノシド。
  春を告げる花の代表であり、福寿草には新春を祝う意味がある。
  元日草(ガンジツソウ)や朔日草(ツイタチソウ)の別名もある。 《新春》
 
 ・山茶花サザンカ
  ツバキ科の常緑小高木。九州・四国の山地に自生。
  晩秋の頃白い花をつけ、散る時は花びらがばらばらに落ちる。
  種子から油をとり、材で器物を作る。園芸・観賞用としても栽培される。 《冬》
 
 ・彼岸花ヒガンバナ
  ヒガンバナ科の多年草。土手や田の畦に生える。
  秋の彼岸の頃、高さ約30センチの花茎を伸ばし、
  長いおしべ・めしべを持つ赤い6弁花を数個輪状につける。
  有毒植物であるが、鱗茎を外用薬とする。主要なアルカロイドはリコリン。
  別名は多く、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、死人花(しびとばな)、捨て子花、
  石蒜(せきさん)、天蓋花(てんがいばな)、天涯花、幽霊花、剃刀花、地獄花、狐花。
  日本では不吉であると忌み嫌われることもある。 《秋》
 
 ・西行妖サイギョウアヤカシ
  東方妖々夢に登場の妖怪桜。
  幽々子の遺骸と共に封印されており、
  東方妖々夢において幽々子の怪しげな術式をもってしても満開には至らなかった。
  その存在は八雲紫であっても警戒する。
  今回の異変は、冥界にまでは波及していないが。 《そして永遠に訪れない春》

  参考
  「Yahoo!辞書」(座禅草、福寿草、山茶花、彼岸花)
  「Wikipedia」(ザゼンソウフクジュソウサザンカヒガンバナ
  「毒のはなし」東京図書



映花一覧
 
 [タイトル]
 
 リプレイ鑑賞ルームのタイトル。
 紅魔郷、妖々夢、萃夢想、永夜抄での「○○なるリプレイを見よう!」とは趣を変えて、
 次項と形式を同じにしたタイトルとなっている。
 
 「映花」は辞書記載無し。
 花映塚に関連させたタイトルで、
 また、映える花とか映像の花とかの意味合いもありそう。
 映画とかけているとか。



戦花一覧
 
 [タイトル]
 
 スコア確認ルームのタイトル。
 紅魔郷、妖々夢、永夜抄でついていた「Result(あるいはHistory) of Score and Spell Card」
 の英題も付与されていない。
 
 「戦花」は辞書記載無し。
 「戦果」とかけているものと思われる。
 果物の実る前には花がある。
 本作は、花だらけ。



季候音楽室
 
 [タイトル]
 
 ミュージックルームのタイトル。
 
 ・季候 …「その季節の気候。季節や天候。時候」
 
 季候という言葉は、「四季七十二候」に由来する。
 1年を春夏秋冬の四季に分け、それぞれをさらに6つに分けた期間に該当するのが
 二十四節気である。(ちょっと大雑把な説明だが)
 二十四節気をさらに3つずつに分けた期間が七十二候である。
 
 本作では様々の花々が季節や気候に構わず華々しく自由に咲き乱れ、狂い咲く。
 季候に応じて楽しむ一年分の花見が一度に堪能できるわけである。
 また、本作のラスボスの名は四季映姫である。

  参考
  「Yahoo!辞書」(季候)
  「Wikipedia」(二十四節気七十二候



花の映る塚
 
 [音楽]
 
 会話曲。
 〜会話のテーマです。
  タイトル曲の編曲ですが、試合前の緊張感を少し加えてみました。
  よりいっそう幻想的になったかもしれぬ。
  ただ一つ問題があるとすれば、
  このゲームの試合前は緊張しない。
  最初から何か間違っている。〜

 (曲解説より)



此岸の塚
 
 [音楽]
 
 会話曲。しがんのつか
 〜会話のテーマ2です。
  終盤の会話曲ですが、終盤にはちったぁ、焦りの様な盛り上がりも欲しいので用意しました。
  すんごく短いし、これと言っていう事はありませんがな。
  まあ、一応東方らしさがプンプンする曲です。〜

 (曲解説より)
 
 ・此岸 …(仏教用語)「迷いの世界。悩みの多い現実世界。この世」
 
 此岸は彼岸の対義語。
 ここでは、三途の川を渡る前の、彼岸から見た対岸を指す。
 幻想郷の、三途の川縁に有る、紫の桜の下の無縁塚。

  参考
  「Yahoo!辞書」(此岸)



花は幻想のままに
 
 [音楽]
 
 〜エンディングのテーマです。
  どうなのかなぁ。
  東方のエンディング曲は、全体的にいつもバッドエンドの香りがプンプンするんですよね。
  もしかして、シューティングをクリアしてしまうこと自体、
  人生のバッドエンドなのかも知れない(いやそんな事は無い)〜

 (曲解説より)
 
 本作では、登場人物の手によって一気に異変が解決されはしない。
 少しずつ(小町が)時間と労力をかけて正規の手続きに沿って
 ゆっくりと解決されて行く。
 ストーリーをクリアしても、
 小町が為すべき仕事をほんのちょっと自覚して、
 プレイヤーキャラが説教から考えをほんの少しばかり揺り動かされただけにとどまる。
 (説教の効き目が無い者も中にはあるが)
 花は、花映塚のエンディングを経ても、やはりそのまま暫くは幻想郷に在る。



魂の花 〜Another Dream...
 
 [音楽]
 
 〜スタッフロールの曲です。
  いつものスタッフロールとは違う楽しげな曲を創ろうと思って、
  楽しくとも何ともない感じになってちょっと後悔。
  もっとどっちかに強く偏らせるべきなのかも。
  まあ、これで終わり感は出ているかな。
  と言うか始まり感のような気もする。
  曲は悪くはないですよね?〜

 (曲解説より)
 
 花の映すは魂たちの気質。
 魂が宿り、季節にそぐわない花も乱れ咲く。
 花を咲かせた魂は、六十年に一度の幻の幻想郷を目撃する。
 それは、生と死の間の、この世とあの世の間の、彼岸と此岸の間の、
 束の間の夢。



 OP・ED / 博麗霊夢 / 霧雨魔理沙 / 十六夜咲夜 / 魂魄妖夢 / 鈴仙・優曇華院・イナバチルノ

リリカ・プリズムリバー / メルラン・プリズムリバー / ルナサ・プリズムリバー / ミスティア・ローレライ / 因幡てゐ

射命丸文 / メディスン・メランコリー / 風見幽香 / 小野塚小町 / 四季映姫・ヤマザナドゥ

 Acknowledgements & References

東方備望録TOPへ戻る